
建設業・建築業界の採用が難しいのは働き手に対して求人が多いからです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍(厚生労働省・2026年8月)。職種別・会社規模別の最初の一手と手法9つの比較表、求人に書く内容を解説します。(2026年10月更新)
建設業・建築業界の採用が難しい最大の理由は、求人に対して働き手が少ないことです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍、建設躯体工事従事者は8.25倍で職業計の1.06倍を大きく上回ります(厚生労働省・2026年8月)。
ここでいう有効求人倍率とは、ハローワークに出ている求人の数を仕事を探している人の数で割った値です。数字が大きいほど、1人の求職者を複数の会社が取り合っている状態を表します。以下では倍率の背景にある事情を5つに分けて整理します。
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」(2026年10月2日公表)では、職業ごとの有効求人倍率が次のとおり示されています。数字はいずれも2026年8月・常用・パートを含む値です(出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」)。
| 職業 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 職業計 | 1.06倍 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.71倍 |
| 建設躯体工事従事者 | 8.25倍 |
| 建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 4.37倍 |
| 土木作業従事者 | 6.71倍 |
| 電気工事従事者 | 3.23倍 |
「建築・土木・測量技術者」は、施工管理や設計の職種を含む区分です。施工管理だけや建築士だけの倍率は公表されていないため、この区分の数字として読んでください。報道でよく見る全体の倍率とは集計の方法が違うので、並べて比べることはできません。
国土交通省がまとめた資料(2026年4月)によると建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに減って、2025年は478万人です。内訳を見ると、技能者は455万人から296万人に減りました。技術者は41万人で、1997年と同じ水準を保っています(出典: 国土交通省「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会 とりまとめ 参考資料集」)。
年齢の構成にも偏りがあります。同じ資料では2025年の建設業で55歳以上が36.6%(全産業は32.8%)、29歳以下が11.9%(全産業は17.0%)です。新規学卒者の入職は3.8万人で、入職割合は5.5%でした。
現場を支えるベテランが引退していく一方で、入れ替わる若手が十分に入ってきていない構図です。いまの年齢構成のままでは、人手不足がすぐに解消するとは考えにくい状況です。
求職者が建設業を避ける理由として、休日の少なさや長時間労働への不安が挙げられます。ネオキャリア(みんなの採用部)調べ(2026年3月実施)では、施工管理職を採用する建設会社の担当者に採用が難しい理由を聞いています。「きつい・汚い」などのイメージが根強いことが49.0%で、ワークライフバランスを重視する求職者から敬遠されやすいことが44.1%でした。
この調査は、2025年に施工管理職を10名以上中途採用した従業員1,000名未満の建設業の採用責任者・担当者102名への回答です。施工管理職についての回答ですが、技能者や設計職の採用でも同じ不安が応募のハードルになっている会社は少なくないでしょう。
採用できても定着しなければ、採用にかけた費用と時間は戻ってきません。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(令和4年3月卒業者・2025年10月公表)によると、建設業の3年以内離職率は高卒が41.4%(全産業は37.9%)で、大卒が30.5%(全産業は33.8%)です(出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。
高卒は全産業より高く、大卒は全産業より低い結果です。高卒で入社した若手が3年のうちに4割辞めている計算になるため、採用と同じだけ入社後の受け入れにも手をかける必要があります。
