内定者フォローの施策と進め方【2026年10月更新】|辞退理由のデータ・学生が望むフォロー・新卒の月別スケジュール・中途との違い

2024-09-10
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2026-10-29

内定者フォローとは、内定から入社までの間に不安を解消し入社の意思を保つ取り組みです。企業が行う施策は内定者懇親会67.1%・内定式61.9%、学生が望む連絡は月1回が29.4%でした(マイナビ)。不安の種類別の施策・新卒の月別スケジュール・中途との違いを解説します。(2026年10月更新)

数字は2025年に公表されたマイナビの2つの調査(企業1,810社・内定者2,284名)です。調査の主体・時期・設問が違うため、並べて読むときの注意も本文に書きました。中途採用は公表された統計を確認できなかったので、HeaRの採用支援で見てきた傾向として書いています。

内定者フォローとは何か?目的と対象

内定者フォローとは内定から入社までの間に内定者の不安を解消し、入社の意思を保つために企業が行う取り組みです。目的は内定辞退の防止・入社後のギャップの縮小・社員との関係づくりの3つで、対象は新卒と中途の両方です。

新卒は内定から入社までが半年ほどあり、中途は数週間から数か月です。期間が違うため施策の組み方も変わります。

内定者フォローの目的は3つ

  • 内定辞退と早期離職を防ぐ:内定後に他社から内定が出たり不安が生じたりすると、辞退が起きます。不安を早めに聞いて解消します。
  • 自社への理解を深める:仕事や職場の実態を知ってもらい、入社後のギャップを減らします。
  • 社員との信頼関係をつくる:入社前に社員と接点を持ち、職場の雰囲気や人間関係を知ってもらいます。

内定者フォローが必要とされる背景

新卒の学生は内定を持ったまま就職活動を続けることがあり、承諾後も辞退は起こります。2025年6月時点の内々定保有社数は平均1.73社で、1社だけの学生が62.2%(前年から21.2ポイント増)でした(マイナビ「2026年卒内定者意識調査」)。複数の内定を比べる学生は前年より減っています。

それでも企業側の調査では、辞退理由の最多は他社から志望度の高い内定が出たことでした(次章)。企業にも余裕がありません。2026年卒の採用充足率(内定者数÷募集人数)は69.7%で、同時期の調査で過去最低でした(マイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」)。

内定承諾書を受け取っても、辞退を契約で防ぐことはできません。新卒の内定は労働契約が成立していると解釈されますが、内定者は入社日の2週間前までに申し出れば解約できるためです。辞退を防ぐには入社までの接点を設計します。

内定辞退はなぜ起きるのか?調査データで見る理由

マイナビの2026年卒調査では、企業が把握している学生の内定辞退理由の最多は「より志望度の高い企業から内定が出た」の49.8%でした。希望職種・希望勤務地・希望業種・給与条件など、条件面の理由が続きます。

内定辞退の理由(企業が把握しているもの) 割合 内定者フォローで変えやすいか(HeaRの整理)
より志望度の高い企業から内定が出た 49.8% 一部は変えられる。他社と比べる期間に、仕事と働く人を知る接点を増やす。
希望職種 17.7% 内定前の確認が中心。内定後は配属の見込みを説明して認識をそろえる。
希望勤務地 15.1% 内定前の確認が中心。転勤や配属の考え方を早めに伝える。
希望業種 12.1% 変えにくい。選考中に事業の理解を深めておく。
給与条件 11.4% 条件の説明を早く具体的にする。面談で質問を受ける。
福利厚生など制度 9.6% 制度の説明資料を渡し、質問の機会をつくる。
社風 2.4% 社員と会う機会を増やす。
保護者からの反対 1.9% 家族向けの説明資料を用意する。
面接官など社員の人柄 0.6% 社員と会う機会を増やす。
その他 4.4% —
辞退理由を学生に確認していない 21.6% 辞退の連絡の際に理由を聞く運用を決める。
内定辞退はない 6.1% —

出典はマイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」(企業1,810社・調査期間2025年9月5日〜10月3日・図10)です。合計が100%を超えるため複数回答とみられます。右の列は調査にはなく、HeaRが整理したものです。

