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内定者フォローはどうすればいい?成功のポイントや注意点を詳しく解説!
2024-09-10

内定者フォローはどうすればいい?成功のポイントや注意点を詳しく解説!

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

近年、採用活動において内定者フォローに力を入れる企業が増えています。特に新卒採用では、内定を得た学生が入社するまでの間に、企業と内定者との関係性を深めることが、その後の内定承諾率や入社後の活躍につながるといわれており、人事担当者にとって欠かせない施策といえるでしょう。

本記事では、内定者フォローが注目される背景やその目的、具体的なポイントや注意点について詳しく解説します。また、成功事例も交えながら、企業が内定者フォローを効果的に行うための方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

内定者フォローが注目される背景

内定者フォローが注目される背景には、現在の労働市場の変化や企業と求職者の関係性の変化が挙げられます。

特に新卒採用市場では、企業が内定者とのつながりを強化し、入社までのモチベーションを維持させることが重要視されています。それぞれの背景を詳しくみていきましょう。

人口減少による売り手市場になっているため

日本では少子高齢化が進行しており、若年層の労働力人口が減少しています。この状況により、企業が新卒採用を行う際に、求職者に対して複数の選択肢が提供されることが増え、売り手市場が形成されています。

引用:厚生労働省|日本の人口の推移

企業は優秀な人材を確保するために、内定を出した後も継続的なフォローが欠かせません。内定者が他社のオファーに魅力を感じて内定辞退をするリスクを防ぐためにも、積極的なフォローアップが求められます。

入社の主導権が求職者になりつつあるため

入社の決定権は、かつては企業側が強く持っていましたが、現在では求職者がその主導権を握るようになっています。

特に優秀な人材は、複数の内定を得てからどの企業に入社するかを慎重に選ぶ傾向が強まっています。

仮に内定承諾を交わしたとしても、法的効力を持たないため、辞退される可能性もあります。

そのため、企業は内定者に対して信頼関係を築き、安心して入社を選んでもらうためのフォローが必要です。

内定者の不安を解消し、企業の魅力を再確認してもらうことで、最終的な入社の意思決定に繋がるでしょう。

内定者フォローの目的

内定者フォローの目的は、内定者が安心して入社できる環境を整え、企業と内定者の関係性を強めることです。

これにより、内定辞退や早期離職の抑制をはじめ、さまざまな効果が期待されます。

ここでは、内定者フォローの具体的な目的について詳しく解説します。

内定辞退・早期離職を防ぐため

内定者フォローの重要な目的の一つは、内定辞退や早期離職を防ぐことです。
内定を得たものの、入社前に他の企業からのオファーを受けたり、内定先に対する不安が生じたりすることで、内定を辞退するケースや、入社後に早期離職するケースが増えています。

これを防ぐためには、内定者とのコミュニケーションを密にし、不安や疑問を解消することが重要です。

内定者フォローを通じて、企業との信頼関係を深め、内定者が安心して入社を決断できるようにすることが、結果的に辞退や離職を防ぐことに繋がります。

自社理解を深めてもらうため

内定者フォローには、自社に対する理解を深めてもらうという目的もあります。
内定者が企業文化や働く環境について理解を深めることで、入社後のギャップを減らし、スムーズな適応を促すことができます。

特に、内定者が他社との比較を行う中で、自社の強みや魅力を再認識してもらうことが大切です。

内定者フォローを通じて、自社に対する期待感や納得感を高めることができれば、内定者のモチベーションを維持し、入社意欲の向上が期待できるでしょう。

社員との信頼関係を構築するため

内定者フォローのもう一つの重要な目的は、内定者と社員との信頼関係を構築することです。
入社前に既存社員との交流を通じて、職場の雰囲気や人間関係を理解してもらうことで、入社後の不安を軽減し、スムーズなチームへの適応を促します。

