地方企業の採用が難しい理由と採用方法【2026年10月更新】|都道府県別の求人倍率・Uターン候補者への届き方・採用手法の比較

2026-10-27
•
2026-10-29

地方企業の採用が難しいのは、人が都市圏へ流出し、求人倍率の高い県が多く、知名度と給与でも都市圏に及ばないためです。有効求人倍率は福井県1.72倍に対し大阪府0.95倍でした(厚生労働省)。都道府県別の倍率・Uターン候補者への届け方・採用手法8つの比較を解説します。(2026年10月更新)

地方企業の採用はなぜ難しいのか?

地方企業の採用が難しいのは、人が都市圏へ流れ続けていること・求人倍率が高い県が多いこと・会社の知名度が地元の外に届かないこと・給与で都市圏に負けること・採用担当者がいないことが重なるためです。5つに分けると打ち手が決まります。

人が都市圏へ流出している

総務省の住民基本台帳人口移動報告では2025年も東京圏は12万3,534人の転入超過でした。転入超過は入ってきた人と出ていった人の差を指し、地方から都市圏へ移る流れが続いていることを示しています。数字は次の章で詳しく見ます。

地元の求職者だけに向けて募集していると、出会える人の数に限りがあります。地元を離れて都市圏で働く人にも届く形にしなければ、母集団は広がりません。

求人倍率が高い県が多い

厚生労働省の統計では2026年8月の有効求人倍率が最も高いのは福井県の1.72倍でした。全国は1.18倍で、大阪府の0.95倍のように1倍を切る地域は一部に限られます。

倍率が高い県では求職者1人に対して複数の求人が出ています。同じ県の会社同士で候補者を取り合う形になるため、募集を出すだけでは応募が集まりにくくなります。

会社の知名度が地元の外に届かない

地元では名前を知られている会社でも、都市圏にいる候補者は社名を聞いたことがありません。取引先や地域の人には知られていても、個人の転職先の候補には入っていない会社は珍しくありません。

候補者は知らない会社には応募しません。社名で検索されたときに何が出てくるかを整えるのが、知名度の壁に対する最初の対策です。

給与で都市圏に負ける

都市圏の大手企業や上場企業の提示額と並べられると、年収の額だけでは勝てない場合があります。給与テーブルをすぐに変えられない会社が多く、募集の段階で比較の土俵に載らないこともあります。

年収で勝てないなら、候補者が比べる別の軸を用意する必要があります。住まい・通勤・仕事の裁量など、見せ方で差がつく項目は次の次の章で整理します。

採用担当者がいない

地方の中小企業では経営者や総務の担当者が採用を兼務しているケースが目立ちます。募集文の作成・応募者への連絡・日程調整・面接まで、本業のあいまに1人で進めることになります。

応募への返信が遅れると、並行して受けている他社に決まります。兼務の体制でも回る最小の型を決めておくことが、後の章の中心です。

5つの理由と対応する章

理由 起きること 対応する章
人が都市圏へ流出している 地元の求職者だけでは母集団が足りない。 Uターン候補者への届け方の章
求人倍率が高い県が多い 同じ県の会社同士で候補者を取り合う。 採用市場の章・手法の比較の章
知名度が地元の外に届かない 都市圏の候補者に社名を知られていない。 採用広報の章
給与で都市圏に負ける 年収の比較で見送られる。 給与以外で選ばれる見せ方の章
採用担当者がいない 返信や日程調整が遅れて他社に決まる。 採用担当者がいない会社の章

地方の採用市場はどうなっているのか?