数字から分かること

最多の理由は他社の内定です。ただし他社と比べられる期間に自社の仕事や働く人を知る機会が少なければ、比較で選ばれにくくなります。フォローが効く余地はこの部分にあります。

希望職種・希望勤務地・希望業種の3つは、内定前にほぼ決まる条件です。内定後のフォローでは変えにくいため、選考中の面接で確認しておく必要があります。

辞退理由を学生に確認していない企業は21.6%ありました。理由を聞いていなければ、自社の辞退がどこで起きているか分かりません。なお、この表は企業が把握している理由です。学生が実際に感じた理由と同じとは限りません。

採用が厳しかった理由に「内定辞退の増加」を挙げた企業は31.6%でした(採用活動が厳しかったと答えた企業のうち)。選考中の原因と辞退率の計算は内定辞退の理由と防止策と内定承諾率とはで解説しています。この記事は内定から入社までの運用に絞ります。

企業が行うフォローと学生が望むフォローはどこがずれているか?

内定式と内定者懇親会は、企業の実施率も学生の希望も上位で重なります。ずれがあるのは人事との面談で、企業の35.2%に対して学生が望むのは対面19.4%・WEB19.9%でした。

次の表は2つの調査を並べたものです。企業の調査は「行っている内定者フォロー」、学生の調査は「実施してほしい内定者フォロー」です。調査主体は同じマイナビでも対象・時期・設問が違います。差を比べるためではなく、傾向を見るために並べています。

施策 企業が行っている(企業1,810社・2025年9〜10月) 学生が実施してほしい(内々定保有者2,284名・2025年6〜7月)
内定式 61.9% 61.5%(WEB開催は13.6%)
内定者懇親会 67.1%(対面を想定した設問) 55.8%(食事会等・対面開催)
先輩社員との接点 42.5%(先輩社員との懇親会) 先輩と面談は対面27.5%・WEB22.3%
人事との面談 35.2% 対面19.4%・WEB19.9%
人事からの状況確認の連絡 36.8% 連絡の頻度は次の表
社内見学・工場見学 29.6% 30.8%(リアル開催)
内定者研修(宿泊をともなわないもの) 17.5% 講義やワークは対面21.3%・WEB18.1%
アルバイト・インターンシップ 12.5% 出社型16.1%・リモート型10.1%

企業側の数字は図12の全体の値です。社内見学以降はグラフのラベルと数値の並びから読み取りました。

学生は内定者研修で何を学びたいのか?

形式は集合研修(対面)が64.0%、オンラインが36.3%でした。「特に学びの機会は必要ない」は8.9%です。内容は入社してすぐ役立つものが上位に並びます。

学びたい内容 割合(学びの機会を望む2,091名)
基本的なビジネスマナー 75.9%
現場での仕事体験(OJT) 56.6%
仕事に必要な知識・資格の学習 55.4%
コミュニケーションスキルなど社会人基礎力の向上 52.0%
入社後のキャリアデザイン 49.5%
社内規定・コンプライアンス研修 31.1%
ダイバーシティ&インクルージョン研修 9.8%

連絡はどれくらいの頻度が望まれるのか?

学生に「事務連絡以外の連絡で望ましい頻度」を聞いた結果は、月1回が29.4%で最多でした。数週間に1回の20.6%と合わせると半数(50.0%)です。

望ましい連絡の頻度(事務連絡を除く) 割合
毎日・数日に1回程度 2.4%
週に1回程度 11.2%
数週間に1回程度 20.6%
月1回程度 29.4%
数ヶ月に1回程度 7.9%
特に必要だと思わない(事務連絡だけでよい) 28.4%

週1回以上を望む学生は13.6%にとどまり、事務連絡だけでよいという学生が28.4%います。連絡は多ければよいものではありません。月1回から数週間に1回の間隔で中身のある連絡を続けるのが目安です。この目安は回答の分布から考えたもので、個人によって変わります。

内定者フォローの施策は何があるか?ポイントを不安の種類別に整理

内定者フォローのポイントは内定者の不安を先に決め、その不安に合う施策を選ぶことです。内定者の不安は人間関係・仕事内容・条件と配属・スキルの4つに分けられます。

施策は不安に合うものを少数選んで続けます。

人間関係の不安に向く施策は?

