建築士・建築設計職の採用が難しい理由と採用方法|意匠・構造・設備別の進め方とポートフォリオ選考【2026年10月更新】

2026-10-07
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2026-10-07

建築士・設計職の採用が難しいのは、資格を持つ人の年齢が上がり意匠・構造・設備ごとに人数も限られるからです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍(2026年8月)。設計の種類別の進め方とポートフォリオ選考の見方を解説します。(2026年10月更新)

建築士・設計職の採用はなぜ難しいのか?

建築士・設計職の採用が難しいのは、資格を持つ人の年齢が上がり取り合う相手も多いからです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍(2026年8月・常用・パートを含む)で、職業計の1.06倍を大きく上回ります。

5.71倍は厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」の区分の数字で、施工管理や設計職を含みます。「建築士だけ」の倍率は公表されていません。ただ設計職の求人を出しても経験者から応募が来ない状況は、この区分の数字とも重なります。以下では難しさの中身を4つに分けて整理します。

資格を持つ人の年齢が上がっている

建築士事務所に所属する一級建築士は、134,379人(2024年4月1日)です。年齢構成は20代が1.6%、30代が9.7%です。40代は18.7%、50代は26.4%でした。60代は24.6%、70代以上は19.0%を占めます。60代以上を合わせると4割を超えます(国土交通省「建築分野の担い手の動向について」)。

これは登録者全体の数字ではなく、建築士事務所に所属する一級建築士の数字です。同じ資料では、いまの傾向が続くと事務所に所属する建築士は30年後に半減すると推計しています。人数は14.0万人から6.9万人になる見通しです。経験者の層が薄くなる前提で、採用を計画する必要があります。

構造設計と設備設計は、もともと人数が少ない

建築設計には意匠・構造・設備という3つの専門があります。建物の形や使い勝手を考える意匠設計に比べ、構造設計と設備設計は担い手が少ないことが一般に知られています。一定規模以上の建築物では構造設計一級建築士や設備設計一級建築士の関与が義務づけられており、この上位資格を持つ人はさらに限られます。

意匠・構造・設備ごとの人数は、公表されている統計に見当たらないため数字では示せません。ただ、自社に必要な専門によって探し方は大きく変わります。次の章で、専門ごとの違いを整理します。

取り合う相手が多い

設計職を探すとき、同じ人に声をかけている会社は設計事務所だけではありません。組織設計事務所や総合建設会社の設計部、ハウスメーカーが同じ層の候補者を探しています。デベロッパーのような発注者側の会社や、自治体の建築職も同じです。

大きな会社は担当する建物の規模や知名度、安定した働き方で選ばれやすくなります。同じ条件で比べられると不利になりやすいため、「何を任せられるか」と「どんな設計に携われるか」で選んでもらえる伝え方が必要です。

経歴書だけでは力量が分からない

設計職の経歴書には設計した建物の用途と規模、担当した期間が並びます。ところが、その案件で本人が何を決めたのかは経歴書から読み取れません。チームで進めた大きな案件に関わっていても、担当は図面の作成だけだったという場合もあります。

力量を見極めるには、ポートフォリオと面接で担当した範囲と判断の理由を聞く必要があります。やり方は後の章(ポートフォリオと面接では何を確認すればよいか)で説明します。

意匠・構造・設備で、採用の進め方はどう違うのか?

意匠・構造・設備の設計は、任せる仕事・経験者がいる勤め先・面接で確認することが違います。人数が少ない構造と設備は声をかける相手が絞られるため、ダイレクトリクルーティングと人材紹介を中心に早めに動くのが基本です。

意匠・構造・設備の仕事内容は、一般的には次のように整理されます。会社の規模や設計の進め方によって、実際の分担は変わります。

設計の種類 任せる仕事 経験者が多い勤め先 面接で確認したいこと 候補者が気にしやすいこと
意匠設計 建物の形や使い勝手を決め、図面にまとめる 設計事務所やハウスメーカーに多い 担当した建物の用途と規模、基本設計から実施設計までどこを担当したかを聞く 設計できる建物の種類と、自分の作品として語れる案件があるかを気にする
構造設計 地震や風に耐える骨組みを計算し、安全性を確かめて図面にする 構造設計事務所や総合建設会社の設計部に多い 扱った構造の種類と、計算の判断を自分で行った案件を聞く 構造計算の専門性を活かせる案件か、専門性を磨ける環境かを気にする
設備設計 空調や給排水、電気といった設備を設計し、省エネと快適さを両立させる 設備設計事務所や設備工事会社に多い 扱った設備の範囲と、意匠や構造の担当者と調整した経験を聞く 設計の初期から関われるか、施工の段階まで見られるかを気にする

