営業職の採用が難しい理由と採用方法|求人倍率・必要なスキル・手法の比較表・AI時代の見極め方【2026年10月更新】

2022-05-09
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2026-10-16

営業職の採用が難しいのは、求人が多いうえに「どの営業か」が曖昧なまま募集しやすいからです。営業職の転職求人倍率は3.14倍(doda・2026年8月)。必要なスキル・手法7つの比較表・AIの普及で変わる見極め方を解説します。(2026年10月更新)

営業職採用の市況はどうなっているか?

営業職の転職求人倍率は3.14倍で、転職市場全体の2.86倍を上回っています(doda・2026年8月)。前年同月の2.71倍から上がっており、求職者1人に対して3件以上の求人がある状態です。

営業職の求人倍率は上がっている

dodaの転職求人倍率レポートでは、2026年8月の転職求人倍率は全体で2.86倍でした。営業は3.14倍です。営業の倍率は前年同月の2.71倍、前月の3.04倍から続けて上がっています。職種区分にはIT・通信のエンジニアの12.04倍や、企画・管理の3.28倍もあります。営業はエンジニアほど極端ではないものの、候補者が複数の企業から選べる売り手市場が続いています(出典: doda転職求人倍率レポート)。

全国の有効求人倍率の推移は、採用市場のデータにまとめています。

営業職の採用はなぜ難しいのか?5つの理由

営業職の採用が難しい理由は5つあります。求人が経験者の数を上回っていること・営業の種類が多く求める人が定まりにくいこと・条件が似た求人が多く差がつきにくいこと・選考中の辞退が出やすいこと・見極めが難しいことです。

理由 起きていること 対応する章
求人が経験者を上回る 求人倍率3.14倍の売り手市場で、候補者が複数社を比べる 採用手法の比較
営業の種類が多い 新規開拓・ルート営業・インサイドセールスで求める人が違う 採用前に決めること
求人票で差がつかない 給与や休日が似た求人が並び、候補者が違いを読み取れない 求人票の書き方
選考中の辞退が出る 連絡や日程が遅れた企業から候補者が離れる 選考の進め方
見極めが難しい 話しぶりのよさと、入社後の成果が一致しないことがある 選考でのミスマッチ防止

求人が経験者の数を上回っている

求人倍率が3倍を超える状況では、経験のある営業職は複数の企業から声がかかります。待っているだけでは応募が集まらず、企業側から候補者に届ける手法が必要になります。

営業の種類が多く求める人が定まりにくい

営業と言っても新規の顧客を開拓する仕事と、既存の顧客を深く担当する仕事では求める力が違います。インサイドセールスのように電話やオンラインで進める職種もあります。求人票に「営業職」とだけ書くと、応募は来ても合う人がいない状態になりがちです。

求人票で差がつかない

営業職の求人は数が多く給与や休日の条件も似ているため、候補者は違いを読み取りにくくなります。仕事内容の具体さとその企業で働く意味が書かれていない求人は、比較の中に埋もれてしまいます。

選考中の辞退が出やすい

売り手市場では候補者は複数社の選考を並行して進めます。連絡や日程調整が遅れた企業は、内定まで進む前に辞退されがちです。

見極めが難しい

営業職は面接での話しぶりがよい人が多く、話のうまさと入社後の成果が一致しないことがあります。実績の数字を聞くだけでは、その数字がどんな条件で出たかが分かりません。見極める方法は後の章(選考でのミスマッチ防止)で説明します。

営業職の採用を始める前に何を決めておくべきか?

採用を始める前に決めるのは3つです。募集する営業の種類を1つに絞ること・自社の営業が活躍している理由を言葉にすること・採用競合の求人を調べることです。そのうえで、ペルソナと魅力の訴求ポイントを決めます。

募集する営業の種類を決める

次の表で自社が必要な営業の種類を1つ選びます。複数の役割を1人に求める求人は、条件が高くなり応募が減ります。

営業の種類 任せる仕事 向いている経験 面接で確認すること
新規開拓営業 まだ取引のない企業へ提案し、新しい顧客を増やす 新規アポイントの獲得から受注までの経験 新規の顧客を、どの手段で何件獲得したか
ルート営業・既存顧客担当 既存の顧客と関係を深め、追加の受注を作る 同じ顧客を継続して担当した経験 顧客との関係をどう続け、追加の提案をどう作ったか
インサイドセールス 電話やオンラインで見込み客を育て、商談につなげる テレアポ・メール・オンライン商談の経験 1日の架電数と商談化率を、自分でどう改善したか
提案型・技術営業 顧客の課題を聞き、自社の商品やサービスを組み合わせて提案する 課題のヒアリングと提案書の作成経験 顧客の本当の課題をどう見つけ、提案に反映したか