同期や先輩とうまくやれるかという不安には、社員や内定者同士が顔を合わせる場が効きます。

施策 内容 進め方のコツ
内定者懇親会 内定者同士と若手社員が食事や交流をする。 対面を望む学生が55.8%。遠方の内定者にはオンラインの参加も用意する。
先輩との座談会 先輩社員に働き方をリアルに質問できる場を設ける。 年次の近い社員を選ぶ。人事が同席しない時間も作る。
社内イベントへの参加 社内イベントに内定者を招き、社員と自然に交流してもらう。 参加は任意にして負担にしない。
社内SNS 内定者と社員が気軽に連絡できる場を用意する。 内定者同士のコミュニティサイトを望む学生は19.0%。連絡手段をこれだけにしない。
オンライン懇親会・座談会 Web会議で懇親会や座談会を開く。 遠方の内定者や学業の都合がある内定者でも参加できる。顔を合わせる回数を増やしたいときに向く。

仕事内容の不安に向く施策は?

入社後にどんな仕事を任されるのか自分にできるのかという不安には、仕事の中身を見せる情報と体験が効きます。

施策 内容 進め方のコツ
キックオフイベントへの参加 新しいプロジェクトや事業のキックオフに内定者を招き、方向性とビジョンを共有する。 内定者に見せる範囲を事前に決める。
ブログ配信 会社の活動や社員の声をブログで発信する。 内定者向けに書く記事を月1本でも決めておく。
社内報の送付 社内報を送り、会社の動向と社内イベントの様子を伝える。 企業の実施率は23.0%(社内報・資料の郵送)。
社内ポータルへの参加 内定者に社内ポータルのアクセス権を付与する。 見せてよい情報と見せない情報を分けておく。
内定者アルバイト・インターン 入社前に実際の業務に触れてもらう。 学生の希望は出社型16.1%・リモート型10.1%。希望者に限り、学業を優先する。

条件と配属の不安に向く施策は?

給与・勤務地・配属先がどうなるのかという不安には、個別に聞いて答える場が必要です。

施策 内容 進め方のコツ
内定通知時の条件説明 内定の内容と今後のスケジュールを伝え、次に何をすればよいかを分かるようにする。 感謝の気持ちを伝える。条件は書面でも渡す。
個人面談 人事が内定者と個別に面談し、不安や疑問を聞く。 面談はWEBでも対面と同程度の希望がある(対面19.4%・WEB19.9%)。形式を選べるようにする。
入社までのスケジュール案内 準備事項や研修日程を定期的に通知する。 内定者は次の予定が見えないと不安になる。月1回は先の予定を伝える。
配属先の上司・先輩との面談 配属先で任される仕事と一緒に働く人を知ってもらう。 配属が未定でも、候補の部署の話を聞ける場を作る。

スキルの不安に向く施策は?

入社後についていけるかという不安には、学ぶ機会が効きます。

施策 内容 進め方のコツ
内定者研修 ビジネスマナー・会社のルール・業務の基礎を学ぶ。 学生が望む内容はビジネスマナー75.9%・現場体験56.6%。同期で学ぶ場にもなる。
資格学習・eラーニングの案内 資格や基礎知識を自分のペースで学べる環境を用意する。 仕事に必要な資格の学習を望む学生は55.4%。強制せず、案内にとどめる。

オンラインで行うときは何を選ぶのか?