意匠設計は応募が集まりやすく、見極めが課題になる

3つの専門のなかで、意匠設計は志望する人が多いとされます。応募は集まりやすい一方、作品の見た目に引かれて担当した範囲の確認がおろそかになりがちです。どの段階まで本人が担当したのかを丁寧に聞く必要があります。

構造設計と設備設計は、探す場所を絞って早く動く

構造設計と設備設計は探せる人が少ないため、求人を出して待つだけでは出会えません。専門性を持つ人に直接声をかけるダイレクトリクルーティングや、専門分野に強い人材紹介会社への相談が現実的です。採用までの期間が長くなる前提で、選考の日数を短くしておくことも欠かせません。

意匠・構造・設備の3つを同時に探す場合は、1つの求人票にまとめず専門ごとに募集を分けます。まとめると、候補者が自分の専門の仕事なのかを判断できず応募をためらってしまいます。

資格によって、任せられる範囲と採用の対象はどう変わるのか?

一級建築士はすべての建築物を設計でき、二級建築士と木造建築士には規模・構造・用途の上限があります。登録者数は一級が383,923人、二級が796,459人です(国土交通省・2025年4月1日)。一級を必須にすると、探せる人は大きく絞られます。

木造建築士の登録者数は19,124人です(出典: 国土交通省「建築士登録状況」)。面積や階数の細かい条件は、建築士法第3条から第3条の3で定められています。下の表では「一定規模まで」と表記しました。

資格 設計できる建物 採用するときの考え方
一級建築士 すべての建築物を設計できる 大きな建物や複雑な用途の案件を任せたいときに、必須の条件にする
二級建築士 一定規模までの建築物を設計できる 戸建住宅や小さな建物が中心の会社なら、一級でなくても任せられる範囲が広い
木造建築士 一定規模までの木造の建築物を設計できる 木造の住宅や小規模な建物が中心の会社で、専門性を重視するときに候補になる
構造設計一級建築士・設備設計一級建築士 一定規模以上の建築物で、構造や設備の設計に関与する義務がある 該当する規模の案件を扱う会社が、必要な専門性として探す

資格は必須か、入社後に取ってもらうかを決める

自社が扱う建物の規模を見ると、一級建築士が本当に必須かどうかは判断できます。戸建住宅や小規模な建物が中心なら、二級建築士を持つ人や資格の取得を目指す人にも任せられる仕事があります。必須条件を広く置くほど、応募は増えます。

一級建築士の登録者数は、二級の半分に届きません。一級を必須にする場合は、探せる人の数が限られると理解したうえで募集の期間と探し方を決めておきましょう。

2020年の改正建築士法と、若手採用の考え方

2020年3月1日に、改正建築士法が施行されました。実務経験は一級建築士試験を受けるための要件から、免許を登録するための要件に変わっています。大学などで指定科目を修めて卒業すれば、実務経験を積む前に試験を受けられます。合格後に実務経験を積み、免許を登録する流れです(国土交通省「改正建築士法の施行について」)。

この変更により、若手を採用して入社後に資格取得を支援する計画が立てやすくなりました。若手の資格取得を支える仕組みを求人票やスカウトで伝えることが、採用の差別化につながります。

募集を始める前に何を決めておくべきか?

募集を始める前に決めるのは、建物の用途と規模・任せる設計の段階・資格の扱い・使うソフトと働き方の4つです。ここが曖昧なまま募集すると、応募が来ても書類で判断できません。面接のたびに基準も変わります。

1. 建物の用途と規模

住宅・オフィス・商業施設・学校のような公共の建物など、用途で必要な経験は変わります。規模も同じです。候補者は自分の経験が活きる案件かどうかをまず用途と規模で判断します。

求人票には実際に扱っている建物の用途と規模を具体的に書きましょう。「さまざまな建物を担当」とだけ書くと、候補者に仕事の中身が伝わりません。

2. 任せる設計の段階

建築設計は基本設計と実施設計、工事監理の段階に分かれます。入社後にどの段階を任せるのかを決めておくと、必要な経験が絞れます。基本設計から任せたいのか、実施設計の図面を描ける人が足りないのかで探す人は変わります。

