採用サイト制作の費用相場【2026年版】実際の見積もりの内訳まで公開

2026-08-31
2026-08-31

採用サイト制作の費用相場を目的別4段階で解説。標準的なオリジナル制作は50万〜150万円、戦略設計込みは150万〜300万円が目安です。HeaRが実際に提供した190万円の見積もり構造と、AI・パーソナライズ型の新しい選択肢まで公開します。

この記事は、従業員規模50〜500名程度の企業で採用サイトの新設・リニューアルを検討し始めた人事責任者・採用担当の方に向けて書いています。Web発注の経験が少なく、制作会社から出てくる見積もりの妥当性を自分では判断しづらい、という方を想定読者としています。

「相場より高い金額を提示されて、ぼったくられていないか不安」「上司や役員に説明できる根拠がほしい」「安く済ませる方法があるなら知っておきたい」「普通のコーポレートサイト制作会社と、採用に強い制作会社の違いが分からない」——こうした不安や疑問は、初めて採用サイトを発注する担当者にとって自然な感覚です。この記事では、相場のレンジを示すだけでなく、HeaRが実際に提供した制作実例の見積もり構造まで開示することで、社内で説明できる根拠を持ち帰っていただくことを目指します。

採用サイト制作の費用が分かりにくいと言われる最大の理由は、業界として金額の内訳を開示する慣習があまり無いことだと思います。多くの制作会社は「一式◯◯万円〜」という表記だけを公開しており、その中に何が含まれ、何が含まれないのかは問い合わせないと分かりません。この記事では、相場のレンジを示すだけで終わらせず、実際の見積もりを工程レベルまで分解し、比較の際に見るべきポイントを具体的に示します。


採用サイトの制作費用はいくら?【相場早見表】

採用サイトの制作費用は、一般的に50万円〜300万円の範囲に収まることが多く、目的の深さに応じて4段階に分かれます。HeaRが実際に提供した中途採用サイト制作の実例では、一式190万円・ページ数20ページ前後という条件でした。

まず全体像として、目的別の相場早見表を見てください。

段階 相場帯 主な内容 制作期間の目安
段階1: 最低限のコンテンツ 〜50万円 テンプレート活用、原稿・写真は自社で用意、ページ数は少なめ 2週間〜1.5ヶ月
段階2: 標準的なオリジナル制作 50万円〜150万円 オリジナルデザイン、コンテンツの作り込み、ページ数10〜15ページ程度 1〜2.5ヶ月
段階3: 戦略設計込みのフルオーダー 150万円〜300万円 採用ターゲット・訴求の言語化から着手、ページ数20ページ前後。撮影・インタビューは含む場合と別料金の場合がある 2〜4ヶ月
段階4: 採用ブランディング統合型 300万円〜 動画撮影やリッチなアニメーション表現、オウンドメディアや採用ブランディング全体との統合 4ヶ月〜

HeaRの実例(一式190万円)は、この表でいうと段階3(戦略設計込みのフルオーダー)の帯に位置します。次の章で、この190万円が具体的に何にいくら使われているのかを工程別に開示します。

企業規模や採用状況に置き換えると、目安はおおむね次のようになります。年に数名程度の採用で、まずは最低限の情報発信ができればよいという企業は段階1の帯で十分なことが多く、月間数名〜十数名規模で中途採用を継続的に行い、応募者とのミスマッチを減らしたい企業は段階2〜3の帯を検討することが多い印象です。採用ブランディング全体を強化し、動画やリッチなアニメーションまで作り込みたい企業は段階4の帯が視野に入ります。なお、後の章で扱うAI・パーソナライズ型は段階4専用の選択肢ではなく、段階2〜3の予算感からでも検討できます。あくまで目安ですが、自社がどの段階に近いかを考える際の出発点にしてください。

自社での制作(STUDIOなどのノーコードツールやATS付属のテンプレート機能)であれば月額数千円から始められますが、デザインの自由度やコンテンツの作り込みには限界があります。逆にオウンドメディアまで統合したブランディング全体設計になると、300万円を超えるケースも珍しくありません。まずは自社がどの段階を求めているのかを、社内で言語化しておくことが、見積もり比較で損をしないための最初のステップです。

同じ「50万円〜300万円」というレンジの中でも、見積もりの相場は「何を含み、何を含まないか」で大きく変わります。たとえば、ターゲットの言語化や採用競合との差別化を考えるところから制作会社に任せるのか、それとも自社で方向性を固めたうえでデザイン・実装だけを依頼するのかによって、同じ150万円でも中身は別物になります。また、ページ数が同じでも「社員インタビューを何本入れるか」「動画コンテンツを含むか」といったコンテンツの作り込み度合いも、金額を左右する大きな要因です。相見積もりを取る際は、単純な総額だけでなく、これらの前提条件を各社に揃えてもらってから比較することをおすすめします。

