
高卒採用の二次募集は2026年10月から。いつから何ができるかを、2026年卒の二次募集と2027年卒の準備(求人票の申込み〜選考)に分けて月別に整理しました。一人一社制の最新状況(完全実施の県はゼロ)と、企業側が押さえるルール8ステップも解説します。(2026年9月更新)
2027年3月卒の高卒採用は、6月1日にハローワークで求人票の受付が始まり、7月1日から学校への求人票提示・企業訪問、9月5日から応募書類の提出(沖縄のみ8月30日)、9月16日から選考・内定開始という全国共通スケジュールで進みます。10月以降は二次募集の期間です(出典: 厚生労働省・高卒就職情報WEB提供サービス)。
| 時期 | 高校生の動き | 企業の動き |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 進路指導・三者面談が始まる | 採用計画・求人内容の決定。学卒求人説明会に参加 |
| 6月1日〜 | — | ハローワークへ求人を申込み(受付開始) |
| 7月1日〜 | 求人票の閲覧・職場見学の検討 | 学校への求人票提示・学校訪問。応募前職場見学の受け入れ |
| 9月5日〜 | 学校経由で応募書類を提出(沖縄は8月30日〜) | 応募書類の受付・選考日程の案内 |
| 9月16日〜 | 選考試験・内定 | 選考の実施・結果通知 |
| 10月〜 | 二次募集への応募 | 二次募集・追加求人の対応 |
| 3月 | 卒業 | 入社受け入れ準備 |
高卒者を対象とした採用活動は、毎年ハローワークから案内される年間スケジュールにもとづいて進行します。
ここでは、高校生と企業それぞれの動きを詳しく見ていきましょう。
高校生の就職活動は、2年生の終わりから3年生にかけて本格化します。2年生の1月〜3月に三者面談で進路を考え始め、3年生の4月からは就職説明会での情報収集が始まります。
7月〜8月は応募前職場見学を通じて応募先を絞り込む時期です。9月5日から学校経由で応募書類が提出され、9月16日に選考が始まります。一次募集で決まらなかった生徒は、10月以降の二次募集で就職活動を続けることになります。
企業側は6月1日のハローワーク求人受付から動き出します。7月1日に学校への求人票提示・学校訪問が解禁され、9月5日から応募書類の受付(沖縄のみ8月30日)、9月16日から選考・内定開始という流れです。
※2027年3月卒の採用選考スケジュール(出典: 厚生労働省)
最大の違いは「学校とハローワークを介する」ことです。求人はハローワーク経由で学校に届き、応募は学校経由、選考時期は全国一律に定められ、生徒への直接連絡は原則できません。大卒採用の自由応募・通年広報とは前提のルールが異なります。
| 観点 | 高卒採用 | 大卒採用 |
|---|---|---|
| 求人経路 | ハローワーク経由で学校へ | 自社サイト・求人媒体で直接 |
| 応募方式 | 学校経由(学校斡旋が中心) | 自由応募 |
| スケジュール | 全国一律(求人受付6月・選考9月16日〜) | 企業ごとの裁量 |
| 候補者への直接連絡 | 原則不可(学校を介する) | 可能 |
| 選考の型 | 応募解禁後の試験・面接が中心 | 複数回の面接が一般的 |
このため、大卒採用の手法をそのまま持ち込むとうまくいきません。学校・ハローワークとの関係構築が採用活動の本体になります。
高卒採用は、行政・学校・経済団体による三者間の申し合わせに基づく独自ルールで運用されます。よく知られるのが「一人一社制」ですが、2027年3月卒では、応募解禁の9月時点で完全な一人一社制を維持している都道府県はゼロです。応募できる社数と時期の条件が県ごとに異なる制度になっています(厚生労働省・高卒就職情報WEB提供サービスの都道府県一覧より)。
応募解禁後の一定期間、生徒が応募できる企業を1社に限る運用です。生徒を守り、学校が進路指導をしやすくする趣旨で続いてきました。企業側には「応募してくる生徒は自社が第一志望」で辞退が起きにくい利点がある一方、母集団は広がりにくくなります。
厚生労働省が公開する都道府県別の申し合わせ一覧(2026年6月現在)では、応募解禁当初の9月から複数応募を認める都道府県が7つあります。
| 都道府県 | 応募解禁当初(9月)の条件 |
|---|---|
| 秋田 | 3社まで(県内求人に限る) |
| 茨城 | 2社まで |
| 埼玉 | 条件付きで複数応募可 |
