
施工管理の採用が難しいのは、経験者に対して求人が多く働き方への不安も残っているからです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍(厚生労働省・2026年8月)。工種別の違い・手法7つの比較表・採用単価・求人票と選考の直し方を解説します。(2026年10月更新)
施工管理の採用が難しいのは、経験者に対して求人が多いうえに資格と現場経験の両方が求められるためです。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍で、職業計の1.06倍を大きく上回ります。
施工管理とは工事の工程・品質・安全・原価を管理して、現場を予定どおりに完成まで進める仕事です。現場監督と呼ばれることもあります。採用が進まないと、受けられる工事の数が限られます。いまいる人の残業も増え、次の退職につながりかねません。
人手不足が経営に響く例も出ています。帝国データバンクの調査では2025年度(2025年4月〜2026年3月)の人手不足倒産は441件でした。うち建設業が112件(25.4%)と業種別で最多です(出典: 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」2026年4月9日発表)。ここでは施工管理の採用が難しくなっている理由を5つに分けて整理します。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると2026年8月の有効求人倍率(常用・パートを含む)は職業計が1.06倍です。これに対して、施工管理と設計職を含む「建築・土木・測量技術者」は5.71倍でした(出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」2026年10月2日公表)。
有効求人倍率とは仕事を探している人1人に対して、何件の求人があるかを示す数字です。5.71倍なら、求職者1人に対して5件を超える求人が出ている計算です。なお、施工管理だけの倍率は公表されていません。ここでの数字は、設計職なども含む区分のものです。
国土交通省の資料(2026年4月3日)によると、建設業の就業者は1997年の685万人をピークに2025年には478万人まで減りました。内訳を見ると、現場で作業をする技能者は455万人から296万人に減りました。技術者は41万人で、1997年と同じ水準です。
年齢構成にも偏りがあります。2025年時点で55歳以上が36.6%(全産業は32.8%)を占め、29歳以下は11.9%(全産業は17.0%)にとどまります。新規学卒者の建設業への入職は3.8万人で、入職割合は5.5%でした(出典: 国土交通省「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会 とりまとめ 参考資料集」)。
ベテランが多く若手が少ない構造では、経験を積んだ中堅の人が市場に出てくる数も限られます。採用できたとしても現場を任せられる年次の人が足りない状態が続きやすくなります。
施工管理では国家資格の「施工管理技士」を持つ人が求められます。種目は建築・土木・電気工事・管工事・電気通信工事・造園・建設機械の7つで、それぞれ1級と2級があります。1級を持つ人は規模の大きい工事で現場に置くことが決まっている「監理技術者」(元請として工事全体を技術面から管理する責任者)になれます。
加えて、現場を動かした経験も欠かせません。資格だけを持っていても、工程の組み方や職人との調整の経験がなければすぐに任せられる仕事は限られます。「資格と経験があり自社の工種にも合う」という条件で探すと、当てはまる人はごく少なくなります。
2024年4月に受検資格が見直されたため、資格を入社後に取る道は以前より開けています。この点は後の章(募集を始める前に何を決めておくべきか)で詳しく扱います。
2024年4月1日から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間です。特別条項を結んでも年720時間以内・単月100時間未満(休日労働を含む)・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)などの制限があります(出典: 厚生労働省「建設業の時間外労働の上限規制」)。
