内定辞退の理由と防止策【2026年9月更新】新卒・中途別の辞退率と、選考フェーズ別に辞退を防ぐ設計

2022-02-03
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2026-09-28

内定辞退は新卒で6割超、中途でも2025年は15%まで増えました。本記事は辞退が起きる理由を新卒・中途に分けて整理し、母集団形成・面接・内定通知・承諾後フォローの4フェーズ別に辞退を防ぐ設計、辞退理由のヒアリング方法、計測の考え方まで、累計250社の採用支援の知見で解説します。

内定辞退とは?内々定辞退・内定取り消しとの違い

内定辞退とは、企業が出した採用内定を候補者側が断ることです。新卒採用では10月1日より前の合意を「内々定」と呼び、その段階での辞退は内々定辞退と区別されます。企業側が内定を取り消す「内定取り消し」とは主体が逆で、法的な扱いも異なります。

新卒の内定は「始期付解約権留保付労働契約」と解釈されるのが一般的で、候補者は入社日の2週間前までであれば辞退できます。承諾書を出した後の辞退も、法的には止められません。だからこそ、辞退を「約束を破られた」と捉えるより、選考のどこかで候補者の気持ちが離れた結果と捉えるほうが、次の打ち手につながります。

承諾率の定義や計算式、内定承諾後の法的な位置づけの詳しい話は、姉妹記事の内定承諾率の平均と上げ方にまとめています。この記事では「なぜ辞退が起きるのか」と「辞退が起きない選考をどう設計するか」に絞って解説します。

内定辞退はどれくらい起きているのか?

新卒では、内定を得た学生の6割以上がどこかの企業を辞退しています。中途でも、2025年の内定辞退率は15.0%と前年の9.3%から急増しました。辞退はもう例外的な出来事ではなく、選考設計に織り込むべき前提です。

区分指標数値出典
新卒就職内定辞退率(卒業時点)63.6%(2024年卒)リクルート就職みらい研究所「就職プロセス調査」
新卒就職内定辞退率(3月18日時点)31.3%(2026年卒。前年同時点27.0%)同上
新卒内定を2社以上取得した学生53.5%(2026年卒・3月18日時点。平均取得2.05社、平均辞退0.54社)同上
新卒辞退率が5割以上だった企業41.5%(2026年卒。2019年卒は21.1%)マイナビ「企業新卒内定状況調査」
中途内定辞退率15.0%(2025年。2024年は9.3%)マイナビ「中途採用状況調査2026年版」
中途従業員規模別で最も高い層51〜300名で18.9%同上

新卒の辞退率は3月に3割、5月中旬で約半数、6月で6割に達します。選考の早期化で内定が出る時期は前倒しになりましたが、学生が最終的に1社を選ぶ時期は変わっていないため、内定を持ったまま就職活動を続ける期間が長くなっています。企業の側から見ると、「内定を出してから承諾までの期間」が、辞退リスクにさらされる期間そのものです。

中途の15.0%は、マイナビ社の調査で「内定者数の平均と採用者数の平均から計算した値」です。企業ごとの実測とは定義が違うので、自社の数字と比べるときは分母をそろえてください。それでも1年で5.7ポイント増えた事実は重く、特に従業員51〜300名の企業で高い点は、採用担当者が兼務で候補者への連絡が遅れがちな規模と重なります。

新卒の内定辞退が起きる理由は?

新卒の辞退理由は、企業側の把握では「より志望度の高い企業から内定が出た」が約半数を占めます。ただし志望度の差は選考の外で決まるのではなく、選考中の体験で作られるものです。

マイナビ社の「企業新卒内定状況調査」で、2026年卒の内定辞退理由を企業が把握している範囲で見ると、次の順です。

辞退理由(企業側の把握)割合
より志望度の高い企業から内定が出た49.8%
希望職種と合わなかった17.7%
希望勤務地と合わなかった15.1%
企業の業種12.1%
給与条件11.4%
福利厚生などの制度9.6%
社風2.4%
保護者からの反対1.9%
面接官など社員の人柄0.6%

この表で見落としやすいのは、「社員の人柄」が0.6%と小さいことです。候補者が企業に伝える理由と、本当の理由は一致しません。辞退の連絡で「他社に決めました」と言われたとき、その他社を選んだ決め手が「面接官の印象」や「連絡の速さ」だったとしても、候補者はそれを口にしないのが普通です。企業側の把握データは「志望度」に寄りやすいと知ったうえで読む必要があります。