厚生労働省の統計(2026年8月)では、有効求人倍率は福井県が1.72倍で最も高く、大阪府が0.95倍で最も低くなりました。全国は1.18倍です。47都道府県のうち1.3倍以上は21県で、1倍を切るのは大阪府・福岡県・北海道の3つだけでした。地方では会社同士が候補者を取り合う状況が続いています。

倍率はハローワークに出た求人と求職者の数で計算されます。民間の求人媒体やスカウトの求人は含まれず、職種を問わない全体の数字です。傾向を見る目安として使ってください。

有効求人倍率の高い県と低い府県道

倍率が高い上位5県と、低い下位の府県道は次のとおりです。いずれも就業地別・季節調整値で、2026年8月の値です。

区分 都道府県 有効求人倍率
高い 福井県 1.72倍
高い 山梨県 1.71倍
高い 富山県 1.68倍
高い 島根県 1.60倍
高い 香川県 1.53倍
低い 大阪府 0.95倍
低い 福岡県 0.97倍
低い 北海道 0.98倍
低い 神奈川県 1.02倍
低い 兵庫県・和歌山県 1.05倍(同率)
参考 東京都 1.07倍
参考 全国 1.18倍

低い側に並ぶのは大阪府・福岡県・北海道・神奈川県のように大都市を抱える府県道です。東京都も1.07倍で、1倍前後の地域では求職者が多く、会社が候補者を選びやすくなります。一方で福井県や山梨県は1.7倍前後で、求職者より求人がはるかに多い状態です。地域によって差が大きいため、自社の県の数字を先に確かめてください。

HeaRの地域記事がある9地域の倍率

HeaRが人材紹介会社を整理している8県と四国ブロックの倍率です。数字は同じ統計の値で、地域名のリンクから各地域の記事に進めます。

地域 有効求人倍率 地域の記事
島根県 1.60倍 島根県に強い人材紹介会社
香川県 1.53倍 香川県に強い人材紹介会社
愛媛県 1.43倍 愛媛県に強い人材紹介会社
鳥取県 1.37倍 鳥取県に強い人材紹介会社
徳島県 1.30倍 徳島県に強い人材紹介会社
岡山県 1.29倍 岡山県に強い人材紹介会社
京都府 1.19倍 京都府に強い人材紹介会社
高知県 1.19倍 高知県に強い人材紹介会社
四国ブロック(徳島・香川・愛媛・高知) 1.38倍 四国地方に強い人材紹介会社

同じ地方でも倍率には幅があります。島根県と高知県は0.4ポイント以上開いており、同じ手法でも手応えが違うことは珍しくありません。自社の県の倍率が高いほど、地元だけで探す方法は苦しくなります。

人口移動の数字から見える候補者の居場所

総務省の住民基本台帳人口移動報告(2025年・2026年2月3日公表)では、東京圏は12万3,534人の転入超過で、前年に比べて1万2,309人縮小しました。日本人の移動者に絞ると11万2,738人の転入超過で、30年連続です。東京都だけでは6万5,219人の転入超過でした。

名古屋圏は1万2,695人の転出超過で、大阪圏は8,742人の転入超過です。縮小の動きはあっても、東京圏へ人が集まる流れは続いています。

ただし転入超過は入った人と出た人の差であり、Uターンした人の数そのものではありません。この数字から言えるのは、地方出身で都市圏に暮らす人が多く、その中に戻る選択肢を持つ人がいるという点までです。

給与で都市圏に負けても選ばれるには何を見せるのか?

給与で都市圏の大手に勝てないときは、住まいと生活費・通勤・仕事の裁量・地域との関わり・キャリアの見え方の5つを具体的に見せます。候補者が比べているのは年収の額だけではなく、暮らしと仕事の全体です。

この章に調査の数字はありません。HeaRが採用支援で見てきた、地方の会社で候補者の反応が変わった見せ方を整理したものです。どれも求人票・スカウト・面接のどこに書くかまで決めておくと使えます。

住まいと生活費を具体的に見せる

年収が同じでも家賃・駐車場代・食費を引いた後に残る額は地域で変わります。ただし「地方は生活費が安い」と書くだけでは伝わりません。住まいの候補・家賃の目安・社宅や家賃補助の有無を、候補者が比べられる形で出します。

都市圏から移る候補者には、現在の家賃を聞いたうえで地元の住まいと並べて見せると具体的になります。数字を出せない会社は、社員が実際に住んでいるエリアと間取りの例を紹介してください。