ただし、規制ができたことと候補者が「ここは働きやすい」と感じることは別の話です。ネオキャリア(みんなの採用部)調べでは施工管理の採用が難しい理由として「『きつい・汚い』などのイメージが根強い」が49.0%、「ワークライフバランスを重視する求職者から敬遠されやすい」が44.1%でした(2025年に施工管理職を10名以上中途採用した建設業の採用責任者・担当者102名への調査を2026年3月に実施。出典: ネオキャリア(みんなの採用部)調べ)。
候補者が見ているのは、制度の名前ではなく「この会社の実際の残業と休日」です。この後の章で、求人票に実績をどう書くかを説明します。
2024年12月には改正建設業法の一部が施行されました。ICTで現場を確認できるなどの条件を満たす請負代金1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事では、監理技術者などが2現場まで兼務できるようになりました。2025年12月の完全施行では、著しく短い工期での契約が受注者にも禁止されています(出典: 国土交通省「改正建設業法・入契法」)。こうした変化は自社の工期や配置の考え方を説明する材料になります。
施工管理の経験者に声をかけているのは、同じ規模の建設会社だけではありません。大手ゼネコン・ハウスメーカー・発注者側のデベロッパー・技術者派遣会社も、中途採用で同じ層を探しています。
そのため同業の求人と並べたときに「この会社を選ぶ理由」が見えないと、条件の比較だけで負けてしまいます。年収で勝てないなら、任せる現場の種類・休日の実績・育成の体制といった自社にしか書けない事実で選ばれる理由をつくる必要があります。
施工管理技士の種目は建築・土木・電気工事・管工事など7つあり、工種によって持つ資格も経験者のいる勤め先も変わります。探す相手と声のかけ方は、工種ごとに変えるのが基本です。
施工管理と一言でいっても、建物・道路や橋・設備のどの現場かによって候補者の経歴も気にする条件も異なります。次の表は採用を考えるときの違いを4つの工種で整理したものです。建設業全体の採用は建設業の採用方法でも扱っています。
| 工種 | 主な資格 | 経験者が多い勤め先 | 候補者が気にしやすい条件 | 声をかけるときに書くこと |
|---|---|---|---|---|
| 建築 | 建築施工管理技士の資格を持つ人を探す。持っていなくても、建築の現場経験があれば入社後の取得を目指せる。 | 一般に、ゼネコンやハウスメーカー、工務店、設備工事会社などで働いている。 | 工期の厳しさや休日の実績、転勤の有無を気にしやすい。 | 担当する建物の種類と規模、1人が受け持つ現場の数を具体的に書く。 |
| 土木 | 土木施工管理技士の資格を持つ人を探す。公共工事に関わる会社では、資格の有無が配置に影響する。 | 一般に、ゼネコンや地場の土木会社、建設コンサルタントなどで働いている。 | 現場が自宅から遠くなる場合の通勤や転勤、天候による工期の変動を気にしやすい。 | 現場の場所の範囲と、直行直帰の可否、休日の取り方を書く。 |
| 電気工事 | 電気工事施工管理技士を探す。工事をするための電気工事士とは別の資格なので、混同しない。 | 一般に、電気設備の工事会社やサブコン(設備工事を専門に請け負う会社)、ビルの設備管理会社などで働いている。 | 担当する設備の種類(ビル、工場、住宅など)と、資格手当の扱いを気にしやすい。 | どの設備の工事を担当するかと、第一種・第二種電気工事士の資格の扱いを書く。 |
| 管工事(空調・衛生) | 管工事施工管理技士を探す。空調と衛生のどちらの経験かで、任せられる現場が変わる。 | 一般に、空調・給排水設備の工事会社やサブコン、設備メーカー系の会社などで働いている。 | 空調と衛生のどちらを担当するかと、改修工事と新築工事の比率を気にしやすい。 | 担当する設備の種類と、新築と改修のどちらが多いかを書く。 |
表の「一般に」と書いた勤め先は、業界の通例を整理したものです。自社の工種でどの会社から人が動くかは、紹介会社やスカウトの反応を見ながら調整してください。
電気の工種では資格の名前が似ていて混同されやすい点に注意が必要です。電気工事士は「自分で電気工事をするための資格」で、電気工事施工管理技士は「電気工事の現場を管理するための資格」です。
求人票に「電気工事士」とだけ書くと、現場で工事をする人の応募が増えて施工管理の経験者が来ないことがあります。施工管理を探している場合は、資格名を正しく書き分けましょう。