候補者の側も設計の初期から関われるのか、図面の作成が中心なのかを気にしています。任せる段階を書くことが選ばれるための訴求になります。

3. 資格は必須か、入社後に取ってもらうか

前の章で整理したとおり、必須にするかどうかで探せる人の数が大きく変わります。「入社後に資格取得を支援する」と書く場合は、受験の費用や勉強の時間をどう支援するのかまで決めておきます。

4. 使うソフトと働き方

設計では2次元のCADや3次元のBIMなど、使うソフトで経験者の幅が決まります。入社後に覚えてもらえるソフトなのか、経験者でなければ困るのかを分けておきましょう。働き方も設計職が気にする点です。出社の頻度や設計に使える時間をあらかじめ整理しておきます。

採用要件の決め方は採用要件(ペルソナ)の設定方法と採用基準の作り方で詳しく紹介しています。

【無料資料】採用市場で勝つための競合分析とペルソナ策定

建築士・設計職の採用にはどんな手法があるか?7つの比較

設計職の採用手法は人材紹介・ダイレクトリクルーティング・建築専門の求人サイト・大学との連携・リファラル採用・採用広報・採用代行(RPO)の7つです。構造や設備の経験者は直接声をかける方法が中心になります。

手法 向いている場面 注意すること 社内の工数
人材紹介 採用したい時期が決まっていて、設計職に強い紹介会社に探してもらいたいとき 求める専門と経験を細かく共有しないと、合わない紹介が続く 中程度で、要件の共有と選考のやり取りがかかる
ダイレクトリクルーティング 構造や設備のように人数が少ない専門で、経験者に直接声をかけたいとき 経歴の読み込みと文面の書き分けに時間がかかる 多く、候補者探しと文面づくりがかかる
建築専門の求人サイト 設計職を探している人に、募集を広く知らせたいとき 設計職の経験者は、他社の求人と見比べて選ぶ 少ない
大学の研究室・インターンシップ 若手を採用して資格取得まで育てる計画があるとき 受け入れの準備と継続的な関係づくりが要る 多く、毎年の関係づくりがかかる
リファラル採用・退職者の再雇用 社内の設計者に、同じ業界の知り合いがいるとき 紹介してほしい専門と経験を具体的に伝えないと、紹介が出ない 中程度
採用広報(作品やプロジェクトの発信) 自社の設計の取り組みを、外に見せられるとき 成果が出るまでに数ヶ月かかる 多く、発信を続ける必要がある
採用代行(RPO) 設計部門に採用の手が足りず要件づくりから任せたいとき 任せる範囲と設計部門で判断することを分けておく 少なく、面接と最終判断が中心になる

職種を問わない採用手法の全体像は、採用手法の比較で一覧にしています。

人材紹介

設計職は経歴を理解したうえで案件に合う人を紹介する力が、紹介会社によって大きく違います。建築業界に強い会社を選ぶことが、まず大切です。紹介会社に依頼するときは任せたい設計の専門と建物の用途、資格の条件を文章で共有します。

見送った候補者の理由も具体的に伝えましょう。紹介会社の担当者が理由を理解すると、次の紹介の精度が上がります。費用の目安は一般に入社する人の年収の30〜35%程度とされます。計算例は年収600万円なら180万円から210万円です。採用費の全体像は採用コストの内訳と削減方法で解説しています。

ダイレクトリクルーティング

構造設計や設備設計のように人数が少ない専門では、転職を考え始めた人に直接声をかける方法が有効です。ただし設計者への文面は、経歴を読み込んで書く必要があります。どの建物の設計を担当した人なのかが分かる文面でないと、返信が来にくくなります。

文面の書き方は後の章(設計者に選ばれるために、何を伝えればよいか)で説明します。進め方はダイレクトリクルーティングの進め方で紹介しています。

建築専門の求人サイト

建築や設計の求人を集めた専門のサイトは、設計職を探している人が見に来る場所です。応募が集まりやすい一方、他社の求人と並べて比較されます。担当できる建物の用途と規模や任せる段階を具体的に書かない求人は埋もれてしまいます。

大学の研究室・インターンシップ

若手の設計者を採用するなら、建築を学べる大学の研究室や学生向けのインターンシップとの関係づくりが入口になります。改正建築士法により、大学で指定科目を修めた学生は入社前に一級建築士試験を受けられる場合があります。入社後の資格取得の支援を伝えることが、選ばれる理由になります。

新卒向けの母集団づくりは、新卒の母集団形成で解説しています。

リファラル採用・退職者の再雇用

設計の世界は同じ業界の人同士のつながりが強く、社内の設計者の知り合いが候補者になることがあります。以前に在籍していた設計者に声をかける再雇用も、会社の仕事を理解している人に戻ってもらえる方法です。リファラル採用の進め方はリファラル採用の始め方で紹介しています。

