
採用業務のAI活用度を、求人票・スカウト・書類選考・面接・候補者対応・データとルールの6領域30項目で採点し、5段階で判定するチェックリストです。段階ごとの「次の一手」と、AIに渡す業務・人に残す業務の仕分けの物差しも解説。診断シート(スプレッドシート)を無料で配布しています。
採用のAI活用度診断とは、採用業務を6つの領域に分けて「AIをどこまで、どんな手順で使えているか」を30項目で採点する自己診断です。合計点で5段階の現在地を判定します。分かるのは3つ。自社がいまどの段階か、どの領域が遅れているか、次に何をすればよいかです。
「AIを導入したか」だけを聞く診断では、ツールを契約しただけの会社と、書類選考の分業まで整えた会社が同じ点数になります。この診断は「誰がやっても同じ手順で回っているか」を基準にしているので、ツールの有無ではなく運用の実態が出ます。
HeaRがAI研修と採用代行の現場で使っている「棚卸し→3軸で仕分け→AIに渡す・AIと協働・人に残す」の考え方を、そのまま診断に落としました。採用AIエージェントの業務設計で書いた「どこを任せ、どこを残すか」の判断を、自社の30項目で確かめる記事です。
AI活用は、順番を飛ばして進めるとうまくいきません。誰かが試して使い方を覚える前にチームの手順を決めると、手順だけが決まって誰も使わない状態になります。段階で見る理由は、いまの段階に合った打ち手だけを選ぶためです。
HeaRの研修の現場では、「一度AI研修をやったが定着しなかった」という会社が珍しくありません。原因のほとんどは、操作説明から入って業務の仕分けをしなかったことです。どの業務をAIに渡し、どの業務を人に残すかが決まっていないと、研修の翌週には元の手順に戻ります。段階を測るのは、その「仕分け」ができているかを確かめることでもあります。
| 段階 | 点数 | 状態 |
|---|---|---|
| レベル1 未着手 | 0〜9点 | AIを採用業務に使っていないか、個人が試した程度 |
| レベル2 個人利用 | 10〜21点 | 一部の担当者が個人的に使っているが、手順は人によって違う |
| レベル3 業務組み込み | 22〜35点 | 特定の業務(書類選考・スカウト文など)でAIが手順の一部になっている |
| レベル4 チーム標準 | 36〜48点 | 複数の業務で使い方が標準化され、誰がやっても同じ手順で回る |
| レベル5 自律運用 | 49〜60点 | AIが工程をまたいで動き、人は判断と関係づくりに集中している |
各項目は0・1・2の3段階で採点します。0は未着手、1は試している(一部の人がやっている)、2は定着(誰がやっても同じ手順で回る)。30項目で60点満点です。
項目ごとに「AIに渡せるかの目安」を添えています。これはHeaRの研修で使う3つの軸を、短い文にしたものです。業務をAIに渡すか人に残すかを決める物差しになります。
| 軸 | 目盛り | 何を見るか |
|---|---|---|
| 定型度 | 高/中/低 | 手順が決まっているか。高いほどAIに渡しやすい |
| 判断の重さ | 重/中/軽 | 間違えたときの取り返しにくさ。重いほど人が決める |
| 感情・関係の接点 | 有/無 | 候補者との関係に触れるか。有るものは人が残す |
「人が残す」とある項目は、AIを使っていなくても減点ではありません。人がやると決めていれば2点です。たとえば「合否の判断はAIに任せず、人が行うと決めている」は、決めていれば2点になります。AI活用度が高い会社ほど、AIに渡さない業務がはっきりしています。
以下の30項目を、0・1・2で採点してください。診断シート(記事末尾)を使うと、領域別の小計と段階、次の一手が自動で出ます。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | 求人票の下書きをAIで作り、人が事実確認と表現の最終判断をしている | 手順が決まっていて、間違えても直せる |
| 2 | 求人票の表現(性別・年齢・国籍等の表現)をAIで法令チェックしている | 手順は決まっているが、間違えると取り返しにくい |
| 3 | 媒体ごとの原稿の書き分け(文字数・トーン)をAIに任せている | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
| 4 | 採用要件(必須・歓迎・見送り条件)をAIとの壁打ちで言語化している | 間違えると取り返しにくいので、人が決める |
| 5 | 求人票の反応(応募数・応募の質)をAIに要約させて改善に回している | 手順は半分決まっていて、間違えても直せる |
求人票はAI活用の入口です。下書きと法令チェックは定型度が高く、最初に渡しやすい業務です。一方で採用要件の言語化は、AIに答えを出させるのではなく壁打ちの相手にする使い方が合います(採用基準の決め方)。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | スカウト文の1通目をAIで個別化し、人が送る前に確認している | 手順は決まっているが、候補者との関係に触れる |
