会社説明資料(採用向け)の作り方|説明会で使う構成14項目・尺別の枚数配分・新卒と中途の違い・事例【2026年10月更新】

2026-10-27
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2026-10-27

会社説明資料は説明会や面談で投影しながら話す資料で、読まれる前提の採用ピッチ資料とは使う場面が異なります。面接以外の情報提供を受けた中途の約9割が志望度の向上を実感(OTOGI社調査)。入れる14項目・尺別の枚数配分・新卒と中途の違いを解説します。(2026年10月更新)

会社説明資料と採用ピッチ資料は何が違うのか?

会社説明資料は説明会や面談で投影しながら話す資料で、10〜27枚が目安です。採用ピッチ資料は応募者が一人で読む前提で作ります。同じ会社の情報でも使う場面と読まれ方が異なるため、枚数と文字量の設計が変わります。

「会社説明資料」という言葉は、採用だけでなく取引先向けの会社案内や投資家向けの資料にも使われます。この記事では新卒・中途の説明会や面談で人事が会社を説明するときに使う資料を指します。

3つの資料を比べる

採用の場で使う資料には、説明会で使う会社説明資料のほかに採用ピッチ資料とカルチャーデックがあります。取引先向けの会社紹介資料も名前が似ているため混ざりやすい資料です。使う場面と読まれ方で分けると次のとおりです。

資料 使う場面 読まれ方 枚数の目安 主な内容
会社説明資料(この記事) 説明会・面談・座談会で投影する。 話し手が説明し、参加者は聞きながら見る。 10〜27枚(説明会の長さで決まる。HeaRの目安) 会社・仕事・人・キャリア・条件・選考の流れ。
採用ピッチ資料 Web公開・スカウトメールへの添付・面接前の送付。 応募者が一人で読む。 30〜60枚(採用ピッチ資料の事例160選での目安) 事業・組織・働き方・待遇に加えて、課題まで。
カルチャーデック 価値観の相性を確かめたい候補者に渡す。 読む。話し手が補足することもある。 資料によって異なる。 価値観・行動指針・働き方。
会社紹介資料(取引先向け) 営業や取引先への紹介。 取引先や投資家が読む。 採用が目的ではないため決まった目安はない。 事業内容と実績が中心。

会社紹介資料は採用ピッチ資料の別名として使う会社もあります。呼び方よりも誰がどの場面で使うかで資料を分けて考えると整理しやすくなります。

採用ピッチ資料から切り出すか新しく作るか

採用ピッチ資料がすでにある会社は、そこから章を選んで会社説明資料を作るのが近道です。ただし、更新が止まっていると数字が古いまま説明会で話すことになります。切り出す前に、従業員数や売上などの数字を最新にします。

採用ピッチ資料がない会社は、この記事の14項目から作り始められます。説明会で使いながら質問の記録を溜め、あとで採用ピッチ資料に広げる順番も選べます。

採用ピッチ資料を説明会にそのまま使うと起きること

採用ピッチ資料は応募者が自分のペースで読むための資料です。説明の文章が多く、事業や組織の課題の開示も含みます。これを説明会でそのまま投影すると、参加者は話を聞くより画面の文字を読み始めます。話し手の声と文字が競い合い、どちらも頭に入りません。

枚数の問題もあります。この記事で取り上げる3社の公開資料は38〜61枚で、60分の説明会ではこのまま使うと質疑の時間が残りません。流用はできますが章を選んで切り出す作業が必要です。切り出し方は後の章(実在の採用資料から何を学べるか)で示します。

採用ピッチ資料そのものの作り方は、採用ピッチ資料の事例160選と作り方で整理しています。説明会の運営や当日の進行は、会社説明会代行と採用イベントの記事を参照してください。

会社説明資料はなぜ候補者の志望度を左右するのか?

