
採用面接で面接官が使う質問例を、カジュアル面談・一次・二次・最終の選考段階別と、志望動機・スキル・価値観などの評価項目別に約140問まとめました。本音を引き出すキラー質問、新卒と中途での使い分け、厚生労働省の指針に基づく聞いてはいけないNG質問、評価がぶれないための評価シートの作り方まで解説します。(2026年9月更新)
採用面接の質問には、候補者が自社の採用基準を満たすかを見極める目的と、候補者に入社したいと思ってもらう惹きつけの目的の2つがあります。面接官の役割は職務経歴の確認にとどまらず、候補者が組織の価値観に合い、将来的に貢献できるかを行動事実から判断することです。
良い面接官になるためには、質問の量より先に、次の4つの基本原則を押さえておく必要があります。
面接の目的は、候補者のスキル、経験、性格が職務に適合しているかを確認することですが、それにはさらに深い意味があるといえるでしょう。面接官は、候補者が組織の価値観や文化に適合するか、将来的に組織にどのような影響を与える可能性があるかも見極める必要があります。この目的を達成するために、面接官は事前に適切な準備を行い、面接の各段階での目標を明確に設定するべきです。例えば、初期面接では基本的な適合性を確認し、最終面接では候補者の長期的なポテンシャルやチーム内での役割を探るようなアプローチが考えられます。
公平性は、採用プロセスの正当性と透明性を保証する上で極めて重要です。面接官は、個人的な偏見や先入観を排除し、全ての候補者に平等な機会を提供するために努力する必要があります。これには、同じ質問を全候補者に対して行うだけでなく、評価基準を明確にし、一貫した評価方法を用いることが含まれます。また、多様性を尊重し、異なる背景を持つ候補者が自分自身を表現できるような質問を用意することも重要です。
面接官として、候補者のプライバシーを尊重し、倫理的な面接実践に従うことが求められます。これには、職務に不必要な個人的な情報を問い合わせないことや、感度の高い話題を適切に扱うことが含まれます。特に、宗教、性的指向、政治的意見、家族計画など、差別につながる可能性のあるトピックには注意が必要です。適切な質問をすることで、候補者が尊重され、安心して面接に臨める環境を作り出します。
面接の成功は、適切な環境設定に大きく左右されるでしょう。面接官は、候補者がリラックスして自分自身を最良の形で表現できるような環境を整える責任があります。これには、静かでプライベートな面接室の確保、適切な照明と温度設定、面接中の邪魔が入らないようにすることが含まれます。また、オンライン面接の場合は、技術的な問題がないよう事前に確認し、遅延や中断が候補者の印象を損なわないよう準備しておきましょう。
見極めと惹きつけの2つの力を組織として鍛える方法は、親記事の面接官研修の内容と定着させる設計で解説しています。本記事は、その研修で使う質問のストックと使い分けに絞って整理したものです。
採用面接は、入室、自己紹介、志望動機と自己PR、募集内容の説明、雇用条件の確認、質疑応答、退室の7ステップで進みます。質問の中心は自己紹介から自己PRまでの前半に置き、後半は候補者の不安を解消して惹きつける時間に使うのが基本です。
| ステップ | 面接官の狙い | 質問の役割 |
|---|---|---|
| 入室・アイスブレイク | 緊張をほぐし、素の話し方を引き出す | 「今日はどちらから来られましたか」など答えやすい問い。ただし本籍や家族に踏み込まない(後述のNG質問) |
| 自己紹介 | 経歴の骨格と話の組み立て方を見る | 「これまでの経歴を3分で教えてください」=要約力の確認 |
| 志望動機・自己PR | 採用基準との合致を事実で確かめる | 選考段階別・評価項目別の質問(本記事の中心) |
| 募集内容・雇用条件の説明 | 認識のずれを潰す | 「ここまでで気になる点はありますか」=不安の表面化 |
| 質疑応答(逆質問) | 候補者の関心と本気度を読む | 逆質問の内容そのものが見極め材料。回答は誠実に |
| 退室 | 候補者体験を良い印象で終える | 次のステップと連絡時期を必ず伝える |