学生の希望を対面とWEBで比べると、人事との面談は対面19.4%・WEB19.9%でほぼ同じです。先輩との面談は対面27.5%・WEB22.3%、研修は対面21.3%・WEB18.1%でした。内定式は対面が61.5%に対し、WEBは13.6%にとどまります。

面談や研修はオンラインでも実施できます。内定式や懇親会のように顔を合わせる価値が大きい施策は対面を基本にして、遠方の内定者だけ別の方法を用意します。これは希望割合をもとにしたHeaRの整理です。入社前の関わり方は入社前オンボーディング施策でも解説しています。

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新卒の内定者フォローは月ごとに何をするか?スケジュール例

4月入社の新卒では、内々定から入社までの約10か月を月ごとに区切って月1回前後の連絡と節目の施策を組み合わせます。

正式な内定は政府の要請で卒業・修了年度の10月1日以降です(日程の詳細は初めての新卒採用の進め方で解説しています)。内々定を出した会社は10月までの数か月が空白になりやすいため、内定式の前から連絡を始めます。

時期 やること 連絡の目安 担当
内々定〜9月 内々定の通知、条件と入社までの流れの説明、個別面談で意向と不安を聞く。 内々定の直後に1回、その後は月1回前後。 人事
10月 内定式、内定承諾書の受領、入社までのスケジュール案内。 内定式の前後に連絡する。 人事・経営者
11月 内定者懇親会(先輩社員が参加)。 事務連絡のほかに月1回前後。 人事・先輩社員
12月 先輩社員との座談会、社内イベントへの招待。 月1回前後。 先輩社員
1月 配属先の上司や先輩との面談、業務内容の説明。 数週間に1回。 配属先の上司
2月 内定者研修(ビジネスマナー)、社内見学、職場の体験。 研修の前後に連絡する。 人事
3月 入社手続きの書類、配属先の案内、研修日程。 事務連絡が増える。関係づくりの連絡も月1回続ける。 人事
4月 入社式、初日のスケジュールの最終案内。 入社の前日までに案内する。 人事

この表はHeaRが考えた一例で、公的に定められた日程ではありません。施策の内容は前の章の不安の種類に合わせて入れ替えてください。

中途採用の内定者フォローは新卒と何が違うか?

中途採用の内定者フォローは、内定から入社までが数週間から数か月と短い点が新卒と違います。現職の退職交渉と引き継ぎも同時に進むため、入社日までの連絡・条件の確認・現職の慰留への備えが中心になります。

中途の内定者フォローを扱った公表統計は確認できませんでした。この章はHeaRの採用支援で見てきた傾向をもとに書いています。

新卒と中途の違いは?

項目 新卒 中途
内定から入社までの期間 半年ほど 数週間から数か月
主な不安 同期や先輩との関係・仕事についていけるか 条件・上司や同僚・現職の退職交渉
辞退につながりやすいこと 志望度の高い他社の内定(調査では最多) 現職の慰留・他社の条件・選考の長さ・入社後の姿が見えないこと
施策の中心 懇親会・研修・座談会 個別の連絡・条件の確認・配属先との面談
連絡の考え方 月1回前後の連絡を続ける 退職交渉の山場と入社日の前に連絡を厚くする

退職交渉とカウンターオファーにどう備えるのか?

中途の内定者は現職に退職を申し出たところで昇給や異動の提案を受けることがあります。これをカウンターオファーと呼びます。転職の理由が年収や特定の上司との関係だけの人は、慰留で気持ちが戻りやすい傾向があります。

内定の前に「退職を申し出たとき、慰留される可能性はありますか」と聞いておきます。転職の理由を面接の段階で言葉にしておけば、慰留の場面で内定者が自分の判断軸を持てます。退職日は現職の引き継ぎで決まるため、入社日を会社の都合だけで押し付けないようにします。中途の辞退の理由は内定辞退の理由と防止策で整理しています。

入社日までの連絡はどう組み立てるのか?

中途は新卒のように月1回の定期連絡を決めるより、節目ごとに連絡するほうが合います。節目は4つです。

  • 内定の承諾直後:労働条件通知書を送り、入社日の候補を確かめます。
  • 退職届の提出前後:退職交渉の進み具合を聞きます。問い詰めず、困っていることがないかを尋ねます。
  • 退職日の前:入社手続きの書類と初日のスケジュールを案内します。
  • 入社日の前日まで:配属先の上司が短い連絡を入れ、初日に会う人を伝えます。

条件の確認はどこまで行うのか?

