採用競合の分析方法【2026年9月更新】|3C分析・ベンチマークの決め方・差別化の見つけ方

2022-02-03
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2026-09-15

採用競合の分析方法を、事業競合との違い・採用の3C分析・ベンチマーク企業の決め方・無料でできる調査テクニックまで実務手順で解説します。競合の洗い出し方6選と差別化ポイントの見つけ方つき。(2026年9月更新)

採用競合とは?事業競合との違い

採用競合とは「自社の候補者が併願・比較している企業」のことです。事業で戦っている相手とは限りません。たとえば地方の食品メーカーの採用競合は、同業他社ではなく「地元の優良インフラ企業と公務員」だったりします。

事業競合採用競合
奪い合うもの顧客・市場シェア候補者(人材)
特定の手がかり業界・商品カテゴリ候補者の併願先・内定辞退先
同じになる場合同業種で職種も同じ場合(例: SIer同士のエンジニア採用)—
ずれる典型例—職種軸(経理・営業は業界を跨いで併願される)や地域軸(地元企業同士)で競合する

この違いを押さえずに「業界大手」だけを意識して採用活動をすると、実際の辞退先と戦っていない、的外れな訴求になります。まず候補者の動きから競合を特定するのが分析の出発点です。

職種別・採用競合の典型パターン

採用競合がどう決まるかは職種でおおよそ型があります。自社の職種を当てはめてみてください。

職種競合の決まり方典型的な併願先
エンジニア技術スタック・裁量・年収で業界を跨いで競合自社開発企業・メガベンチャー・SIer
営業商材より「稼げるか・キャリアになるか」で競合SaaS・人材・不動産など高インセンティブ業界
経理・人事など管理部門業界不問。働き方と安定性で競合あらゆる業界の同職種求人
新卒総合職知名度とイメージで競合同エリア・同偏差値帯の人気企業
地方の採用全般地域内で業界を超えて競合地元インフラ・金融・公務員

エンジニア採用の競合構造はエンジニア採用が難しい15の理由で詳しく扱っています。

競合分析をする5つのメリット

先ほどもお伝えした通り、自社と競合をしっかりと分析することによって、自社らしさを明確にすることが可能です。
では、ここからは競合分析を行うメリットについて詳しく解説します。

1.他社との戦いを避けられる

今まで採用において、「競合との戦いは避けられない…」と思われていました。しかし、これからの採用は他社との戦いでなく、候補者に自社の魅力をいかに伝えるかが重要です。そのために、競合分析を徹底的に行うことが求められます。
競合分析を行うことによって、他社との無駄な戦いやバッティングを避けることも可能です。採用において「他社と戦う時代」はすでに終わっているのです。

2.転職市場やビジネス市場での自社のポジションを知ることができる

競合分析を行うことで、自社の現在のポジションを知ることができます。これは、自社の魅力を理解するために欠かせません。
候補者にとって、最終的にどの企業を選ぶかは大きな悩みとなります。そこで、重要な決め手となるのは、採用担当者が自分の会社の魅力をいかに伝えることが出来たかです。
自社のことを理解し、熱意を持って相手にそれを伝えるためには、様々な市場において自社のポジションを知っておくことが必要なのです。

3.他社と自社で悩んでいる候補者の魅力づけが具体化される

自社のポジションを理解し、他社との違いを理解した採用担当者は強いです。
何が強いのか、それは、最終選考をクリアした候補者に自社の魅力を具体的に伝え、「自社のことが一緒に好きになってもらえる」チャンスが増えるためです。
採用担当者の多くは、自社の魅力を一生懸命伝えますが、候補者からしてみれば、「何が魅力的なのかさっぱりわからない」「それは働いているあなただから感じるもの」といったドライな印象受けがちです。しかし、そういったドライな気持ちを温め、最終的に自社を選んでもらう最善の方法は、「自社の魅力を具体的に伝えること」なのです。

4.同業他社との差別化を図ることができる

競合分析をしていくと、他社との違いが明確になります。この「違いが明確になる」ことが、自社の魅力を具体的に伝えていくための第一歩です。
候補者に対して「これが弊社の魅力です」と伝えても、競合分析がしっかりできていなければ「それって〇〇社と同じだよね」となってしまいます。
実際のところ、他社との差別化が十分できていない会社ほど採用がうまくいっていないのです。採用における「他社との差別化」は避けることができない命題です。