選考段階別の質問は、カジュアル面談では転職の軸と関心、一次面接では経歴の事実と採用要件の充足、二次面接では行動事実の深掘り、最終面接では価値観と意思決定の材料、と役割を分けて設計します。同じ質問を全段階で繰り返すと候補者の負担になるだけでなく、面接官ごとの評価もぶれます。
HeaRが面接官研修で使っている段階別の設計を、質問例とあわせて一覧にしました。
| 段階 | この段階の目的 | 質問例 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| カジュアル面談 | 見極めではなく惹きつけ。転職の軸を聞き、自社の魅力のどこが刺さるかを探る |
| 選考ではないので合否評価はしない。転職の軸を4P(理念・仕事・人・待遇)のどれかに分類して記録する |
| 一次面接 | 経歴の事実確認と、採用要件の必須条件を満たすかの判定 |
| 必須条件(スキル・経験・勤務条件)の充足を事実で確認。見送りの理由が言語化できる状態にする |
| 二次面接 | 行動事実の深掘りで再現性を確かめる。現場の上司や同僚が担当することが多い |
| STAR形式で「あなた自身の行動」まで降りる。主語がチームのままの回答は深掘りが足りていない合図 |
| 最終面接 | 価値観と組織への適合、入社の意思決定を支える。経営層が担当 |
| 見極めは前段で終えておき、最終は惹きつけと条件のすり合わせに時間を使う。不安の解消が内定承諾率に直結する |
カジュアル面談の進め方と質問例はカジュアル面談の進め方、最終面接から内定承諾までの設計は内定承諾率の平均と改善策で詳しく扱っています。
採用面接には、初期面接、実務面接、行動面接、ケーススタディ面接、グループ面接の5つの型があり、それぞれ評価する側面が異なります。選考段階に合わせて型を組み合わせると、候補者を多面的に評価できるでしょう。
| 種類 | 評価する側面 | 質問の型 |
|---|---|---|
| 初期面接 | 基本的な適性と職務への興味 | 「どのようにして当社を知り、応募することになったのか」 |
| 実務面接 | 専門知識と技術スキル | 「過去に取り組んだプロジェクトで使用した技術やツールについて教えてください」 |
| 行動面接 | 過去の行動から見る再現性(問題解決・リーダーシップ・協働) | 「予期せぬ問題が発生した際に、どのように解決に導いたか」 |
| ケーススタディ面接 | 分析力・問題解決力・意思決定 | 「この状況で責任者だったら、どのような戦略を立てますか」 |
| グループ面接 | チームワーク・コミュニケーション・影響力 | 「チームとしてこの問題をどのように解決しますか」 |
初期面接は、採用プロセスの最初の段階で行われ、主に候補者の基本的な適性や職務に対する興味を確認することを目的とします。この段階では、「どのようにして当社を知り、応募することになったのか」や「これまでのキャリアで直面した挑戦とその克服方法」など、一般的な質問が中心です。初期面接は、しばしば電話やビデオ通話を通じて行われ、候補者の人物像や基本的な資格を迅速に評価することができます。
実務面接は、候補者の専門知識や技術的スキルに焦点を当てたものです。この面接では、「過去に取り組んだプロジェクトで使用した技術やツールについて詳しく教えてください」や「特定の問題を解決するために独自のアプローチを採用した経験はありますか?」など、具体的かつ技術的な質問が行われます。実務面接は、候補者が職務に必要な専門的な能力を持っているかを深く掘り下げる機会です。
行動面接は、過去の行動や経験が未来のパフォーマンスを予測する最良の手段であるという原則に基づいています。このタイプの面接では、「特定の目標を達成するためにチームをどのように動機づけたか」や「予期せぬ問題が発生した際に、どのようにして冷静さを保ち、解決に導いたか」など、具体的な状況に対する候補者の反応を探ります。行動面接は、問題解決能力、リーダーシップ、チームワーク、対人スキルなど、候補者の柔軟性と適応性を評価するのに役立つでしょう。
ケーススタディ面接は、候補者の分析能力、問題解決能力、意思決定能力を試すために設計されています。この面接では、ビジネスの課題や業界固有の問題が提示され、「この状況であなたが責任者だった場合、どのような戦略を立てますか?」や「提案された解決策の長所と短所を評価してください」などの質問が行われます。ケーススタディ面接は、候補者が抽象的な情報を処理し、論理的かつ創造的な解決策を提案できるかを評価するのに適した形式です。
