ワークサンプルテストとは?
一言で言えば「各企業が独自で開発・提供するスキルチェックテスト」です。
選考中の候補者に、実務に近い課題や社員とのディスカッションを行ってもらいます。その結果を参考にしながら、スキルのミスマッチがなさそうか・自社で活躍できそうかを判断するものです。
有名な会社だと、Google社がワークサンプルテストを取り入れております。ラズロ・ボック氏(Google人事担当上級副社長)著の『WORK RULES !』によると、ワークサンプルテストは職務能力を判断するための最善の指標と説明。
ある人の職務能力を予測するための最善の指標は、ワークサンプルテストである(29%)。これは、採用された場合に担当する職務に似た仕事のサンプルを応募者に与え、その出来栄えを評価するものだ。
参考|採用時に職務能力を予測する手法と、その効果の割合
- ワークサンプルテスト 29%
- 構造化面接(同じ職務に応募している人に同じ面接手法を使って評価する面接) 26%
- 一般認識能力テスト 26%
- 通常の面接(非構造的面接) 14%
- 誠実性評価 10%
- 身元照会 7%
- 職務経験年数 3%
- 筆跡による能力解析 0.04%
出典:ラズロ・ボック『WORK RULES !』
Google社の技術部門では、何らかのコードを書いてもらったりデータ指向の質問を通して候補者のスキルを調べています。
ワークサンプルテストの実施方法
多くのワークサンプルテストは以下のパターンで実施されています。
- 体験入社×オフライン(半日〜1日)
- 体験入社×オンライン(半日)
- 課題の提示→提出後、社員とディスカッション
体験入社とは、社員とコミュニケーションを取りながら実務や課題を行い、お互いのスキルフィットやカルチャーフィットを擦り合わせる活動です。社内会議やランチにも参加してもらうことが多いため、候補者側に会社の雰囲気を伝える役割も担います。
そしてワークサンプルテストの設計は、3つの手順で進めます。
- 採用要件設計
- ペルソナ設計
- ワークサンプルテストの設計
スキルのミスマッチを防ぐため、採用要件やペルソナの設計は必須です。どのような人物を採用したいのかをまず明確にしましょう。
ペルソナや採用要件の策定方法など、オンライン時代に採用を成功させるための採用戦略については、以下の資料をご覧になってください!
ワークサンプルテストのメリット
ワークサンプルテストを取り入れることで様々な効果を見込むことができます。
- ミスマッチの減少
- 採用面接の効率化
- 母集団形成の加速
1.ミスマッチの減少
「スキルの幅・強度の見極めが難しい」の解決策がワークサンプルテストです。実務に近い課題に取り組んでもらうことで、スキルや思考プロセスを定量的に判断することができます。
2.採用面接の効率化
ワークサンプルテストでスキルフィットを確認することで「採用工数が増えている」「マネジメントレイヤーの面接時間を捻出できない」といった声を減らすことができます。
3.母集団形成の加速
独自性の高いワークサンプルテストを行うことで話題を生み、母集団形成の促進に繋がります。話題の企業が取り入れていることもあり、注目を集めることも期待できます。
ワークサンプルテストのデメリット
ワークサンプルテストを導入した際の懸念点も紹介しておきます。
- 選考辞退の増加
- 選考期間の長期化
- 人的コストの増加
1.選考辞退の増加
半日〜1日のテストは候補者の負担が大きく、選考辞退につながる場合があります。
志望度の低い候補者をスクリーニングするために実施している企業もあります。
2.選考期間の長期化
ワークサンプルテストの形式によっては、受験までに準備を要する場合があります。その影響で選考が長期化してしまうケースも。スキルを慎重に見極めるという点から、長期化は仕方ないとする企業も多いです。
3.人的コストの増加
社員との交流も含めて、自社に合う人材かどうかを判断できるメリットがある反面、人的コストは増加する傾向にあります。
ワークサンプルテストの実施タイミング
ワークサンプルテストを実施する適切なタイミングは、どのフェーズなのでしょうか。
ナイル社では、1次選考後に適性検査や人事アンケートなどと併せて実施しています。