通勤と一日の流れを見せる

通勤時間の短さは地方の会社が持つ分かりやすい強みです。車通勤の可否・駐車場の有無・通勤にかかる時間を求人票に書きます。

あわせて、一日の流れを社員の声として載せると、働く姿が想像できます。朝の始業から退勤後の過ごし方まで書いてあると、都市圏での通勤時間と比べやすくなります。

仕事の裁量と任せる範囲を見せる

地方の会社は規模が小さい分、1人が任される範囲が広くなります。都市圏の大手では分業されている仕事を、最初から最後まで担当できる点は魅力になります。

「裁量が大きい」と書くだけでは伝わらないため、入社1年目の社員が担当した仕事の例を書きます。決裁の権限・予算・関わる人数まで書いてあれば、候補者は自分の姿を想像できます。

地域との関わりを見せる

地域に根ざした事業は、その土地の人にしか分からない魅力があります。地元の取引先・自治体との連携・地域の行事への参加など、事業が地域にどう関わっているかを具体的に示します。

Uターンの候補者は地元に貢献したい気持ちを持っている場合があります。会社の事業が地域の雇用や産業にどう役立っているかを、数字か実際の例で書いてください。

キャリアの見え方を見せる

地方に移ると「キャリアが止まるのではないか」と不安に感じる候補者は少なくありません。入社後に身につくスキル・昇進の道筋・将来的に都市圏の仕事に戻れるかを、先に答えておきます。

在籍する社員の経歴を紹介するのが効果的です。都市圏の会社から転職してきた社員が、いまどんな仕事を任されているかを書いてください。

見せ方の書き方の例

見せるもの 伝わりにくい書き方 伝わりやすい書き方
住まい 生活費が安く暮らしやすい地域です。 家賃補助は月◯円。社員の多くが会社から車で◯分の◯◯エリアに住んでいます。
通勤 通勤が楽です。 全員が車で通勤し、片道の平均は◯分です。駐車場は無料です。
裁量 裁量が大きい仕事です。 入社◯年目の社員が、新規の取引先の開拓から契約までを1人で担当しました。
地域との関わり 地域に貢献しています。 市内の◯◯社の取引を支え、市の事業にも協力しています。
キャリア 成長できる環境です。 東京の会社から転職した◯◯さんが、入社◯年目で事業の責任者になりました。

Uターン・Iターンの候補者はどこにいてどう届くのか?

Uターン・Iターンの候補者の多くは、いま都市圏で働いています。出身地・出身校・希望勤務地でダイレクトスカウトの対象を絞り、「なぜあなたに送るのか」と暮らしの情報を添えて送ります。自治体の移住支援金も組み合わせられます。

この章は上位の記事ではあまり扱われていない部分です。「地元に戻りたい人」を待つのではなく、こちらから探して届ける方法を順に整理します。

Uターン候補者は都市圏にいる

前の章で見たとおり、東京圏には毎年多くの人が転入しています。地方出身で都市圏の大学に進学し、そのまま就職した人も含まれるため、Uターンの対象は地元の外にいる人です。

マイナビの調査では2025年卒の大学生・大学院生3,017名のうち62.3%が地元(Uターンを含む)での就職を希望していました。Iターン就職に「働いてみたい」と答えた人は43.6%です。この調査は2024年5月発表の新卒向けのもので、中途採用の候補者の意向ではありません。それでも地元や地方で働くことに関心を持つ人が一定数いることを示す参考になります。

検索条件を決める

ダイレクトスカウトの媒体では、プロフィールの項目を検索条件にして候補者を探せます。使える項目は媒体によって違うため、自社が使う媒体で確認してから設計してください。