グループ面接は、複数の候補者が同時に面接を受け、チームワークやコミュニケーションスキル、リーダーシップ能力を評価することを目的としています。グループディスカッションや共同プロジェクトを通じて、候補者の社交性、協調性、競争心、他者への影響力などが観察されます。「チームとしてこの問題をどのように解決しますか?」や「グループ内で意見が対立した場合、どのようにして和解に導きますか?」などのシナリオが提示されることがあります。グループ面接は、特にチームベースの役割や協働が重要なポジションに対して有効です。
これらの面接タイプは、それぞれ異なる目的と焦点を持っており、採用プロセスの異なる段階で活用されます。面接官は、これらの面接タイプを適切に組み合わせることで、候補者の多面的な評価を行い、最終的な採用判断を下す際に有益な情報を得ることができます。
エンジニア職の実務面接で使う技術質問はエンジニア採用の面接質問例、実務力を課題で確かめる方法はワークサンプルテストの解説を参照してください。
評価項目別の質問例は、業務スキル、職務経験、応募理由、キャリアプラン、価値観、チームワーク、コミュニケーション、自主性、論理的思考、成長意欲、課題解決の11項目で合計100問です。自社の採用基準で重視する項目から3〜5問を選び、全候補者に同じ質問をすると評価を比較しやすくなります。
業務スキルと適応力に関する質問は、候補者が実際に業務にどのように取り組むか、その柔軟性や問題解決能力を見極めるために重要です。
候補者が新しい環境や変化にどのように対応しているか、また自分のスキルをどのように活かしているかを確認します。
過去の職務経験に関する質問は、候補者がどのような環境でどのような役割を果たしてきたか、具体的な業務経験を確認するためのものです。
候補者のスキルセットや実績、対応力などを評価し、自社でどのように活躍できるかを見極めます。
応募理由と企業理解に関する質問は、候補者がなぜ自社を志望しているのか、また自社についてどれだけ理解しているかを確認するためのものです。
候補者の志望動機の強さや、企業文化や価値観との一致度合いを判断できます。
将来のキャリアプランに関する質問は、候補者が長期的にどのようなキャリアビジョンを持っているかを確認するためのものです。
候補者が自社でどのような成長を目指しているか、またその意欲を測ることができます。
個人の価値観と性格に関する質問は、候補者の人間性や価値観を理解するためのものです。
候補者が自社のチームや企業文化にフィットするかどうかを見極め、長期的な関係を築けるかどうかを判断します。
チームワークと協働意識に関する質問は、候補者が他者とどのように協力し、チーム内でどのように役割を果たすかを確認するためのものです。
チームでの働き方や協力性を把握することで、候補者が自社のチームにどれだけ貢献できるかを評価します。
コミュニケーションスタイルに関する質問は、候補者がどのように情報を伝え、他者とどのようにコミュニケーションを取るかを確認するためのものです。
候補者が職場でのコミュニケーションにおいて円滑に対応できるかを見極めます。
自主性と行動力に関する質問は、候補者が自発的に行動し、責任を持って業務を遂行できるかを確認するためのものです。
候補者の積極性やリーダーシップの資質を評価します。
論理的思考力に関する質問は、候補者が物事をどのように考え、問題解決に向けてどのようなアプローチを取るかを確認するためのものです。
候補者が複雑な問題に対して論理的に対応できるかを評価します。
成長意欲と学習姿勢に関する質問は、候補者が自身のスキルをどのように向上させ、継続的に学び続ける姿勢を持っているかを確認するためのものです。
候補者が自社での成長にどれだけ積極的かを見極めます。
課題解決能力と創意工夫に関する質問は、候補者が困難な状況にどのように対応し、どのようにして解決策を見つけ出すかを確認するためのものです。
候補者の問題解決能力や創造的な思考力を評価します。