OTOGI社の調査では、面接以外で企業から情報提供を受けた中途の求職者の約9割が志望度の向上を実感しました。説明会の役割は、会社を知る場から自分が働く姿を想像する場へ移っています。資料はその材料になります。

ただし数字は自己申告で、調査が測っているのは資料ではなく情報提供の全体です。それでも、選考中に企業が情報を出すことが志望度に関わるという点は読み取れます。

OTOGI社の採用広報アンケート調査

OTOGI社は2025年12月に、中途編と新卒編の2つのアンケートを実施しました。PR TIMESでの発表は2026年4月17日と5月11日です。結果は次のとおりです。

調査 対象 結果
中途編 直近1年で転職活動をした・現在活動中・今後検討している20〜40代の社会人500人。 選考中に面接以外で企業理解を深める情報(記事・動画・SNSなど)を提供された経験が「ある」は53.4%。情報提供を受けた求職者の約9割が志望度の向上を実感した。
新卒編 2026年卒・2027年卒で就職活動を終えた・活動中・活動予定の大学生・大学院生429人。 応募前に採用サイトやSNSなどで情報収集する学生は51.28%。情報提供を受けた学生の7割以上が志望度の向上を実感した。面接以外の情報提供を受けた経験は43.59%。応募から選考の期間に採用サイトやオウンドメディアへ2回以上アクセスする学生は71.8%。

中途編の「約9割」と新卒編の「7割以上」は、発表の見出しや本文の記載です。内訳のグラフは画像のため、「とても上がった」と「やや上がった」の割合までは確認できていません。

この調査から読み取れるのは3点です。1つ目は面接以外の情報提供を受けた経験がある人は、中途で53.4%・新卒で43.59%にとどまることです。2つ目は情報提供を受けた人の多くが志望度の向上を実感していることです。3つ目は新卒の学生が応募前から選考中まで、採用サイトなどで繰り返し企業の情報を見ていることです。

説明会は「知る場」から「想像する場」へ

応募前に採用サイトやSNSで調べる学生が半数を超えるなら、会社概要や事業の基本は参加者がすでに知っている場合が多くなります。説明会でしか伝えられないのは、仕事の中身・一緒に働く人・入社後の自分の姿です。

そのため会社説明資料は、会社を説明する順ではなく自分が働く姿を想像してもらう順に組みます。これは調査の結果ではなく、HeaRの考え方です。

資料が担う3つの役割

  • 話し手が替わっても同じ内容を伝える:人事が複数いる会社や、現場の社員が説明会に登壇する会社でも、資料があれば伝える内容がそろいます
  • 質疑の入口になる:説明の最後に付録のスライドを用意しておくと、年収や制度の質問にその場で答えられます
  • 説明会のあとに読み返される:配布版として渡せば、説明会に出られなかった人や家族への説明にも使われます

説明会は候補者体験(採用CX)の接点のひとつです。接点全体の設計は採用CX(候補者体験)とは?で整理しています。

会社説明資料に入れる項目はどれか?

会社説明資料に入れる項目は、表紙・今日の流れ・会社概要・理念・事業・仕事内容・先輩社員・キャリア・研修・社風・福利厚生・募集要項・選考フロー・質疑応答の14項目です。会社・仕事・自分・次の行動の順に並べます。

項目そのものはどの解説記事にも載っている定番です。差が出るのは並べる順序と、各項目に割く枚数です。項目ごとに入れる理由と候補者が知りたいことを示し、そのあとに順序の理由を書きます。