自社の営業職人材へのヒアリング

現場の状態を人事が完全に把握することは難しいものです。人事だけで採用を考えると、現場の実態とずれる可能性があります。活躍している営業職に、次の点を聞いてみましょう。

  • どんな部分に魅力を感じて入社を決めたのか
  • 働くうえでの自社の魅力は何か
  • 自社で活躍しそうな人物像はどんな人か

「分かっているから聞かなくても大丈夫」と思い込まず、改めて質問してみることをおすすめします。

ペルソナ設計

ペルソナとは商品やサービスを利用する架空のユーザー像を表すマーケティング用語です。近年は採用にも応用されることが増えました。

ペルソナ設計では20代女性・社会人といった大まかなくくりではなく、25歳・都内勤務・実家暮らし・趣味はカフェ巡りのように、詳しく人物像を作り込みます。この点がターゲット設定との大きな違いです。ペルソナを設定したからといって、ペルソナそのままの人を採用するわけではありません。ペルソナの周辺を狙う気持ちで戦略を設計することが大切です。

人気の求人媒体や流行りの採用手法を取り入れても、求める人を採用できるとは限りません。自社に合った施策を行って求める人に届く求人を作るために、ペルソナ設計は有効な手段です。詳しくは採用要件(ペルソナ)の策定方法をご覧ください。

採用競合を分析する

採用競合がどんな求人媒体を使い、どんな募集の書き方をしているか分析してみましょう。ここで注意したいのは、採用競合が事業上の競合他社だけとは限らないことです。他の業種や業界の企業が上がってくるケースも多くあります。採用競合が分からない場合は、社員や候補者に自社のほかに選考を受けていた企業を尋ねてみるのがおすすめです。

ただし、そのまま真似する形に終わらないように気をつけましょう。競合の手法が自社に合わない場合もありますし、差別化の意味でも独自性は大切です。活かせる部分は取り入れつつ、自社ならではの取り組みを生み出していきましょう。

ターゲットに刺さるポイントを明確にする

設定したペルソナをもとに、求める人の心を動かすポイントを明確にします。「働きやすい環境」「やりがいのある仕事」といった抽象的な言葉でとどめず、「リモートワークができる」「顧客から直接お礼が聞ける」のように具体的に書きましょう。

自社が訴えたいポイントと、候補者が惹かれるポイントが同じだと根拠なく思い込みがちです。客観的な視点で確認してください。ここで重要になるのがPoD(Point of Difference/差別化要素)です。候補者が求めていても、競合も提供できる価値では訴求が弱くなります。候補者が求めていて他社では提供できていない価値を見つけましょう。競争力を高める考え方は、採用ブランディング戦略の解説で紹介しています。

自社の魅力を正しく把握する

企業の採用上の魅力は、4Pと呼ばれる次の4つに分けられます。

  • ①Philosophy(理念・目的):組織のビジョンや目的に対する魅力
  • ②Profession(仕事・事業):組織の活動に対する魅力
  • ③People(人材・風土):メンバーと接することで得られる魅力
  • ④Privilege(特権・待遇):組織に属することで得られる処遇や特権

この4つをもとに魅力を書き出して分類し、自社がどの分野で特に魅力的かを考えましょう。書き出すときは「こんな細かいことが魅力になるのか」と思うことでも切り捨てず、書き出してみるのがポイントです。小さなエピソードでも、集まれば大きな魅力になる可能性があります。詳しくは4Pの解説をご覧ください。

営業職に必要なスキルとは?能力・適性・知識・ツール

営業職に必要なスキルは、コミュニケーション能力だけではありません。能力・適性・知識・ツールの4つに分けて整理すると、自社の営業に必要なスキルを漏れなく洗い出せます。

  • 能力:営業職として活躍するうえで重要な力
  • 適性:営業職として力を発揮することに影響する性質
  • 知識:営業職で求められる固有の知識
  • ツール:営業で使うことが多いツールの経験