複数の制作会社に相見積もりを依頼すると、同じ「20ページ前後・オリジナルデザイン」という条件を伝えても、提示される金額に数十万円〜100万円以上の開きが出ることがあります。この差の多くは、実際の作業量の違いというより、各社が見積もりに何を織り込んでいるか(戦略設計のコンサルティング費用を含むか、修正回数を何回まで許容するか、進行管理・ディレクションの人員を何人体制で組むか)の違いに起因します。金額の高い会社が必ずしも過剰請求をしているわけではなく、逆に安い会社が手を抜いているとも限りません。見積書の総額だけを横並びにするのではなく、次の章で扱う工程別の内訳まで開示を求めることが、比較を有効にする一番の近道です。

なお、こうした相場のばらつきは「同じ『採用サイト制作』という言葉で、実は全く違う工程量のものを比較している」ことが原因です。次の章で、見積書の中身を工程単位まで分解して見ていきます。


見積書の中身はどうなっている?

見積書の中身は、サイト戦略策定・ページ設計・ワイヤーフレーム制作・デザイン・コーディング(納品)という5つの工程で構成されるのが一般的です。金額の妥当性は、総額よりもこの内訳と各工程の「条件」で判断すべきです。

見積書には、しばしば「サイト制作一式」「Webサイト制作費用」といった大きなくくりで金額だけが記載され、内訳が明記されていないケースがあります。発注側からすると、この状態では「何にいくらかかっているのか」を検証しようがなく、価格交渉の材料も持てません。見積もりを依頼する段階で、あらかじめ工程別の内訳を出してもらえるかどうかを確認しておくことが、後々のトラブルを避ける最も簡単な方法です。

ここでは、HeaRが実際に提供した中途採用サイト制作の実例(一式190万円)を、匿名化したうえで工程別に開示します。特定のクライアント名や業種が分かる情報はすべて除いています。

工程 内容 条件
1. サイト戦略策定 ターゲット・訴求の言語化。採用競合との違いをどう打ち出すかの方針決め
2. ページ設計 サイトマップ・情報設計。TOP+下層20ページ前後の構成を決定 ページ数超過は別途見積もり
3. ワイヤーフレーム制作 各ページのレイアウト骨子を作成 修正は2回まで
4. デザイン ビジュアルデザインの制作 修正は2回まで。写真撮影は別料金、フリー素材の利用が基本条件
5. コーディング・納品 実装・テスト・公開作業 修正は2回まで

期間は2〜3ヶ月でした。

それぞれの工程がどんな意味を持つのか、もう少し掘り下げます。1つ目のサイト戦略策定は、いわば土台の部分です。候補者に何を伝えれば応募してもらえるのか、採用競合と比べて何が強みなのかを言語化する工程で、ここを省略すると見た目は整っていても訴求力の弱いサイトになりがちです。2つ目のページ設計は、戦略を踏まえて必要なページと情報の優先順位を決める工程で、ページ数の上限はここで確定します。3つ目のワイヤーフレームは、デザインに入る前のレイアウト骨子で、修正が発生しやすい工程だからこそ「2回まで」という条件が効いてきます。4つ目のデザインは最も見た目に直結する工程で、写真撮影が別料金・フリー素材が基本という条件は、コンテンツ制作コストを抑えるための現実的な線引きです。5つ目のコーディング・納品は実装とテストの工程で、公開直前の修正が集中しやすいため、ここでも修正回数の上限が効いてきます。

この表を見て、多くの担当者が意外に感じるのは「金額の内訳」よりも「条件」の部分だと思います。見積書を比較するとき、担当者が最も見落としやすいのが「修正回数の上限」「ページ数の上限(超過時の追加費用)」「撮影が込みか別料金か」という3点です。同じ190万円という総額であっても、修正が1回までの会社と3回まで対応する会社では、実質的な提供価値がまったく違います。逆に「修正無制限」を謳う見積もりは、その分の工数がどこかに転嫁されている可能性を疑ったほうが安全です。

また、極端に安い見積もりを見た際は「戦略策定が丸ごと含まれていないのではないか」「ページ数の上限が想定より少ないのではないか」を確認することをおすすめします。総額だけを比較すると見えない差が、工程単位で分解すると見えてきます。