- カジュアル面談 ※適宜実施
- 1次面接
- 適性検査(15分程度の性格診断テスト)
- 人事アンケート(3分程度の選択式アンケート)
- ワークサンプルテスト(60−90分程度の業務内容に模したワーク)
- リファレンスチェック(第3者へのアンケート)※適宜実施
- 2次面接
- 3次面接
出典:https://r-blog.nyle.co.jp/archives/2020/07/07/soho-no-match/
1次面接や2次面接の後、または最終面接の前に行う企業が一般です。Chatwork社では、2次面接合格後に1日入社体験を実施しています。
企業によってタイミングは違いますが、目的は「スキルフィットの確認」「ミスマッチの防止」で共通しています。
ここからは事例をいくつか紹介していきます。
ワークサンプルテストの他社事例2選
ラクスル株式会社
ラクスル社も、入社後のミスマッチ防止を目的にワークサンプルテストを取り入れています。「半日インターン」として会社に訪問し、実務に近しいテストを実施。
また、平日の夜の時間帯に実施(18時〜21時)したり、休みをとってもらってきてもらうこともあります。このような候補者の都合に合わせた実施方法で、選考辞退を防ぐ努力も垣間見えます。
※以下引用
弊社では、中途採用の場合は必ずワークサンプルテストという半日インターンをしてもらっています。採用経路はリファラル採用やダイレクト・リクルーティングになります。採用のスピードを多少失ったとしても、きちんと自分たちのビジョン・ミッションへの共感やスキルの確認ができた人に入ってもらうことにしたことで、そこは明確に効果がありました。
https://industry-co-creation.com/management/39858
取締役CFOの永見 世央氏によると「以前は起こっていた入社後のミスマッチが減少した」と話しています。ワークサンプルテストでスキルフィットの確認をすること、事前に実務体験をすることの効果を実感している企業が多いようです。
▼ラクスル社大原さん、中久保さんとの「ワークサンプル」についての対談はこちら!▼
https://www.hear.co.jp/recruit/raksul-worksample
アッテル株式会社
アッテル社は、自社プロダクトの「アッテル」は構造化面接と一般認識能力テストについては、機能として一部代替が可能なので、「ワークサンプルテスト」を取り入れより見極めを高める取り組みをしています。
▼アッテル社藤森さんとの「ワークサンプルテスト」についての対談はこちら!▼
https://www.hear.co.jp/recruit/attelu-worksample
向いている企業
どんな企業がワークサンプルテストを導入したら良いのでしょう。
「スキルフィットを見極めたい」という企業以外にも、以下のような課題解決が想定されます。
- 正社員スクリーニングに課題
- 副業採用に課題
- 業務委託採用に課題
正社員のスクリーニングに活用するのはもちろん、スキルフィットが主な判断軸となる、「副業採用」や「業務委託採用」にもワークサンプルテストの有用性があります。
しかし、副業採用や業務委託採用で大掛かりなワークサンプルテストを実施することは、デメリットでも紹介したように人的コストが発生します。「リソース不足」という課題を解決できると、ワークサンプルテストの活用の幅も広がりそうです。
まとめ
今回は「ワークサンプルテスト」の基本情報、メリットや事例の紹介。そして新しいワークサンプルテスト「ジョブテスト」のご紹介でした。
自社の採用課題に対して、適切な方法でワークサンプルテストを実施することで、採用活動の負担軽減や入社後のミスマッチを防ぐ効果があります。
ぜひ自社の採用に「ワークサンプルテスト」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、以下のような悩みをお持ちの方はいらっしゃいますか。
- どうやって導入したら良いかわからない!
- そもそも採用要件が固まっていない!
- そこまで時間をかけられない!
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