建築は応募の母数が比較的多い反面、大手との競争が強くなります。土木は公共工事の比率や現場の場所が、候補者の判断に大きく影響します。電気工事と管工事は設備の種類を絞って書くことで、経験者に「自分の仕事だ」と伝わりやすくなります。
複数の工種を抱えている会社は、工種ごとに求人票とスカウト文面を分けたほうが反応を見やすくなります。1つの求人に全部を詰め込むと、どの経験者にも自分向けの募集だと伝わらない文面になりがちです。
募集の前に決めておくのは、探す相手・任せる現場・資格の扱い・見直せる条件の4つです。2024年4月の受検資格の見直しで1級の第一次検定は年度末に19歳以上なら受検できるようになり、探す相手の幅は広がっています。
ここが曖昧なまま募集すると応募が来ても書類で判断できず、面接のたびに基準が変わります。
最初に、探す相手を3つのどれにするかを決めます。有資格者はすぐに現場を任せやすい反面、市場に少なく取り合いになります。経験者は資格がなくても現場を回した経験があるので、入社後に資格を取ってもらう前提で探せます。未経験者は育てる時間と体制が要りますが、探せる範囲が大きく広がります。
3つを同時に探すと、求人票の内容がぼやけます。まず1つを軸に決め、見つからなければ隣の層へ広げる順番が現実的です。広げるときの考え方は、後の章(未経験者や若手まで対象を広げるにはどうすればよいか)で扱います。
「施工管理を募集」ではなく「どの現場をいつから任せたいか」を書き出します。たとえば商業施設の内装工事を同時に2つ、または集合住宅の新築を1つといった具体さです。現場の種類と規模が決まれば、必要な経験と資格は自然に絞られます。
ここで、現場の責任者に必要な資格が決まっている工事があるかも確認しておきます。監理技術者などの配置が必要な工事を任せたいなら、1級の資格が条件に入ります。
この条件は2024年4月1日施行の受検資格の見直し(令和6年度の検定から)で、考え方が変わりました。国土交通省の発表によると、1級の第一次検定はその年度末に19歳以上であれば受検できます。以前は学歴に応じた実務経験が必要で、たとえば大学の指定学科を卒業した場合は卒業後3年が条件でした。2級の第一次検定は年度末に17歳以上で変更はありません(出典: 国土交通省「施工管理技術検定の受検資格の見直し」)。
第一次検定に合格すると「技士補」になります。技士補とは第二次検定に進む前の段階の資格で、施工管理技士を補佐する立場を指します。そのうえで、第二次検定の受検には実務経験が必要です。1級は第一次検定に合格してから実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含む場合は3年以上)で受検できます。2級は第一次検定に合格してから3年以上(建設機械は2年以上)です。
この見直しで若手に早い段階で第一次検定に合格してもらい、実務経験を積みながら第二次検定を目指す計画が立てやすくなりました。入社後に資格を目指せる育成計画があれば、探せる人の幅が広がります。なお2028年度(令和10年度)までは、以前の受検資格でも第二次検定を受けられる経過措置があります。
条件をすべてそのままにして応募を増やすのは難しいでしょう。次の4つのうち、どれなら見直せるかを事前に決めておきます。
すべてを変える必要はありません。たとえば転勤なしを打ち出すなら担当できる現場の範囲を絞る代わりに、地域の経験者へ確実に届けるといった組み合わせが考えられます。見直す条件が決まれば、次の章の手法選びも決めやすくなります。採用要件の考え方は採用ペルソナの作り方も参考にしてください。
施工管理の採用で使われる主な手法は、人材紹介・ダイレクトリクルーティング・求人広告・リファラル採用・学校やハローワーク・技術者派遣・採用代行(RPO)の7つです。経験者を探すなら、人材紹介とダイレクトリクルーティングが中心になります。
下の表は7つの手法を向いている場面や社内の工数で比べたものです。採用手法の全体像は採用手法の比較で一覧にしています。
| 手法 | 向いている場面 | 注意すること | 費用の考え方 | 社内の工数 |
|---|---|---|---|---|
| 人材紹介 | 採用したい時期が決まっていて、経験者との接点を早く増やしたいとき。 | 要件と見送りの理由を共有しないと、合わない紹介が続く。 | 入社が決まったときに、年収に応じた手数料を支払う。 | 中程度。紹介会社への要件共有と、結果の返信が必要になる。 |