14項目の一覧

項目 入れる理由 候補者が知りたいこと 枚数の目安
1 表紙 会社名と説明会の名前を示し、参加者が場を確認できるようにする。 何の説明会で、誰が話すのか。 1枚
2 今日の流れ 所要時間と質疑の時間を先に見せ、安心して聞いてもらう。 何分で終わり、どこで質問できるのか。 1枚
3 会社概要 会社の規模と歴史を、数字で短く示す。 設立・従業員数・売上・拠点など、会社の大きさ。 1〜2枚
4 理念・ミッション 何のために事業をしているかを示し、働く意味につなげる。 この会社は何を目指しているのか。 1枚
5 事業内容 誰にどんな価値を届けているかを、専門外の人にも分かる言葉で示す。 何で収益を上げていて、市場のどこにいるのか。 2〜3枚
6 仕事内容 入社後の仕事を、1日の流れや具体的な場面で示す。参加者がもっとも知りたい項目。 自分は何をして、誰と働くのか。 3〜5枚
7 先輩社員 仕事内容を、人の言葉で裏づける。 どんな人が、どんな経緯で働いているのか。 2〜3枚
8 キャリアパス・評価 入社後の成長と、評価のされ方を示す。 何年後にどうなれるのか。何で評価されるのか。 1〜2枚
9 研修・成長支援 入社後の不安を減らす。 入社後に、誰が何を教えてくれるのか。 1枚
10 社風・働く環境 価値観と働き方を示す。深く伝えるときはカルチャーデックを使う。 職場の雰囲気と、働き方のルール。 1〜2枚
11 福利厚生・制度 条件面の不安を減らす。 休暇・手当・働き方の制度。 1枚
12 募集要項 応募先となる職種と条件を示す。 どの職種が募集されていて、条件は何か。 1枚
13 選考フロー 応募から内定までの流れを示し、次の行動を決めてもらう。 次に何をすればよいのか。いつ結果が出るのか。 1枚
14 質疑応答・連絡先 質問の時間を確保し、あとから聞ける窓口を示す。 どこに質問すればよいのか。 1枚

14項目をすべて入れると、合計は18〜25枚になります。説明会の長さが足りないときは、次の章で示す方法で項目を減らします。

並べる順序の理由

14項目は4つのまとまりで並べます。

  • 会社を知る(表紙から事業内容まで):参加者がまず知りたいのは、どんな会社かです。事業は仕事内容の前に置きます。事業を知らないまま仕事内容を聞いても、その仕事の意味が伝わらないためです
  • 仕事を知る(仕事内容・先輩社員):参加者がもっとも知りたい部分なので、説明の中ほどに厚く置きます。先輩社員は仕事内容の直後に置き、話した内容を人の言葉で裏づけます
  • 自分を想像する(キャリア・研修・社風・福利厚生):仕事の中身が分かったあとで、入社後の自分を思い描いてもらいます。福利厚生を最初に出すと、条件目当ての印象が先に立つため後ろに置きます
  • 次の行動を決める(募集要項・選考フロー・質疑応答):説明会の目的は次の選考や面談に進んでもらうことです。最後に次の行動を示して終えます

質疑応答は最後に置きますが、時間は最初に確保します。説明が延びたときに質疑の時間から削られると、参加者が疑問を残したまま終わるためです。「今日の流れ」の1枚に、質疑の時間をはっきり書いておきます。この順序はHeaRの考え方で、後の章で見る公開資料の章立てとも重なります。

項目ごとの書き方のコツ

項目の中でも書き方で差が出やすい5つを挙げます。

  • 事業内容:専門外の人にも分かる言葉で書き、顧客を1社例に挙げて、誰のどんな困りごとを解決しているかを示します。サービス名の一覧だけでは、参加者は自分の仕事とつなげて考えられません
  • 仕事内容:職種ごとに1日の流れと1週間の流れを示し、うまくいかなかった場面も1つ載せます。使うツールやチームの人数まで書くと、入社後の姿を想像しやすくなります
  • 理念・ミッション:言葉だけで終えず、その理念が実際の判断にどう表れたかを事例で添えます。理念が仕事に結びつくと、参加者は自分が働く意味を考えやすくなります
  • キャリアパス・評価:モデルケースを2〜3人分示し、評価の基準を言葉にします。昇給や昇格の条件が曖昧なままだと、参加者の不安が残ります
  • 募集要項:職種・勤務地・応募の締切を1枚にまとめ、選考フローの直前に置きます。説明を聞いた直後に、応募先がすぐ分かる並びになります

説明会の長さで枚数と順序はどう変えるか?