検索条件 探し方 注意すること
出身地 プロフィールの出身地や出身高校の所在地で絞る。 項目がない媒体では出身校から推測する。
出身校 地元の大学・高校の卒業者を探す。 地元の大学を出て都市圏で働く人が主な対象になる。
希望勤務地 希望勤務地に自社のある県を入れている人を探す。 数は少ないが、地元への関心が最も分かりやすい。
現在の勤務地 東京圏・大阪圏・名古屋圏などの勤務地で絞る。 地元に縁がある人かどうかは別の条件で確かめる。
職種・経験 募集する職種の経験年数やスキルで絞る。 先に採用のペルソナを決めておく。

条件を足すほど対象は減ります。最初は出身地か希望勤務地のどちらかを軸にして、返信が少なければ出身校や職種を広げてください。ペルソナの決め方は採用ペルソナの作り方で整理しています。

スカウト文面の型

Uターン向けの文面は、地元とのつながりを理由に送ったことを先に伝えます。流れは「なぜあなたに送るのか」→「会社と仕事の概要」→「暮らしの情報」→「次の一歩」の順です。

件名: 【◯◯県の営業企画の募集】◯◯県出身の経験を生かせるポジションです

◯◯様
はじめまして。◯◯県で△△を営む株式会社□□の採用担当です。プロフィールに◯◯県のご出身と記載があり、◯◯業界で営業企画を担当されてきたご経歴を拝見してご連絡しました。

当社は◯◯県内の約◯◯社と取引があり、営業企画を担う方を探しています。入社後は新規の取引先の開拓から提案までをお任せします。勤務地は◯◯市で、車で通勤できる範囲に住まいの候補があります。

すぐに転職をお考えでなくても構いません。オンラインで、いまのお仕事と当社の仕事についてお話しする場をつくれます。ご関心があればお返事ください。

返信率を上げるには「あなたのこの経歴を見て送った」という一文を具体的に書くことが基本です。一斉送信の定型文と分かる文面は読まれません。返信率の目安と改善の手順はスカウト返信率の平均と上げ方にまとめています。

自治体の移住支援金と組み合わせる

内閣府の「移住支援金」は、東京23区に在住または通勤していた人が地方へ移住して就業するときに、自治体から支給される制度です。世帯は100万円以内・単身は60万円以内で、18歳未満の人を帯同する場合は1人につき最大100万円が加算されます。

対象になる就業の形は、道府県のマッチングサイトに掲載された求人への就業・プロフェッショナル人材事業などの利用・移住前の業務のテレワーク継続などです。実施しているかどうかと細かい条件は都道府県・市町村ごとに違います。自社の所在地の自治体に、求人をマッチングサイトに載せる手続きと対象になる条件を確認してください。

候補者にとっては移住費用の負担が軽くなる情報です。対象になる場合はスカウトの文面や求人票に「移住支援金の対象です」と書いておくと、検討の背中を押せます。対象外の候補者に期待させないよう、条件は自治体のページへのリンクで補ってください。

Iターンの候補者には地域との接点から届ける

Iターンの候補者は、その地域に出身や家族の縁がありません。Uターンのように「地元だから」という理由が使えないため、地域のどこに魅力を感じてもらえるかを先に用意する必要があります。マイナビの調査では、Iターン就職に「働いてみたい」と答えた学生が43.6%ありました。関心を持つ人はいても、情報が届いていないだけの場合があります。

届け方は、いきなり入社を求めず、地域や会社との接点を小さくつくるところから始めます。オンラインの会社説明、社員との雑談の場、短期の滞在や職場見学などです。副業や業務委託から仕事を始めてもらい、お互いに合うかを確かめてから入社を決める形も考えられます。住まいと生活費の情報は、Uターンの候補者より長く丁寧に伝える必要があります。

遠方の候補者に合わせて選考を設計する

都市圏にいる候補者は、面接のたびに地方へ来ることが難しい場合があります。1次面接をオンラインにして、最終面接だけ来社してもらう形にすると負担を抑えられます。オンライン面接のやり方はWEB面接のやり方がわかるで整理しています。

来社が必要なときは交通費の負担と日程の調整を先に伝えます。オフィスや工場を見る機会は、働く姿を想像してもらううえでも役に立ちます。1回の来社で面接と職場見学と社員との食事を済ませる設計にすれば、候補者の負担は小さくなります。

地方企業の採用手法はどれを選ぶのか?