建設会社では経営者や総務部長、現場の責任者が採用を兼ねていることが少なくありません。現場の工程が優先になると、応募への返信や面接日程の調整が後回しになります。その間に候補者は他社へ流れます。
採用にかかる費用も上がっています。先ほどのネオキャリア調べでは、施工管理職1名あたりの採用コストは「50〜99万円」が28.4%で最多です。「100万円以上」は38.2%でした。前年より採用コストが増えたと答えた会社は57.9%です(出典: ネオキャリア(みんなの採用部)調べ)。
人手不足が経営に与える影響も出ています。帝国データバンクの調べでは、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の人手不足倒産は441件でした。年度で初めて400件を超えています。そのうち建設業は112件(25.4%)で、業種別で最も多くなっています(出典: 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」)。
2024年4月に時間外労働の上限規制が建設業にも適用され、改正建設業法も2025年12月12日に完全施行されました。休日・残業・賃金の水準を求人に事実で書ける会社が、候補者に選ばれやすい環境に変わっています。
法改正は採用を直接助けるものではありません。ただ、候補者が最も気にする働き方の条件を会社が説明しやすくなる土台にはなります。ここでは採用に関わる範囲に絞って確認します。
建設業にも2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間までです。
特別条項を結んだ場合でも、上限は3つあります。年720時間以内・単月100時間未満(休日労働を含む)・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)です。月45時間を超えられるのは年6か月までです。災害の復旧・復興の事業は、単月100時間未満と複数月平均80時間以内の2つだけが適用されません(出典: 厚生労働省「建設業の時間外労働の上限規制」)。
改正建設業法は2024年6月に公布され、3段階に分けて施行されました。2025年12月12日の施行で、すべての規定が適用されています(出典: 国土交通省「改正建設業法・入契法について」)。
| 施行日 | 始まったこと |
|---|---|
| 2024年9月1日 | 中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成して勧告できるようになった |
| 2024年12月13日 | 資材高騰時の価格転嫁の協議を円滑にするルール、監理技術者などの専任義務の合理化、処遇確保とICT活用の努力義務が始まった |
| 2025年12月12日 | 著しく低い労務費による見積りの禁止、原価割れ契約の禁止の受注者への適用、著しく短い工期での契約の禁止(工期ダンピング対策)が始まった |
2025年12月2日には中央建設業審議会が「労務費に関する基準」を作成し、実施を勧告しています。完全施行の内容は国土交通省の報道発表で確認できます。
候補者は求人票で休日・残業時間・賃金の水準を見ています。上限規制と改正建設業法は、これらを守りやすい環境をつくるルールです。守れている会社はそれをそのまま求人に書けます。
反対に休日や残業の実態を書けない状態なら、求人を増やす前に直す点があります。現場の工程の組み方や発注者との工期の調整など、採用の外側にある課題が原因のことも多いためです。まず自社の実態を確認してから、求人の書き方を考えましょう。
建設会社の職種は施工管理・技能者(職人)・設計と積算・営業・事務とCADオペレーターの5つに分けて考えると整理しやすくなります。職種によって主な採用経路と決め手が違うため、一括りで「建設業の採用」と考えると手が打ちにくくなります。
| 職種 | 採用の難しさ | 主な経路 | 決め手になること |
|---|---|---|---|
| 施工管理(技術者) | 建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍で、経験者の取り合いになる | 人材紹介、求人媒体、ダイレクトリクルーティングが中心になる | 担当する現場の規模と種類、残業と休日の実態を具体的に示せるか |
| 技能者(職人) | 建設躯体工事従事者の有効求人倍率は8.25倍で、最も倍率が高い | 知り合いの紹介、ハローワーク、学校、求人媒体を組み合わせる | 月給制か日給制か、社会保険の加入、先輩から技術を教わる環境があるか |