枚数は説明会の長さで決まり、30分は10〜13枚・45分は15〜20枚・60分は20〜27枚が目安です。1枚を1.5〜2分で話す前提で、質疑の時間から逆算します。数字は実測ではなく、HeaRの目安です。

枚数は話せる時間から決めます。説明の時間を1枚あたりの時間で割ると、枚数が出ます。1.5分は図や数字を1つ見せて話す速さで、2分は先輩社員の話や具体例を入れる速さです。公表された基準はなく、HeaRが説明会を設計するときの目安として置いた数字です。

尺ごとの時間配分と枚数

説明会の長さ 説明の時間 質疑の時間 あいさつ・連絡 説明の枚数
30分 20分 8分 2分 10〜13枚
45分 30分 10分 5分 15〜20枚
60分 40分 15分 5分 20〜27枚

項目ごとの枚数配分

前の章の14項目に、尺ごとの枚数を割り振った例です。HeaRの目安であり、会社の事情で入れ替えてかまいません。

項目 30分 45分 60分
表紙 1枚 1枚 1枚
今日の流れ 1枚 1枚 1枚
会社概要 1枚 1枚 2枚
理念・ミッション 会社概要に含める 1枚 1枚
事業内容 2枚 2枚 3枚
仕事内容 3枚 4枚 5枚
先輩社員 1枚 2枚 3枚
キャリアパス・評価 配布版へ 1枚 2枚
研修・成長支援 配布版へ 1枚 1枚
社風・働く環境 配布版へ 1枚 2枚
福利厚生・制度 配布版へ 1枚 1枚
募集要項 1枚 1枚 1枚
選考フロー 1枚 1枚 1枚
質疑応答・連絡先 1枚 1枚 1枚
合計 12枚 19枚 25枚

60分の進行例

60分の説明会を想定した進行の例です。時間はHeaRの目安で、会社の事情に合わせて調整します。

  1. 0〜3分 あいさつと今日の流れ:表紙と今日の流れの2枚です。質疑の時間を先に伝えます
  2. 3〜12分 会社を知る:会社概要・理念・事業内容の6枚です。数字は1枚に1つにします
  3. 12〜28分 仕事を知る:仕事内容と先輩社員の8枚です。説明会の中心で、いちばん時間を割きます
  4. 28〜37分 自分を想像する:キャリア・研修・社風・福利厚生の6枚です
  5. 37〜40分 次の行動を決める:募集要項と選考フローの2枚です
  6. 40〜55分 質疑応答:事前に集めた質問に答え、会場やチャットの質問を受けます
  7. 55〜60分 連絡:連絡先の1枚を見せながら、配布版と個別面談を案内します

説明の枚数は合計24枚、質疑応答と連絡先の1枚を加えて25枚です。仕事を知る部分に16分、会社を知る部分に9分を割いています。仕事内容のほうが1枚あたりの時間を長く取っています。

枚数を減らすときに残す項目

尺が短いほど、減らすのは自分を想像する部分(キャリア・研修・社風・福利厚生)です。仕事内容と選考フローは、短い説明会でも減らしません。参加者が持ち帰りたいのは、どんな仕事かと次に何をすればよいかの2つだからです。

減らした項目は配布版に載せ、説明会の最後に配布版の場所を案内します。配布版の作り方は後の章(説明会のあと選考にどうつなぐか)で扱います。

オンライン開催では枚数を少なめに見積もる

オンライン開催では小さな画面で見る参加者が多く、集中も途切れやすくなります。同じ長さでも枚数を少なめに見積もり、文字を大きくします。質問はチャットで受けると、手を挙げにくい参加者も質問できます。

説明会全体の設計は会社説明会代行と採用イベントの記事で整理しています。

新卒向けと中途向けで何を変えるか?

新卒向けは事業の背景から話して成長とキャリアを厚くし、中途向けは仕事内容の具体と評価・条件を厚くします。参加者が知りたいことが違うため、共通の章を土台にして事業・仕事・キャリア・条件・質疑を差し替えます。

採用ピッチ資料の事例160選のよくある質問でも、新卒向けは成長支援とキャリアパス、中途向けは仕事の具体と評価・給与を厚くすると整理しています。ここではその考え方を、会社説明資料の項目ごとの差に落とします。

