
採用コストとは、採用活動にかかる外部コストと内部コストの合計です。一人当たりの平均は新卒93.6万円・中途103.3万円(就職白書2020)、2025年の中途採用費用は1社あたり年間609.9万円(マイナビ調査)。算出式と計算例、職種別の求人広告費、3名採用のシミュレーション、削減の8つの方法と適正化の5ステップ、AIで下がる内部コストまで解説します。(2026年9月更新)
採用コストとは、企業が人材を1人採用するまでにかかる費用の合計で、求人広告費や紹介手数料などの「外部コスト」と、面接官の人件費などの「内部コスト」に分かれます。一人当たりの採用コストは「採用コストの総額 ÷ 採用人数」で求めます。
採用コストは、企業が新たな人材を採用する際に発生する全ての費用の総称です。採用コストを正確に算出し、予算を管理することは、人事部門にとどまらず企業経営にとって非常に重要です。
採用コストの内訳は、大きく「外部コスト」「内部コスト」に分けられます。それぞれ、詳しくみていきましょう。
採用活動における外部コストとは、企業が外部のサービスやリソースを利用する際に発生する費用です。具体的には、次のような費用が挙げられます。
これらの外部コストは、企業の採用活動において大きな割合を占めるケースが多く、年間でみると相当な金額にのぼることがあります。特に、外部コストは年々高騰する傾向が見られるでしょう。
外部コストが高くなる主な理由としては、求人広告の掲載費や人材紹介会社の手数料が高額であることです。求人広告は、求職者にリーチするための有効な手段ですが、その費用は広告媒体や掲載期間によって異なります。複数の媒体を使えば、その数に比例してコストが増大するでしょう。
また、人材紹介会社の場合は、成功報酬として採用者の年収の一定割合(理論年収の35%など)を支払う必要があり、こちらも大きな負担となっています。
採用活動における内部コストとは、企業内部で発生する費用のことを指す言葉です。具体的には、次のような費用が挙げられます。
これらの内部コストは、直接的な支出ではないものの、見過ごすことのできない重要な要素です。
内部コストが高くなる要因としては、採用プロセスの長期化・複雑化が挙げられます。例えば、多くの面接回数や長時間の選考プロセスは、人件費を増加させる要因です。また、社内のコミュニケーション不足や採用プロセスの不透明さによって、生産性が下がり時間とコストの無駄を生み出します。
外部コストと内部コストの代表的な項目を一覧にすると次のようになります。内部コストは請求書が届かないため見落とされやすく、算出のときは必ず時間を金額に換算して足してください。
| 区分 | 項目 | 金額の目安・計算のしかた |
|---|---|---|
| 外部コスト | 求人広告費(転職サイト・求人検索エンジン・求人情報誌) | 掲載料またはクリック課金。中途の転職サイトは採用者1人あたり平均36.7万円(マイナビ2026年版) |
| 外部コスト | 人材紹介の成功報酬 | 理論年収の30〜35%が一般的。年収500万円なら150〜175万円 |
| 外部コスト | ダイレクトリクルーティングの媒体費 | 年間の利用料+スカウト送信量に応じた課金。1社あたり年間実績は平均173.9万円(同) |
| 外部コスト | 採用代行(RPO)・採用コンサルティング | 月額固定は月10〜20万円が最多層、範囲と量を広げると月25〜50万円 |
| 外部コスト | 採用イベント出展、採用サイト・採用ピッチ資料の制作、適性検査 | 出展1回数十万円、採用サイトは規模により数十万〜数百万円 |
| 内部コスト | 採用担当者・面接官の人件費 | 関わった時間×時給換算。書類選考は1候補者あたり15分前後、面接は1回あたり面接官2名×1時間が目安 |
| 内部コスト | 交通費・会食費・内定者フォローの費用 | 実費 |
| 内部コスト | 早期離職による再採用の費用 | 退職者1人につき、上記の外部コスト+内部コスト+教育費がもう一度発生 |
算出式はシンプルです。年間または採用プロジェクト単位で、外部コストと内部コストを合計し、採用人数で割ります。
たとえば中途で営業職を3名採用し、転職サイトの掲載費に120万円、人材紹介の成功報酬に175万円(1名分)を使い、採用担当者と面接官が合計120時間(時給換算2,500円=30万円)を使ったとします。総額は325万円、一人当たりの採用コストは約108万円です。内部コストを入れないと約98万円に見えるため、比較のときは内部コストの扱いを揃えてください。