内定者が入社前から社員との良好な関係を築ければ、入社後のコミュニケーションが円滑になり、早期に職場に馴染むことができるでしょう。

信頼関係を築くことで、内定者は自信を持って新しい環境に飛び込むことができ、企業としても定着率の向上が期待できます。

内定者フォローのポイント

内定者フォローを効果的に行うためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

これらのポイントを実践することで、内定者との信頼関係を築き、入社意欲を高めることができます。

ここでは、内定者フォローにおける具体的なポイントについて詳しく解説します。

定期的に連絡を取る

内定者フォローにおいて、定期的に連絡を取ることが重要です。
内定者が安心して入社に向けた準備を進められるよう、企業側からの連絡が途絶えないように配慮する必要があります。

特に、内定者は次のステップが見えないと不安に感じることが多いため、入社までのスケジュールや準備事項をこまめに伝えることで、その不安を解消できます。

具体的な施策としては、以下のようなものがあります。

  • 個人面談:定期的に内定者と個別に面談を行い、不安や疑問点を解消する場を提供します。これにより、内定者のモチベーションを維持し、企業とのつながりを強化できます。
  • 入社までのスケジュール案内:入社前の準備や研修日程など、具体的なスケジュールを定期的に通知し、内定者が安心して準備を進められるようにします。

情報はオープンにする

内定者に対して、企業の情報をオープンにすることも重要です。

内定者は、入社後にどのような業務を行うのか、企業の雰囲気や文化について強い関心を持っています。

これらの情報を積極的に提供することで、内定者は企業への理解を深め、入社後のギャップを減らすことができます。

具体的には、次のような施策が効果的です。

  • 社内ポータルへの参加:内定者に社内ポータルへのアクセス権を付与し、企業の情報や最新のニュースに触れられるようにします。
  • ブログ配信:企業の活動や社員の声をブログで配信し、内定者が社内の雰囲気や働き方を理解できるようにします。
  • 社内SNS:社内SNSを活用し、内定者が社員とのコミュニケーションを気軽に取れる場を提供します。
  • 社内報の送付:定期的に社内報を送付し、企業の動向や社内イベントの様子を内定者に伝えます。

社員とのコミュニケーションの機会を作る

内定者と既存社員とのコミュニケーションの機会を設けることは、内定者フォローにおける効果的な方法です。

入社前から社員と交流することで、内定者は職場の雰囲気や人間関係について理解を深めることができ、入社後の不安を軽減できます。

具体的な施策としては、次のようなものが挙げられます。

  • 社内イベントへの参加:内定者を社内イベントに招待し、既存社員と自然な交流ができる場を提供します。
  • 先輩との座談会:先輩社員との座談会を実施し、内定者がリアルな働き方について質問できる場を設けます。
  • キックオフイベントの参加:新たなプロジェクトや事業のキックオフイベントに内定者を参加させ、企業の方向性やビジョンを共有します。

内定者同士で交流を図る

内定者同士の交流も、フォローの重要な要素です。
同期の仲間と事前に親睦を深めることで、入社前の不安が和らぎ、入社意欲が高まります。

具体的な施策としては、次のようなものがあります。

  • 内定者研修:内定者向けの研修を実施し、同じ目標に向かって学ぶことで、仲間意識を高めます。
  • 内定者懇親会:内定者同士がリラックスして交流できる懇親会を定期的に開催し、一体感を醸成します。

内定者フォローの注意点

内定者フォローを行う際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
これらのポイントを誤ると、内定者の不信感を招き、内定辞退や入社後のモチベーション低下に繋がるリスクがあります。

ここでは、内定者フォローで避けるべき注意点を詳しく解説します。

内定承諾を頻繁に迫らない

内定者に対して、頻繁に内定承諾を迫ることは避けるべきです。
内定者は慎重に企業選びを行っているため、過度なプレッシャーを感じると、かえって企業への不信感を抱きやすくなります。

内定承諾を迫る代わりに、企業の魅力や自分たちが提供できる価値を内定者に伝えることで、自然な流れで承諾に繋げることが重要です。内定者が自ら納得して承諾することで、結果として意欲の醸成やモチベーション維持につながるでしょう。