新卒向けと中途向けの差分

観点 新卒向け 中途向け
参加の目的 業界と会社を知り、応募するかを決める。 今の仕事と比べて、転職先として考えられるかを確かめる。
事業の説明の深さ 業界の中での位置づけと、事業の全体像から話す。専門用語を避け、製品やサービスを1つ例にして説明する。 事業の現状の数字・課題・今後の方針まで話す。自分の経験が事業のどこで生きるかを想像できるようにする。
仕事内容の細かさ 1年目の1日の流れと、先輩の仕事の進め方を示す。 任される範囲・決められる権限・チームの人数・使うツールまで細かく示す。
先輩社員 入社1〜3年目の社員を中心に、入社の決め手と成長した場面を載せる。 中途入社の社員を中心に、前職との違いと入社後に任された仕事を載せる。
キャリア・評価 研修・配属の決まり方・成長の道筋を示す。 評価の基準・昇給の仕組み・役職に進む条件を示す。
条件 初任給・勤務地・休暇を示す。 年収のレンジ・評価と昇給の関係・働き方の制度を示す。
質疑で出やすい質問 「入社後にどう成長できるか」「選考で何を見るか」。 「現在の課題は何か」「前任者はどうなったか」「チームの体制はどうなっているか」。
次のステップ 座談会・インターン・本選考のエントリーなどを、日程つきで示す。 個別面談やカジュアル面談など、すぐ話せる場を示す。

共通で使う項目と差し替える項目

14項目のうち、新卒版と中途版を別々に作るのは7項目です。残りは共通の土台として使い回せます。

  • 共通で使う項目:表紙・今日の流れ・会社概要・理念・社風・福利厚生・連絡先
  • 差し替える項目:事業内容・仕事内容・先輩社員・キャリアパス・募集要項・選考フロー・質疑の想定

資料を丸ごと2本作ると、更新の負担が倍になります。共通の土台を先に固めて差し替えるスライドだけを新卒版・中途版で用意すると、更新も1か所で済みます。新卒採用全体の進め方は、初めての新卒採用の進め方で整理しています。

新卒には説明会の前後に見返せる資料も渡す

新卒の学生は応募前に採用サイトやSNSで情報を集め、選考中にも採用サイトへ何度も戻っています(前の章のOTOGI社の調査)。説明会で話した内容があとから読み返せる形で手元にあると、見返したときに説明会と同じ情報が見つかります。そのため新卒向けの説明会では、配布版を必ず渡します。配布版の作り方は後の章(説明会のあと選考にどうつなぐか)で扱います。

投影して話す資料はどう作るか?

投影して話す資料は、1枚に1つのメッセージ・話す順に並べたスライド・1枚に1つの数字の3つを守って作ります。先輩社員は写真と一言にとどめ、質疑の設計まで含めて作ります。

読む資料と話す資料の違いは、画面の文字量です。読む資料は文章で説明を完結させますが、話す資料は画面にキーワードと図だけを置いて、説明は話し手が声で補います。

よくある失敗と直し方

投影で起きること 直し方
事業内容の1枚に、沿革・サービス一覧・売上推移がすべて載っている。 1枚1メッセージに分ける。沿革は会社概要に、売上推移は数字の1枚に移す。
文章の段落を画面に載せ、そのまま読み上げる。 話す内容は話し手のメモに書く。画面にはキーワードと図だけを置く。
前のスライドに戻って参照しながら話す。 参照する内容を、必要なスライドに繰り返し載せる。戻らなくても話せる並びにする。
1枚に数字が5つ並び、どれを見ればよいか分からない。 いちばん伝えたい数字を1つ選ぶ。残りは配布版か付録に移す。
先輩社員の経歴が長い文章で載っている。 写真と一言にする。経歴の詳細は配布版に載せる。

1枚に1つのメッセージ

1枚で言いたいことが1文で言えるかを確かめます。2文必要なら、スライドを2枚に分けます。スライドのタイトルは「事業内容」のような項目名ではなく「入社1年目は先輩と2人で顧客対応をします」のように結論の文にすると、画面を見るだけで要点が伝わります。

スライドの順を話す順に合わせる

スライドの並びは話す順と同じにします。質疑で使う補足は本編に入れず付録として末尾に置きます。SmartHR社の資料も本編の終わりに採用情報を置き、最後のAppendixに沿革・従業員数・給与レンジを載せています。本編を聞いてもらい質問が出たら付録を開く並びにすると、時間の管理もしやすくなります。