一人当たりの平均採用コストは、新卒採用で93.6万円、中途採用で103.3万円です(就職みらい研究所『就職白書2020』・2019年度実績)。より新しい調査では、2025年の中途採用費用は1社あたり年間平均609.9万円で、平均採用人数12.3人で割ると1人あたり約49.6万円になります(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』)。
数字に幅があるのは、調査ごとに「何を採用コストに含めるか」と「回答企業の規模」が違うためです。就職白書は内部コストを含めた1人あたりの金額を企業に直接聞いた値で、マイナビ調査は外部サービスへの支払額の合計です。自社の数字と比べるときは、同じ定義の統計を使ってください。
| 統計 | 対象・年 | 数値 | 含まれる範囲 |
|---|---|---|---|
| 就職みらい研究所『就職白書2020』 | 2019年度実績(新卒・中途採用を実施した企業) | 新卒 93.6万円/中途 103.3万円(前年度は新卒71.5万円/中途83.0万円) | 1人あたりの平均採用コスト(企業の申告値) |
| 就職みらい研究所『就職白書2026』 | 2026年卒採用(n=1,072) | 採用活動に費やす総費用が前年比で「増えた」49.3%・「同じ」43.1%・「減った」7.6% | 見通しの回答割合 |
| マイナビ『中途採用状況調査2026年版』 | 2025年実績(n=1,500) | 年間の中途採用費用 平均609.9万円(前年比▲40.7万円)、平均採用人数12.3人 → 1人あたり約49.6万円 | 人材紹介・求人広告・ダイレクトリクルーティング等の外部支出の合計 |
| 同・サービス別の年間実績 | 2025年(各サービス利用企業) | 人材紹介375.5万円/ダイレクトリクルーティング173.9万円/求人広告125.1万円/求人検索エンジン122.7万円/採用ブランディング82.7万円/その他128.8万円 | サービスごとの年間支払額の平均 |
就職白書の1人あたりコストの設問は2020年版が最後で、多くの解説記事がいまもこの値を引用しています。一方でマイナビ調査は毎年更新されており、2025年は3年続いた費用の増加がいったん止まりました。採用人数の減少にともなって費用も抑えられたと読めますが、2026年卒の新卒採用では約半数の企業が費用増を見込んでおり、一人当たりで見れば高止まりが続くと考えるのが自然です。
ただし、この約49.6万円は幅広い職種を含む平均です。HeaRの支援先はエンジニア採用やBtoB営業職の採用が中心で、一人当たりの採用コストは100〜150万円、案件によっては200万円に達することも珍しくありません。母集団の薄い職種では、平均の2〜4倍を前提に採用計画と予算を組んでください。
出典: 就職みらい研究所『就職白書2020』P11・『就職白書2026』データ集 図表109、マイナビキャリアリサーチLab『中途採用状況調査2026年版(2025年実績)』Q35。1人あたり約49.6万円はHeaRが平均費用を平均採用人数で割って算出した参考値です。
採用手法別に見ると、正社員1人あたりの採用コストは求人情報誌で平均11.3万円、求人サイトで28.5万円、人材紹介で85.1万円、スカウトサービスで91.4万円です(厚生労働省の令和3年度調査)。非正規社員は同じ手法でも正社員の3分の1から半分ほどに収まります。
| 採用手法 | 正社員(1人あたり平均) | 非正規社員(1人あたり平均) | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 求人情報誌・チラシ | 11.3万円 | 7.7万円 | 地域限定・店舗系の採用 |
| インターネットの求人情報サイト | 28.5万円 | 10.8万円 | 応募数を確保したい職種 |
| 人材紹介会社 | 85.1万円 | 19.2万円 | 急ぎで1〜2名を採用したい・専門職 |
| スカウトサービス | 91.4万円 | 44.0万円 | 母集団が薄い職種・ハイクラス |
出典: 厚生労働省委託調査「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」集計結果(令和3年度調査・令和4年公表)。同ページで公開されている最新の集計です。
採用コストは手法によって変動しますが、正社員の採用コストは以下のとおりです。