| 設計・積算 | 経験者が少なく、会社ごとに必要な経験が違う | 人材紹介、ダイレクトリクルーティング、知り合いの紹介が中心になる | 担当する物件の種類と、設計から現場までどこまで関われるか |
| 営業 | 建設業界の経験の有無で、探す範囲が大きく変わる | 求人媒体、人材紹介、ダイレクトリクルーティングを使う | 扱う工事の種類、新規開拓か既存顧客の対応か、評価の仕組み |
| 事務・CADオペレーター | 応募は集まりやすいが、現場の流れを理解しているかで差が出る | 求人媒体、ハローワーク、人材紹介を使う | 残業の少なさ、現場と本社のどちらで働くか、未経験からの育成の有無 |
技能者と施工管理を1つの求人にまとめると、どちらの候補者にも自分の仕事の話だと伝わりにくくなります。技能者が知りたいのは月給制かどうかや先輩から教わる環境で、施工管理が知りたいのは担当する現場と残業の実態です。決め手が違うのに1枚に書くと、読む人は自分に関係のある箇所を探す手間がかかります。その結果、応募の前に離れてしまいます。
職種ごとに変えるとよい項目は、次の3つです。
求人を分けても会社の紹介文や休日の考え方といった共通部分は、同じ文面で使えます。職種が増えるほど、共通部分を1か所で管理しておくと直すときの手間が少なくなります。
職種ごとに詳しい進め方は、別の記事にまとめています。施工管理は工種や受検資格の話が多いため、施工管理の採用で解説しています。営業職の進め方は営業職の採用方法と見極め方にあります。
会社の規模や業態によって、最初に手をつける施策は変わります。従業員30名以下の専門工事会社なら知り合いの紹介と求人の書き直し、100名以上の総合建設会社なら複数職種の採用の仕組みづくりから始めるのが現実的です。
自社が下の表のどれに近いかを確認し、「最初にやること」の1つから始めてください。採用に使える時間や担当者の数が限られているほど、やることを絞るほうが成果につながりやすくなります。
| 会社の種類 | よくある悩み | 最初にやること |
|---|---|---|
| 総合建設会社(従業員100名以上) | 施工管理や設計、営業など複数の職種を同時に採用する必要があり、職種ごとの担当者がいない | 職種ごとに採用の目標人数と時期を決め、採用の窓口を1つにまとめる |
| 設備工事会社 | 現場の仕事の価値が求職者に伝わらず、地味な仕事に見られる | 仕事が暮らしの何を支えているかを、実際の場面で言葉にして求人に書く |
| 専門工事会社(従業員30名以下) | 採用の専任者がいない。求人を出しても応募が来ない | 現場の社員と取引先に知り合いの紹介を頼み、求人票に休日や担当現場を具体的に書き直す |
| 工務店・住宅・リフォーム会社 | 地域の中で知られておらず、応募が集まりにくい | 完成した物件や職人の様子を、自社サイトとSNSで継続的に見せる |
複数の職種を同時に採用する会社では、窓口がばらばらになりやすくなります。職種ごとに応募者への返信のスピードや面接の進め方が違うと、候補者の印象にも差が出ます。
最初に、採用の窓口と選考の流れを1つにそろえてください。そのうえで職種ごとに採用の目標人数と時期を決め、使う手法を分けます。複数の職種の採用をどう設計するかから相談したい場合は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。支援会社を比べたい場合は、採用コンサルティング会社の比較も参考になります。
設備工事の仕事は住む人が毎日使う水・空気・お湯・電気を支えています。ところが求職者には、完成すると見えなくなる地味な仕事に映りがちです。最初にやるのはその価値を現場の言葉から取り出すことです。
手順は3つです。まず現場の社員に「この仕事をしていて住んでいる人から言われてうれしかったこと」を聞きます。次に聞いた話を「朝にお湯が出る」「夜に部屋が暖かい」のような毎日の暮らしの動作に置き換えます。最後に置き換えた言葉を求人の冒頭に書き、仕事内容の説明はその後ろに続けます。
置き換えの具体例は後の章で紹介するガスと住宅設備の工事会社の事例が参考になります。書いた求人は現場の社員に読んでもらってください。自分の仕事として違和感がないかを確かめると、実態とずれた表現を避けられます。
小さな会社は費用をかけた採用手法より先に、社員や取引先からの紹介を整えるほうが手を打ちやすい場合があります。「どんな人に来てほしいか」を1文で書き出して現場の社員に伝えるだけでも、紹介は出やすくなります。