HeaRが採用支援の現場で見る新卒の辞退理由は、大きく3つに分かれます。

  • 志望度の高い企業から内定が出た:企業理念、事業内容、働く人、給与・待遇の4点で比較されます。候補者の意思決定軸を選考中に把握できていないと、比較の土俵に乗る前に負けます
  • 候補者体験(採用CX)が良くなかった:面接の態度が高圧的だった、合否連絡が遅かった、会った社員に魅力を感じなかった。事業内容が本人の希望に近くても、体験が悪ければ辞退は起きます
  • 内定ブルーになった:内定後に「この会社で本当によいのか」と不安になる状態です。自分の能力への自信のなさ、家族やパートナーの反対、口コミサイトのネガティブな情報が引き金になります

中途の内定辞退が起きる理由は?

中途の辞退は「現職に慰留された」「他社の条件と比べた」「選考が長くて熱が冷めた」「入社後の姿が見えなかった」の4つに集約されます。新卒と違い、候補者は今の仕事を続けるという選択肢を常に持っています。

  • 現職の慰留:退職を申し出た段階で昇給や異動の提案を受け、転職の理由そのものが解消されるケースです。転職理由が「年収」や「上司との関係」だけの候補者は、慰留で戻りやすい傾向があります
  • 条件の比較:中途は複数社を同時に受けるのが当たり前で、内定段階で年収・役職・リモート可否を横並びにします。提示条件が「面接で聞いていた話」と違うと、金額の差以上に信頼を失います
  • 選考期間の長さ:面接の日程調整に2週間かかる、結果連絡が1週間来ない。この間に他社の選考が進み、先に内定を出した企業が選ばれます。中途の候補者は在職中で、選考に使える時間が限られているからです
  • 入社後のイメージの欠如:配属先の上司や同僚に会っていない、具体的な業務が分からない。特に管理職やリーダー候補の採用では、「誰と働くか」が見えないままの内定は承諾されにくいです

HeaRが支援先のデータで見た内定段階の辞退理由では、「給与・待遇」が約4割と最多で、「業務内容」「働き方・制度・カルチャー」がそれぞれ1割強で続きました(中途採用が中心の支援先1社の実測、詳細は後述)。給与が最多なのは事実ですが、そのうち何割が「金額そのもの」ではなく「提示の仕方や時期」の問題なのかは、この数字だけでは分かりません。ここが次の章の論点です。

内定辞退はどの選考フェーズで決まるのか?

辞退の連絡は内定後に来ますが、辞退の原因は母集団形成から承諾後フォローまでの4つのフェーズに分散しています。フェーズごとにリスクの種類が違うため、打ち手も分けて設計する必要があります。

フェーズ候補者の状態辞退につながるリスク防止の設計
1. 母集団形成(認知〜応募)会社を知り、応募するか決める求人票と実態のずれ。条件面の後出し。ターゲット外の応募求人票に給与レンジ・働き方・配属を明記する。採用ペルソナで「誰に来てほしいか」をそろえる
2. 面接(書類〜最終)会社を見極め、比較する面接官の態度・惹きつけ不足。結果連絡の遅れ。面接ごとに聞かれることが同じ面接官トレーニング。合否連絡は原則2営業日以内。面接ごとの役割分担(見極め/惹きつけ)
3. 内定通知〜承諾他社と比べ、決める条件提示が遅い・曖昧。他社の進捗を把握していない。通知がメール1本オファー面談で条件と期待役割を対面で説明する。他社の状況を聞く。回答期限を候補者と合意する
4. 承諾後〜入社不安になり、揺れる承諾後に連絡が途絶える。家族・現職の慰留。口コミの影響月1回以上の接点。配属先メンバーとの面談。家族向けの説明資料。現職の引き止めへの備え

支援先1社のダッシュボードで辞退がどのフェーズで起きたかを集計すると、一次面接の段階が約4割(面接前の連絡途絶を含む)、内定段階が約3分の1、最終面接が約4分の1で、書類段階は数%でした。内定辞退の防止を「内定後のフォロー」だけで考えると、辞退の半分以上を取り逃がします。 面接の前後で離脱している候補者のほうが多いからです。

もう1つ、一次面接段階の辞退は理由が「不明」と「その他」で8割以上を占め、理由がほぼ取れていませんでした。内定段階は理由が取れるのに、面接段階は取れない。ここに、次の章で扱う「ヒアリング設計」の必要性があります。

フェーズ別に辞退を防ぐ施策は?