どの項目を重視するかは採用基準で決まります。基準の作り方は採用基準の決め方、面接でどこを見るかの8項目は面接官は面接でどこを見るべきかで解説しています。
キラー質問とは、用意された回答では答えにくく、候補者の本音や思考の癖が表れる質問のことです。圧迫のためではなく、「良いことしか言わない候補者」と「事実で語れる候補者」を分けるために、二次面接以降で1〜2問だけ使います。
キラー質問は答えの内容より、答え方(沈黙の長さ、言い直し、具体例の有無)を見る質問です。1回の面接で多用すると候補者体験を損ない、辞退の原因になるため、目的を決めて絞って使ってください。
新卒採用では職務経験がないため、学業やアルバイト、部活動などの経験から「行動の再現性」と「学ぶ力」を見ます。中途採用では職務の成果と、その成果に本人がどう関与したかを事実で確かめてください。同じ評価項目でも、聞き方を変えないと新卒には答えられず、中途には浅い質問になります。
| 評価項目 | 新卒向けの質問例 | 中途向けの質問例 |
|---|---|---|
| 行動の再現性 | 「力を入れて取り組んだことで、途中で方針を変えた経験はありますか」 | 「担当した案件で、途中で計画を変えた判断とその結果を教えてください」 |
| 志望動機 | 「この業界と当社を選んだ理由を、就職活動で見た他社と比べて教えてください」 | 「現職で解決できなかったことのうち、当社なら解決できると考えた点は何ですか」 |
| 強みと弱み | 「周りの人からよく言われる特徴と、自分では課題だと思う点は何ですか」 | 「直近の評価面談で指摘された課題と、その後の改善を教えてください」 |
| チームでの役割 | 「グループでの活動で、あなたはどんな役割になることが多いですか」 | 「前職のチームで、あなたが抜けたら何が止まりましたか」 |
| キャリア観 | 「入社後3年で身につけたい力は何ですか」 | 「今回の転職を、10年後のキャリアの中でどう位置づけていますか」 |
| 条件のすり合わせ | 「配属や勤務地について、希望と、受け入れられる範囲を教えてください」 | 「年収・役割・働き方のうち、優先順位が高い順に教えてください」 |
新卒は「ガクチカ」の完成度で判断すると、準備の巧拙を評価してしまいがちです。取り組みの規模より、本人がどこで悩み、何を変えたかを聞くと、経験の大小に左右されない評価ができます。
面接の質問は、思考や経験を語らせるオープンエンド質問を軸に、事実確認のクローズドエンド質問を組み合わせ、行動事実はSTAR(状況・課題・行動・結果)の順で深掘りします。この3つを使い分けるだけで、面接官ごとの聞き方のばらつきが小さくなるでしょう。
オープンエンド質問は、候補者の思考プロセスや意見、経験を深く掘り下げるのに適しています。例えば、「このポジションに応募した理由は何ですか?」や「新しいプロジェクトを始める際に、どのようなプロセスを踏みますか?」といった質問があります。これに対し、クローズドエンド質問は「はい」や「いいえ」、または具体的な情報で答えられる質問で、「過去に管理職の経験はありますか?」や「特定のプログラミング言語を使えますか?」などが例として挙げられます。
STAR面接は、具体的な状況やタスク、行動、結果に基づいて質問を構成する方法です。
例えば、「過去に直面した困難なプロジェクト(Situation)について教えてください。そのプロジェクトでのあなたの役割(Task)は何でしたか?その状況をどのように対処(Action)しましたか?最終的にどのような結果(Result)が得られましたか?」といった質問がこの方法に沿っています。このアプローチを用いることで、候補者の具体的な経験と成果を明確に理解できるでしょう。
STARの4要素ごとの深掘り質問と、ロールプレイで定着させる方法は面接官研修の解説にまとめています。すぐに使える質問シートは下の資料からダウンロードしてください。
候補者の動機や価値観を理解するためには、内省的な質問を用います。「なぜこの業界で働きたいと思ったのですか?」や「あなたにとって成功とは何ですか?それを達成するためにどのような価値観が重要だと思いますか?」などの質問は、候補者のキャリアに対する情熱や仕事における倫理観を探るのに役立ちます。