数字は1枚に1つ

数字が複数並ぶと、参加者はどれを見ればよいか分からなくなります。会社概要なら従業員数・事業内容なら導入社数のように、そのスライドで伝えたい数字を1つに絞ります。ほかの数字は話し手が口頭で補うか、配布版に載せます。

先輩社員の章は写真と一言

参加者が先輩社員に求めるのは、経歴の詳細よりこの人と一緒に働きたいかを判断する材料です。写真と入社の決め手の一言・いまの仕事の一言があれば足ります。実際に社員が登壇できるなら、資料を増やすより本人に話してもらうほうが伝わります。

話し手のメモを残す

スライドごとに、話す内容を話し手のメモ(ノート欄)に書いておきます。話し手が替わっても同じ内容を伝えられ、新しい担当者への引き継ぎも楽になります。画面に載せなかった数字や補足も、メモに残します。

リハーサルで時間と文字量を確かめる

作り終えたら話し手が実際に声に出して通し、時間を計ります。1枚に2分以上かかるスライドは、情報が多すぎる合図です。分けるか、付録に移します。画面共有の小さな画面や、会場の後ろの席からも読めるかも確かめます。

リハーサルは話し手が替わるたびに行います。同じ資料でも話す人が変わると内容や時間がぶれやすいためです。

質疑を設計する

質疑は当日の流れに任せず設計します。

  • 事前に質問を集める:説明会の申込フォームに質問欄を設けると、当日の説明に反映できます
  • 想定問答を用意する:年収・残業・離職・評価・配属・リモートなど、よく聞かれる10問ほどの答えを決めておきます
  • 答えられない質問の扱いを決める:その場で答えず、後日の回答にする流れを決めておきます
  • 付録に補足を用意する:給与レンジや制度の詳細は付録に置き、聞かれたときに開きます

実在の採用資料から何を学べるか?

流用できる章の例は、SmartHR社の会社概要から評価・給与制度までの流れ・freee社の職種向けの章・キャディ社の職種別の給与テーブル・Ubie社の職種ごとの資料です。

ここでは採用ピッチ資料の事例160選にある定番10選のうち、章立てが分かりやすい4社を説明会に流用できる章という視点で見ます。枚数と章立てはSmartHR社・freee社・キャディ社が2026年10月時点の公開ページの記載、Ubie社は100選の紹介内容にもとづきます。

4社の章立てと流用できる章

会社 資料の枚数と章立て 説明会に流用できる章
SmartHR 61枚。会社概要・挑戦環境・組織と文化・評価と給与制度・採用情報の5章と、沿革・従業員数・給与レンジを載せた付録。 会社概要から評価・給与制度までの流れを本編にする。付録の給与レンジと従業員数は、質疑の補足として使う。
freee 45枚。「10分でわかる」を掲げたエンジニア向けで、経営陣・ミッション・事業・エンジニアリング・カルチャー・制度の順。 職種向けの章(エンジニアリング)を参加者の職種に合わせて差し替える。経営陣の紹介は、人事以外の話し手を出す場面に使う。
キャディ 38枚。ミッションと会社概要・課題・解決策・働き方とポジション・カルチャー・報酬と制度の順。職種別の給与テーブルと、CTOらのメッセージがある。 報酬と制度の章を、中途向け説明会の質疑に備える付録にする。職種ごとの「働き方とポジション」を、仕事内容の章に使う。
Ubie 職種ごとに資料を分け、求人票レベルの詳しい情報や職種別の事業戦略まで載せている(100選の紹介内容)。 職種別の説明会に合わせて、仕事内容の章を職種ごとに作る。共通の会社の章は使い回す。

共通して言えること

3社とも会社の説明から入り、仕事や職種・文化と進んで、制度や給与を最後に置いています。本記事の14項目の順序と重なります。違うのは枚数です。38〜61枚という資料を、20〜27枚の説明会にそのまま使うことはできません。

切り出すときの手順は次の3つです。

  1. 会社の章から3〜5枚を選ぶ:会社概要・理念・事業から、参加者に伝えたい数字を持つスライドだけを残します
  2. 参加者に合う仕事の章を差し替える:職種ごとの章がある資料は、その日の参加者の職種に合わせて選びます
  3. 制度と給与は付録や配布版に移す:本編では口頭で触れ、詳細は聞かれたときに開く並びにします

SmartHR社・キャディ社・Ubie社のように給与や職種別の情報まで公開している会社は、説明会でも質疑の想定が立てやすくなります。公開できない範囲があるときは、経営陣と開示の範囲を先に決めておきます。

▶ 採用ピッチ資料 構成テンプレート実務版(無料資料)をダウンロードする

デザインとツールはどう選ぶか?