たとえば、同じ「採用サイト制作一式」という項目名で120万円の見積もりと190万円の見積もりが並んでいたとします。総額だけを見れば120万円のほうが安く見えますが、内訳を確認すると、120万円の見積もりには戦略策定の工程が含まれておらず、ページ数の上限も12ページ、修正は1回までという条件だったとします。一方190万円の見積もりは戦略策定を含み、ページ数上限20ページ、修正2回までという条件です。この場合、単純な金額比較では見えなかった「実質的な提供価値の差」が浮かび上がります。逆に、自社ですでにターゲット言語化を終えていて、あとはデザインと実装だけを依頼したいという状況であれば、戦略策定を含まない120万円の見積もりのほうが合理的な選択になることもあります。大切なのは、どちらが安いかではなく、自社の状況に対して過不足のない内訳かどうかを見極めることです。

見積もりを比較検討する段階に入ったら、単に金額の大小だけでなく、この条件面まで含めた資料を用意しておくと社内稟議も通しやすくなります。HeaRのサービス資料には、こうした見積もりの読み方や制作実績の詳細をまとめていますので、参考にしてください。

【無料資料】HeaRサービス資料(制作実績・料金の詳細)


費用を左右する5つの変数とは?

採用サイトの費用は、ページ数・デザインの作り込み度・取材撮影の有無・CMS/更新のしやすさ・パーソナライズ対応の5つの変数で大きく変動します。この5つのうちどれを重視するかを決めておくと、見積もりのブレを説明できるようになります。

先の章で見たように、同じ総額でも工程の含み方によって中身が異なりますが、そもそも工程量そのものを左右しているのがこの5つの変数です。見積もりを受け取って「なぜこの金額なのか」がピンとこないときは、この5項目のどこが効いているのかを制作会社に確認してみると、金額の根拠が見えてきます。

変数1: ページ数

最低限(会社概要・募集要項・社員紹介・お問い合わせなど)であれば5〜10ページ程度に抑えられますが、社員インタビューや職種別ページ、福利厚生の詳細まで足していくと20ページを超えることも珍しくありません。ページ数は見積もりの土台となる変数であり、後から追加すると1ページあたりの単価がそのまま加算されるケースが一般的です。発注前に「絶対に必要なページ」と「あれば良いページ」を仕分けておくと、見積もり交渉がしやすくなります。

変数2: デザインの作り込み度

既存テンプレートを活用する場合と、ゼロからオリジナルデザインを起こす場合とでは、工数が数倍単位で変わります。採用競合と横並びに見える汎用テンプレートで妥協するか、自社らしさを言語化してオリジナルで作り込むかは、採用ブランディング全体の方針(採用の4Pで語る自社の魅力訴求とも直結します)に関わる判断です。特に競合他社と併願されやすい採用市場では、テンプレートのままでは差別化が難しく、投資対効果を考えるとオリジナルデザインに寄せる企業が多い印象です。

変数3: 取材撮影の有無

社員インタビューやオフィス風景の撮影を入れると、カメラマンの手配・当日の立ち会い・文字起こし・編集という工数が積み上がります。フリー素材や自社で撮影済みの写真を活用すれば、この工程はまるごと圧縮できます。HeaRの実例でも、撮影は別料金・フリー素材利用が基本条件でした。撮影を入れる場合は、誰にインタビューするか(現場社員か経営層か)、何本作るかによっても工数が変わるため、早い段階で対象者の目星をつけておくとスケジュールが安定します。

変数4: CMS・更新のしやすさ

静的なコーディングのみで納品する場合と、CMSを組み込んで自社で更新できるようにする場合とでは、初期費用も運用のしやすさも変わります。求人が増える・組織が変わるたびに制作会社へ都度依頼する運用は、長期的には見えにくいコストになりがちです。採用が繁忙期・閑散期で波のある企業ほど、自社で更新できる仕組みを持っておく価値は大きくなります。

変数5: パーソナライズ対応

職種や志向性によって訴求内容を出し分けるパーソナライズ機能や、AIチャットボットの搭載は、従来のフルオーダー制作にはなかった新しい変数です。複数職種を同時募集している企業や、拠点によって求める人物像が異なる企業ほど、この変数の影響が大きくなります。この点は後の章(AI・パーソナライズ型)で詳しく扱います。

この5つの変数は互いに独立しているわけではなく、たとえば「ページ数を増やしてパーソナライズも入れる」となれば、費用は掛け算的に積み上がります。逆にどれか1つを絞り込むだけでも、総額を大きく圧縮できる余地があります。

発注前の社内検討では、この5項目に優先順位をつけておくことをおすすめします。すべてを高い水準で満たそうとすると予算は青天井になりがちですが、「今回はページ数とデザインを優先し、撮影とパーソナライズは次のフェーズに回す」といった優先順位付けができれば、限られた予算の中でも成果につながりやすい配分ができます。自社の採用サイトに何を求めるかを整理するには、選考プロセス全体で使うカルチャーデックや、候補者に見せる採用ピッチ資料(採用ピッチ資料の事例160選にまとめています)と、コンテンツの方向性を揃えておくと制作会社への発注要件がぶれません。


制作会社はどう選ぶ?