能力

能力 内容
ヒアリング 相手の話を聞くだけでなく、潜在的な不満や悩みを聞き出す力。顧客の課題を自然に引き出せるとよい
プレゼンテーション 伝えたいことを順序立てて分かりやすく伝える力。商談でも重要になる
クロージング 顧客の決定を促す力。判断しきれない顧客の背中を押せる説得力が鍵になる
コミュニケーション 相手の求めることや性格をつかみ、適切に受け答えする力。話がうまいだけでなく、相手に合った対応が大切
論理的思考 物事を筋道立てて考える力。商品を分かりやすく伝え、顧客の課題を解決するために必要
問題発見(課題解決) 顧客の課題を見つける力。顧客自身が課題を把握していないケースも多く、話から本当の課題を特定する洞察力が求められる
ITリテラシー ITツールを使いこなす力。営業活動のオンライン化が進み、顧客に使い方を説明できる状態が望ましい
ビジネスマナー 顧客との関係づくりに欠かせない。時代とともに変わるため、根底の考え方を把握しておく
数値管理 数値で自分の行動を記録・分析する力。どこで歩留まりが起きているかを考える思考力も含む
営業マネジメント 営業メンバーが力を発揮し、目標を達成できる状態に導く力。組織全体を見る視点が重要

適性

  • 感受性:人の気持ちや機微を感じる力。顧客が本当に考えていることを知るために欠かせない
  • 達成動機:物事を達成したいという動機。達成動機が高い人は成功確率が50%ほどの目標でもっともやる気が上がるといわれている
  • 失敗回避動機:失敗したくないという動機。この動機が強い人は成功確率が極めて高い目標か低い目標を好む。達成動機が強い人と失敗回避動機が強い人のどちらが自社に合うか考えてみる
  • 時間効率:時間を有効に使うタイムマネジメント力
  • 協調性:他の人と力を合わせたり助け合ったりする力。チームや他部署との協働で重要になる
  • 外向性:興味や関心が外に向く傾向。社交的・積極的・明るいといった特徴がある
  • レジリエンス:厳しい状況でも立ち直る適応力。顧客から厳しい言葉をもらっても折れない人が必要
  • 自己認識力:自分がどういう人間で、どう見られているかを認識する力

知識

  • アカウントプラン:顧客別にまとめた営業の基本構想。顧客のビジネス状況に応じて課題解決を提案するために重要
  • エンタープライズ営業:大企業向けの営業手法。大企業への販路拡大を狙うなら、この知識を持つ人がいると力になる
  • 紹介の促し:顧客に新しい顧客を紹介してもらうための知識。最適なタイミングや伝え方を経験で持つ人は貴重
  • 代理店管理:代理店営業では通常の営業と異なる知識が求められる。代理店への講習会を行う場合は研修の知識もあるとよい

ツール

  • Salesforce:自社で導入しているなら、使用経験のある人のほうが仕事になじみやすい
  • PowerPoint:操作できるだけでなく、視覚的に分かりやすい資料を作れるとなおよい

営業職の求人票は何を明確にすれば応募が増えるのか?

営業職の求人票は仕事内容・扱う商材・応募資格・休日と福利厚生・自社の魅力の5つを明確にすると、応募が増えやすくなります。

仕事内容を明確にする

担当してもらいたい役割(法人営業・個人営業など)と、日々の業務やタスクを書きます。BtoB営業なら顧客の業界や企業規模、BtoC営業なら中心となる顧客の年齢層や属性を明確にします。海外展開をしている企業は、どの国の顧客が相手かも書いておきましょう。新規開拓かルート営業かも、大切なポイントです。

あわせて新規開拓の手法や商談におけるオンラインと対面の比率など、働くイメージが湧く内容を書きます。若手やポテンシャル採用なら、標準的な1日の流れを入れると分かりやすくなります。

扱う商材・サービスを明確にする

自分で商品を売る営業職にとって、会社の扱う商材は特に重要です。自社の事業・担当する商品・競合に勝てる強みを書きましょう。業界の市場規模や今後の成長の可能性も書いておくとおすすめです。

応募資格を明確にする

欠かせないスキルは必須条件に、できれば欲しいスキルは歓迎条件に書きます。必須条件が多すぎると、「自分のレベルで応募していいのだろうか」としり込みする人が出ます。本当に必要かを見直し、不可欠でなければ歓迎条件にしましょう。