候補者の問題解決能力や創造性を評価するためには、「ある複雑な問題に直面したとき、それをどのようにして解決しましたか?」や「従来の方法で解決できなかった課題に対して、あなたが考え出したユニークなアプローチは何ですか?」といった質問が適しています。これらの質問は、候補者が直面した困難に対してどのようにアプローチし、新しいアイデアをどのように生み出すかを明らかにします。
厚生労働省は、本人の適性と能力に関係のない事項を面接で把握することは就職差別につながるおそれがあるとして、公正な採用選考の考え方を示しています。本籍・家族・住宅状況などの「本人に責任のない事項」と、宗教・思想・尊敬する人物などの「本来自由であるべき事項」は、雑談のつもりでも聞いてはいけません。
| 区分 | 具体例 | つい聞いてしまう場面 |
|---|---|---|
| 本人に責任のない事項 | 本籍・出生地、家族の職業・収入・資産、住宅状況、生活環境・家庭環境 | アイスブレイクの「ご実家はどちらですか」「ご家族は何をされていますか」 |
| 本来自由であるべき事項 | 宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、社会運動歴、購読新聞・愛読書 | 人柄を知ろうとする「尊敬する人は誰ですか」「よく読む本は何ですか」 |
| 採用選考の方法として不適切なもの | 合理的・客観的に必要性が認められない健康診断、身元調査 | 「持病はありますか」「結婚や出産の予定は」 |
出典: 厚生労働省「公正な採用選考の基本」。以下、面接で避けるべき質問を7つの分類で具体的に見ていきます。
採用面接において、出身地や国籍に関する質問は避けましょう。
出身地や国籍といった個人の属性に基づく質問は、業務遂行能力とは無関係であり、応募者に不公平な選考を行う印象を与え、企業イメージにも悪影響を及ぼす恐れがあります。
両親の職業や家庭状況に関する質問は、求職者本人の能力とは無関係であり、不公正な選考につながりかねません。
さらに、家庭環境や家族に関する質問は、応募者にプレッシャーを与えるだけでなく、差別的な扱いと受け取られることがあります。
宗教や思想、政治に関する質問は、個人の思想信条に踏み込むものであり、業務遂行能力や企業への貢献に直接関係しないため、就職差別を引き起こしかねません。
また、応募者の思想信条を尊重しないことで応募者に不快感を与えるだけでなく、企業の価値観や倫理観に対する疑念を抱かせるリスクもあります。
応募者の経済状況に関する質問は、面接で行うべきではありません。
例えば、家族の年収や住宅所有の有無などは、応募者の業務遂行能力と関係がなく、不公正な選考と捉えられる可能性があります。
結婚予定や出産の有無は、応募者の職務遂行能力や適性には無関係であり、性差別を引き起こしかねません。
特に女性候補者においては、セクシャルハラスメントととらえられ、不快感を抱く可能性もあります。
健康状態に関する質問は、業務に直接関連がある場合を除き、面接で取り扱う際には慎重に行う必要があります。
応募者の健康状態が業務遂行に影響を及ぼす可能性がある場合でも、その質問が不必要に差別的な印象を与えないよう配慮が必要です。
個人的な趣味や嗜好に関する質問も、面接で注意すべき項目に含まれます。
例えば、応募者の趣味や購読している雑誌、尊敬する人物などは、業務遂行能力や適性に直接関係するものではなく、本来自由であるべき事項です。
NG質問は「知らなかった」では済まず、SNSで選考体験が共有される時代には採用ブランド全体を傷つけます。面接官全員に周知する方法は面接官研修の解説を参照してください。
面接官ごとに評価がぶれる原因の多くは、質問ではなく準備にあります。採用基準の言語化、全候補者に共通する質問の固定、評価シートの項目と尺度の統一の3つを面接前に済ませておけば、誰が面接しても同じ結論に近づきます。
| 評価シートの項目 | 評価の基準(例) | 記入例 |
|---|---|---|
| 必須条件の充足 | 募集要項の必須スキル・経験を満たすか(満たす/一部/満たさない) | 法人営業3年以上:満たす(現職で4年、新規開拓が中心) |