次に、求人票を見直します。休日・残業の実態・担当する現場・資格手当を具体的に書くだけでも、候補者が自分の働く姿を想像しやすくなります。書き方は後の「求人で何を伝えれば応募が増えるのか?」で説明します。
工務店や住宅会社は、地域の中で名前を知られていないと求職者が会社を探す段階で候補に入りません。最初にやるのは完成した物件と職人の仕事ぶりを自社サイトとSNSで継続して見せることです。
手順は3つです。まず、見せる素材を決めます。施工の前後・職人が作業している様子・完成した家のこだわりが候補になります。住んでいる人が写る場合は、掲載の許可を先に得てください。
次に、続けられる頻度を決めます。月に数回でも途切れずに更新するほうが見てもらえます。最後に求人票や応募のページから、その発信にすぐ移れるようにします。応募を迷う人は会社の雰囲気を確かめてから決めるためです。
発信を担当する人が1人に偏ると続かなくなります。現場の職人にも写真を撮ってもらうなど負担を分けておくと続けやすくなります。
建設業の採用で使われる主な手法は、ハローワーク・求人検索エンジン・求人広告・人材紹介・ダイレクトリクルーティング・リファラル採用・学校・採用サイトとSNS・採用代行(RPO)の9つです。職種と会社の規模に合わせて、2〜3つを組み合わせます。
採用代行(RPO)とは、採用活動の一部または全部を外部の会社に任せるサービスです。
| 手法 | 向いている職種 | 向いている場面 | 注意すること | 社内の工数 |
|---|---|---|---|---|
| ハローワーク | 技能者、事務 | 費用をかけずに、地元で働きたい人に出会いたいとき | 応募を待つ形なので、求人票の書き方で結果が分かれる | 少ない |
| 求人検索エンジン | 技能者、営業、事務 | 求人を広く見てもらいたいとき | 掲載する求人が多く、条件が目立たないと埋もれる | 少ない |
| 求人広告(建設特化の媒体を含む) | 技能者、施工管理、営業 | 応募の数を集めたいとき | 掲載しても応募が来ない場合があり、費用がかかる | 中程度 |
| 人材紹介 | 施工管理、設計・積算 | 経験者を早く採用したいとき | 入社する人の年収の一定割合が費用になる。要件と見送りの理由を共有しないと、合わない紹介が続く | 少ない |
| ダイレクトリクルーティング | 施工管理、設計・積算、営業 | 転職を考え始めたばかりの経験者に、会社から声をかけたいとき | 候補者ごとに文面を書き分けないと、返信が来にくい | 多い |
| リファラル採用 | 技能者、施工管理 | 社員や取引先に、同じ職種の知り合いがいるとき | 紹介してほしい人物像を具体的に伝えないと、紹介が出てこない | 中程度 |
| 学校(高校・高専・専門学校・大学) | 技能者、施工管理、設計 | 若手を育てながら採用したいとき | 関係づくりに時間がかかり、毎年の継続が必要になる | 中程度 |
| 採用サイト・SNS | 全職種 | 応募した人が、会社と現場の様子を確かめられるようにしたいとき | 成果が出るまでに時間がかかり、継続して更新する必要がある | 多い |
| 採用代行(RPO) | 全職種 | 社内に採用の担当者がいない、または手が足りないとき | 任せる範囲と、社内で判断することを分けておく | 少ない(判断のみ) |
9つの手法は1つだけに頼らず、2〜3つを組み合わせて使うのが基本です。ここでは会社の状況ごとに3つの組み合わせを紹介します。自社に近いものを選び、足りない手法だけを足していく使い方を想定しています。
従業員30名以下で職人を採用したい会社は、リファラル採用・ハローワーク・求人票の書き直しを組み合わせます。職人の仕事は知り合いを通じて決まることが多いとされ、費用もかからないためです。ハローワークで受けた応募は、書き直した求人票で内容を伝えます。
100名前後で施工管理の経験者を採用したい会社は、人材紹介とダイレクトリクルーティングに選考の日数を短くする工夫を加えます。経験者は複数の会社から声がかかります。紹介とスカウトの両方で候補者に出会い、選考が遅れて他社に決まる流れを防ぐ必要があるためです。
若手を毎年採用したい会社は、学校との関係づくり・採用サイトやSNS・職場見学を組み合わせます。学校の先生に会社を知ってもらい、生徒が会社を調べるときの場所を整えます。さらに現場を実際に見てもらうと、入社後の姿を具体的に思い描けるためです。