制作会社を選ぶ際は、価格だけでなく「採用特化度」「更新のしやすさ」「パーソナライズ対応の有無」という3つの軸で比較することをおすすめします。同じ価格帯でも、採用領域の専門性によって成果物の質は大きく変わります。

制作会社は大きく分けて、テンプレート型・セミオーダー型・フルオーダー型の3タイプがあり、さらにフルオーダー型の中にも採用領域特化の会社と、コーポレートサイト全般を扱う会社が混在しています。予算だけを基準に会社を絞り込むと、この違いが見えにくくなり、結果的に「安いが訴求力の弱いサイト」か「高いが自社に合わない汎用的なサイト」のどちらかに寄ってしまうリスクがあります。

公開されている制作会社の料金を、可能な範囲で同一条件(15〜20ページ相当・撮影なし)に近づけて整理した比較表が以下です。ただしページ数・撮影有無の公開情報が会社によって粒度が異なるため、厳密な同一条件での比較ではない点はご留意ください(各社公式サイト公開料金・2026年8月時点)。

参考価格帯 ページ数の目安 撮影の扱い 向いている企業
テンプレート型(DIY・ATS付属) 月額数千円〜数万円 数ページ〜上限300ページ程度 自社手配が前提 スピード重視・小規模、まずは低コストで始めたい企業
セミオーダー型 20万円前後〜 8ページ以上〜 会社により異なる ある程度の作り込みと予算のバランスを取りたい企業
フルオーダー型(標準) 100万円〜300万円程度 ページ数非公開の会社が多い 別途見積もりが一般的 採用戦略から相談し、自社らしさを言語化したい企業
フルオーダー型(ハイエンド) 800万円〜 20ページ前後・CMS組み込み 会社により異なる 大規模採用・複数職種のブランディングを統合したい企業

なお、この比較表には「採用係長」のような採用管理システム(ATS)付属の簡易ページ作成機能も含めていますが、ATSは本来、求人の公開・応募者管理・選考進捗の一元管理を目的としたツールであり、採用サイトの制作代行そのものが主目的ではありません。求人票を素早く公開したいだけであればATSの簡易機能で十分なこともありますが、自社の魅力を言語化して伝えるコンテンツ量が必要な場合は、別に採用サイトを持つか、ATSと採用サイトを連携させる設計を検討したほうが良い結果につながりやすいです。

比較表の価格帯は各社が公式サイトで公開している金額をそのまま並べたもので、正規化の過程で「ページ数15〜20相当・撮影なし」という条件に厳密に一致するプランは実はほとんど存在しませんでした。多くの会社は8ページ以下のプランか、それより大幅にページ数の多いハイエンドプランしか公開しておらず、中間帯を埋める公式情報が限られているのが実情です。この記事の相場早見表(前章)は、こうした公開情報だけでなく複数の業界情報を踏まえて整理したものなので、個別の発注検討では、この比較表と合わせて必ず各社に直接見積もりを依頼することをおすすめします。

比較の際にチェックすべき独自軸は次の3点です。

  • 採用特化度:採用領域の実績・支援社数があるか。一般的なコーポレートサイト制作会社と、採用に強い制作会社とでは、ターゲット言語化やコンテンツ設計の解像度が違います
  • 更新のしやすさ:納品後、自社で求人内容や社員紹介を更新できるCMSが組み込まれているか。静的コーディングのみだと、更新のたびに追加費用が発生します
  • パーソナライズ対応:職種別・拠点別に訴求を出し分けられる設計に対応しているか。今後の採用サイトに求められる可能性が高い機能です

見積もりを依頼する段階では、価格の提示を待つだけでなく、次のような質問を各社に投げてみることをおすすめします。「戦略策定のフェーズはどこまで含まれますか」「ページ数の上限と、超過時の追加費用はいくらですか」「デザイン・コーディングの修正回数は何回までですか」「撮影は込みですか、別料金ですか」「納品後の更新は自社でできますか」。この5つの質問への回答が明確な会社ほど、見積もりの透明性が高いと判断できます。逆に、これらの質問に対してあいまいな回答しか返ってこない場合や、総額だけを提示して内訳の説明を避ける場合は、注意したほうがよいでしょう。

「採用に強い制作会社」と「一般的なコーポレートサイト制作会社」の違いは、デザインの見た目だけでは分かりにくいものです。実際の違いは、ヒアリングの段階で表れます。採用に強い会社は、業種・職種・競合他社の求人条件まで踏み込んでヒアリングし、「なぜこの会社で働きたいと思ってもらえるのか」という訴求の核を一緒に言語化しようとします。一方、コーポレートサイト制作が主軸の会社は、デザインやコーディングの技術力は高くても、採用マーケティングの視点でのヒアリングが浅くなりがちで、結果として見た目は綺麗でも訴求力が弱いサイトになるリスクがあります。初回の打ち合わせで、自社の採用課題についてどれだけ深く質問してくるかは、判断材料の一つになります。

HeaRは累計250社以上の採用支援実績をもとに、採用に強い制作会社としてこの3軸を高い水準で満たす提案を行っています。単に「サイトを作る会社」ではなく、採用戦略から関わる会社かどうかは、見積もりを依頼する前の段階で確認しておくとよいでしょう。


採用サイトに投資する価値はあるのか?