| 愛知 | 条件付きで複数応募可 |
| 大阪 | 2社まで |
| 和歌山 | 県内企業に限り複数応募可 |
| 沖縄 | 3社まで |
残りの40都道府県も、10月または11月以降は複数応募が可能になります。つまり一人一社制は年間を通じた絶対のルールではなく、時期と社数の条件が県ごとに違う制度です。自社の所在県・採用したい県の最新条件は、管轄のハローワーク・労働局で確認してください。
学校・ハローワークとの信頼が損なわれ、翌年度以降の紹介・推薦に影響します。生徒への直接連絡や解禁日前の選考は行わないでください。高卒採用は、毎年の学校との関係の積み重ねで成果が出る採用手法です。
高卒採用は一般的な新卒採用と流れが異なるため、まず全体像を押さえましょう。大きく次の8つのステップに分かれます。
ここでは、それぞれのステップで注意すべきポイントを解説します。
第一歩は、ハローワーク主催の学卒求人説明会への参加です。求人手続きの流れや当年度の変更点が案内されるため、必ず出席してください。参加後は採用計画の方向性を再確認し、スケジュールに落とし込んでおくと後の工程がスムーズになります。
次に、ハローワークへ求人申込書を提出すると、高卒採用が正式にスタートします。求人条件や求める人材像は、生徒と先生が読んで具体的に働く姿を想像できる言葉で書くのがポイントです。
求人申込書が受理されたら、求人票のコピーを各学校へ提出します。求人票は学校が生徒に企業を紹介するための情報源です。提出時のやり取りを通じて、採用意欲を先生にしっかり伝えておくことも欠かせません。
応募前職場見学を受け入れると、職場の雰囲気や働く社員の様子を生徒に直接見せられます。生徒にとっては応募先を決める貴重な判断材料になる場です。見学時の質問には丁寧に答え、自社の魅力を伝える機会として活用しましょう。
9月5日以降、高校から応募書類が届き始めます(2027年3月卒の場合)。書類の内容を確認し、選考基準に沿って受け入れ準備を整えておくと、その後の選考が滞りなく進みます。
応募書類を確認したら選考試験の日程を決め、案内を書面で高校へ送付します。生徒に無理のない日程かどうかを確認し、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
選考試験は、応募者の能力や適性を見極める場です。試験内容は自社が求めるスキルに合わせて設計し、面接と筆記など複数の方法を組み合わせると、公平で総合的な判断がしやすくなります。
最後に、選考結果を採用通知書として書面で高校へ送付します。内定者への具体的な指示や今後のスケジュールも記載しましょう。結果を迅速かつ明確に伝えることが、内定者の安心と辞退防止につながります。
二次募集は、一次募集で内定に至らなかった生徒や、進路を変更した生徒を対象とする採用活動です。一次で採用しきれなかった企業にとっては貴重な補充の機会になります。ここではスケジュールと、応募してくる生徒の特徴を見ていきましょう。
二次募集は早い地域で9月末から始まり、10月〜11月中旬が中心です(都道府県により時期・条件は異なります)。一次で決まらなかった生徒に加え、進学や公務員試験から就職へ切り替えた生徒がこの時期に動きます。
企業側は求人票を改めて高校へ提出し、アプローチをやり直すことになります。募集期間が短いぶんスピードが問われるため、スケジュールの把握と柔軟な対応が成果の鍵です。
二次募集に動く生徒の事情はさまざまで、一次募集の生徒より成績や能力が劣るわけではありません。代表的な3つのタイプを紹介します。
企業とのマッチングが合わなかった、面接で緊張して実力を出せなかったなど、内定に至らなかった理由はさまざまです。能力不足とは限らないため、選考では生徒のポテンシャルを引き出す姿勢が重要になります。
部活動の引退時期によっては、就職活動の開始が二次募集からになる生徒もいます。スタートは遅くても、部活動で培った協調性や主体性、コミュニケーション力を備えているケースが多く、企業にとって貴重な戦力候補です。
大学進学や公務員試験を目指していたものの、就職へ進路を変えた生徒も二次募集の対象です。受験に向けて学習を続けてきたぶん、基礎学力や粘り強さを備えていることが少なくありません。柔軟性や適応力を活かせる人材と出会えるチャンスといえるでしょう。
| 項目 | 一次募集 | 二次募集 |
|---|---|---|
| 時期 | 9月16日の選考開始〜 | おおむね10月以降(都道府県で差) |