採用広報(作品やプロジェクトの発信)

設計者は他社の作品や設計の考え方に関心を持っている人が多い職種です。自社が手がけた建物の紹介や設計の判断を解説した記事は、設計者にとって会社を知る材料になります。ただし、発注者との契約で公開できない案件もあります。公開の範囲は事前に確認しましょう。

採用代行(RPO)

設計部門の責任者が現場の業務と採用を兼ねている会社では、候補者探しと日程調整に時間を割けません。採用代行(RPO)に要件づくり・スカウト文面の作成・候補者とのやり取りを任せ、責任者が作品の確認と面接に時間を使えるようにする方法があります。費用の相場は採用代行(RPO)の費用相場で解説しています。

ポートフォリオと面接では何を確認すればよいか?

ポートフォリオでは作品の見た目より、担当した範囲と判断の理由を確認します。同じ建物に関わっていても基本設計から決めた人と決まった図面を描いた人では力量が違うためです。

作品の見た目より、担当した範囲を聞く

ポートフォリオには、見栄えのよい写真や図面が並びます。見た目の良さは、チーム全体の力や写真を撮った人の腕を映している場合もあります。本人の力量とは限りません。まず「この作品のなかであなたが担当した範囲はどこですか」と聞きます。

聞き方の例は次のとおりです。設計部門の責任者が候補者に、作品ごとに聞いていきます。

  • 「この建物の設計で、あなたが担当した段階を教えてください。基本設計、実施設計、工事監理のどこまでを担当しましたか」
  • 「チームは何人で、そのなかであなたが決めたことは何でしたか」
  • 「発注者とのやり取りは、誰が担当していましたか」

判断の理由を聞く

設計は法規やコスト、施工の都合といった制約のなかで判断を重ねる仕事です。見た目より、どんな制約があり何を優先して決めたのかの説明に本人の力が表れます。設計部門の責任者が候補者に次のような質問をします。

  • 「法規やコストの制約で、当初の案を変更した場面はありましたか。そのとき何を優先して決めましたか」
  • 「施工の担当者から指摘を受けて、設計を直した経験を教えてください」
  • 「もう一度やり直せるなら、どこを変えますか」

うまくいかなかった判断を話せる人は、振り返りの習慣があると考えられます。失敗を聞くときは、責める聞き方にならないよう「あとから分かったこと」を聞く形にしましょう。

短い実務課題を出す

ポートフォリオは本人の過去の作品です。入社後の仕事を確かめるなら、短い実務課題が役に立ちます。たとえば設計部門の責任者が自社の建物に近い条件を示し、候補者に設計の考え方を30分で説明してもらいます。図面を描いてもらう必要はありません。

見るのは案の出来だけではありません。条件の整理の仕方と、判断の理由の説明も確かめます。課題の設計はワークサンプルテストとはで紹介しています。面接の質問の考え方は面接の質問例をご覧ください。

面接を担当する人を決める

設計職の面接は、設計の経験を持つ人が行う必要があります。人事担当者だけでは、設計の判断の中身を評価できません。設計部門の責任者が面接に入り、人事担当者は候補者の志向や働き方の希望を聞くという分担が現実的です。面接官の育て方は面接官トレーニングで解説しています。

設計者に選ばれるために、何を伝えればよいか?

設計者に選ばれるために伝えるのは、担当できる建物・任される範囲・設計に使える時間・資格取得の支援・働き方の5つです。知名度で大手に劣る会社でも、任せる範囲の広さは具体的に書けば強い訴求になります。

求人票とスカウトに入れる5つの内容

  • 担当できる建物:用途と規模を具体的に書く。実際に設計した建物の種類を示す
  • 任される範囲:基本設計から携われるのか、実施設計や工事監理までなのかを書く
  • 設計に使える時間:1つの案件にかけられる時間や、設計以外の業務の割合を、実態に合わせて書く
  • 資格取得の支援:受験の費用の補助や、勉強の時間をどう確保するのかを書く
  • 働き方:出社の頻度や、案件が重なる時期の働き方を、隠さずに書く

大きな会社が持っている強みを小さな会社が真似る必要はありません。たとえば1人の設計者が設計の初期から工事監理まで携わる会社は、自分の作品として語れる案件を増やしたい設計者にとって魅力があります。