| ダイレクトリクルーティング | 資格や経験を指定して、転職を考え始めた人に直接声をかけたいとき。 | 候補者ごとに文面を書き分けないと、返信が来にくい。 | 媒体の利用料がかかり、決まった人数に応じた成功報酬がかかる媒体もある。 | 多い。候補者探しと文面づくり、やり取りを自社で担う。 |
| 求人広告・求人検索エンジン | 若手や未経験者を含めて、広く母集団をつくりたいとき。 | 経験者は転職活動を始めてから見ることが多く、応募が止まることがある。 | 掲載期間や応募に応じて費用がかかる。 | 少ない。ただし応募への返信は早く行う必要がある。 |
| リファラル採用・退職者の再雇用 | 社員の知り合いや、以前一緒に働いた人に声をかけられるとき。 | 紹介してほしい人物像を具体的に伝えないと、紹介が出てこない。 | 紹介した社員への報奨金を設ける場合に費用が発生する。 | 中程度。制度づくりと声かけの習慣化に時間がかかる。 |
| 学校・ハローワーク | 新卒や若手を、地域や学校との関係で採用したいとき。 | 学校の求人受付の時期が決まっているので、年間の予定を組んで動く。 | ハローワークは求人の掲載に費用がかからない。 | 中程度。学校訪問や求人票の更新を続ける。 |
| 技術者派遣・紹介予定派遣 | 派遣で働いてもらい、見極めてから直接雇用に進めたいとき。 | 派遣の期間と、直接雇用への切り替え条件を契約で確認しておく。 | 派遣料金のほか、直接雇用への切り替えに手数料がかかる場合がある。 | 少ない。ただし現場での受け入れ準備は自社が行う。 |
| 採用代行(RPO) | 採用担当が兼務で手が回らないとき、要件づくりから任せたいとき。 | 任せる範囲と、社内で判断する範囲を分けておく。 | 月額で任せる範囲に応じて費用がかかる。 | 少ない。判断が必要な場面だけ社内で対応する。 |
人材紹介は施工管理の経験者と短期間で接点をつくりたいときに向いています。経験のある人は在職のまま転職を考えることが多く、自分で探すより紹介会社を通すことを選びやすいためです。
紹介会社に任せきりにせず、自社の要件・見送った理由・選考の進み具合をこまめに共有しましょう。担当者が自社の状況を理解するほど、紹介の質が上がります。紹介が少ないときは条件が市場に合っているかを一緒に確認します。
ダイレクトリクルーティングは、企業が候補者を探して直接スカウトを送る手法です。転職を決めていない人にも声をかけられるため、取り合いになりやすい施工管理の経験者に届く手法の1つです。進め方はダイレクトリクルーティングの進め方で紹介しています。
スカウトは送る数より中身が大切です。工種と担当する現場が合う候補者に絞り、「なぜあなたに送ったのか」を書きます。文面の作り方は後の章(求人票とスカウト文面には何を書けばよいか)で説明します。
求人広告や求人検索エンジンは、若手や未経験者を含めて広く知らせたいときに向いています。出したあとに応募が止まる原因は、募集の中身が候補者に伝わっていないことが多いためです。掲載して終わりにせず、求人票を見直し続けましょう。
経験者の採用だけをこの手法に頼ると、期待した応募数に届かないことがあります。他の手法と組み合わせて使うのが現実的です。
リファラル採用は社員が知り合いを紹介する手法です。退職者の再雇用も会社の雰囲気を知っている人が戻ってくるので、入社後のずれが小さくなります。始め方はリファラル採用の始め方で紹介しています。
施工管理は、現場で一緒に働いた人のつながりが強い職種です。「この会社なら働きやすい」と社員が思っていなければ、紹介は出てきません。社員が紹介しやすい制度と、紹介された人を丁寧に迎える体制をあわせて整えましょう。
高校・大学・専門学校・ハローワークは、若手の母集団をつくる入口です。ハローワークは求人の掲載に費用がかからず、地域で働きたい人に届きます。学校との関係は毎年の求人票提出や訪問の積み重ねで育ちます。
高卒採用の動き方は高卒採用のスケジュールで、新卒の母集団づくりは新卒の母集団形成で紹介しています。
技術者派遣はすぐに現場の人手が必要なときに使われます。紹介予定派遣は一定期間派遣で働いてもらい、双方が合意すれば直接雇用に進む仕組みです。入社前に仕事ぶりを見られる安心感があります。
一方で、派遣のあいだは雇用主が派遣会社になります。直接雇用に切り替える条件とそのときの費用は、契約の前に確認しておきましょう。
採用代行(RPO)は、採用の業務を外部に任せる方法です。採用担当が兼務していて返信が遅れる状態や、スカウトを送れていない状態を業務ごと外に出して解消できます。