防止策は「候補者体験(採用CX)を設計する」の一言に集約されますが、フェーズごとに具体策は違います。ここでは、HeaRの支援で効果のあった施策を4フェーズに配置して紹介します。

フェーズ1・2:キャンディデートジャーニーマップで体験を設計し直す

選考中の候補者体験が内定承諾率を大きく左右します。「この会社の選考を受けてよかった」と感じてもらえるかどうかは、面接官の一人ひとりの対応だけでなく、応募から内定までの接点の設計で決まります。

そこで有効なのがキャンディデートジャーニーマップです。候補者の体験(タッチポイント)を時系列で言語化すると、採用CXの課題が見える化されます。

  • 面接で気持ちのよいコミュニケーションが取れているか
  • オンライン面接の映像・音声の環境は整っているか
  • オフィス訪問の際の雰囲気(内装、会議室や執務室の様子)は良いか
  • 合否連絡のスピードは十分か。即日返信ができているか
  • 内定後も定期的にコミュニケーションを取っているか

認知、応募、選考、内定、入社のすべてのタッチポイントを採用コンセプトにひも付けて設計することが、辞退を防ぐ土台になります。

フェーズ2:面接官の「惹きつけ」を鍛える

面接官の解説は見極めに偏りがちですが、辞退は惹きつけ側で起きています。候補者は面接官を「この会社の代表」として見ており、面接官の印象がそのまま会社の印象になります。

HeaRの支援先のデータでは、同じ会社の一次面接でも、面接官によって候補者の辞退率に数倍の差がありました。評価の厳しさ(合格率)とは別に、面接後に候補者が離れる率が面接官で違うのです。面接官別に辞退率を見ること、そして惹きつけの型を面接官トレーニングでそろえることが、フェーズ2の打ち手になります。詳しくは面接官研修の内容と効果測定で解説しています。

フェーズ2・3:タッチポイントを増やす

HeaRでは候補者と企業の接点をタッチポイントと呼んでいます。タッチポイントを意識的に増やすと、候補者の関心を惹きつけやすくなり、記憶にも残ります。心理学では「ザイオンス効果(単純接触効果)」と呼ばれ、接触の回数が増えるほど好感を持ちやすいとされています。

特に内定後のタッチポイントは意識的に増やしてください。候補者が他社と迷っている場合は、定期的に会う機会を設けて他社の進捗を把握します。「どこで迷っているのか」を知ったうえで、他社と差別化した自社の魅力を伝えることが重要です。「気づいたら他社で承諾していた」を防ぐには、こちらから接点を作り続けるしかありません。

フェーズ3:印象に残る内定通知を行う

内定通知にも工夫が必要です。メールだけの通知は印象に残りません。自社の特徴やコンセプトを活かした通知のほうが、企業の熱意が伝わります。

HeaRの支援では、サッカーが好きな候補者に「メッセージ入りのサッカーボール」を贈る、体験入社後の食事会で「メッセージ入りケーキ」をサプライズで出す、社長との食事会で「シャンパンで乾杯」を内定通知にする、といった演出を行ってきました。人事から手紙やビデオメッセージを送る、候補者一人ひとりに合った本を贈るといった方法もあります。

フェーズ3・4:社員と交流する機会を設ける

現場の社員と会うと、候補者は入社後の解像度が上がります。具体的なイメージを持てると不安が解消されるため、内定ブルーの防止としても有効です。

マイナビ社の調査でも、2026年卒で企業が「効果があった」と答えた辞退対策は、内定者懇親会(食事会など)が59.6%で最も多く、社員との座談会23.8%、内々定式22.8%、社内見学21.4%、先輩との面談20.3%が続きました。「会う」施策が上位を占めています。オンラインの座談会やイベントで接点を作る企業も増えています。

フェーズ4:疑問や不安を漏れなく解消する

候補者は入社に対してさまざまな不安を抱きます。不安の多くは入社後に働き始めないと解消できませんが、入社前に取り除けるものは取り除くのが理想です。

  • 人間関係への不安:「一部の社員にしか会っていない」「配属先のメンバーはどんな人か」「オンライン面接だけで内定をもらったので職場の雰囲気が分からない」
  • 業務内容への不安:「1日のスケジュールを知りたい」「自分は通用するのか」「成果を残せなかったらどうしよう」
  • 働く環境への不安:「実際の働き方を知りたい」「休みは取れるのか」「社内のコミュニケーションツールは何か」
  • 周囲の意見への不安:「家族にベンチャーを反対された」「口コミを見てしまったが実態を知りたい」