先ほどのネオキャリア調べでは、施工管理職の採用で使った手法は求人媒体が43.1%でした。人材紹介が39.2%、自社採用サイトが35.3%と続きます。採用成果を高めるための取り組みとしては、カジュアル面接が42.2%で最多でした。出張面接が32.4%・SNSなどでの情報発信が30.4%・平日19時以降や土日の面接が27.5%です。
人材紹介の手数料は一般に入社する人の年収の30〜35%程度が目安とされます。年収600万円の人なら、180万〜210万円になる計算です。費用の考え方は採用コストの内訳と削減方法にまとめています。
手法ごとの特徴は職種を問わず共通する部分も多いため、全体像は採用手法の比較で確認できます。ダイレクトリクルーティングについてはダイレクトリクルーティングの進め方、リファラル採用についてはリファラル採用の始め方が詳しく扱っています。外国人材の採用は後の章(職人の採用)で扱います。
若手や新卒の採用には、学校との関係づくりと入社後3年間の育ち方を見せることが必要です。新規学卒者の建設業への入職は2025年に3.8万人で、入職割合は5.5%(国土交通省)です。人数が少ないため、学校への働きかけが差になります。
高校・専門学校・高専・大学からの採用では、求人票を出すだけでは応募が来にくくなります。進路指導の先生や学科の先生に、会社と仕事の内容を知ってもらう機会が必要です。
具体的には、学校への訪問・先生や生徒の職場見学の受け入れ・卒業生の社員の紹介が効果的です。毎年同じ学校と続けることで、先生の側にも会社の情報が積み上がっていきます。高卒採用の日程は高卒採用のスケジュールで確認できます。
建設の仕事は学生にとって具体的な姿が想像しにくい職業です。現場の見学や若手社員との座談会を設けると、仕事のイメージが具体的になります。
見学では仕事の完成した姿だけでなく、1日の流れと使う機械と先輩社員との関わり方も見せてください。「何を任されるのか」が分かるほど、入社後の不安は小さくなります。
先ほど見たとおり、建設業の高卒の3年以内離職率は41.4%です。若手が知りたいのは入社してから3年間で何ができるようになるかです。
1年目は先輩について何を学ぶか。2年目は何を任されるか。3年目にどんな資格や役割を目指すか。この流れを図や文章で見せると、入社後の姿を具体的に想像できます。新卒の応募を集める方法は新卒の母集団形成のガイドで解説しています。
職人の採用では、月給制かどうか・社会保険の加入・技能を記録する仕組みの3点を求人に明記することが応募する人の安心につながります。外国人材の受け入れも広がっており、特定技能1号の建設分野は52,132人です(2026年6月末・速報値)。
現場の天候や工程で働く日数が変わる職種では、日給で収入が決まる会社が多いと言われています。日給制だと休みや雨天で月の収入が変わるため、候補者は生活の見通しを立てにくくなります。
月給制にできる会社は、求人の冒頭でそれを書いてください。あわせて社会保険の加入・休日の取り方・資格を取るときの支援を具体的に書くと、候補者は安心して応募できます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者の資格や現場での経験を登録して記録する仕組みです。建設業振興基金によると、2026年7月31日時点で技能者の登録は約189万人で事業者の登録は約31.5万です(出典: 建設業振興基金「建設キャリアアップシステムの運営状況について」)。
自社でCCUSに登録していると、入社した職人の経験が記録に残る点を候補者に伝えられます。登録の有無は求人に書いておくと、技能を大切にする会社だと伝わります。
出入国在留管理庁の速報値(2026年6月末)では、建設分野の特定技能は1号が52,132人で2号が5,329人です。2号は分野別で建設が最多です(出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」)。また技能実習制度に代わる育成就労制度は、2027年4月1日に施行されます。
特定技能の「建設」は、現場で作業をする技能者のための在留資格です。外国籍の施工管理は「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で働くのが一般的ですが、個別に在留資格の確認が必要です。受け入れの条件や手続きは、制度ごとに異なるため事前に専門家や公的機関に確認してください。
応募を増やす求人は、仕事の価値・現場と働き方の実態・候補者の不安への答えの3つを具体的に書いています。ガスと住宅設備の工事会社では仕事の価値を言葉にした採用コンセプトをつくった結果、人材紹介会社からの紹介数が約3割増えました。