任せる範囲には「スカウトの運用だけ」「日程調整まで」「要件づくりから」といった段階があります。どこまで任せるかと判断を社内に残す部分は後の章(採用代行(RPO)や採用コンサルティングは、どんなときに使うべきか)で説明します。
人材紹介の手数料は、一般に入社する人の年収の30〜35%程度が目安とされます。年収600万円の人なら180万〜210万円です。ネオキャリア調べでは施工管理1名あたりの採用コストは「100万円以上」が38.2%でした。
人材紹介の手数料は紹介会社との契約で決まります。官公庁が公表している統計はありません。一般には入社する人の年収に一定の割合をかけて計算する形が多く、30〜35%程度が目安とされています。
年収600万円の人を1名採用する場合は、次のように計算します。
3名を採用すると、同じ条件で540万〜630万円になります。実際の料率は紹介会社によって異なるため、契約前に料率と早期に退職した場合の返金条件を確認しておきましょう。
ネオキャリア(みんなの採用部)の調査では施工管理職1名あたりの採用コストは「50〜99万円」が28.4%で最多、「100万円以上」が38.2%でした。前の年より採用コストが「増加した」と答えた会社は57.9%です。使った手法は求人媒体が43.1%・人材紹介が39.2%・自社の採用サイトが35.3%でした(2025年に施工管理職を10名以上中途採用した建設業の採用責任者・担当者102名への調査を2026年3月に実施。出典: ネオキャリア(みんなの採用部)調べ)。
この調査の対象は年間10名以上を採用した従業員1,000名未満の会社です。採用人数が少ない会社では、1名あたりの単価が変わる場合があります。自社の過去の実績と並べて、目安として使いましょう。
手法によって、費用がかかるタイミングが違います。人材紹介は入社が決まったときにまとまった費用がかかります。ダイレクトリクルーティングは媒体の利用料が先にかかり、成果報酬の媒体では入社時にも費用が発生します。求人広告は掲載期間にかかり、リファラル採用は報奨金を設けた場合に費用が出ます。採用代行(RPO)は、月額で任せる範囲に応じて費用がかかります。
単価だけでなく、決まるまでの期間も見ます。安い手法で半年かけても決まらないと、現場の人員不足が続いて受けられる工事を減らす損失が出ます。「1名あたりの費用」と「決まるまでの月数」の2つで比べるのが、判断しやすい見方です。
施工管理と建設業に絞った相場と下げ方は、施工管理・建設業の採用単価の相場で詳しく解説しています。全職種の採用単価の考え方は採用コストの平均と削減方法で、採用代行の費用は採用代行の費用相場で詳しく解説しています。
求人票とスカウト文面には、現場の種類と規模・勤務地・休日・残業の実績といった事実を具体的に書きます。ネオキャリア調べでは採用が難しい理由に「きつい・汚い」などのイメージを挙げた会社が49.0%にのぼります。不安には事実を書いて答えることが欠かせません。
候補者は求人票を短い時間で見て、応募するかどうかを決めます。「やる気のある方歓迎」のような言葉は、読んでも判断の材料になりません。
求人票には次の7項目を入れます。1つでも欠けていると、候補者は「書けない理由があるのでは」と受け取りがちです。
残業の実績は書くのをためらう会社が多い項目です。ただし、2024年4月から上限規制が適用されているので実績を示せる会社は他社との違いにできます。実績が高いなら改善に取り組んでいることとそのやり方を添えると、不安を和らげられます。
施工管理アプリは書き忘れやすいわりに候補者の関心が高い項目です。紙の図面と電話中心の現場なのか、写真や図面をスマホで共有できる現場なのかで日々の負担の想像が変わります。
スカウトでは、候補者が最初の数行で読むかどうかを決めます。次の3つを入れると、返信につながりやすくなります。
短い例を示します。会社名や数字は自社の実際の内容に置き換えてください。
件名: 〇〇工事の施工管理をお任せしたく、ご連絡しました
〇〇様
プロフィールに、集合住宅の電気設備工事で現場を担当された経歴が書かれていました。 当社では、同じ種類の工事を担当する施工管理を探しています。
任せたいのは、〇〇エリアの集合住宅の改修工事です。 同時に受け持つ現場は〇件を想定しています。 転勤はなく、直近3か月の残業は月平均〇時間です。 土日に出勤した場合は、翌週に振り替えています。