5.他社と比べたときの不足点がわかる

競合分析は、採用にとどまらず自社のビジネスを加速させることにも役立ちます。
ビジネスにおいてスピード感はとても大切ですが、闇雲にスピードをあげたところでアクシデントが起こることはわかりきっていますよね。
そこで大切なのが、「自社の不足点を明確にして、改善すること」です。これは採用に限ったことでなく、会社全体として考える必要のあることと言えるでしょう。

採用競合の洗い出し方6選

ここからは、採用における競合の洗い出し方について、いくつかのポイントをご紹介します。先ほどからお伝えしている通り、競合分析する理由は、他社と戦うためではありません。
あくまでも、自社の魅力を改めて理解し、相手に伝えるためであることは常に覚えておいてください。

1.自社の採用状況を把握する

まず、採用競合を理解する前の段階として、自社の現状をどこまで理解しているか確認しましょう。例えば、

  • 自社に応募してくれる理由は何か
  • 志望度の高低、その理由
  • 自社の魅力の打ち出しポイント、逆に弱点は何か

これらのことは最低でも理解しておく必要があるでしょう。特に、現在打ち出している自社の魅力は、候補者にとって本当に魅力として見えているのかどうかです。客観的に見た時、それが弱点に見えている可能性もあるのです。誰にとっても魅力的だと思ってもらえるような打ち出し方をしなければいけません。

2.面接でヒアリング・アンケートの実施

ヒアリングやアンケートで聞いてみることは大切です。しかし、単に聞くだけでは相手も抵抗感を感じてしまうことになりかねません。
そこで、これを相手に確認する最大の目的は、「転職の軸を把握すること」で、自社が提供できることとそうでないことを明確に伝えることができるということについて、しっかりと伝えましょう。
特にヒアリングの際には、十分注意して、相手が抵抗感を感じたり、勘違いしたりしないように気をつけなければなりません。

3.新入社員からヒアリング

新入社員は、自社を選んだ理由が必ずあるはずです。その理由を聞き出して分析しない手はありません。いろいろな聞き方や聞きたい内容はあると思われますが、例として聞いておくべきことは以下の通りです。

  • 他社で印象に残っているWebサイト
  • 説明会、求人サイト、SNS、採用広報記事などで印象が良かった内容やデザイン
  • なぜ自社を選んだのか、自社と他社をどのように比べていたのか、決断した理由

これらを理解しておくことで、採用活動や自社分析のための情報をたくさん集めることができます。

4.採用支援会社や転職エージェントから情報を得る

自社の魅力を考える上で「第三者」からの情報は重要なものです。そこで、採用支援会社や転職エージェントとのつながりを活用し、次のようなことを聞いておくと良いでしょう。

  • 自社がよくバッティングしている企業の特徴や傾向について
  • 他社でエントリーが増えた場合、それはどんな募集内容だったか
  • 他社で取り組んでいる採用方法は何か

これらの要素を一つ一つ分析することで、他社と自社の違いを明確に知ることができます。これからの採用は、競合よりも独自性の時代です。他社の良いところを認めつつも自社の魅力を最大限に伝えなければなりません。そのためには、第三者からの情報は必要不可欠です。

5.他社の求人票、求人広告を研究する

求人票や求人広告は、求職者や採用活動をする人たちが確実に目を通すものです。ここで自社の情報を隠すところは信用されず、採用おろか会社自体のイメージが悪くなってしまいます。また、他社の情報をしっかりチェックしておくことで、自社の思いがけない魅力に気づけることもあります。特に、以下の点を注意して見ておきましょう。

  • 他社が求職者に対してどのような訴求をしているか
  • 給与水準の自社との比較
  • 福利厚生の自社との比較

これらの中で、「求職者に対する訴求」は、その会社が考える「自社の魅力」であることは間違いありません。どういった訴求をしているのか、訴求の仕方が以前と変化しているか否かも含め、丁寧に確認しておきましょう。

6.ネットの口コミサイトを研究する

口コミサイトは、誰にでも書き込めることから信頼性は低いかもしれません。ただ、匿名性が高い分リアルなことを書ける場所でもあります。そのサイトを採用担当者が見ている可能性を理解した上で書き込む人も多いのです。今後の採用活動で見ておくべきところは、以下の通りです。