デザインとツールは誰が更新して誰が話すかで選びます。共同編集ならGoogleスライド・社内の標準ならPowerPoint・見栄えを整えたいならCanva・デザイナーがいるならFigmaが向きます。

ツールに優劣はありません。説明会の資料は更新が止まると古い数字のまま使われ続けます。更新を続けられるツールを選ぶことが、見た目より重要です。

目的別のツールの選び方

ツール 向く場面 注意すること
PowerPoint 社内の標準ツールで、投影の機能やノート欄を使いたい。 ファイルの受け渡しで版が分かれやすい。更新する担当を1人決める。
Googleスライド 複数人で同時に編集し、リンクで共有したい。 会社の色や書式のひな形を、先に作っておく。
Canva デザインの経験者がいなくても、テンプレートから見栄えを整えたい。 会社の色とフォントを最初に決めないと、資料ごとに見た目が変わる。
Figma デザイナーがいて、色や文字の部品をそろえて管理したい。 人事が自分で更新しにくい。更新を誰が担うかを決める。

各ツールの機能や料金は変わるため、導入するときは公式サイトで確認してください。

デザインで先に決める3つ

デザインの作り込みは、色・文字・写真の3つを先に決めれば足ります。色は会社のコーポレートカラーを1色と、無彩色を使います。文字は見出しと本文でフォントを1種類にそろえます。写真は職場や社員の実際の写真を使い、素材集の写真は最小限にします。

採用ピッチ資料の事例160選でも、コーポレートカラーで全体を統一する程度で十分に伝わると整理しています。デザインに時間をかけすぎて更新が止まるほうが、資料の鮮度としては損になります。

更新のルールを先に決める

会社説明資料は作ったあとの更新が止まりやすい資料です。更新する担当者と、見直す時期を先に決めておきます。説明会の前には従業員数・売上・募集職種・選考フローの数字を必ず確かめます。

採用ピッチ資料の事例160選では、半年から1年に1回の更新を目安にしています。会社説明資料は説明会のたびに使うため、数字を含むスライドだけは直前に確かめておくと古い数字を話さずに済みます。

社風を見せる章はカルチャーデックに分ける

価値観や行動指針を深く伝えたいときは、説明会の資料にすべて入れずカルチャーデックに分けます。説明会の資料には社風の章を1〜2枚だけ置き、詳しく知りたい人にはカルチャーデックを案内します。カルチャーデックの事例と作り方は、カルチャーデックの事例40選と作り方で解説しています。

説明会のあと選考にどうつなぐか?

説明会のあとは配布版の送付・個別面談への案内・質疑の持ち帰りの3つで選考につなげます。投影版は話すための資料、配布版はあとから読み返すための資料と分けて渡します。

説明会は参加して終わりでは選考につながりません。当日中の連絡と次に会える場の用意が、応募に進む人を増やします。

投影版と配布版を使い分ける

観点 投影版 配布版
目的 話すときの背景にする。 あとから読み返す。
文字量 キーワードと図だけにする。 説明の文章を足して、読むだけで内容が分かるようにする。
枚数 説明会の長さに合わせる(10〜27枚)。 項目を足してよい。
載せる内容 14項目の本編。 本編に加えて、減らした項目と付録の詳細。
給与・制度 口頭で補足する。 公開してよい範囲を決めたうえで載せる。
渡し方 画面共有で見せる。 PDFを説明会のあとに送る。

配布版は社外に出る前提で作ります。給与レンジや事業の課題をどこまで載せるかは、公開前に経営陣と決めておきます。全面公開に抵抗があるときは、参加者だけに限定したURLで渡す方法があります。