このように、求人媒体を中心に採用活動を進めた場合は約10万〜30万円が相場となり、一方で人材紹介やスカウトサービスを進めた場合は約90万円が相場であることがわかります。
ただし、これらはあくまでも平均であり、実際には地域・職種・雇用条件・待遇などによって変動する点に注意してください。

非正規社員の採用コストは、正社員に比べて低い傾向があります。
ただし、非正規社員は正社員に比べて定着率が低い傾向にあるため、年間の採用人数によっては相当な金額になる可能性もあります。いかに効率的に採用を進めるかが、採用コストを抑える鍵となるでしょう。

中途採用で採用者1人あたりにかかった転職サイトの求人広告費は、全職種平均で36.7万円(中央値20万円)です。職種別ではAI技術者の59.9万円とITエンジニアの57.1万円が突出し、販売・フードの18.8万円や美容・ホテル・交通の14.3万円とは4倍近い差があります(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』・2025年実績)。
職種による差は、母集団の薄さと競合の多さがそのまま広告費に表れたものです。同じ予算でも採用しやすさが職種で違うため、採用計画は職種ごとに単価の目安を分けて立ててください。
| 職種 | 1人あたりの転職サイト求人広告費(平均) | 前年比 |
|---|---|---|
| AI技術者(AIエンジニア・AIアーキテクトなど) | 59.9万円 | 新設項目 |
| ITエンジニア | 57.1万円 | +17.7万円 |
| 営業 | 40.4万円 | ▲0.4万円 |
| 建築・土木 | 38.8万円 | +13.3万円 |
| 医薬・食品・化学・素材 | 38.4万円 | +20.0万円 |
| WEB・インターネット・ゲーム | 37.7万円 | +0.8万円 |
| 電気・電子・機械・半導体 | 37.3万円 | +6.6万円 |
| 企画・経営 | 32.6万円 | ▲5.3万円 |
| 管理・事務 | 32.0万円 | ▲3.8万円 |
| 医療・福祉 | 30.9万円 | ▲1.1万円 |
| クリエイティブ | 29.8万円 | ▲5.0万円 |
| コンサルタント・金融・不動産専門職 | 29.0万円 | +0.2万円 |
| 技能工・設備・配送・農林水産 | 25.1万円 | ▲2.3万円 |
| 保育・教育・通訳 | 20.7万円 | ▲1.6万円 |
| 販売・フード・アミューズメント | 18.8万円 | ▲12.2万円 |
| 美容・ブライダル・ホテル・交通 | 14.3万円 | ▲13.8万円 |
企業規模・業種・採用エリアで見ると、従業員1,001名以上の企業は平均46.1万円で、301〜1,000名の27.1万円より高くなっています。大手ほど複数媒体を併用して母集団を厚くする傾向があるためです。業種では金融・保険・コンサルティングの69.5万円とIT・通信の42.9万円が高く、エリアでは東京の48.9万円が最高で、東北の18.3万円とは2.7倍の開きがあります。
| 区分 | 高い | 低い |
|---|---|---|
| 企業規模 | 1,001名以上 46.1万円/3〜50名 34.2万円 | 301〜1,000名 27.1万円/51〜300名 33.3万円 |
| 業種 | 金融・保険・コンサル 69.5万円/IT・通信 42.9万円/メーカー 36.5万円 | 運輸・物流 27.6万円/流通・小売・フード 31.3万円/医療・福祉・介護 31.8万円 |
| 採用窓口エリア | 東京 48.9万円/九州・沖縄 43.9万円/近畿 36.4万円 | 東北 18.3万円/中国・四国 21.1万円/甲信越・北陸 22.7万円 |
出典: マイナビキャリアリサーチLab『中途採用状況調査2026年版(2025年実績)』Q38(転職サイト利用企業。折り込み求人誌や新聞の求人欄は含まない)。求人広告の媒体ごとの料金体系は求人広告の費用相場と抑え方で解説しています。
年収500万円の中途社員を3名採用する場合、外部コストは人材紹介だけで進めると約525万円、転職サイト中心なら約110万円、採用代行(RPO)を併用してダイレクトリクルーティングで進めると約150〜250万円が目安です。どの手法も内部コストが別にかかり、応募が多い手法ほど選考の工数が膨らみます。
| 進め方 | 外部コストの目安(3名) | 内部コストの目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介のみ | 525万円(年収500万円×35%×3名) | 小(推薦の確認と面接のみ) | 着手が早く、採用できなければ費用ゼロ。単価は最も高い |