地方企業の採用手法は、ハローワーク・地元の求人媒体・全国の求人媒体・地域の人材紹介・ダイレクトスカウト・リファラル・採用サイトと採用広報・採用代行の8つから選びます。会社の状況と採用したい人の居場所で、組み合わせが変わります。

どれか1つで全員が決まるわけではありません。採用したい人が地元にいるのか都市圏にいるのかで、使う手法を先に絞ってください。

8つの手法の比較

手法 費用の型 向く状況 注意すること
ハローワーク 求人の掲載は無料。 地元で働く人を幅広く探したいとき。 都市圏の候補者にはほとんど届かない。
地元の求人媒体 掲載の期間や枠ごとの費用。 地元の求職者に会社を知ってもらいたいとき。 媒体によって読者層が違う。
全国の求人媒体 掲載課金型か成功報酬型で、媒体ごとに異なる。 都市圏の候補者にも広く届けたいとき。 知名度が低いと埋もれやすい。
地域の人材紹介 採用が決まったときに払う成功報酬型が一般的。 地元の事情に詳しい紹介会社に任せたいとき。 紹介会社ごとに得意な職種が違う。
ダイレクトスカウト 媒体の利用料に加え、成功報酬が必要な媒体もある。 Uターン・Iターンなど、狙った人に届けたいとき。 文面の作成と送信に手間がかかる。
リファラル 紹介者への報奨金など、社内制度の費用。 社員の人脈を生かして信頼できる人を探したいとき。 社員数が少ないと紹介が出にくい。
採用サイトと採用広報 サイトの制作費と運用の人手。 知名度が低く、社名で検索されたときの印象を整えたいとき。 効果が出るまでに時間がかかる。
採用代行(RPO) 月額固定か成果に応じた費用で、会社ごとに異なる。 採用担当者がいない・手が回らないとき。 要件を先に決めておく必要がある。

費用の金額は媒体や会社ごとの料金体系で大きく変わります。条件をそろえて比べられる相場の公表データを確認できなかったため、ここでは費用の型だけを書いています。採用代行の費用は採用代行(RPO)の費用相場で整理しています。

地元の外に届く手法を組み合わせる

地元の候補者にはハローワークや地元の媒体が向き、都市圏の候補者には全国の媒体・ダイレクトスカウト・人材紹介が向きます。採用したい人が地元にいるか、都市圏にいるかで、使う手法が分かれます。

最初は1つか2つに絞ってください。たとえば地元の経験者を探すならハローワークと地域の人材紹介、Uターン候補者を探すならダイレクトスカウトと人材紹介の組み合わせが考えられます。ダイレクトスカウトの手順と費用の考え方はダイレクトリクルーティングにまとめています。

手法を選ぶ順番

手法は、採用したい人の居場所・職種・急ぐ度合いの順で絞ります。次の3つの問いに答えると、最初に試す手法が決まります。

  1. 採用したい人は地元にいるのか、都市圏にいるのか。地元ならハローワークと地元の媒体と地域の人材紹介、都市圏ならダイレクトスカウトと全国の媒体を軸にします。
  2. 求める職種の経験者は、そもそも地元の転職市場に出てくるのか。出てこない職種は、都市圏の候補者を前提に設計します。
  3. 採用までにかけられる時間と、社内で動ける人数はどれくらいか。時間が限られていて手が足りないなら、人材紹介か採用代行を先に検討します。

選んだ手法は、3か月ほど続けてから見直します。応募数・面接数・内定数・辞退数を月に1回見て、うまくいかない箇所を変えてください。数字の見方は採用KPIダッシュボードの作り方で整理しています。