不安は候補者から言い出しにくいものです。承諾後の面談で「いま気になっていることを3つ挙げるとしたら」と、こちらから聞く場を作ってください。

フェーズ4:入社前に業務を体験してもらう

新卒であれば、内定後にそのまま長期インターンとして働いてもらう方法があります。働く楽しさを感じてもらえれば入社の意欲は高まり、辞退も防げます。

長期インターンで参加してもらうなら、できるだけ裁量を渡してください。新卒は早く成長したいという思いが強く、単純作業だけを任せるとモチベーションが下がります。「社員と同じ仕事をインターンから任せてもらえる」と感じられれば意向は上がります。事業を推進するメンバーが増えるので、事業成長の観点でも有効ですし、インターン期間にオンボーディングを終えておけば、入社初日から業務にスムーズに移れます。

辞退理由をどうヒアリングするか?

辞退の連絡は、次の辞退を防ぐための最も価値のある情報源です。ところが多くの企業は「承知しました。今後のご活躍を」で終わらせています。聞く項目と聞き方を決めておけば、辞退者の半数以上から本当の理由が取れます。

聞く項目聞き方の例避けること
決め手「差し支えなければ、最終的に決め手になった点を1つ教えていただけますか」「なぜですか」と理由を直接問う(責められたと感じる)
比較先の条件「他社さんとはどの点で差がありましたか。年収、業務、働き方、人、のどれが一番大きかったでしょう」他社名を聞く(答えにくい)
選考中の体験「選考の中で、印象がよかった点と、改善したほうがよい点があれば」面接官個人の評価を求める
再接点の可否「今後、状況が変わった際にご連絡してもよろしいでしょうか」引き止めの交渉に入る

ポイントは3つです。1つ目は、聞くタイミングを辞退連絡の当日か翌日にすること。日が経つと候補者は答える動機を失います。2つ目は、聞く人を面接官ではなく人事にすること。面接官本人には面接の評価を言いにくいからです。3つ目は、記録のフォーマットを決めること。「給与・待遇/業務内容/働き方・制度・カルチャー/勤務地/選考時の体験/その他」のように分類を固定し、自由記述と併記します。分類が固定されていれば、次の章の計測につながります。

面接段階の辞退(面接の前後で連絡が途絶えるケース)は、この方法では理由が取れません。そこは、面接後24時間以内の候補者アンケート(3問以内)で拾うか、エージェント経由の候補者ならエージェントに理由を聞く運用を決めておきます。前述の支援先で一次面接段階の辞退理由の8割以上が「不明・その他」だったのは、この仕組みがなかったからです。

内定辞退率をどう計測し、どこを見るか?

内定辞退率は「辞退者数÷内定者数」が基本の式ですが、1つの数字を追うだけでは改善につながりません。フェーズ別、面接官別、経路別に分解して見ることで、打ち手が決まります。

計算式と目標値の考え方は内定承諾率の記事で詳しく書いたので、ここでは「どう分解するか」だけ述べます。

  • フェーズ別:書類、一次面接、最終面接、内定のそれぞれで「実施数と辞退数」を取る。どのフェーズで候補者が離れているかが分かる
  • 面接官別:面接官ごとの合格率と辞退率を並べる。合格率が低いのは見極めが厳しいだけかもしれないが、辞退率が高い面接官は惹きつけに課題がある
  • 応募経路別:エージェント経由と直接応募で辞退率は大きく違う。エージェント別に見ると、候補者の志望度の作り方の差が出る
  • リードタイム別:応募から内定までの日数を、承諾者と辞退者で分けて比べる。速いほど良いとは限らず、承諾者より辞退者のほうが早く進んでいた例もある。「速さ」より「候補者の意思決定の速度に合っているか」を見る

こうした分解は、採用管理システム(ATS)の標準レポートだけでは難しいことが多いです。候補者データと評価データをCSVで出して、スプレッドシートで集計する形でも十分に始められます。設計の詳しい方法は採用ダッシュボードの作り方で解説しています。

内定辞退が少ない組織の共通点は?