説明会の直後にやること

当日中に、次の3つを送ります。

  • お礼と配布版のPDF:参加の感謝と、説明会で使った資料の配布版を送ります
  • 次のステップの案内:個別面談やカジュアル面談の予約リンクを添え、すぐ会える場を用意します
  • 答えられなかった質問への回答:当日その場で答えられなかった質問は、数日以内に回答します

個別面談の進め方はカジュアル面談とは?で整理しています。

アンケートで次の面談につなげる

説明会の最後に、短いアンケートを案内します。聞くのは説明会の前後で志望度がどう変わったか・もっと知りたい項目・個別面談を希望するかの3つです。

個別面談を希望した人には、当日中に日程の案内を送ります。希望しなかった人にも、気になる項目への回答と配布版を送ります。回答は次回の資料の改善にも使えます。

質疑の記録を資料の改善に使う

説明会で出た質問は必ず記録します。同じ質問が複数の回で出たら、本編のスライドに加えます。質問が出なかった項目は、本編から付録に移せるかを検討します。

説明会ごとの記録が溜まると、資料は参加者が実際に知りたい順に近づきます。説明会を含めた候補者体験の接点の設計は、採用CX(候補者体験)とは?で整理しています。

会社説明資料のよくある質問

Q. 会社説明資料は何枚が適切ですか?

A. 説明会の長さで決まり、30分なら10〜13枚・45分なら15〜20枚・60分なら20〜27枚が目安です。1枚を1.5〜2分で話す前提の、HeaRの目安です。減らした項目は配布版に載せれば、説明会のあとも読み返してもらえます。

Q. 会社説明資料の作成にはどれくらいかかりますか?

A. 採用ピッチ資料や会社案内がすでにあれば、14項目から章を選んで切り出す作業が中心です。ゼロから作る場合は採用ピッチ資料の制作期間が内製で1〜2ヶ月ほどです(当社の事例160選の記載)。ワークショップの日程調整が最初の壁になりやすいため、関係者の予定は早めに押さえます。

Q. 会社説明資料は内製と外注のどちらがよいですか?

A. 項目と順序はこの記事の14項目で内製できます。外注が向くのはデザインを統一したい場合や、自社の魅力と課題の整理から第三者に頼みたい場合です。採用ピッチ資料の外注は数十万円からが相場です(事例160選の記載)。HeaRでも採用ピッチ資料の制作を支援しています。

Q. 会社紹介資料と何が違いますか?

A. 会社紹介資料は、取引先向けの資料を指す場合と、採用ピッチ資料の別名として使う場合があります。会社説明資料は採用の説明会や面談で話しながら投影する資料です。読まれることを前提にした資料との違いは、前の章(会社説明資料と採用ピッチ資料は何が違うのか)で整理しています。

Q. 会社説明資料のテンプレートはありますか?

A. この記事の14項目の表が、会社説明資料の構成の雛形になります。採用ピッチ資料の構成を整理した採用ピッチ資料 構成テンプレート実務版も配布しています。採用ピッチ資料の事例160選には、全18セクションの構成テンプレートもあります。説明会向けに使うときは、会社・仕事・人・条件・選考に関わる章を選びます。

Q. 動画と資料はどちらがよいですか?

A. 役割が異なります。動画は説明会に参加できなかった人や応募前の人に会社を知ってもらうのに向きます。資料は説明会で話しながら見せ、質疑につなげるのに向きます。両方を同時に作る必要はなく、まず説明会で使う資料から作るのが現実的です。

まとめ

会社説明資料は説明会や面談で投影しながら話す資料で、読まれる前提の採用ピッチ資料とは使う場面が異なります。14項目を会社・仕事・自分・次の行動の順に並べ、枚数は説明会の長さから逆算します。新卒と中途では事業・仕事・キャリア・条件・質疑を差し替えます。

次にやることは2つです。1つ目は説明会の長さを決め、14項目に枚数を割り振ることです。質疑の時間を先に確保します。2つ目は投影版とは別に配布版を作り、説明会の当日中に送る流れを決めることです。資料の設計や制作を任せたい場合は、採用コンサルティングでも相談を受けています。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

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HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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