建設業の求人は、どの会社も「やりがいのある仕事」「アットホームな職場」と書いていて違いが見えにくくなっています。違いを出すには他社でも言える言葉を自社の仕事の具体的な場面に置き換える必要があります。
HeaRが支援した、ガスの保安点検と住宅設備工事を行う会社の例です。従業員は約300名で、地域限定で事業を行っていて転勤はありません。技術職はガス機器と住宅設備の設置、給排水設備工事の施工と施工管理を担当します。
課題は、暮らしに欠かせない仕事なのに、求職者には地味に見えて価値が伝わらないことでした。地域限定で少人数を採用するため、人材紹介会社からの紹介に頼る比重も高くなっていました。
HeaRは次の3つを提供しました。
結果として内定承諾率と選考の通過率が上がり、人材紹介会社からの紹介数が約3割増えました。自社の仕事が暮らしの何を支えているかを誰もが毎日している動作に置き換えて言葉にしたことで、候補者にも紹介会社にも仕事の価値が伝わりやすくなった事例です。採用コンセプトの考え方は採用ブランディングの進め方で解説しています。
求人票に書く項目は次のものが目安です。書けない項目はそれ自体が改善の対象になります。
数字を書く項目は実態のとおりに書いてください。実態より良く見せた数字は入社後の不満になり、早期の離職につながります。
建設業の求職者は、「建設業はやめたほうがいいのか」「きついのではないか」「将来性はあるのか」といった不安を抱えて検索しています。求人票や採用サイトでこれらの不安に先に答えておくと、応募への抵抗が下がります。
たとえば、残業の上限規制を守っていること・現場での安全の取り組み・入社後の育成の流れ・資格取得の支援を短い文章で書きます。不安を隠すより会社の取り組みを示すほうが、候補者に誠実な会社だと伝わります。
選考中に候補者が離れる主な原因は、返信の遅さと面接日程の長さです。入社後は受け入れの準備が定着を左右します。返信を早くして現場見学を組み込み、入社初日からの育成の流れまで決めておくことが効果的です。
応募があったら、その日か翌営業日までに返信しましょう。面接の日程は最初の連絡で複数の候補日を出します。この2つを守るだけでも、選考の途中で連絡が取れなくなる候補者は減ります。
先ほどのネオキャリア調べでも、平日19時以降や土日の面接を取り入れている会社は27.5%でした。カジュアル面接は42.2%です。仕事をしながら転職を考える人に合わせて面接の時間帯と形を柔軟にしている会社が一定数あります。採用にかかる日数の目安は採用リードタイムの平均と目標日数で、気軽に話す場の設け方はカジュアル面談のやり方で解説しています。
面接官が現場を知らないと、候補者の質問に答えられません。現場の責任者が面接に入るか、現場見学の時間を組み込んで実際に働く人の話を聞ける場をつくりましょう。
面接の前に、面接官が準備しておく点は次の3つです。
面接官の話し方や聞き方は、会社の印象を大きく左右します。面接官の育て方は面接官トレーニングの進め方、面接で聞く質問は面接の質問例にまとめています。
内定を出してから入社までの間に、候補者は他社と比べ続けます。内定後に連絡が途絶えると、辞退につながりやすくなります。内定後の連絡と、入社前の現場見学や社員との顔合わせを組み込んでおきましょう。内定を辞退されにくくする工夫は内定辞退を防ぐ方法に、承諾率の考え方は内定承諾率の平均と上げ方にあります。
入社後は最初の3か月に誰が教えるのか、1日の流れはどうなるのかを決めておきます。入社後の受け入れはオンボーディングの進め方で詳しく扱っています。
AIが役立つのは候補者への返信・面接日程の調整・応募書類の一次確認といった定型の工程です。採用を兼務する担当者が多い建設会社では、定型の工程をAIに任せると人は面接と候補者を口説く場面に時間を使えます。
工程ごとに、人だけで進める場合とAIを使う場合の違いは次のとおりです。
| 工程 | 人だけで進める場合 | AIを使う場合 | 人が確認すること |
|---|---|---|---|
| 応募への返信 | 担当者が1件ずつ文面を書いて送る | 応募した職種に合わせた返信の下書きをAIがつくる | 返信の内容が、自社の事実と合っているか |
| 面接日程の調整 | メールで候補日を何度もやり取りする | 候補日の提示と確定を自動化する | 調整がうまくいかなかった場合の対応 |
| 応募書類の一次確認 | 担当者がすべての書類を読む | 求める経験との一致度をAIが整理する | 見送る理由が妥当か、最終的な判断 |
| 求人原稿の下書き | 担当者がゼロから書く | 現場で聞いた内容をもとにAIが下書きをつくる | 休日や残業時間などの数字が実態と合っているか |