休日・福利厚生を明確にする

年間休日数・休日の曜日・有給休暇がいつから付与されるかを明確に書きます。福利厚生は制度名と説明をセットで書きましょう。

自社の魅力を明確にする

候補者に訴求できる魅力が、「理念・目的」「仕事・事業」「人材・風土」「特権・待遇」のどれなのかを決めます。それが伝わる書き方にします。人が魅力なら社員にフォーカスした内容にします。事業が魅力なら代表が事業への思いを語る形にするなど、魅力に合わせて組み立てます。

営業職の採用手法にはどんなものがあるか?7つの比較

営業職の採用ではダイレクトリクルーティングを中心に、媒体・エージェント・採用広報・リファラルなどを組み合わせるのが基本です。

採用競合が多い中では、1つの手法に頼らず複数を組み合わせる必要があります。次の表で手法ごとの特徴と注意点を比べてください。

手法 向いている場面 注意点
採用媒体(求人広告・ナビ) 幅広く母集団を作りたい 登録者層が媒体ごとに違うため、求める人が多い媒体を選ぶ
ダイレクトリクルーティング 経験者に直接届けたい・待ちの採用から変えたい スカウト文面の質で返信率が変わる。運用の工数がかかる
人材紹介(エージェント) 運用の人手が足りない・非公開で探したい エージェントに採用要件と選考基準を常に共有する
採用広報(記事・SNS) 中長期で認知を広げたい 継続が必要で、すぐには応募につながらない
採用ピッチ資料 会社の実態を正直に伝えたい 良い点だけでなく課題も書くと信頼される
ウェビナー 事業の知見を示しながら採用にもつなげたい 企画と集客の工数がかかる
リファラル採用 活躍する社員と近い人を採用したい 社員の協力が不可欠。周知とチームづくりが必要

適切な採用媒体を選定する

媒体によって登録者層が異なるため、求める人が多く登録している媒体を選びましょう。たとえば若手で優秀な人材の採用ならAMBI、IT・Web業界での採用ならGreenが適しています。

適切な人にアプローチするには、広告媒体よりもダイレクトリクルーティングを中心に据えるのがおすすめです。ダイレクトリクルーティングの考え方と媒体の比較は、ダイレクトリクルーティングとはで整理しています。

エージェントコントロールを実施する

よい人材を紹介してもらうには、エージェントとの関係が肝になります。次の3点を実行しましょう。

  • 常に最新の採用要件と選考基準を共有する
  • 通過した理由と見送った理由を明確に伝える
  • 紹介が少ない場合は原因を特定して解消する

採用広報記事で発信する

営業職向けの記事を書いて発信しましょう。採用広報の記事は無関心から認知・応募までのフェーズに合わせたコンテンツが必要です。母集団形成のためには、まだ関心のない人にも有益だと思ってもらえる内容が向いています。たとえば「エース社員が営業活動で心がけていること」などです。

採用ピッチ資料を作成する

採用ピッチ資料も一手です。従来の会社紹介資料との違いは、良いことだけでなく課題も書くことです。課題を伝えると誠実な会社という印象を与えられ、候補者の課題解決の意欲を刺激して応募意欲を高められます。

ウェビナーを開催する

ウェビナーはBtoBのマーケティング効果と採用効果を両立できます。自社の知見を公開すると、「この会社で働いたら自分も成長できそう」という印象を候補者に持ってもらえます。応募につながります。

SNSで発信する

SNSの発信では自社の実際の姿や雰囲気を伝えられます。継続して発信し候補者の目に留まる機会が増えると、ブランディングにもつながります。自社の求人だけでなく、営業職が役に立つと感じる内容の投稿を心がけましょう。

リファラル採用を強化する

社員の知人や友人から採用する手法です。活躍している社員に近い人を採用できるため、効果的です。ただし、社員の協力が欠かせません。周知やプロジェクトチームづくりなど、人事が中心になって社内を巻き込みましょう。

営業職採用の母集団形成に役立つ資料も、無料で配布しています。

ダイレクトリクルーティングでは営業職にどんなスカウトを送ればよいか?