地域の人材紹介の使い方

地域の人材紹介会社は、その地域の求職者や企業の事情に詳しい点が強みです。ただし紹介会社ごとに得意な職種・規模・得意な地域が違います。複数社に同じ条件で相談し、紹介の速さと候補者の層を比べてから絞る形が現実的です。

HeaRは地域ごとに人材紹介会社を整理した記事を公開しています。各記事は費用相場・選び方・最新の採用市況を含み、掲載する会社の数は地域で違います。

地域 記事 掲載数
岡山県 岡山県に強い人材紹介会社・エージェント7選 7社
愛媛県 愛媛県に強い人材紹介会社・エージェント8選 8社
四国地方 四国地方に強い人材紹介会社・エージェント7選 7社
高知県 高知県に強い人材紹介会社・エージェント6選 6社
徳島県 徳島県に強い人材紹介会社・エージェント8選 8社
鳥取県 鳥取県に強いおすすめ人材紹介会社・エージェント10選 10社
香川県 香川県に強い人材紹介会社・エージェント8選 8社
島根県 島根県に強い人材紹介会社・エージェント7選 7社
京都府 京都府に強い人材紹介会社・エージェント8選 8社

エンジニアの採用を地方で進める場合は、職種に特化した地方のエンジニアの採用を成功させるコツも参考になります。リファラルを使う場合はリファラル採用のメリット・デメリットで運用の方法を整理しています。

知名度の壁は採用広報でどう崩すのか?

知名度の壁は社名で検索されたときに候補者が知りたい情報が出る状態をつくることで崩せます。採用サイト・社員の声・地域メディア・学校との関係の4つを整え、都市圏の候補者にも会社の姿が届くようにします。

地方の会社は広告費をかけて知名度を上げる戦い方では都市圏の大手に勝てません。少ない発信でも検索した人が納得できる情報をそろえることが優先です。

採用サイトで社名検索に答える

候補者はスカウトや求人票を見たあと、社名で検索して会社を確かめます。このとき公式の採用サイトがないか内容が古いと、応募の前に離脱されます。

最低限そろえたいのは、仕事の内容・社員の声・働く環境(通勤・休日・住まいの支援)・選考の流れの4つです。作り方と費用の考え方は採用サイトの作り方で整理しています。

社員の声で働く姿を見せる

都市圏から移った社員やUターンした社員の声は、同じ立場の候補者に最も届きます。移ると決めた理由・移る前に不安だったこと・いまの暮らしの様子を、本人の言葉で載せてください。

写真や動画は職場の雰囲気と通勤の風景を見せるのに向いています。社員の声の集め方や運用は、採用広報とはの記事で事例と手法を整理しています。

地域メディアと学校との関係を使う

地元の新聞・情報誌・ラジオなどに取り上げてもらうと、地元の候補者に信頼が伝わります。会社の取り組みを地域の話題として届けられれば、広告費をかけずに知名度を上げられます。

学校との関係は新卒だけでなく若手の中途採用にも役に立ちます。地元の高校・大学・専門学校と日ごろから接点を持ち、卒業生が都市圏で働く場合の連絡先を持っておくと、将来のUターンの候補者につながります。

競合分析で自社の見せ方を決める

同じ地域で採用している会社と何が違うのかを整理してから発信すると、内容がぶれません。候補者は地元の会社同士だけでなく、都市圏の会社とも比べています。

競合の求人票や採用サイトを集めて、仕事の内容・条件・見せ方を並べて比較します。比較の手順は競合分析の進め方にまとめています。

【無料資料】採用市場で勝つための競合分析とペルソナ策定

採用担当者がいない会社はどう回すのか?