  • 自社、他社の応募辞退理由は何か
  • 自社、他社の内定辞退理由は何か
  • 自社、他社の代謝理由は何か

この3点を見ていただいてわかる通り、口コミサイトでは採用担当者が直接聞いても教えてくれないようなことがたくさん書いてある可能性があります。そこで、仮説の一つとして口コミサイトを分析した上で、実際のデータをとりにいくことが重要になります。口コミサイトはあくまでも匿名性が高いものなので、信用しすぎることのないようにしましょう。

競合分析の実際の方法

では、ここからは実際に競合分析を行う方法について、いくつかご紹介します。
これらをうまく活用し、分析を丁寧に行うことが自社の魅力理解につながり、採用を成功させるきっかけになるでしょう。

競合分析に使えるフレームワーク

競合分析には様々なものがあります。今回は「3C分析」「4P分析」「SWOT分析」の3つをご紹介します。
どれも難しくありませんので、一つ一つを理解して自社の理解促進に活用していただければと幸いです。

3C分析

3C分析は、「カスタマー(市場・顧客)」「コンペティター(競合)」「カンパニー(自社)」の3つのCの頭文字をとった、マーケティングにおける基本のフレームワークです。
このフレームを採用に活用することが十分に可能です。
これらの3つを詳しく見ていくと、まず、カスタマーは候補者に置き換えられます。つまり、「候補者が企業選びで重要視していること」などと考えることができます。
次に、コンペティターは自社と比較検討する相手です。これは、採用における競合企業はどこなのか、採用活動はどのように行なっているかなどを知ることができます。
そして最後に、カンパニーは採用活動における強いと弱みです。自社のブランド力やネームバリューは?仕事の面白みややりがいは?などを考えることになります。
この3C分析を丁寧に行うことで、後々SWOT分析とのつながりが出てきますので、覚えておきましょう。

4P分析

次に、4P分析についてです。4P分析を行うメリットは、採用計画を見直す上で欠かせないポイントになります。Product…求職者へ伝える自社の魅力や強みとは何か
Price…採用活動資金について
Place…説明会や面接会場は良い選択ができているか
Promotion…採用の広報やツールは最適か

これらのことは、採用に関する全体的な部分をみることになりますが、会社の「第一印象」を決める重要なところですので、一つひとつを徹底的に確認するようにしましょう。
特に説明会や面接会場は応募者にとって会社の印象を決める大きな要因と言えます。無理をして大きなところや高級なところを選ぶ必要はありませんが、会場選びから自社の魅力発信が始まっていることを理解しておきましょう。

SWOT分析

これは、「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の頭文字をとった分析方法です。SWOTは、日頃から採用活動を行う上で考えていること、自社の魅力をどのようにアピールしていくかを改めて整理することに活用できるでしょう。これらの分析を進めた上で、最終的に気をつけておくべきことは、以下の通りです。

  • 予算と選考フロー
  • 面接官の質、採用体験

「3C」「4P」「SWOT」によって、採用活動がより良いものになっていきます。自社にあったものを見極めるようにしましょう。

採用の3C分析のやり方

採用の3C分析は、Company(自社)・Candidate(候補者)・Competitor(競合)の3つの視点で情報を整理するフレームワークです。マーケティングの3Cの「Customer」を「Candidate」に置き換えたものです。集める情報を表にしました。

視点集める情報主な情報源
Company(自社)強み・弱み・働く魅力・待遇・社風社員ヒアリング・入社理由の分析
Candidate(候補者)転職理由・企業選びの軸・併願先面接でのヒアリング・辞退理由
Competitor(競合)求人条件・訴求メッセージ・選考体験求人票・採用サイト・口コミサイト

3つを並べたときに見えてくるのが「候補者が求めていて、競合が訴求しておらず、自社が持っているもの」——つまり差別化ポイントです。3C分析は1回やって終わりではなく、辞退理由が変わってきたら更新します。分析結果を採用戦略に落とす手順は採用戦略の立て方で解説しています。