| 行動事実 | STARで確認できた本人の行動(チームではなく本人) | 失注案件の再提案を自ら起案し、3ヶ月で受注。上司の関与は承認のみ |
| 採用基準との合致度 | 項目ごとに3段階(Best/Normal/Sorry) | 主体性:Best。論理性:Normal(数字の根拠がやや弱い) |
| 懸念点 | 見送りや条件付き合格の根拠になる事実 | マネジメント経験なし。本人も自覚あり |
| 惹きつけの状況 | 候補者の転職の軸と、自社の魅力のどこが刺さったか | 裁量の大きさに関心。待遇は現職と同水準で可 |
| 総合判定と次のアクション | 合格/保留/見送りと、次の面接官への申し送り | 合格。二次では顧客折衝の具体例を深掘りしてほしい |
面接後の評価は、設定した基準に基づいて客観的に行われるべきです。候補者のスキル、経験、行動、そして面接中の回答を総合的に考慮し、職務適合性を評価します。また、面接プロセスの透明性と公平性を保持するために、候補者に対しては具体的かつ建設的なフィードバックを提供し、改善の余地があればそれを共有することが重要です。
3段階の記入例を含む採用基準の作り方は採用基準の決め方で解説しています。
AIを使うと、採用基準から評価項目別の質問案を生成する、面接の録音を要約して評価シートの下書きを作る、面接官のロールプレイ相手になる、の3つが短時間でできるようになります。ただし合否の判断と候補者との対話は人の仕事のままで、AIは準備と記録の工数を減らす道具です。
面接工程で使えるAIツールの比較はAI採用ツールの比較、面接官研修でのAIロープレの位置づけは面接官研修の解説を参照してください。
※AIの活用範囲と度合いは、媒体や要件により異なります。
面接官や採用担当者から寄せられることの多い質問をまとめました。
A. 隠さず、事実で答えるのが基本です。答えられない質問(未確定の人事や未公開の数字)は「いまは答えられない」と理由を添えて伝えます。逆質問の内容は候補者の関心の表れなので、評価シートの「惹きつけの状況」に記録し、次の面接官に引き継いでください。
A. 全候補者に同じ質問を同じ順で聞く構造化面接にし、評価シートの項目と尺度を統一します。そのうえで、同じ候補者を面接した面接官同士で評価の差を持ち寄る「答え合わせ」を定期的に行うと、基準のずれが具体的に見えます。研修で一度揃えても数回で自己流に戻るため、仕組みとして繰り返すことが重要です。
A. 必須条件の充足、STARで確認した行動事実、採用基準との合致度(3段階)、懸念点、惹きつけの状況、総合判定と次の面接官への申し送りの6項目が基本です。印象ではなく行動事実を書き、面接直後に記入してください。
A. 60分の面接なら、事前に決めた共通質問5〜7問と、その深掘りで十分です。質問数を増やすより、1つの回答をSTARで深掘りするほうが見極めの精度は上がります。キラー質問は1〜2問に絞ります。
A. 共通質問は比較のための土台で、深掘りは候補者ごとに変えて構いません。共通質問で採用基準との合致を揃えて確認し、深掘りで個別の強みを引き出す、という二層構造にすると、公平性と個別性を両立できます。
A. 質問の内容は同じで構いませんが、相づちや沈黙が伝わりにくいため、質問は短く区切り、回答の後に「もう少し具体的に」と一言足す回数を増やします。冒頭で通信トラブル時の連絡方法を伝えておくと、候補者の緊張が下がるでしょう。
採用面接の質問は、選考段階別に役割を分け、評価項目別のストックから自社の採用基準に合う質問を選び、全候補者に同じ順で聞くことで初めて機能します。本記事の約140問は、そのまま使うためではなく、自社の基準に合わせて言い換えるための土台として使ってください。
NG質問の周知と評価シートの統一は、質問の質と同じくらい重要です。面接官全員が同じ地図を持てば、誰が面接しても同じ結論に近づき、候補者体験も安定するでしょう。
HeaRでは累計250社以上の採用支援の経験をもとに、採用基準の言語化から質問設計、面接官研修とその定着までを支援しています。自社の面接のどこから直すべきか、という整理の段階からご相談いただけます。詳しくは面接官研修の解説もご覧ください。
採用課題に合わせた最適な打ち手を、HeaRが共に設計します。
まずは資料でサービスの全体像をご確認ください。