営業職へのスカウトでは、「なぜあなたに送ったのか」「入社したら何を任せるのか」「どんな営業をしている会社か」の3点を具体的に書くと返信につながります。

営業職は日々多くのスカウトを受け取っています。どの企業にも書ける言葉だけの文面は、読み飛ばされます。

  • なぜあなたに送ったのか:職務経歴書の中で、担当した顧客や実績のどこに注目したかを書く
  • 入社したら何を任せるのか:新規開拓か既存顧客の担当か・扱う商材・チームの人数を書く
  • どんな営業をしている会社か:営業の進め方・1日の流れ・評価の仕組みを書く

スカウトの返信率を上げる書き方は、スカウトの返信率を上げる方法で詳しく解説しています。

入社後のミスマッチをなくす営業職の選考手法とは?

営業職の選考でミスマッチを減らす手法は、構造化面接・リファレンスチェック・適性検査・ワークサンプルテストの4つです。面接だけに頼らない見極めが大切です。

構造化面接で行動の事実を聞く

構造化面接とは全員に同じ質問をして、同じ基準で評価する面接です。営業職では話しぶりのよさに引きずられやすいため、質問と評価基準を事前にそろえることが効果的です。

聞くこと 質問の例 見るポイント
成果の前提 その成果は、どんな顧客・期間・体制で出しましたか 数字だけでなく、成果が出た条件を説明できるか
課題の見つけ方 顧客が本当の課題に気づいていなかった場面で、どう聞き出しましたか ヒアリングの具体的な工夫があるか
うまくいかなかった経験 受注できなかった案件で、次に何を変えましたか 失敗を振り返り、行動を変えているか
数字の管理 目標に届かないとき、どの数字をどう見て手を打ちましたか 歩留まりを分けて考えているか
入社後の姿 入社後の最初の3か月で、何から取り組みますか 自社の営業の進め方を理解して考えているか

面接の質問例は採用面接の質問例140選にまとめています。

リファレンスチェック

リファレンスチェックとは、候補者の人柄や仕事への取り組み方を周囲の人に尋ねることです。一般的には上司や同僚に聞くことが多くあります。自社で実施する場合と外部サービスを使う場合がありますが、どちらも候補者の同意が必須です。

メリットは実際に一緒に働いた人の声を集められるため、候補者の実像を知ってミスマッチを防げることです。ただし候補者の同意が得られない場合や、回答を依頼した相手に断られる場合もあります。実施できない可能性も考えて、他の方法と併用するのがおすすめです。進め方はリファレンスチェックシートの解説をご覧ください。

適性検査

適性検査は自社で働くのに必要な適性を見極める試験です。パーソナリティ(外向性・協調性など)を見るものと、能力(思考力・言語処理能力など)を見るものがあります。就職活動で多くの企業が実施しているSPIや玉手箱が有名です。

能力検査が多い新卒採用の適性検査と違い、中途採用ではパーソナリティを見ることが多い傾向にあります。面接や書類では分かりにくい、自社の風土と候補者の相性を見極めるために使われます。

ワークサンプルテスト

ワークサンプルテストとは、各企業が独自に作るスキルチェックのテストです。実務に近い課題や現場の社員とのディスカッションを通じて、入社後にスキルのミスマッチが分かることを防ぎます。体験入社の形をとる企業もあります。

影響力のある企業が取り入れているため、注目を集めて母集団形成にも役立つ可能性があります。半日から1日かかることが多く、この段階の辞退が増えやすいのがデメリットです。見方を変えれば志望度の低い応募者を絞り込むためにも使えます。詳しくはワークサンプルテスト大全をご覧ください。

メリットとデメリットを1つにまとめたホワイトペーパーも、無料で配布しています。

AIの普及で営業職の採用要件と見極め方はどう変わるか?

営業職の生成AIの活用率は1年で28.9%から43.4%に広がりました(HubSpot Japan・2026年2月)。AIで調べものや資料づくりが速くなるため、営業職には「個別の事情をくんだ提案」や「潜在的なニーズを引き出す力」がより求められます。

HubSpot Japanの「日本の営業に関する意識・実態調査2026」(売り手1,545名・買い手515名)では、営業職の生成AI活用率が前年の28.9%から43.4%に広がりました。生成AIで生まれた時間の使い道でもっとも多かったのは、「提案の質を高めるための思考時間」の43.9%です。買い手の約8割は営業担当者に「生成AIにはない価値」を期待しており、具体的には「個別事情をくんだ提案」と「潜在ニーズの引き出し」が挙げられています(出典: HubSpot Japanプレスリリース2026年2月27日)。

この変化は営業職の採用要件に3つの影響を与えます。

  • ヒアリングと課題発見の比重が上がる:資料づくりや情報収集はAIで速くなるため、顧客の話から本当の課題を見つける力の差が大きくなります。構造化面接では課題の聞き出し方を具体的な場面で聞きましょう。
  • AIを使う姿勢を歓迎要件に入れる:特定のツールの経験を必須にするのではなく、AIを使って提案の質を上げた経験を歓迎要件で見ます。
  • ITリテラシーの意味が変わる:ツールの操作ができることに加え、AIの出力を確認して使い分けられる力を見ます。

営業職の採用にAIを使う場合の考え方は、AI×採用ガイドで解説しています。

選考中の辞退を防ぐには何をすればよいか?