採用サイトへの投資価値は、応募数ではなく「応募者の質・入社後の満足度」で測ると見えやすくなります。マイナビ調査では、企業ホームページ経由の採用担当者満足度は81.6%で、人材紹介会社の69.6%を上回ります。

まず数字を正確に押さえておきます。マイナビ「中途採用状況調査2026年版」によれば、中途採用の応募経路として企業ホームページを利用した企業は43.6%で、利用した企業のうち実際に採用に至った割合(採用到達率)は43.9%でした。これは人材紹介会社(66.0%)や転職サイト(63.3%)より低い数値です。つまり「採用サイトのほうがエージェントより採用に結びつきやすい」とは言えません。この点は正直にお伝えします。

一方で、満足度の数字は逆転します。同調査でメイン利用サービスの満足度を見ると、企業ホームページは81.6%(前年69.8%から+11.8pt上昇)で、人材紹介会社(69.6%)・転職サイト(74.2%)・求人検索エンジン(72.1%)をいずれも上回っています(出典: マイナビ「中途採用状況調査2026年版」)。「量」では媒体やエージェントに劣るが、「入社後の実感・質」では採用サイトが優れる、という構造です。

なぜ量より質で優位に立てるのでしょうか。背景として考えられるのは「選抜の効果」です。企業ホームページ経由の候補者は、すでに企業への関心が一定以上高い状態で応募しています。求人媒体やエージェント経由の候補者は「紹介されたから」「検索で見つけたから」応募するケースも一定数含まれますが、わざわざ企業のホームページを訪れて採用サイトから応募する候補者は、企業研究をある程度した上で意思決定している可能性が高いと考えられます。この解釈はあくまで編集部としての見立てであり、因果関係を直接示す一次データではない点はお断りしておきます。

海外のデータでも似た傾向が確認できます。米国Jobviteの調査では、応募者数に占める採用者数の比率(Effectiveness)を比較すると、キャリアサイト経由は0.807で、求人媒体(Job Boards)の0.360の約2.2倍でした(出典: Jobvite「2017 Recruiting Funnel Benchmark Report」)。応募者数を集める力では求人媒体に及ばなくても、応募者1人あたりの採用効率では採用サイトのほうが高い、という点は日米で共通しています。

なぜこうした差が生まれるのかは、候補者側の行動データからも説明できます。株式会社ONEが実施した調査では、回答者の83.9%が「採用サイトの情報を重要と感じる」と回答し、62.4%が「採用サイトのある企業をよりポジティブに感じる」と答えています(出典: 株式会社ONE「企業の採用サイトに関する意識調査」)。求人媒体で興味を持った候補者が、応募の意思を固める前に企業の採用サイトを訪れて情報を確認する、という行動が一般的になっていることがうかがえます。採用サイトは「候補者を集める場所」というより、「集まった候補者の応募意欲を後押しする場所」として機能している面が大きい、と捉えるほうが実態に近いかもしれません。

もう1つ、費用を考えるうえで見落とされがちな視点があります。当社が採用サイト設計で使っている整理では、採用サイトの役割は選考フェーズによって変化します。認知から応募までは「候補者の意欲を上げる」役割、選考から内定・入社までは「候補者の不安を取り除く」役割です。候補者は応募前に1度見て終わりではなく、面接の前後や内定承諾を迷うタイミングでも繰り返し見返します。つまり、応募を増やすページだけでなく、評価制度・キャリアパス・働き方の実態といった「選考中の不安に答えるコンテンツ」まで備えるかどうかで、必要なページ数も費用も変わってくるのです。

コスト構造の違いにも触れておきます。求人媒体や人材紹介は、掲載・成約のたびに費用が発生する仕組みが基本で、採用を続ける限りランニングコストがかかり続けます。一方、採用サイトは初期に制作費を支払えば、その後は運用・保守費用だけで資産として使い続けられます。採用が一時的なものではなく、今後数年にわたって継続する見込みであれば、初期費用は高く見えても、中長期で見たときの投資効率は変わってきます。逆に、単発的な採用で終わる見込みが強い場合は、無理に採用サイトへ大きく投資せず、求人媒体を中心に組み立てるほうが合理的な場合もあります。