遅い時間に連絡を入れない

内定者への連絡は、適切な時間帯を選ぶことが重要です。
特に遅い時間に連絡を入れることは避けるべきです。

内定者はサークルやアルバイト、家庭の事情など、さまざまな予定を抱えているため、遅い時間帯の連絡は負担やストレスを与える可能性があります。

また、「こんな時間まで仕事をしているのか」と、入社後の不安を抱かせる可能性があります。

内定者がリラックスできる時間を尊重し、適切なタイミングで連絡を取ることが、信頼関係の構築に繋がります。

他社の悪口を言わない

他社の悪口や批判的な発言は、内定者に対してネガティブな印象を与える可能性があります。
内定者は、企業間で比較しながら自分の将来を考えています。

その際、他社を否定するような発言を聞くと、その企業の姿勢や価値観に疑問を抱くことがあります。

むしろ、自社の強みや魅力を前面に出し、ポジティブなメッセージを伝えることで、内定者が「自分に合った企業だ」と感じてもらうことが大切です。

相手の価値観や考えを否定しない

内定者フォローにおいては、基本的に相手の価値観や考えを尊重しましょう。

内定者には、それぞれ異なるバックグラウンドや考え方があります。
それを無視して一方的に押し付けるような態度は、内定者の反感を買いかねません。

内定者の意見や考えに耳を傾け、共感しながら適切な対応をすることで、信頼関係を築くことができます。一方、単に迎合するのではなく、企業としての姿勢をしっかりと示しつつ、柔軟に対応することが重要です。

内定者フォローの流れ

内定者フォローは、単発の取り組みではなく、企業が内定を出した後から入社までの間に行う一連のプロセスです。
この流れをしっかりと把握し、適切なタイミングでフォローを行うことで、内定者の不安を軽減し、入社意欲を高めることができます。

ここでは、一般的な新卒向けの内定者フォローの流れについて解説しますが、この考え方は中途採用にも応用可能です。

合否連絡(内定通知)

内定者フォローの第一歩は、合否連絡(内定通知)です。
内定通知は、企業から内定者に対して正式なオファーを伝える重要な瞬間でもあります。

この際、内定者が抱える不安や疑問があれば、迅速に解消し、安心して内定を受け入れてもらうことが求められ

具体的には、合否連絡時に内定内容や今後のスケジュールを明確に伝え、内定者が次に何をすべきかを理解できるようにすることが大切です。

また、内定者に対する企業からの感謝の気持ちを伝えることで、好印象を与えることができます。

面談

内定通知後、内定者との面談を実施することが一般的です。
この面談では、内定者の意向や希望を確認し、入社に向けた詳細な準備を進めます。

また、内定者が抱える不安や疑問を直接聞き出し、誠実に対応することで、企業との信頼関係が深まるでしょう。

このように、内定後の面談は内定者が企業文化や仕事の内容に対する理解を深める機会でもあり、入社後のギャップを減らすためにも重要です。

内定者懇親会

内定者懇親会は、内定者同士や既存社員との交流を図る場として重要な役割を果たします。

懇親会を通じて、内定者同士の絆を深め、職場の雰囲気を感じ取ってもらうことができます。

これにより、内定者が入社後の環境をイメージしやすくなり、不安が軽減されます。

さらに、懇親会を通じて内定者が既存社員に対して親近感を持つことで、入社意欲を高める効果も期待できます。

内定式

内定式は、企業が内定者を正式に迎え入れるイベントであり、内定者が自社への入社意欲をさらに高める絶好の機会となります。

この場では、企業のビジョンや期待を伝えるとともに、内定者に対する感謝の気持ちを示しましょう。

また、内定者にとっても、自分が企業の一員となる実感を得られる機会となり、入社後のモチベーション向上に繋がります。

内定式を通じて、企業と内定者の結束を固め、入社に向けた準備を進めていくことが重要です。

入社前研修

入社前研修は、内定者が企業や業務内容に対する理解を深め、スムーズに入社後の業務に移行できるようにするためのプロセスです。
研修では、企業の基本的なルールや業務フロー、必要なスキルを学びます。