一度、現場の責任者を交えてお話しできればと思います。 オンラインで30分、平日の夜でも構いません。
この例のように、送った理由が冒頭にあって働き方の事実まで書いてあるスカウトは読み飛ばされにくくなります。
次のような書き方は候補者に不信感を与えます。
求人票を直すときは先に採用要件を決めておくと進めやすくなります。進め方は採用基準の作り方を参考にしてください。
選考での辞退を減らすには現場終わりでも受けられる日程にし、面接を2回までに絞って結果を早く伝えます。ネオキャリア調べでは採用成果を高める取り組みとして、カジュアル面接が42.2%・出張面接が32.4%・平日19時以降や土日の面接が27.5%でした。
経験のある施工管理は、現職の現場を抱えたまま転職活動をしています。昼間の面接に出られず複数の会社から声がかかるため、選考が長引くと他社に決まります。選考の速さと進め方は、応募数と同じくらい結果を左右します。
面接は平日の夜(19時以降)・土曜・オンラインのいずれかで受けられるようにします。出張面接は現場の近くまで面接官が出向く方法で、候補者の移動の負担を減らせます。いずれも先ほどの調査で採用成果を高める取り組みとして挙がっていたものです。
日程の調整に時間がかかる会社は、メールの往復を減らす仕組みを入れる方法もあります。日程調整の効率化は後の章(AIを使うと施工管理採用のどこが速くなるか)で説明します。
面接の回数が増えるほど選考は長くなり、その間に他社で決まる人が出てきます。施工管理の選考は人事との面談と、工事部長や所長との面接の2回までにまとめるのが現実的です。
結果は面接のあとなるべく早く伝えます。連絡が遅い会社は候補者から「関心が薄いのでは」と見られます。選考にかかる日数の目標は、採用リードタイムの平均と目標日数で整理しています。最初の接点を気軽にするなら、カジュアル面談の進め方も有効です。
施工管理の候補者が知りたいのは人事の説明ではなく、実際に一緒に働く上司の話です。工事部長や所長が現場の1日の流れと困ったときの助け方を自分の言葉で話すと、働くイメージが具体的になります。
面接官には事前に会社が打ち出す仕事の価値・見直した条件・聞いてはいけない質問を共有しておきます。面接官の準備は面接官トレーニングで、質問の組み立ては面接の質問で紹介しています。
現場の雰囲気は言葉より実際に見るほうが伝わります。可能であれば稼働中の現場や完成した物件を見てもらい、そこで働く人と短く話せる時間をつくります。
あわせて、条件は早めに具体的に示します。年収の提示額・資格手当・転勤の有無・入社後の担当現場を内定の前に書面で伝えると、辞退を防ぎやすくなります。承諾率を上げる考え方は内定承諾率を上げる方法と内定辞退の防止で詳しく解説しています。
令和6年度(2024年4月)の見直しで1級の第一次検定は年度末に19歳以上、2級は17歳以上で受検できます。入社後に資格を目指す前提なら、未経験者や若手も採用の対象にできます。
経験者だけを探して決まらない場合は、育てる前提で探す層を広げる判断が必要です。広げるほど、受け入れる体制の準備が成否を分けます。
受検資格の見直しにより、入社後の資格取得を計画に組み込みやすくなりました。次の表は育成計画を考えるときのたたき台です。会社の工種や規模に合わせて調整してください。
| 時期 | 本人が取り組むこと | 会社が準備すること |
|---|---|---|
| 1年目 | 先輩に同行して現場の流れと安全のルールを覚え、2級の第一次検定の勉強を始める。 | 同じ現場に教える人を決め、受検費用や勉強時間の支援を伝える。 |
| 2年目 | 小さな現場や工程の一部を担当し、工程表や写真管理などの書類を自分で作る。 | 担当を少しずつ増やし、うまくいかなかったことを振り返る面談を行う。 |
| 3年目 | 2級の第二次検定に必要な実務経験をそろえ、受検の準備を進める。 | 受検に必要な実務経験の記録を整え、1級を目指す場合の道筋を示す。 |
2級の第二次検定は第一次検定に合格してから3年以上の実務経験が条件です。そのため早い段階で第一次検定に合格しておくと、3年目あたりで第二次検定を目指せます。
未経験者を採用するときは、仕事の大変さも隠さずに伝えます。入社してから想像と違うと感じることが、早期退職の大きな理由になるためです。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」では卒業後3年以内の離職率は建設業が高卒41.4%(全産業37.9%)、大卒30.5%(全産業33.8%)でした(2025年10月24日公表。出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。高卒は全産業より高く、大卒は低い結果です。