なお、厚生労働省「雇用動向調査」の入職経路区分には、そもそも「自社ホームページ」という独立した区分が存在しません(e-Stat「雇用動向調査」入職経路別入職者数)。採用サイト経由の入職者数を公的統計から直接引用している情報を見かけたら、出典を確認したほうがよいでしょう。

ここまでの数字を整理すると、「採用サイトは応募数を集める道具ではなく、応募者の質と入社後の満足度を高める道具」という位置づけが見えてきます。求人媒体・エージェントと採用サイトを対立させて考えるのではなく、役割の違うチャネルとして併用する前提で予算を組むほうが、実態に即した投資判断になります。

この構造を踏まえると、投資判断のフレームは次のように整理できます。

状況 推奨アプローチ 予算感の目安
とにかく採用人数を急いで確保したい 求人媒体・人材紹介を主軸に、採用サイトは最低限で並走 〜50万円
中途採用を継続的に行い、応募者とのミスマッチを減らしたい 採用サイトを戦略設計から作り込み、媒体・エージェントと併用 150〜300万円
候補者ごとに訴求を出し分け、応募意欲と内定承諾率を上げたい AI・パーソナライズ型を検討 従来型フルオーダーと同水準〜
採用ブランディング全体を強化したい 採用サイト+オウンドメディア統合、カルチャーデック採用の4Pとの連動 300万円〜

採用サイトは「今月の応募数」を最大化する装置ではなく、中長期で候補者との接点の質を上げる資産です。求人媒体・人材紹介への投資と比較する際は、この「量」と「質」の役割分担を前提に検討することをおすすめします。予算が限られている場合は、いきなり採用サイトに全額投資するのではなく、まず求人媒体や採用代行(RPO)で母集団を確保しながら、並行して採用サイトを段階的に育てていくという時間軸の設計も有効です。採用代行(RPO)の活用も含めた採用チャネル全体の費用感は採用代行(RPO)の費用相場、採用戦略の設計段階から相談したい場合の費用感は採用コンサルティングの費用相場にまとめています。


AI・パーソナライズ型採用サイトの費用は?

AI・パーソナライズ型の採用サイトは、候補者の職種や志向性に応じてコンテンツを出し分ける新しいカテゴリで、価格帯は要件次第ですが従来型フルオーダーと同水準からが目安です。既存の相場記事にはまだほとんど登場しない、市場としては新しい領域です。HeaRではこの領域を「AIネイティブな採用サイト」と呼び、サービスとして提供しています。

具体的には、次の2つの方向性があります。どちらも当社が実装している領域です。

AIチャットボット搭載型

採用サイト上に候補者対応のAIチャットボットを組み込み、よくある質問への即時回答や、候補者の興味に応じたコンテンツ誘導を行うタイプです。HeaRが提供するRecruit-bot(AIチャットボット)は、この領域を想定した製品として実装しています。詳細はRecruit-bot(AI採用サイト)のサービスページをご覧ください。

パーソナライズ採用サイト

候補者の属性(職種・経験・志向性など)に応じて、トップページの訴求やコンテンツの見せ方を出し分ける設計です。営業職を目指す候補者とエンジニア職を目指す候補者では響く言葉が違う、という前提に立った作り方で、HeaRが実装しているカテゴリの一つです。

この2つが必要とされる背景には、候補者によって知りたい情報も響く言葉も異なる、という事実があります。従来の採用サイトは「全候補者に同じトップページを見せる」設計が主流でしたが、営業職とエンジニア職、東京拠点と地方拠点では、候補者が知りたい情報も、響く言葉も異なります。1つのサイトで全員に対応しようとすると、結果的にどの候補者にも刺さらない、当たり障りのない内容になりがちです。パーソナライズ型は、この「誰にでも当たり障りのない」状態を避けるための選択肢として位置づけられます。

いずれも、従来型のフルオーダー制作(150万円〜300万円帯)と大きく乖離した特別料金というわけではなく、要件定義の内容次第で従来型と同水準からの費用感になることが多い、というのが現時点での実感です。具体的な金額は候補者データの活用範囲や連携するシステムによって変わるため、この記事では断定的な金額提示は避けます。まずは自社の採用課題がパーソナライズやAI活用で解決できる性質のものかどうか、資料で確認いただくのがよいと思います。

現時点でこのカテゴリを扱う相場情報はほとんど流通しておらず、比較対象を探すこと自体が難しい領域です。だからこそ、要件を固める前の段階で一度専門家に相談し、自社の採用課題が本当にAI・パーソナライズ型で解決できる性質のものかどうかを見極めることが、遠回りに見えて実は近道になります。