スカウト文面の3つの要素

設計者に送るスカウトは、「なぜあなたに送ったのか」「入社したら何を任せるのか」「会社の設計の状況」の3つを書きます。たとえば、次のような文面です。

〇〇様の経歴にあった、集合住宅の実施設計を担当された点に関心を持ち、ご連絡しました。当社では、中規模の建物の基本設計から工事監理まで、1人の設計者が通して担当します。入社後は、新しい案件の基本設計をお任せしたいと考えています。現在の設計部門は少人数で、案件ごとに設計の進め方を相談しながら決めています。

「裁量が大きい」「成長できる環境」のようなどの会社でも書ける言葉だけで終わる文面は、読まれにくくなります。何をどこまで任せるのかを建物の種類と段階で書きましょう。

小さな設計事務所でも、経験者に選ばれる

小さな設計事務所でも経験者を採用できます。規模の小ささは「1人の担当範囲が広い」という強みにも変えられるためです。ただし、強みを書くだけでは足りません。担当できる建物と任せる範囲を実際の案件に基づいて具体的に書いてください。実態と異なる訴求は入社後の早期離職につながります。

選考で辞退されないために何をすればよいか?

選考での辞退を防ぐには、設計部門の責任者が最初のカジュアル面談から候補者に会うことが有効です。あわせて選考の日数を短くし、条件も早めに示しましょう。経験者は複数の会社から声がかかっているため、選考が長引くと他社に決まってしまいます。

設計部門の責任者が、早い段階で会う

設計者は、自分が一緒に働く責任者の設計の考え方を重視する傾向があります。人事担当者との面接が続き、設計部門の責任者に会うのが最終面接だけでは候補者の不安が残ったまま内定に進みます。最初のカジュアル面談から責任者が同席して設計の考え方を話してもらうのが理想です。

カジュアル面談の進め方は、カジュアル面談とはで紹介しています。

選考の日数を短くする

設計部門の責任者は案件の締め切りに追われて面接の日程が組みにくい立場です。それでも、書類選考から内定までの日数が延びるほど辞退の可能性は高まります。面接の候補日を複数押さえておく・実務課題を面接の当日に組み込むといった工夫で日数を短くできます。選考期間と辞退の関係は採用リードタイムの平均と目標日数で詳しく解説しています。

条件を早く、具体的に示す

内定の連絡では担当する建物と任せる段階、資格取得の支援まで示しましょう。年収だけで比べられると、規模の大きな会社に負けやすくなります。内定承諾率の高め方は内定承諾率を上げる方法で解説しています。

AIを使うと設計職の採用のどこが速くなるか?

AIを使うと、設計者への文面の下書き・候補者の絞り込み・面接の日程調整が速くなります。HeaRのAI-RPOの運用設計では、月30件の日程調整にかかる時間がメールの往復で7〜8時間だったものから1時間前後になる試算です。

この試算は採用リードタイムの平均と目標日数で紹介したものと同じ前提です。

設計者への文面は経歴の読み込みに時間がかかる工程です。AIが経歴を要約して文面の下書きを作れば、人は作品や経歴の確認に時間を使えます。ただし、設計の判断の中身を評価できるのは設計の経験を持つ人だけです。AIは候補者探しと連絡の作業を速め、見極めは人が行います。

工程 人だけで進める場合 AIを使う場合 人が確認すること
候補者の絞り込み 設計部門の責任者が経歴を1件ずつ読んで探す AIが経歴を要約し、条件に近い人を並べる 担当した建物の用途と規模が、自社の案件に合うかを確認する
スカウト文面 候補者ごとに経歴を読んで文面を書く AIが経歴をもとに、文面の下書きを作る 担当範囲の表現が事実と合っているかを確認し、会社の言葉に直す
日程調整 候補者とのメールの往復を担当者が行う AIが候補日を提示し、日程を調整する 設計部門の責任者の予定と、面接の順番を確認する
ポートフォリオの選考 責任者が作品を見て担当範囲を聞く AIが作品の概要を整理し、確認したい点を挙げる 担当した範囲と判断の理由を、面接で本人に直接聞く

AIを使った採用代行の詳細は、AI-RPOで紹介しています。

採用代行(RPO)や採用コンサルティングは、どんなときに使うべきか?