| 転職サイトの求人広告のみ | 約110万円(1人あたり平均36.7万円×3名) | 大(応募対応・書類選考・日程調整が社内) | 応募数は確保しやすいが、選考の工数と質のばらつきが課題 |
| ダイレクトリクルーティング+採用代行(RPO) | 150〜250万円(媒体費60〜130万円+RPO月15〜20万円×6ヶ月) | 中(判断と面接のみ社内) | 母集団が薄い職種向き。運用の型が社内に残る |
| リファラル採用 | 30〜90万円(紹介インセンティブ10〜30万円×3名) | 中(制度設計と社内周知) | 単価は最も低いが、3名が集まる時期を読めない |
| 求人広告+AIによる書類選考 | 約110万円+AIツール費 | 小(書類選考が1候補者15分→1〜3分) | 応募数が多い職種で内部コストを圧縮できる |
試算の前提は、人材紹介の手数料率35%、転職サイトの1人あたり広告費はマイナビ調査の全職種平均、採用代行の月額はHeaRが公開している実勢価格です。ITエンジニアなど単価の高い職種は転職サイトの列を1.5倍程度で見てください。内部コストは、書類選考1候補者15分、一次面接1回あたり面接官2名×1時間、時給換算2,500円で計算すると、応募100件・面接20回で約20万円になります。
採用代行の料金体系と見積書の読み方は採用代行(RPO)の費用相場、上流の設計を任せる場合の費用は採用コンサルティングの費用相場にまとめています。複数社の見積もりを横並びで比べたい場合は、記事末尾の47社比較シートをお使いください。
採用コストが上がり続けている理由は、採用手法の選択ミス、採用担当者の業務量の増加、早期離職による再採用の3つに集約されます。2026年卒採用でも約半数の企業が費用の増加を見込んでおり、母集団の確保にかかる費用は今後も下がりにくい状況です。
採用コストが年々上昇している背景には、いくつかの要因があります。主な理由としては、次の3つです。
それぞれの背景も含めて、詳しくみていきましょう。
適切な採用手法を選択できていないことは、採用コストが上昇している主な理由の一つです。これまでは、求人広告媒体に求人情報を掲載したり、人材紹介会社に依頼したりすれば、比較的かんたんに応募者を集めることができ、採用もスムーズに進みました。
しかし、労働人口の減少や採用市場の競争が激化し、求職者のニーズが多様化したことで、候補者を集めることが難しくなっています。
こうした状況のなかで、従来の採用手法を続けたり、闇雲に新しい手法に手を出したりすると、採用コストがさらに増えてしまうでしょう。したがって、世の中の変化や競合の状況にあわせて、最適な採用手法を選ぶことが大切です。
採用担当者は、媒体選定や求人票の見直し、SNSを活用した広報活動、採用ピッチ資料の作成など、多岐にわたる業務を行う必要があります。さらに、候補者への迅速かつきめ細やかな対応も求められるでしょう。
これらの業務量の増加により、担当者の負担が大きくなり、効率的な採用活動が難しくなることがあります。採用担当者の業務負担を減らすためのデジタルツールの導入や、人材採用に関する専門的な知識・スキルの習得が必要です。
コストをかけて採用した人材が早期に退職すると、再び採用活動を行う必要が生じ、さらにコストがかかります。近年では、働き手側の退職代行サービスの利用が急増しており、ますます早期離職のリスクが高まっているのが現状です。
早期離職が発生する背景には、採用プロセスでの適性評価や企業文化との適合性の見極めが不足していることがあります。企業は、適性評価ツールや手法を導入し、ミスマッチを防ぐ対策を強化することが重要です。
採用コストを削減する方法は、採用管理システムの導入、自社サイトとSNSでの発信、リファラル採用、採用代行の活用、働き方の見直し、定着率の改善、業務の外部委託の8つです。外部コストを削るだけでなく、内部コストと早期離職の再採用費を減らす打ち手を組み合わせると効果が大きくなります。
採用管理システム(ATS)の導入は、採用コスト削減の有効な方法です。ATSを使用することで、採用プロセス全体を一元管理し、効率化できます。
例えば、応募者の情報を自動で整理し、選考の進捗状況をリアルタイムで把握できます。これにより、採用担当者の作業負担が軽減され、時間を節約できるでしょう。結果として、迅速かつ効果的な採用が可能となり、コストの削減に繋がります。