ベンチマーク企業の決め方

競合をすべて分析するのは現実的ではありません。定点観測するベンチマーク企業を3〜5社に絞ります。選び方は次の3枠です。

  • 実際の併願先から2〜3社:面接ヒアリングと辞退理由で名前が挙がる頻度の高い企業。最優先の枠です
  • 同じ採用ターゲットの先進企業を1〜2社:業界は違っても同じ人材像を採っていて、採用広報や選考体験がうまい企業。打ち手の参考源にします
  • あえて「勝てない相手」を1社:大手や有名企業を1社入れておくと、「同じ土俵で戦わない」という戦略判断の基準線になります

ベンチマークは「勝つため」だけでなく「戦わない場所を決めるため」に置きます。全項目で勝とうとせず、自社が勝てる軸を見つけるのが目的です。

無料でできる競合調査の実践テクニック

有料ツールがなくても、次の4つで競合の採用活動はかなり見えます。必要なのはスプレッドシート1枚だけです。

  • ①求人票の定点観測:ベンチマーク企業の求人を月1回確認し、募集職種・年収レンジ・訴求文言の変化を記録します。年収レンジの引き上げや新職種の募集開始は、相手の採用戦略の変化がそのまま表れる一次情報です。
  • ②口コミサイトの読み方:点数ではなく「退職理由」の記述を読みます。競合の退職理由は、そのまま自社が訴求できる差別化候補です。自社の口コミと見比べて、候補者が両社をどう比較するかを想像します。
  • ③採用広報・SNSの発信チェック:採用サイト・note・X(旧Twitter)で何を推しているか。発信が厚いテーマは相手の自信がある領域、触れていないテーマは空いている土俵です。
  • ④比較シートの列設計:スプレッドシートに「社名/年収レンジ/働き方(リモート・フレックス)/選考スピード/訴求メッセージ/口コミの退職理由/直近の変化」の7列を作り、ベンチマーク各社を1行ずつ埋めます。この1枚が採用会議の共通言語になります。

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競合分析を行なった後にやるべきこと

まず、競合分析や自社分析を行った結果は社内で共有をしましょう。採用担当だけが知っておくのではなく、社内の誰もが同じ目線と考え方を持っておくことが必要です。
また、分析は定期的に行うようにしましょう。採用は人に対して行うものです。少なくとも、自社の強みが数年前と完全に同じであることはあり得ません。
他社のリサーチも含め、常に見直しておくことが採用活動の成功につながります。

採用競合分析のよくある質問(FAQ)

Q. 採用競合分析はどのくらいの頻度でやるべきですか?

A. 本格的な分析は年1〜2回、ベンチマーク企業の定点観測は月1回が目安です。辞退理由に新しい社名が出てきたときは、頻度に関係なく競合リストを見直します。

Q. 競合の情報はどこまで調べていいのでしょうか?

A. 公開情報(求人票・採用サイト・口コミサイト・SNS)の範囲で十分ですし、そこに留めるべきです。候補者経由で他社の選考内容を聞き出すようなやり方は、候補者体験を損ない自社の信頼を下げます。

Q. 中小企業が大手と競合してしまう場合はどうすればいいですか?

A. 同じ軸で戦わないことです。給与や知名度で並べられたら勝てないので、意思決定の速さ・裁量・経営との距離など、大手が構造的に提供できない価値に訴求軸をずらします。3C分析はその「ずらし先」を見つける道具です。

Q. 採用競合が多すぎて絞れません。

A. 職種ごとに分けて考えてください。エンジニアと営業では併願先はまったく別です。職種別に「実際の辞退先」上位3社をベンチマークにすれば、全社で10社前後に収まるはずです。

Q. 分析結果はどう活かせばいいですか?

A. 求人票・スカウト文面の訴求の書き換え、面接での口説きトークの整備、採用ブランディングの方向づけ、の3つに落とします。分析して資料を作って終わり、が一番よくある失敗です。

Q. 分析を外部に依頼することはできますか?

A. 採用コンサルティング会社に競合分析・ポジショニング設計を依頼できます。HeaRでも3C分析からの採用戦略設計を支援しています。詳しくは採用コンサルティングのサービスページをご覧ください。

さいごに

採用においても競合を把握して、その競合を分析していくことが重要です。あくまでも競合分析は他社と自社の立ち位置や見られ方を知るため。しっかりと競合分析を行ってから自社らしい採用活動ができるように取り組んでいきましょう。

監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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