採用代行(RPO)や採用コンサルティングは、設計部門の責任者が案件に追われて採用に時間を使えないときに役立ちます。HeaRは累計250社以上の採用を支援してきました。要件づくり・スカウト・選考の設計という職種を問わない進め方を設計職の条件に合わせて組み立てます。

要件づくりから相談したいとき

何の専門の設計者をどの資格と経験で探すのかが決まらないまま募集を始める会社は少なくありません。意匠・構造・設備のどれを何人採用するのかを整理する段階から、採用コンサルティングが役立ちます。要件が決まれば、求人票とスカウトの文面も具体的になります。

候補者とのやり取りに手が回らないとき

設計部門の責任者が案件を抱えながら候補者とのやり取りを続けるのは大変です。スカウトの送信・返信への対応・面接の日程調整を採用代行(RPO)が担い、責任者は面接と最終判断に時間を使えます。

選ぶときの考え方

採用代行や採用コンサルティングの会社を選ぶときは、設計職の経験があるかを最初に確認しましょう。経験がない会社に任せる場合は、設計の専門知識を自社の設計部門の責任者が補う前提で進める必要があります。会社の比較は採用代行おすすめ比較と採用コンサルティング会社比較で解説しています。

設計職の採用要件づくりの相談は、採用コンサルティングのサービス紹介からお問い合わせください。

建築士・設計職の採用のよくある質問

Q. 建築士の採用はなぜ難しいのですか?

A. 資格を持つ人の年齢が上がっていることと、取り合う相手が多いことが主な理由です。建築士事務所に所属する一級建築士は、60代以上が合わせて4割を超えます(国土交通省・2024年4月)。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率も5.71倍(厚生労働省・2026年8月・常用・パートを含む)と高い水準です。

Q. 一級建築士を持っていない人を採用してもよいですか?

A. 自社が扱う建物の規模によっては、採用してかまいません。二級建築士や木造建築士は、一定規模までの建築物を設計できます。戸建住宅や小さな建物が中心の会社なら、任せられる範囲が広いでしょう。入社後に資格の取得を支援する計画なら、若手を採用する道もあります。

Q. 構造設計や設備設計の経験者はどこで探せばよいですか?

A. 探せる人が限られるため、ダイレクトリクルーティングと専門分野に強い人材紹介会社が中心になります。求人を出して待つだけでは、出会えない場合が多いでしょう。専門ごとに募集を分け、選考の日数を短くしておくことも欠かせません。

Q. ポートフォリオでは何を見ればよいですか?

A. 作品の見た目より、本人が担当した範囲と判断の理由を見ます。設計部門の責任者が候補者に「基本設計から実施設計まで、どこを担当しましたか」と聞きます。法規やコストの制約のなかで何を優先して決めたのかを聞くと、本人の力量が分かります。

Q. 設計職の面接は誰が担当すべきですか?

A. 設計の経験を持つ人が面接に入る必要があります。設計部門の責任者が作品と判断の理由を聞き、人事担当者は志向や働き方の希望を聞くという分担が現実的です。責任者は最初のカジュアル面談から同席すると、候補者の不安を減らせます。

Q. 小さな設計事務所でも経験者を採用できますか?

A. 採用できます。小さな事務所は1人の担当範囲が広く、設計の初期から工事監理まで携われる強みがあります。担当できる建物と任せる範囲を実際の案件に基づいて具体的に伝えることが条件です。実態と異なる訴求をすると、入社後の離職につながります。

Q. 新卒や若手の設計者を採用するにはどうすればよいですか?

A. 大学の研究室やインターンシップとの関係づくりが入口になります。2020年3月施行の改正建築士法で、大学で指定科目を修めて卒業すれば実務経験の前に一級建築士試験を受けられます。入社後の資格取得の支援を求人票とスカウトで具体的に伝えましょう。

Q. 採用代行(RPO)は設計職の採用でも使えますか?

A. 使えます。要件づくり・スカウトの送信・候補者とのやり取りを任せ、設計部門の責任者は面接と作品の確認に時間を使えます。ただし、設計の判断を評価する面接は社内の設計経験者が行う必要があります。任せる範囲と、社内で判断する範囲を分けておくことが大切です。

まとめ

建築士・設計職の採用が難しいのは、3つの事情が重なるからです。資格を持つ人の年齢が上がっていること・構造や設備のように探せる人が限られること・取り合う相手が多いことです。まずは意匠・構造・設備のどれをどの資格と経験で探すのかを決めましょう。

そのうえで専門ごとに手法を使い分け、ポートフォリオと面接では担当した範囲と判断の理由を聞きます。設計者に選ばれるために、担当できる建物と任せる範囲を具体的に伝えることが欠かせません。

HeaRは累計250社以上の採用を支援してきました。設計職の採用要件づくりから相談したい場合は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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