自社HP(オウンドメディア)を活用することで、外部の求人広告費用を抑えつつ、質の高い応募者を集めることができます。コーポレートサイトや採用サイトに、自社の魅力や文化を伝えるコンテンツを充実させることで、求職者の共感を得やすくなるでしょう。採用サイトの制作費の目安は採用サイト制作の費用相場にまとめました。これにより、広告費用を削減しながらも、自社のカルチャーにフィットする人材を効果的に集めることができます。
ソーシャルメディア(SNS)を活用することも、採用コスト削減の一環として非常に有効です。例えば、Instagramを活用して社内の雰囲気を魅力的に伝えることで、求職者の興味を引くことができます。また、noteを使って経営者インタビューや社員インタビューを行い、企業の価値観や働き方を詳しく紹介することで求職者の共感を得られやすくなるでしょう。
他にも、LINEを利用して選考活動を効率化することも有効です。これらの手法を組み合わせることで、採用コストを抑えながらも効果的な採用活動が実現します。記事や投稿の企画の進め方は採用広報の始め方を参考にしてください。
リファラル採用とは、従業員や知人からの紹介を通じて採用活動を行う手法です。縁故採用とは異なり、紹介者のネットワークを活用して質の高い人材を獲得することを目的としています。
リファラル採用のメリットは、採用コストを抑えつつ信頼性の高い候補者を得られる点です。紹介された候補者は既に社内の文化や価値観に理解があるため、定着率が高く、早期離職のリスクも低くなります。制度の設計はリファラル採用の進め方にまとめました。
採用代行サービスを活用することで、部分的な採用業務を専門の企業に委託し、効率化を図ることができます。例えば、スカウト送信や求人作成、候補者のスクリーニングなどを代行してもらうことで、採用担当者の負担を軽減し、コア業務に専念できるでしょう。
採用代行サービスを手がける会社の多くは、高い専門知識やノウハウを持っています。その結果、高い費用対効果が期待でき、全体の採用コスト削減にも貢献します。依頼できる業務と費用の目安は採用BPOの解説と採用代行(RPO)おすすめ47選を参照してください。
柔軟な働き方を取り入れることで、広範囲から優秀な人材を採用しやすくなります。例えば、リモートワーク、副業、子連れ出勤、ペット可出勤、時短勤務、週休3日制など、多様な働き方を認めることで、求職者のニーズに応えることができます。これにより、採用力が高まり優秀な人材を獲得しやすくなるでしょう。
従業員満足度を高めることで、離職率を抑え、定着につながります。例えば、組織サーベイを実施して、従業員の不満やストレス状況、職場環境の問題を可視化し、改善できる点から着手することが有効です。結果として、社員の定着率が高まり、年間採用コストの抑制につながるでしょう。入社後の定着施策はオンボーディングの進め方、内定段階の辞退対策は内定承諾率の平均と改善策で扱っています。
一部の業務を外部に委託することで、採用コストを削減できます。副業人材やフリーランスの増加に伴い、高度な専門スキルを持つ人材が市場に増えているため、これらの人材を活用することが効果的です。
例えば、ココナラ、ランサーズ、クラウドワークスなどのプラットフォームを利用して、業務を外注することで、既存の従業員はよりコアな業務に専念できます。
採用コストの適正化は、年間コストの把握、採用活動の可視化、プロセスごとのKPI設定、改善策の実行、定期的な検証の5ステップで進めます。最初の把握を内部コストまで含めて行うかどうかで、その後の改善の精度が決まるでしょう。
まず、年間の採用コストを正確に把握することが重要です。企業が採用にどれだけの費用を費やしているのかを把握することで、無駄な支出を特定しやすくなります。先述したとおり採用コストは、内部コストと外部コストの2つです。
これらの費用を詳細に記録し、年間の合計を算出することで、採用コストの全体像を把握できます。適正なコスト管理によって、無駄な支出を抑制できるでしょう。
次に、採用活動全体を可視化し、課題を特定することが必要です。採用プロセスの各段階を詳細に分析し、どの部分でコストがかかりすぎているのか、またどの部分で効率が低下しているのかを明らかにします。
例えば、面接の回数が多すぎる、求人広告の効果が低い、応募者の質が低いなど、具体的な問題点を洗い出してください。このように課題を特定することで、改善すべきポイントが明確になり、効果的な対策を講じることができます。