具体的なイメージとしては、たとえば同じトップページを開いても、営業職に興味のある候補者には成果報酬制度やキャリアパスの情報が前面に出て、エンジニア職に興味のある候補者には開発環境や技術スタックの情報が前面に出る、といった出し分けが考えられます。あるいは、AIチャットボットが候補者の質問(「未経験でも応募できますか」「勤務地はどこまで選べますか」など)にその場で回答し、離脱を防ぎながら適切な求人ページへ誘導する、という使い方もあります。従来型の採用サイトが「1つの正解」を全員に見せる設計だとすれば、AI・パーソナライズ型は「候補者ごとの入口」を複数用意する設計だとイメージすると分かりやすいかもしれません。

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費用を抑える現実的な方法は?

費用を抑える方法には、成果に響きにくいものと、応募数や採用の質を落としかねないものがあります。やってよい節約とやってはいけない節約を分けて考えることが大切です。

予算が限られている状況で「とにかく安くしたい」という要望だけを伝えると、制作会社側はページ数を削るか、コンテンツの作り込みを浅くするか、修正回数を減らすかのいずれかで対応することになります。どこを削っても総額は下がりますが、削る場所によって公開後の成果への影響はまったく異なります。次の整理を参考に、削ってよい部分から手をつけてください。

やってよい節約

  • 原稿・写真素材を自社で用意する:ライティングや撮影を制作会社に依頼せず自社で準備すると、コンテンツ制作費用を圧縮できます。HeaRの実例でも、撮影は別料金・フリー素材利用が基本条件でした。既に社員インタビューの素材や社内広報用の写真がある場合は、それを活用するだけでも工数を減らせます。
  • ページ数を絞り込む:最低限(会社概要・募集要項・社員紹介・選考の流れ・お問い合わせなど)に絞れば、費用は下の価格帯に収まります。後から必要なページを追加する形にすれば、初期投資を抑えられます。
  • CMSやノーコードツールを活用する:更新頻度が高い部分(求人一覧など)はCMS化しておくと、公開後の追加費用を抑えられます。

やってはいけない節約

  • 修正回数の上限だけで会社を選ぶ:見積もりの安さに惹かれて修正回数が極端に少ない会社を選ぶと、公開後に「思っていたものと違う」まま世に出すことになりかねません。
  • ターゲットの言語化を省略する:戦略策定の工程を丸ごと削ると、デザインは整っていても「誰に何を伝えたいのか」が曖昧なサイトになり、結果的に応募者の質が下がるリスクがあります。
  • フリーランス個人への発注に品質担保の仕組みがないまま丸投げする:個人への発注は費用を抑えられる一方、制作の途中停止や連絡が取りづらくなるリスクが対法人発注より高くなる点は考慮しておく必要があります。

判断に迷ったときの目安は、「その節約によって削られるのは工数か、伝えるべき情報か」という問いです。原稿・写真素材の自社準備やCMS化は工数の圧縮であり、成果への影響は限定的です。一方、戦略策定の省略やページ数の過度な削減は、候補者に伝えるべき情報そのものを削ることになり、応募数や応募者の質に跳ね返ってきやすい節約です。この線引きを社内で共有しておくと、「安さ」だけで発注先を選んでしまう失敗を避けやすくなります。

たとえば、社内に社員インタビュー記事や広報用の写真素材がすでにある企業であれば、それを制作会社に提供するだけで、コンテンツ制作費用を数十万円単位で圧縮できることがあります。逆に、素材が何もない状態から「とにかく安く」を優先してテンプレート型を選んでしまうと、載せられるコンテンツの量・質ともに限界があり、結果として採用サイトを作った意味が薄れてしまうケースもあります。節約の判断は、金額だけでなく「自社が今どれだけの素材を持っているか」も踏まえて行うと失敗しにくくなります。

もう1つ見落とされがちなのが、公開後の運用費用です。制作時の費用ばかりに目が向きがちですが、サーバー代・ドメイン代・CMSの保守・コンテンツの追加更新といったランニングコストは、数年単位で見ると初期費用に匹敵する金額になることもあります。発注前に「公開後、誰がどのくらいの頻度で更新するのか」を決めておき、その運用体制に見合った規模の採用サイトを作ることも、広い意味での費用対策の一つです。

補助金・助成金についても触れておきます。採用サイト制作そのものを直接対象とした補助金は限られており、対象要件の確認や審査に時間がかかるうえ、多くが後払い方式のため入金までは自社で立て替える前提になります。「補助金ありき」で計画を組むより、まずページ数を絞った段階的な制作で予算に合わせるほうが、スケジュールが読みやすくおすすめです。