採用担当者がいない会社は、経営者が兼務する場合でも回る最小の型を決めます。採用したい人を1枚に書き出し、求人票を1本つくり、毎週決まった曜日にスカウトと返信を行います。手が回らなければ業務委託や採用代行に任せます。

地方の中小企業では採用担当者を置く余裕がない会社が少なくありません。専任がいない前提で、続けられる仕組みをつくる考え方で整理します。

経営者が兼務する場合の最小の型

最初に決めるのは採用したい人の条件です。必須の条件と歓迎の条件に分け、必須は3つまでに絞ります。決め方は採用基準の決め方で整理しています。

次に、求人票を1本つくります。仕事の内容・任せる範囲・働く環境を書き、前の章で整理した見せ方を入れてください。そのうえで週に決まった曜日を採用の時間にして、スカウトの送信・応募への返信・面接の日程調整をまとめて行います。

やること 頻度 目安
スカウトの送信 週1回 返信が来た人にはその日のうちに返す。
応募への返信 毎日(短時間) 応募から1営業日以内に一次の返信をする。
面接の日程調整 応募のたび 候補日を3つ以上出す。
数字の確認 月1回 応募数・面接数・内定数・辞退数を見る。

日程調整と返信を止めない

兼務の体制で最も起きやすいのは、返信が遅れて他社に決まることです。経営者が不在の日に応募が来ても、自動返信で「◯営業日以内にご連絡します」と伝えておけば、候補者の不安を抑えられます。

日程調整は予約できるカレンダーを使うと往復のやり取りが減ります。遠方の候補者は日程の候補が少ないため、調整が遅れるほど辞退の可能性が上がります。

業務委託と採用代行(RPO)を使う

採用の実務の一部を、外部に任せる選択肢があります。スカウトの送信・日程調整・応募者対応といった作業を任せ、会社は面接と判断に集中する形です。

任せるときは何を任せて何を会社で決めるかを先に分けます。要件の決定・面接・内定の判断は会社が持ち、候補者探しや連絡の実務を外部に渡すのが一般的です。費用の考え方は採用代行の費用相場で整理しています。

HeaRのAI-RPOは、スカウトの運用や日程調整といった採用の実務を任せる選択肢のひとつです。HeaRは累計250社以上を支援しており、地方の会社の支援実績もあります。オンラインで進めるため、所在地が離れていても相談できます。

内定承諾と定着はどう設計するのか?

移住を伴う候補者の内定承諾と定着は、住まい・家族・将来の3つの不安に、内定の前から順番に答えることで設計します。内定後のフォローを決めておき、入社後90日は職場と暮らしの両方を支えます。

地方の採用は内定を出してからが長くなりがちです。移住を伴う場合は本人だけでなく家族の判断も加わるためです。

移住を伴う候補者の不安に答える順番

候補者の不安は住まい・家族・将来の3つに分けられます。面接の段階から、聞かれる前にこちらから答える形にしてください。

不安 候補者が気にすること 答える内容 答えるタイミング
住まい 家賃・物件の探し方・車の要否。 社宅や家賃補助の有無・住まいの例・不動産会社の紹介。 一次面接から二次面接まで。
家族 配偶者の仕事・子どもの学校や保育・親の介護。 地域の子育て環境・配偶者の就業の相談先・自治体の支援。 内定の前後に家族を交えた面談を提案する。
将来 戻りたくなったときの道筋・キャリアが止まらないか。 入社後に任せる仕事・成長の道筋・社員の事例。 最終面接で上司や役員から伝える。

家族の不安は候補者本人が会社に言いにくい場合があります。オンラインで配偶者も同席できる場を用意しておくと、内定後の辞退を減らせます。

内定者フォローを決める

内定から入社までの期間は、他社の選考や今の会社の引き留めで気持ちが揺れます。連絡が途切れないよう、内定者フォローの頻度と内容を先に決めてください。

地方への移住では住まい探しや引っ越しの手配を手伝う連絡が役に立ちます。入社前に社員との食事会をオンラインで設ける、入社後に担当する仕事を共有するなども有効です。進め方は内定者フォローの記事で整理しています。内定承諾率の考え方は内定承諾率とはにまとめています。