こうした数字を踏まえると、入社直後の最初の数か月に誰が何をどう教えるかを決めておくことが大切です。入社後の迎え方はオンボーディングの進め方で紹介しています。
外国人材を検討する場合は、在留資格を最初に確認します。特定技能「建設」は、現場で作業をする技能者のための在留資格です。出入国在留管理庁の速報値では特定技能1号の建設分野は52,132人、2号は5,329人でした(2026年6月末。出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」)。
外国籍の人に施工管理を任せるときは、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で働くのが一般的です。どの在留資格が自社の仕事に当てはまるかは個別に確認が必要なので、専門家や出入国在留管理庁の案内で確かめてください。
ガスの保安点検と住宅設備工事を行う従業員約300名の会社では仕事の価値を言葉にして採用サイトに載せ、面接官が同じ言葉で話せるようにしました。その結果、人材紹介会社からの紹介数が約3割増えました。
HeaRは累計250社以上の採用を支援しており、施工管理や建築・土木の技術職を採用する会社も支援してきました。ここでは地域限定で転勤のない働き方をしている工事会社の事例を社名を伏せて紹介します。
この会社の技術職はガス機器と住宅設備の設置、給排水設備工事の施工と施工管理を担当します。暮らしに欠かせない仕事ですが、求職者の目には地味に映って仕事の価値が伝わっていませんでした。
また、地域限定で少人数を採用する会社だったため人材紹介会社からの紹介に頼る割合が高い状態でした。
HeaRが提供したのは、次の3つです。
採用サイトだけを整えても、面接で話す内容が違えば候補者の印象はそろいません。採用コンセプトを決め、サイトと面接で同じ言葉を使うところまでそろえたことがこの事例の特徴です。
内定承諾率と選考の通過率が上がり、人材紹介会社からの紹介数が約3割増えました。紹介する側の会社にも、自社の仕事の魅力が伝わりやすくなったことが理由の1つと考えています。
地味に見える仕事でも、価値を日常の言葉で伝えてサイトと面接でそろえると紹介や内定承諾の結果は変わりえます。施工管理の採用でも現場の仕事を暮らしの場面に置き換えて伝える発想は使えます。コンセプトの作り方は採用ブランディングの進め方で紹介しています。
施工管理の採用でAIが効果を出しやすいのは、スカウト候補者の絞り込み・文面の下書き・日程調整・書類の確認の4工程です。月30件の面接日程の調整は、メールの往復で7〜8時間かかっていたものが1時間前後になる試算です。
AIを使う目的は人が判断する時間を増やすことです。候補者との面談や、現場の責任者との打ち合わせに時間を回せるようになります。工程ごとの変化は次の表のとおりです。
| 工程 | 人だけで進める場合 | AIを使う場合 | 人が確認すること |
|---|---|---|---|
| スカウト候補者の絞り込み | 媒体で検索し、1人ずつ経歴を読んで工種や資格を確認する。 | 工種や資格などの要件に合う経歴を、AIが先に並べる。 | 並んだ候補者が、任せる現場に合っているか。 |
| スカウト文面の下書き | 候補者ごとに、一から文面を書く。 | 経歴に合わせた下書きを、AIがつくる。 | 送る理由と任せる現場が、事実どおりに書けているか。 |
| 面接日程の調整 | メールで候補日を何度もやり取りして決める。 | 候補日の提示と確定を、自動で進める。 | 調整がうまくいかなかったときの対応。 |
| 書類の確認 | 担当者が応募書類を全件読む。 | 要件との一致度を、AIが整理する。 | 見送る理由が妥当か、最終の判断。 |
日程調整の試算はHeaRのAI-RPOの運用設計上のものです。公開している採用リードタイムの平均と目標日数と同じ前提で計算しています。
施工管理の採用では日程調整の速さが辞退を防ぐことにつながります。現場終わりの夜や土曜に面接を入れる場合は候補日の調整が増えるので、AIで返信を早められる効果が大きくなります。