年収・役職・勤務地・入社日・試用期間・働き方は、労働条件通知書に書面で示します。面接で聞いた話と提示条件が違うと、金額の差以上に信頼を失います。

内定の承諾後に、配属先の上司や同僚と話す機会を1回作ります。入社後の姿が見えないまま入社する人が減り、入社前の不安を聞く場にもなります。

内定者フォローは誰がいつ行うのか?

内定者フォローは窓口を人事に一本化します。仕事の話は配属先の上司が受け持ち、気軽な相談は年次の近い先輩社員に任せると内定者が相談しやすくなります。経営者は内定式などの節目でビジョンを伝えます。

実施者 向いている施策 いつ 注意すること
人事 条件の説明・スケジュール案内・個別面談・状況確認の連絡 内々定の直後から入社まで 内定者から見た窓口を1人に決める。
配属先の上司 仕事内容の説明・配属後の役割の共有 内定式のあと・入社の数か月前 約束できない配属や処遇を話さない。
年次の近い先輩社員 座談会・懇親会・個別の質問対応 内定式のあと〜入社前 人事が同席しない場も作る。
経営者 内定式でのメッセージ・ビジョンの共有 内定式・入社前の節目 内定者に向けた話を準備する。

現場の社員を巻き込む場合は、内定者に伝えてよい情報と連絡の頻度の上限を先に決めておきます。

内定者フォローの注意点は何か?

内定者フォローで避けたい行動は、承諾を迫る・遅い時間に連絡する・他社を悪く言う・内定者の考えを否定するの4つです。不信感を招き、辞退や入社後の意欲の低下につながります。

内定承諾を頻繁に迫らない

内定者は慎重に企業を選んでいます。過度な圧力はかえって不信感を生みます。承諾を迫る代わりに企業の魅力や提供できる価値を伝え、自分で納得して承諾してもらうほうが入社後の意欲も保てます。

遅い時間に連絡を入れない

内定者にはアルバイトや家庭の事情などの予定があります。遅い時間の連絡は負担になるうえ、「こんな時間まで働いているのか」と入社後の不安を抱かせることもあります。連絡する時間帯の目安を人事内で決めておきます。

他社の悪口を言わない

内定者は企業を比べて将来を考えています。他社を否定する発言は、その企業の姿勢への疑問につながります。自社の強みと魅力を前向きに伝え、「自分に合った企業だ」と感じてもらうことが大切です。

相手の価値観や考えを否定しない

内定者にはそれぞれ違う背景と考え方があります。一方的に押し付ければ反感を買います。意見に耳を傾けて共感し、企業としての考えははっきり示しつつ柔軟に対応します。

避けたい行動と代わりの対応

避けたい行動 起きること 代わりの対応
内定を出したあと連絡が途絶える 内定者が不安なまま他社と比べる。 月1回前後の連絡を決め、事務連絡と分けて関係づくりの連絡を入れる。
全員に同じ内容を一斉に送る 個人の不安に答えられない。 面談で不安を聞き、不安の種類に合う施策を選ぶ。
良い話だけを伝える 入社後のギャップが大きくなる。 強みだけでなく課題や大変な点も伝える。調査の中にも、良い面と悪い面の両方を伝えるようにしている企業の声がある。
他社の選考の辞退を求める 不信感を持たれ、辞退や悪い評判につながる。 他社と比べる前提で、自社の強みを伝える。

内定者フォローの企業事例には何があるか?

公開されている内定者フォローの事例を3社確認しました。研修をオンラインで行った例・現場社員が個別に付いた例・施策を時期ごとに並べた例です。成果は参加者の声や取り組みの紹介にとどまり、辞退率などの数字は公開されていません。