入社後90日の設計

移住した直後は仕事の不安と暮らしの不安が重なります。入社後の90日を3つの期間に分けて、それぞれ誰が何を支えるかを決めておきます。

期間 仕事の支え方 暮らしの支え方
1〜30日 担当者を決め、毎日短い確認の時間をとる。会社の人の顔と名前を覚える機会をつくる。 住まいの手続きや買い物の相談に乗る。地域の情報を共有する。
31〜60日 任せる仕事を広げ、週に1回振り返りの面談をする。 家族の様子を気にかけ、困りごとを聞く。
61〜90日 成果と課題を整理し、今後の担当を話し合う。 地域になじめているかを確認し、必要なら人を紹介する。

入社前後の進め方はオンボーディングの記事でも整理しています。内定辞退を防ぐ手順は内定辞退を防ぐ方法にまとめています。

地方企業の採用でよくある質問

Q. 地方企業の採用はなぜ難しいのですか?

A. 人が都市圏へ流れ続けていること・求人倍率が高い県が多いこと・会社の知名度が地元の外に届かないこと・給与で都市圏に負けること・採用担当者がいないことが重なるためです。厚生労働省の統計では2026年8月の有効求人倍率は福井県で1.72倍、大阪府で0.95倍でした。

Q. 応募が来ないときは何から見直しますか?

A. 求人票の内容と届け先を確認します。年収以外に、住まい・通勤・仕事の裁量といった地方ならではの条件を具体的に書けているかを見てください。次に、地元の媒体だけでなく都市圏の候補者にも届く手法を使えているかを確かめます。社名で検索したときに採用サイトが出るかも確認してください。

Q. Uターン採用はどう進めればよいですか?

A. ダイレクトスカウトで、出身地・出身校・希望勤務地を条件に都市圏の候補者を探します。「なぜあなたに送るのか」を書いた個別の文面で送り、オンラインで話す場を用意します。自治体の移住支援金が使える場合は、求人をマッチングサイトに載せる手続きを自治体に確認してください。

Q. 地方企業の採用にかかる費用の目安はいくらですか?

A. 手法で異なり、ハローワークは求人の掲載が無料です。人材紹介は採用が決まったときに払う成功報酬型が一般的で、金額は紹介会社ごとに違います。条件をそろえた公表データは確認できていません。地域の人材紹介の記事と採用代行の費用相場の記事で、費用の型を整理しています。

Q. 採用までの期間はどれくらいですか?

A. 期間を示す公表データは確認できていません。要件が絞れていて選考の連絡が速い会社ほど短くなり、条件を増やしすぎると長引きます。移住を伴う場合は住まいや家族の調整で内定から入社までが長くなりやすいため、内定の前から日程を相談しておくと安心です。

Q. 採用代行は地方の会社でも使えますか?

A. 使えます。採用代行はオンラインで進められるため、所在地が離れていても相談できます。HeaRは累計250社以上の採用を支援しており、地方の会社の支援実績もあります。任せる範囲と会社で決める範囲を先に分けておくと、費用と成果の見通しが立てやすくなります。

まとめ

地方企業の採用が難しいのは、人が都市圏へ流れ、求人倍率が高い県が多く、知名度と給与でも都市圏に及ばないうえに、採用担当者がいない会社が多いためです。厚生労働省の統計では2026年8月の有効求人倍率は福井県が1.72倍、大阪府が0.95倍でした。東京圏は2025年も12万3,534人の転入超過で、地方出身の候補者は都市圏にいます。

次にやることは2つです。1つ目は自社の県の求人倍率を確かめて、採用したい人が地元にいるのか都市圏にいるのかを決めることです。2つ目は求人票に住まい・通勤・仕事の裁量を具体的に書き、都市圏の候補者にはダイレクトスカウトを個別の文面で送ることです。自社の地域の人材紹介会社は、求人倍率の章の表にある各県の記事から確認できます。

採用のプロに、壁打ちしませんか?(無料・オンライン30分)

監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

お気軽にお問い合わせください

採用課題に合わせた最適な打ち手を、HeaRが共に設計します。
まずは資料でサービスの全体像をご確認ください。