課題を特定したら、採用プロセスごとにKPI(重要業績評価指標)を設定します。KPIは、採用活動のパフォーマンスを測定するための具体的な指標であり、目標達成のための重要な要素です。
例えば、応募者の数、面接から採用までの期間、採用コスト一人当たりの金額などをKPIとして設定します。採用の各段階で追うべきKPIと計算式は次の通りです。
| KPI | 計算式 | 見直しのサイン |
|---|---|---|
| 応募単価 | 媒体費÷応募数 | 職種平均の1.5倍を超えたら媒体の入れ替えを検討 |
| 面接設定率 | 面接実施数÷応募数 | 20%を下回るなら求人票の訴求か日程調整の速度に問題 |
| 内定率 | 内定数÷最終面接数 | 低いなら選考基準のずれ。書類・一次で絞れていない |
| 内定承諾率 | 承諾数÷内定数 | 50%を下回るなら惹きつけと条件提示の見直し |
| 一人当たり採用コスト | (外部コスト+内部コスト)÷採用人数 | 手法別・職種別に分けて前年と比較 |
| 早期離職率 | 1年以内の退職者数÷入社者数 | 再採用費が採用コストを押し上げる最大要因 |
これにより、各プロセスの進捗状況を定量的に評価でき、改善の必要がある部分を客観的に把握できます。KPIを明確にすることで、採用活動の効果を最大化し、コストの適正化を図ることができます。
KPIを設定した後は、各プロセスごとに具体的な改善策を実行する段階です。例えば、面接の回数を減らす、オンライン面接を導入する、求人広告の掲載媒体を見直すなど、具体的なアクションを取ります。
また、採用管理システム(ATS)を導入することで、応募者情報の一元管理や選考プロセスの効率化を図ることも有効です。改善策を実行することで、採用活動の効率が向上し、コストを削減できます。
最後に、定期的に採用活動を検証し、改善を繰り返すことが重要です。定期的なレビューを行い、KPIの達成状況や改善策の効果を評価します。その結果に基づき、さらなる改善点を特定し、次のアクションプランを策定してください。
このPDCAサイクルを繰り返すことで、採用活動の精度が高まり、持続的に採用コストを適正化することが可能となります。定期的な検証と改善を怠らず、常に最適な採用プロセスを維持することが重要です。
AIを書類選考に組み込むと、1候補者あたりの処理時間は15分前後から1〜3分に短縮できます。HeaRが中途採用の書類選考を分解したところ、業務は55タスクあり、人が判断しているのは1タスクだけでした。残る54タスクは確認・入力・連絡で、ここをAIに任せると応募100件で約25時間かかっていた工数が2〜5時間になります。
内部コストの削減効果は、応募数が多い職種ほど大きくなります。転職サイトで営業職を募集して月100件の応募がある企業なら、書類選考だけで月20時間以上、時給換算で5万円前後の内部コストが浮く計算です。加えて、返信の速さそのものが面接設定率を押し上げるため、外部コストの効率も改善します。
採用代行に組み込む形では、AI-RPOのようにスカウト文面の作成や書類の一次評価、日程調整をAIが担い、判断と面接を人が担う分業が主流になりつつあります。月額は従来型の採用代行と同じ帯に収まり、同じ費用で処理できる業務量が増える形で効果が出るのが特徴です。採用サイトにRecruit-botのようなチャットボットを置けば、候補者からの問い合わせ対応も自動化できるでしょう。
書類選考の55タスクの内訳と処理時間の実測はAI書類選考の解説、AIを組み込んだ採用代行の仕組みと費用はAI採用代行(AI-RPO)の解説にまとめています。
※AIの活用範囲と度合いは、媒体や要件により異なります。
採用コストの削減に成功した企業に共通するのは、広告費を削ったのではなく、働き方や評価制度、部門間の連携といった採用の周辺を見直して結果として費用が下がった点です。ここでは公開されている4社の事例を紹介します。

香川県でクレーン関連のICT事業を展開する株式会社タダノシステムズは、地域に限定された採用活動のため、優秀な人材を確保することが難しいという課題に直面していました。
この問題を解決するため、テレワークやサテライトオフィスを導入し、リモートワーク環境を整備。これにより、全国各地から多様な人材を募集できるようになりました。その結果、採用範囲が広がり、採用コストを抑えつつも質の高い人材を確保することに成功しています。

新潟県で総合建築業を展開する株式会社丸山組は、既存の評価制度が社員の実績や貢献度を正確に反映しておらず、社員のモチベーション低下と高い離職率に悩まされていました。