また、内定者同士の交流を促進し、チームとしての結束を強化する場としても機能します。

さらに、可能であれば、アルバイトとして勤務してもらうことも有効な方法です。

これにより、実際の業務に触れることで、入社後のギャップを減らし、早期の戦力化が期待できます。

内定者フォローの企業事例

内定者フォローは企業ごとに様々なアプローチが取られており、それぞれの取り組みが成果を上げています。

ここでは、具体的な企業事例をもとに、内定者フォローのポイントを詳しく解説します。

プロパティエージェント株式会社

不動産投資を事業を展開するプロパティエージェント株式会社では、内定者向けの研修として「S-1グランプリ」を開催しています。

これは、内定者が営業力を競うコンテスト形式の研修で、ZOOMを活用したオンラインで実施しました。

内定者はチームに分かれて仮想の商談を行い、その完成度を競う形で進めます。

同研修では、内定者同士の距離を縮めることと、企業文化への理解を深めることが目的です。

研修の結果、内定者たちはオンラインながらも深いコミュニケーションを図り、チームで協力してゴールを目指す経験を積むことができました。

また、実際の社員の商談を目の当たりにすることで、プロフェッショナルとしての姿勢を学ぶ機会にもなったようです。

内定者フォローを通じて、内定者の入社意欲を高めるだけでなく、企業文化の浸透にも成功した好例です。

参考:【オンライン内定者研修】S-1グランプリ開催しました!

株式会社カケハシ スカイソリューションズ

人材・組織戦略におけるコンサルティングを提供する株式会社カケハシ スカイソリューションズでは、内定者が入社前に不安を抱くといった、いわゆる「内定ブルー」に陥らないよう、リクルーター面談や内定祝いランチなど、きめ細やかなフォローを実施しています。

具体的には、内定承諾後の学生を対象に、リクルーターとして現場社員がつき、定期的な面談や電話でのフォローアップを行っています。

また、ランチ会などのカジュアルな場を通じて、内定者が不安に思っていることを解消し、企業との信頼関係を深める取り組みを行っています。
このような取り組みの成果として、内定者の不安が解消され、内定辞退のリスクが低減されるだけでなく、内定者が安心して入社に臨むことができるようになっています。

また、単純な面談だけでなく、内定者の心境に寄り添った細やかなフォローが、内定者との強い信頼関係を築く要因となっています。

参考:24卒生に多発した「内定ブルー」フォローのポイント

株式会社ピーアール・デイリー

採用広告の分野で活動する「株式会社ピーアール・デイリー」では、内定者フォローの一環として、内定者向け説明会や内定者交流会を積極的に実施しています。

同施策の目的は、内定者が企業についての理解を深め、入社後のギャップを減らすことです。
特に同社の内定者フォローの特徴として、内定者向けの説明会や、同期となる内定者同士の交流の場を設け、早い段階で横のつながりを築くことに注力している点が挙げられます。

また、内定者インターンや研修も実施しており、実際の業務体験を通じて企業文化や仕事内容に対する理解を深めてもらう工夫がされています。

さらに、内定者が社会人としてのスキルを身につけるための研修コンテンツも用意されており、入社後の即戦力化をサポートするなど、選考プロセス全体を通じて内定フォローを徹底しています。

参考:ピーアール・デイリーの内定者フォロー、何をやるかバラします!

まとめ

内定者フォローは、内定者の不安を解消し、入社意欲を高めるために欠かせない施策です。

定期的な連絡や社員とのコミュニケーションを通じて、内定辞退や早期離職のリスクを減らすことができます。

また、今回ご紹介した企業事例からも分かるように、内定者との信頼関係を築くためには、人事担当者だけではなく現場社員も巻き込んだフォローアップが有効です。

これらのポイントを押さえ、内定者が安心して入社を迎えられるよう、企業側も積極的にサポートしていきましょう。