| 応募社数の条件 | 県の申し合わせによる(前の章を参照) | 多くの県で複数応募可に緩和 |
| 応募する生徒 | 第一志望で動く生徒が中心 | 一次で決まらなかった生徒・進路変更組 |
| 企業の動き方 | 6月からの準備が前提 | スピード勝負。書類から通知まで1〜2週間で |
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高卒採用は、始まる前の準備の質で結果が決まります。ここでは採用ペルソナの設定から面接担当者のアサインまで、事前に整えておきたい準備を順に解説します。
採用ペルソナとは、自社が求める応募者像を具体的に描いたものです。これが定まると採用活動全体の方向性がぶれなくなり、求人票の書き方も職場見学の設計も一貫します。スキルだけでなく、価値観や自社の文化との相性まで含めて言語化してください。
自社の強みを整理して言葉にできると、他社との差別化につながります。給与や福利厚生だけでなく、職場の雰囲気、働きやすさ、成長機会も立派な魅力です。設定したペルソナに響くポイントから優先して整理しましょう。
募集要項は、企業が期待することと採用要件を応募者に伝える文書です。職務内容・求める能力・人物要件を分かりやすく記載し、給与などの労働条件も詳しく書いておくと、生徒も先生も安心して応募に進めます。
ナビサイトへの掲載、採用パンフレット、採用サイトの整備、SNSアカウントの運用準備もこの段階で進めます。特にSNSは若年層に届きやすい手段なので、戦略的に使う価値があります。
選考で使う質問票と評価基準も事前に作っておきましょう。ペルソナにもとづいた質問を用意すれば適性や価値観を判断しやすくなり、評価基準を明確にしておくことで採用チーム内の評価のばらつきも防げます。
面接担当者は早めにアサインし、採用方針と評価基準を共有しておきます。面接は企業と生徒の最初の接点であり、担当者の振る舞いが結果を大きく左右します。事前の面談練習や研修まで済ませておくのが理想です。
企業合同説明会は、高校生と直接接点を持てる貴重な場です。出展枠には限りがあるため、開催案内をこまめに確認して早めに申し込みましょう。当日のパンフレットやプレゼンは、高校生の目線で興味を持てる内容に仕上げることが大切です。
A. 2027年3月卒は、ハローワークの求人受付が2026年6月1日に始まります。学卒求人説明会への参加、求人申込書の提出を経て、7月1日から学校への求人票提示が可能になります。
A. 応募解禁後の一定期間、生徒の応募先を1社に限る運用です。ただし2027年3月卒では、9月時点で完全な一人一社制の都道府県はゼロです。7県は解禁当初から複数応募可で、残る40都道府県も10〜11月以降は複数応募が可能になります。
A. おおむね10月以降です。都道府県により時期・条件が異なります。募集期間が短いため、選考から通知までを短く設計できるかが成果を左右します。
A. 学校とハローワークを介する点です。応募は学校経由で、選考時期は全国一律、生徒への直接連絡は原則できません。
A. 応募前職場見学は学校経由で申し込む見学で、選考ではありません。ただし、ここでの印象が応募の意思決定を大きく左右するため、実質的な勝負どころです。受け入れ体制と見せる内容を事前に設計しましょう。
A. 学校・ハローワークとの信頼を失い、翌年度以降の紹介・推薦に影響します。高卒採用は単年ではなく、毎年の関係構築で成果が積み上がる手法です。
A. 入社前後のギャップを減らす設計が鍵です。応募前職場見学で仕事の実際を見せる、配属先の上司が面談するなどの打ち手があります。詳しくはミスマッチ防止の資料にまとめています。
A. まず採用ペルソナの設定と自社の魅力の整理です(この記事の「やっておくべきこと」の章を参照)。採用ペルソナの作り方と採用ピッチ資料の作り方が土台になります。スケジュール全体の伴走が必要な場合は採用コンサルティングで支援しています。
高卒採用は、全国一律のスケジュールと、学校・ハローワークとの関係の上に成り立つ採用手法です。2027年3月卒は6月1日の求人受付に始まり、9月16日の選考開始、10月以降の二次募集へと進みます。
採用ペルソナの設定や自社の魅力の整理といった準備を早めに整え、学校との信頼を毎年積み重ねていくことが成果への近道です。本記事を参考に、余裕を持った採用活動を進めてください。
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