これを解決するために、人事評価制度を再構築し、透明性と公平性を重視した新しい制度を導入。この取り組みにより、社員のモチベーションが向上し、離職率の低下を実現しました。結果として、採用コストの削減に成功し、組織全体の業務効率も向上するなど高い成果を実現しています。

沖縄県を中心に複数事業を展開する株式会社りゅうせきフロントラインは、各部門間の連携不足による採用活動の非効率性に問題を抱えていました。
この課題を解決するために、人事部、事業部、経営者の3者による定期的なミーティングを実施。これにより、採用の優先順位が明確になり、迅速な意思決定が可能となりました。その結果、応募数が1年後に3倍、採用数が4倍に増加し、採用活動の効率化と採用コストの削減を達成しています。

株式会社ILGは、採用活動が断片的で全体的な戦略が欠如しているという課題がありました。この問題に対して、採用活動の方法だけでなく、ターゲット設定や評価制度、社内環境、教育体制など、あらゆる面を全面的に見直し。
これにより、採用活動の精度が大幅に向上し、採用コストの削減に成功しました。また、質の高い人材を効率的に確保できるようになり、企業全体の成長にも寄与しています。
採用コストについて、人事担当者や経営者からよく寄せられる質問をまとめました。
A. 外部コスト(求人広告費・紹介手数料・ツール費など)と内部コスト(担当者と面接官の人件費・交通費など)を合計し、採用人数で割ります。内部コストは関わった時間に時給換算をかけて金額にします。年間または採用プロジェクト単位で集計してください。
A. 1人あたりでは中途のほうが高い傾向です。就職白書2020では新卒93.6万円に対して中途103.3万円でした。中途は人材紹介の成功報酬が高額になりやすく、新卒は1回の募集で複数名を採用するため1人あたりが下がります。
A. 理論年収の30〜35%が一般的です。年収500万円の人材なら150〜175万円で、専門職やハイクラスでは35%を超える契約もあります。入社後の早期退職には返金規定があることが多いので、契約前に返金の期間と割合を確認してください。
A. 含めることをおすすめします。内部コストを外すと、応募対応や面接に社内の時間を多く使う手法が実際より安く見えます。手法ごとの比較や採用代行の検討をするときは、内部コストを時給換算で足したうえで比べてください。
A. 一律の正解はありませんが、目安は2つあります。1つは職種別の統計(転職サイトの広告費は全職種平均36.7万円、ITエンジニアは57.1万円など)と自社の数字を比べること。もう1つは採用した人材の初年度の貢献と早期離職率を合わせて見ることです。単価が安くても早期離職が多ければ、再採用費で結局高くつきます。
A. 外部コストを一律に削ると母集団が減り、質は下がりやすくなります。質を保ったまま下げるには、内部コストの圧縮(AIによる書類選考や日程調整の自動化)、リファラル採用の制度化、定着率の改善で再採用を減らす、の3つが効きます。
A. 厚生労働省の調査では、非正規社員1人あたりの採用コストは求人情報誌で7.7万円、求人サイトで10.8万円、人材紹介で19.2万円、スカウトサービスで44.0万円です。正社員より低いものの、定着率が低いと年間の採用回数が増えるため、総額では正社員を上回ることもあります。
採用コストは外部コストと内部コストの合計で、一人当たりの平均は新卒93.6万円・中途103.3万円、2025年の中途採用では1社あたり年間609.9万円が実勢です。職種によって求人広告費だけで4倍近い差があるため、平均値ではなく職種別の目安と自社の実績を比べてください。
削減の順番は、年間コストを内部コストまで含めて把握し、KPIで詰まっている工程を特定してから、手法の見直しやAIの活用、定着率の改善に手をつける流れが確実です。今回ご紹介した企業事例のように、採用の周辺を整えることで結果として費用が下がるケースも少なくありません。
HeaRでは累計250社以上の採用支援の実績をもとに、採用コストの棚卸しから、AIを組み込んだ採用代行(AI-RPO)による内部コストの圧縮、採用手法の再設計までを支援しています。自社の採用コストのどこに削減余地があるか、という整理の段階からご相談いただけます。詳しくは採用コンサルティング会社の比較もご覧ください。
採用課題に合わせた最適な打ち手を、HeaRが共に設計します。
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