HeaRのAI-RPOの運用設計では、月30件の面接日程の調整にかかる時間がメールの往復で7〜8時間だったものが1時間前後になる試算です(採用リードタイムの平均と目標日数で紹介した試算と同じ前提です)。浮いた時間を現場の責任者との面談や候補者との対話に回せます。
ただし誰を採用するかの判断は、AIではなく人が行う部分です。求める人物像とAIへの指示を最初に人が決め、出力は人が確認する前提で使いましょう。AIを使った採用代行の詳細は、AI-RPOのサービス紹介をご覧ください。
社内で採用に使える時間が足りない場合や複数の職種を同時に採用する場合は、採用代行(RPO)や採用コンサルティングが有効です。HeaRは累計250社以上の採用を支援しており、施工管理や建築・土木の技術職を採用する会社も支援してきました。
次のような状態が続いているなら、外部に任せることを検討する時期です。
採用代行(RPO)は、候補者への連絡・日程調整・スカウトの送付・応募書類の一次確認などを任せられます。一方でどんな人を採用するかと誰に内定を出すかの判断は、社内に残してください。
任せる範囲を広げるほど、費用は上がります。採用代行の費用の目安は採用代行(RPO)の費用相場に、会社の選び方は採用代行おすすめ比較にまとめています。採用戦略の設計から相談したい場合は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。
A. 求人に対して働き手が少ないことが最大の理由です。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍、建設躯体工事従事者は8.25倍で職業計の1.06倍を上回ります(厚生労働省・2026年8月)。休日や労働時間への不安といったイメージも、応募のハードルになっています。
A. 断定はできませんが、すぐに解消するとは考えにくい状況です。建設業の就業者は685万人(1997年)から478万人(2025年)に減り、55歳以上が36.6%で29歳以下が11.9%という年齢構成になっています。若手が入ってくる流れを会社が自らつくることが、人手不足の中で人を確保する方法です。
A. まず求人票の書き方を見直します。休日・残業時間・担当する現場・資格手当を具体的に書いているかを確認してください。それでも応募が来ない場合は、採用手法が職種に合っているかを職種別の表で確認します。
A. 従業員30名以下の会社なら、社員や取引先からの紹介と求人票の書き直しから始めるのが手を打ちやすい方法です。費用をかけずに始められ、採用の担当者がいなくても進められます。そのうえで、ハローワークや求人検索エンジンを組み合わせます。
A. 学校との関係づくりと入社後3年間の育ち方を見せることが中心です。高校や専門学校の先生に会社を知ってもらい、職場見学を受け入れます。入社後の流れを具体的に示すと、若手の不安が小さくなります。
A. 違います。職人は知り合いの紹介・ハローワーク・学校が中心で、月給制や社会保険の加入が決め手になります。施工管理は経験者の取り合いになるため、人材紹介やダイレクトリクルーティングが中心で担当する現場と働き方の実態が決め手です。
A. 現場で作業をする技能者には、特定技能の建設分野があります。1号は52,132人、2号は5,329人です(2026年6月末・速報値)。技能実習に代わる育成就労制度は、2027年4月1日に施行されます。施工管理として働く場合は別の在留資格になることが多いため、個別に確認が必要です。
A. 使えます。HeaRでも、施工管理や建築・土木の技術職を採用する会社を支援してきました。返信・日程調整・スカウトの送付などの定型の工程を任せ、誰を採用するかの判断は社内に残す形が一般的です。
建設業・建築業界の採用が難しいのは、求人に対して働き手が少なく就業者の高齢化も進んでいるからです。まず自社の職種と会社の規模に合う最初の一手を1つ決め、求人票に休日・残業時間・担当する現場を具体的に書き直しましょう。
法改正で、働き方を事実で説明できる会社が選ばれやすくなっています。採用手法は職種に合わせて2〜3つを組み合わせてください。選考中の返信を早くし入社後の受け入れも整えることで、せっかく採用した人が辞めにくくなります。
HeaRは累計250社以上の採用を支援してきました。採用戦略の設計から相談したい場合は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。
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