辞退が少ない組織には、施策の量より「決めていること」に共通点があります。返信の速度、面接官の役割、内定後の担当の3つです。

  • 返信の速度を決めている:合否連絡は2営業日以内、候補者からの質問は当日中、のように基準を決めて全員が守っている。速度は候補者にとって「大切にされているか」の指標です。書類選考をAIで自動化して初動を速くしている企業も増えています
  • 面接官の役割を分けている:一次面接は見極め、最終面接は惹きつけ、のように面接ごとの役割を決め、面接官が「自分の面接で候補者に何を持ち帰ってもらうか」を分かっている
  • 内定後の担当を決めている:内定を出したら終わりではなく、承諾までと承諾後に「誰が」「どの頻度で」連絡するかが決まっている。担当が曖昧な会社は、承諾後に連絡が途絶えます

この3つは、いずれも予算がかかりません。かかるのは、決めて守る規律です。採用戦略の立て方で述べたとおり、採用の成果は施策の派手さより運用の一貫性で決まります。

HeaRの支援で見えた内定辞退の実態

HeaRが支援先の採用データを分解すると、辞退の「数」より「どこで、なぜ」が見えたときに打ち手が変わりました。中途採用が中心で、年間の応募が数千件規模の企業の例を、匿名で紹介します。

この企業では、応募から内定までの平均リードタイムが3週間前後、入社までが3ヶ月弱でした。辞退は一次面接の段階が最多で、内定段階が続きました。内定段階の辞退理由は「給与・待遇」が約4割と最多でしたが、ヒアリングを重ねると、金額そのものより「最終面接まで年収レンジの話が出ず、内定通知で初めて提示された」という時期の問題が含まれていました。

面接官別に見ると、一次面接の辞退率は面接官によって数倍の差がありました。合格率が高い面接官の辞退率が低いわけではなく、評価の厳しさと惹きつけの力は別物でした。この結果をもとに、面接の冒頭5分で会社と募集の背景を話す型を面接官全員でそろえ、条件レンジは一次面接の終わりに口頭で伝える運用に変えています。

数字が示したのは、内定辞退の対策は「内定後に頑張る」ことではなく、面接の設計と条件提示の時期を変えることだった、という点です。

よくある質問

Q. 内定辞退率の平均はどのくらいですか?

A. 新卒は卒業時点で6割超(就職みらい研究所、2024年卒63.6%)、中途は2025年で15.0%(マイナビ社)が目安です。ただし新卒の数値は学生側の集計で、企業側の辞退率は採用人数や業種で大きく変わります。自社の数字は「辞退者数÷内定者数」で毎年同じ定義で追ってください。

Q. 内定承諾後に辞退されました。法的に何かできますか?

A. 原則としてできません。新卒の内定は労働契約と解釈されますが、労働者側は入社日の2週間前までに申し出れば解約できます。損害賠償の請求は現実的ではなく、企業の評判を損ねるリスクのほうが大きいです。防止は契約ではなく、承諾後の接点の設計で行います。

Q. 辞退の連絡にはどう返信すればよいですか?

A. 引き止めや理由の追及はせず、まず選考に時間を割いてくれたことへの感謝を伝えます。そのうえで「今後の選考の改善のために、差し支えなければ決め手を1点だけ教えていただけますか」と添えます。返信は当日中に。丁寧な対応は、候補者が将来の再応募者や口コミの発信者になったときに返ってきます。

Q. 内定を多めに出して辞退に備えるのは有効ですか?

A. 短期的には充足しますが、長期的にはおすすめしません。承諾者が想定を超えると採用計画が崩れ、辞退を前提にした内定は候補者への向き合い方に出ます。辞退率の実測をもとに「必要人数÷承諾率」で内定数を決め、承諾率そのものを上げる打ち手に投資するほうが持続的です。

Q. 中途の候補者が現職に慰留されそうです。何ができますか?

A. 内定前に「退職を申し出たとき、慰留される可能性はありますか」と聞いておくことです。慰留を想定していれば、候補者は冷静に判断できます。転職理由が現職で解消できるもの(年収だけ、上司だけ)なのか、解消できないもの(事業領域、キャリアの方向)なのかを面接で言語化しておくと、慰留の場面で候補者自身の判断軸になります。

Q. 辞退理由を候補者が本音で話してくれません。

A. 面接官ではなく人事や第三者が聞く、他社名を聞かない、選択肢を示して選んでもらう、の3つで回答率は上がります。エージェント経由の候補者なら、エージェントに理由を聞く運用を契約時に決めておいてください。それでも取れない分は「不明」として記録し、割合の推移を見ます。

まとめ

内定辞退は、新卒で6割超、中途でも15%まで増えた「前提」です。防ぐ鍵は内定後のフォローだけではなく、母集団形成・面接・内定通知・承諾後の4フェーズで、候補者の体験を設計し直すことにあります。辞退理由をヒアリングして分類し、フェーズ別・面接官別に計測すれば、打ち手は自然に決まります。

自社の選考のどこで候補者が離れているのか分からない、面接官によって辞退率が違う気がする、といったご相談は、累計250社の採用支援の知見からHeaRが一緒に整理します。

監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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