ただし、どの経歴を「自社に合う」と判断するかはAIではなく人が決めます。要件とAIへの指示を最初に人が決め、出力は人が確認する前提で使いましょう。AIを使った採用代行の詳細は、AI-RPOのサービス紹介をご覧ください。
採用担当が兼務で候補者への返信が翌日以降になる状態やスカウトを送れていない状態なら、採用代行(RPO)を検討する時期です。HeaRは累計250社以上の採用を支援してきました。
社内だけで回せない原因は人の能力ではなく、時間が足りないことにあります。次の4つのうち2つ以上に当てはまるなら、外に任せる効果が出やすい状態です。
4つ目は人を増やしても解決しません。要件づくりから整える必要があるため、採用コンサルティングが向いています。
任せる範囲はスカウトの運用・日程調整・紹介会社との連絡・要件づくりなどから選べます。社内に残すのは「誰を採用するか」の最終判断と、面接での会社の話です。
採用の判断を外に任せてしまうと、入社後のずれが大きくなります。実務は外に出し、判断と面接は社内に残す分け方が続けやすい形です。費用は採用代行の費用相場で、会社選びは採用代行おすすめ比較で詳しく紹介しています。
施工管理採用の要件づくりや採用戦略の設計から相談したい場合は、採用コンサルティングのサービス紹介をご覧ください。
A. 経験者に対して求人が多いことと、資格と現場経験の両方が求められることが主な理由です。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍で、職業計の1.06倍を大きく上回ります(厚生労働省・2026年8月・常用・パートを含む)。働き方への不安が残っていることも、候補者が慎重になる要因です。
A. 数字の上では人手不足の状態です。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍で、建設業の就業者は1997年の685万人から2025年の478万人に減りました。年齢構成も55歳以上が36.6%・29歳以下が11.9%と若手が少ない構造です(国土交通省・2026年4月)。
A. 人材紹介の手数料は、一般に年収の30〜35%程度が目安とされます。年収600万円なら180万〜210万円です。ネオキャリア調べでは施工管理1名あたりの採用コストは「50〜99万円」が28.4%で最多、「100万円以上」が38.2%でした。手法ごとの費用のかかり方と、決まるまでの期間をあわせて比べましょう。
A. 経験者を探すなら、人材紹介とダイレクトリクルーティングが中心です。若手や未経験者も対象にするなら、求人広告・学校・ハローワークを組み合わせます。採用担当の手が足りない場合は、採用代行(RPO)に任せる方法もあります。まず2〜3つに絞って始めましょう。
A. 大丈夫です。2024年4月の見直しで1級の第一次検定は年度末に19歳以上、2級は17歳以上で受検できるようになりました。入社後に資格を取る計画を立てて会社が受検の支援と実務経験の記録を整えれば、有資格者だけにこだわる必要はありません。
A. 変わります。工種ごとに持つ資格が違い、経験者のいる勤め先も候補者が気にする条件も異なるためです。求人票とスカウトは工種ごとに分けて書くと反応を見やすくなります。電気工事士と電気工事施工管理技士は別の資格なので、資格名の書き分けにも注意してください。
A. まず求人票に、現場の種類と規模・休日・残業の実績といった事実が書かれているかを確認します。次に、探す相手を絞れているかを見直します。それでも反応がないときは、条件が市場に合っているかと手法がターゲットに届く場所かを順に確かめましょう。
A. 採用担当が兼務で手が回らない会社・スカウトを送れていない会社・要件が現場と人事で揃っていない会社に向いています。実務を外に出し、採用の最終判断と面接は社内に残す形が続けやすい分け方です。費用の目安は採用代行の費用相場で紹介しています。
施工管理の採用が難しいのは、経験者に対して求人が多いうえに資格と現場経験の両方が求められるからです。働き方への不安も残っています。まずは探す相手と工種を決め、見直せる条件を整理してから手法を2〜3つに絞って始めましょう。
求人票とスカウトには現場の種類・休日・残業の実績といった事実を具体的に書きます。選考は現場終わりでも受けられる日程・2回までの面接・早い連絡で辞退を減らせます。未経験者や若手へ広げる場合は2024年4月の受検資格の見直しを前提に、入社後の育成計画を立てておきましょう。
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