選考中の辞退を防ぐには3つが効果的です。連絡と日程調整を早くすること・面接を魅力づけの場にすること・現場の営業と話す機会を作ることです。

売り手市場では候補者は複数の企業を並行して見ています。連絡が遅い企業はそれだけで熱意が低いと受け取られます。応募を受けたら当日か翌営業日までに連絡し、面接の日程を早く提示しましょう。

面接は見極めるだけの場にしないことも大切です。候補者に自社の営業の進め方や評価の仕組みを伝えます。現場の営業と話す機会を作ると、入社後の姿がイメージできます。選考のスピードと流れの設計は、採用リードタイムの解説をご覧ください。

営業職の採用に関するよくある質問

Q. 営業職の採用はなぜ難しいのですか?

A. 求人倍率が3.14倍(doda・2026年8月)と売り手市場で、求人が経験者を上回っているためです。加えて、営業の種類が多く求める人が定まりにくいこと・選考中の辞退が出やすいこと・話しぶりと成果が一致しないため見極めにくいことも重なります。

Q. 営業職の求人倍率はどのくらいですか?

A. dodaの2026年8月の集計で3.14倍です。転職市場全体の2.86倍を上回り、前年同月の2.71倍からも上がっています。

Q. 未経験の営業職を採用するのはありですか?

A. 選択肢になります。未経験者を採用する場合は、業界の経験ではなくヒアリング力や学ぶ姿勢などの適性を基準にします。入社後の育成体制も先に決めておきます。教える人の時間が確保できない場合は、経験者の採用を優先しましょう。

Q. 営業職の採用に向いている手法はどれですか?

A. 経験者に直接届けられるダイレクトリクルーティングが中心になります。媒体・エージェント・リファラルを組み合わせ、運用の人手が足りない場合は採用代行(RPO)の利用も選択肢です。

Q. 面接で営業職の適性をどう見極めればよいですか?

A. 全員に同じ質問をする構造化面接で、成果の数字の前提を聞きます。どんな顧客・期間・体制で出した成果かを聞き、うまくいかなかった案件から何を変えたかも確かめます。

Q. 営業職の採用でAIはどう影響しますか?

A. 資料づくりや情報収集がAIで速くなるため、課題を引き出すヒアリング力や個別の事情をくんだ提案力がより重視されます。HubSpot Japanの調査では、営業職の生成AI活用率が1年で28.9%から43.4%に広がっています。

Q. 内定辞退や選考辞退を防ぐにはどうすればよいですか?

A. 応募への連絡と日程調整を早くし、面接で自社の営業の進め方や評価の仕組みを伝えます。現場の営業と話す機会を作ると、入社後の姿がイメージできて辞退が減ります。

Q. 自社だけで営業職の採用が回らないときはどうすればよいですか?

A. 要件づくりから外部の採用コンサルティングに相談するか、スカウトや日程調整などの実務を採用代行(RPO)に任せる方法があります。何を社内で持ち何を任せるかを先に決めておくと、依頼する範囲が明確になります。

まとめ

営業職の採用が難しいのは、求人倍率3.14倍の売り手市場であることに加え、営業の種類が多く求める人が定まりにくいからです。まず募集する営業の種類を1つに絞り、必須条件を減らして求人票に仕事内容と自社の魅力を具体的に書きましょう。

そのうえで、ダイレクトリクルーティングを中心に手法を組み合わせます。構造化面接やワークサンプルテストでミスマッチも防ぎます。AIが営業の仕事を変える今は、課題を聞き出す力と個別の提案力を見る視点が欠かせません。

営業職の採用でお悩みの方は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。スカウトや日程調整などの実務まで任せたい場合は、AI-RPOのサービス紹介もあわせてご確認ください。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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