よくある質問

ここまでの内容と重複する部分も含め、採用サイト制作の費用に関して特に問い合わせの多い8つの質問をまとめました。

Q. 採用サイトの制作期間はどれくらいですか?

A. HeaRの実例では2〜3ヶ月でした。一般的にはページ数やデザインの作り込み度によって1ヶ月〜4ヶ月程度まで幅があり、戦略策定から着手する場合や撮影を伴う場合は、さらに長めになる傾向があります。社内の意思決定に時間がかかる企業は、逆算してより早めに動き出す必要があります。

Q. フリーランスに依頼するといくらになりますか?リスクはありますか?

A. 制作会社に依頼するより費用を抑えられることが多い一方、担当者1人に依存するため制作途中で連絡が取りづらくなる、対応が止まってしまうといったリスクがあります。品質担保の仕組みや進行管理の体制、連絡が取れなくなった場合のバックアッププランを事前に確認することをおすすめします。

Q. 運用・保守費用は月いくらかかりますか?

A. 自社で更新作業を担う場合はサーバー代・ドメイン代など年間数千円程度で済みますが、更新代行や分析レポートまで制作会社に委託する場合は月数千円〜数万円程度が目安になります。契約前に、どこまでが月額費用に含まれ、どこからが追加料金になるのかを確認しておくと、公開後の想定外の出費を避けられます。

Q. 補助金・助成金は使えますか?

A. 採用サイト制作そのものを直接対象とした補助金は限られています。対象要件の確認や審査に時間がかかり、多くが後払い方式のため、補助金を待ってから動くと採用のタイミングを逃しがちです。予算確保が難しい場合は、まずページ数を絞った段階的な制作から始めることをおすすめします。

Q. 新卒採用サイトと中途採用サイトは分けるべきですか?

A. 分けることをおすすめします。新卒と中途では候補者が知りたい情報も響く訴求も異なるため、1つのサイトで両方を満たそうとすると、どちらの候補者にも刺さらない内容になりがちです。予算が限られる場合は、まずどちらか優先度の高い方から着手し、段階的にもう一方を整備していく進め方も現実的です。

Q. 求人媒体と採用サイト、どちらを優先すべきですか?

A. 短期間で応募数を確保したいなら求人媒体、応募者との相性や入社後の満足度を重視するなら採用サイト、というのが基本の役割分担です。多くの企業は両方を併用しており、優劣ではなく使い分けの問題として捉えるのが現実的です。予算配分に迷う場合は、まず求人媒体で母集団を確保しながら採用サイトを並行整備する進め方が無理がありません。

Q. リニューアルの場合の費用はどう変わりますか?

A. 既存コンテンツをどこまで流用できるかによって変動しますが、戦略策定からやり直す場合は新規制作とほぼ同水準の費用感になることが多く、デザイン・コンテンツの一部改修にとどめる場合は下の価格帯に収まる傾向があります。応募が思うように集まっていない場合は、デザインだけでなく訴求内容そのものの見直しも検討したほうが効果につながりやすいです。

Q. 写真撮影・取材の費用はどのくらいかかりますか?

A. HeaRの実例では撮影を別料金とし、フリー素材の利用を基本条件としていました。目安として、写真撮影はカメラマンの1日拘束で5万〜10万円程度からで、撮影枚数・人数・場所(都市部か地方か)によって変わります。社員インタビューの取材・記事化は、作り込みの度合いにもよりますが1本あたり10万円程度が目安です。予算を抑えたい場合は、社内で撮影済みの写真や社員自身が撮影した素材を活用する方法もあります。


次のアクション

採用サイト制作の費用は、総額の大小だけでなく「何にいくら使われているか」「修正回数・ページ数・撮影の扱いという条件面」まで見て初めて比較できます。自社がどの価格帯の、どんな中身を必要としているのか整理がついたら、次は具体的な相談に進むタイミングです。

HeaRは累計250社以上の採用支援実績をもとに、採用戦略の言語化から採用サイト制作、AI・パーソナライズ型の新しい選択肢まで一貫して相談に乗っています。まずは資料で制作実績や料金の詳細をご確認いただくか、現在の見積もりが自社に合っているかどうか、専門家に直接壁打ちしてみませんか。

すでに複数社から見積もりを受け取っている場合は、この記事で紹介した「工程別の内訳」「修正回数・ページ数上限・撮影の扱い」というチェックポイントに沿って、一度並べ直してみることをおすすめします。総額の高低だけで判断せず、自社にとって過不足のない内容かどうかを基準にすれば、後悔の少ない発注先選びができるはずです。まだ見積もりを取っていない段階であっても、社内で予算感を検討する材料として、この記事の相場早見表と投資判断フレームをそのまま使っていただいて構いません。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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