会社(原典の公開時期) 取り組み 原典に書かれている成果
プロパティエージェント(2020年8月・21卒向け) 営業力を競うオンライン研修「S-1グランプリ」。Zoomでチームに分かれて20分の戦略会議を行い、仮想の商談ロープレをして、審査員役の社員が評価する。営業のエース社員のお手本ロープレも見学する。 参加者の声として「オンラインながら内定者や社員の方としっかり交流することが出来た」が載っている。人数や辞退率は書かれていない。
カケハシ スカイソリューションズ(2023年5月) 「内定ブルー」(内定後に不安になる状態)への対策として、最終選考の前から現場社員1名がリクルーターとして面談と電話で付く。4月中旬には内定者と社員3名の内定祝いランチを開く。 ランチ後も内定者から相談のメールが届くようになったと書かれている。辞退率の変化は書かれていない。
ピーアール・デイリー(2024年5月) 内定者向け説明会、内定者交流会、夏休みごろの内定者インターン、秋以降の研修を時期別に計画している。 計画の紹介で、実施結果は書かれていない。

出典は各社が公開した記事です(プロパティエージェント:Wantedly、カケハシ スカイソリューションズ・ピーアール・デイリー:note)。

3社から取り入れられること

1つ目は研修を仕事の疑似体験にすることです。プロパティエージェントの研修は営業の商談を題材にして、同期の交流と会社の理解を同時に狙っています。学生が望む内容でも現場での仕事体験は56.6%でした。

2つ目は内定者の不安を出た時期に聞くことです。カケハシ スカイソリューションズでは内定者から退職金制度の質問があり、4月中旬の内定祝いランチで先輩社員が答えました。条件の不安は個別に聞ける場で出てきます。

3つ目は施策を時期ごとに並べて計画することです。ピーアール・デイリーは説明会から研修までを時期別に置いています。前の章の月別スケジュールがこの考え方にあたります。内定後から入社後までの流れはオンボーディング完全ガイドもあわせてご覧ください。

内定者フォローに関するよくある質問

Q. 内定者フォローとは何ですか?

A. 内定を出してから入社するまでの間に、不安の解消と入社の意思の維持を目的に企業が行う取り組みです。内定者懇親会・内定式・先輩社員との座談会・個別面談・研修などがあり、新卒と中途の両方が対象です。

Q. 内定者フォローはいつから始めるのですか?

A. 内々定か内定を伝えた直後からです。新卒は内々定から入社まで半年以上空くため、内定式の前から月1回前後の連絡を始めます。中途は内定の承諾直後に、退職交渉の状況と入社日を確かめます。

Q. 内定者フォローは誰が行うのですか?

A. 窓口は人事に一本化し、仕事の話は配属先の上司、気軽な相談は年次の近い先輩社員に分けると、内定者が相談しやすくなります。経営者は内定式などの節目でビジョンを伝えます。

Q. 内定者フォローでやってはいけないことは何ですか?

A. 内定承諾を繰り返し迫る・遅い時間に連絡する・他社を悪く言う・内定者の考えを否定する、の4つです。内定後に連絡を途切れさせることと、良い話だけを伝えて入社後のギャップを大きくすることも避けます。

Q. 内定者フォローの具体例を教えてください。

A. 企業が行っている上位は、内定者懇親会67.1%・内定式61.9%・先輩社員との懇親会42.5%・人事からの状況確認36.8%・人事との面談35.2%です(マイナビ・企業1,810社・2025年9〜10月)。内定者の不安の種類に合うものから、少数を選んで始めます。

Q. 中途採用でも内定者フォローは必要ですか?

A. 必要です。中途は現職の慰留や他社の条件との比較で、入社前に辞退が起きます。期間が短いため、条件の確認・退職交渉の状況の確認・配属先との面談に絞って行います。

まとめ

内定者フォローは内定から入社までの間に不安を聞いて解消し、入社の意思を保つ取り組みです。企業が把握する辞退理由の最多は、他社から志望度の高い内定が出たこと(49.8%)でした。学生が望む連絡は月1回から数週間に1回が合わせて50.0%で、連絡は多ければよいものではありません。

次にやることは2つです。1つ目は内定者が抱える不安を人間関係・仕事内容・条件と配属・スキルのどれかに分け、合う施策を少数選ぶことです。2つ目は新卒なら月ごとの予定、中途なら入社日までの節目ごとの連絡を決めることです。辞退の原因と承諾率の改善は、次の記事で続きを解説しています。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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