| 2 | 返信率・開封率をAIに集計させ、文面の改善に使っている | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
| 3 | 候補者のプロフィールから「刺さるポイント」をAIに抽出させている | 手順は半分決まっていて、間違えても直せる |
| 4 | スカウトの送信量と質の目標を決め、AIで進捗を可視化している | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
| 5 | AIが作った文面をそのまま送らない(人の確認を挟む)ルールがある | 候補者との関係に触れるので、人が残す |
スカウトは、候補者との関係に触れる業務です。個別化の下書きはAIが得意ですが、送る前の確認を挟まないと、候補者に「AIの文面」と見抜かれます。5番目の項目は、ルールがあるだけで2点です。プロンプトの型は採用業務のAIプロンプト集にまとめています。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | 必須要件(勤務地・年収・経験年数など)の照合をAIで行っている | 手順が決まっていて、間違えても直せる |
| 2 | AIの判定に評価理由(強み・懸念)を出力させ、人が検証できる状態にしている | 間違えると取り返しにくいので、AIの出力を人が確かめる |
| 3 | 判断が割れる書類だけを人がレビューする分業になっている | 間違えると取り返しにくいので、人が残す |
| 4 | お見送り・通過の連絡文をAIで下書きし、当日中に返信できている | 手順は決まっているが、候補者との関係に触れる |
| 5 | 書類選考の処理時間と見落としを月次で測っている | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
書類選考は、HeaRの実測で55タスクのうち判断は1つだけの業務です。残りの54はAIに渡せます。ただし2番目の「評価理由の出力」がないと、人が検証できず、法令面(職業安定法の指針)でも説明責任を果たせません。仕組みはAI書類選考の仕組みと法的論点で解説しています。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | 面接の質問案を、採用要件と候補者の書類からAIで生成している | 手順は半分決まっていて、間違えても直せる |
| 2 | 面接の文字起こし・要約をAIで行い、評価入力の時間を減らしている | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
| 3 | 評価項目とスコアの定義が言語化され、面接官の間でそろっている | 間違えると取り返しにくいので、人が決める |
| 4 | 合否の判断はAIに任せず、人が行うと決めている | 間違えると取り返しにくいので、人が残す |
| 5 | 面接官別の合格率・辞退率を見て、面接の改善に使っている | 手順が決まっていて、間違えても直せる |
面接は「人が残す」の中心です。AIに渡すのは質問案の生成と文字起こし・要約まで。3番目の評価定義がそろっていないと、AIの要約も面接官ごとに違う基準で読まれます。面接官の型をそろえる方法は面接官研修の内容と効果測定にまとめました。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | 面接の日程調整をAIまたはツールで自動化している | 手順が決まっていて、間違えても影響が小さい |
| 2 | 採用サイト・応募後のよくある質問にAIチャットで答えている | 手順は決まっているが、候補者との関係に触れる |
| 3 | 候補者への連絡文(案内・リマインド)をAIで下書きし、人が送っている | 手順は決まっているが、候補者との関係に触れる |
| 4 | 内定後のフォロー(面談・連絡)の設計は人が担い、AIは記録と要約に使っている | 候補者との関係に触れるので、人が残す |
| 5 | 候補者にAIを使っている工程を告知している | 間違えると取り返しにくく、法令にも関わる |
候補者対応は、返事の速さがそのまま候補者体験になる領域です。日程調整とよくある質問は自動化で速くなります。5番目の告知は、法令上の義務ではありませんが、信頼の面で差が出ます。何をどう告知するかはAI採用の法律と告知・開示の設計で扱っています。
| # | チェック項目 | AIに渡せるかの目安 |
|---|---|---|
| 1 | 候補者データをAIに入力するときのルール(学習利用の有無・個人情報の扱い)がある | 間違えると取り返しにくく、法令にも関わる |
| 2 | 採用のAI利用について社内のガイドライン(禁止事項・確認の手順)がある | 間違えると取り返しにくい |
| 3 | 歩留まり・辞退・面接官別の数字を月次で見るダッシュボードがある | 手順が決まっていて、間違えても直せる |
| 4 | AIに渡す業務・協働する業務・人に残す業務を棚卸しして決めている | AIに渡す・協働する・人に残すを決める土台 |
| 5 | AI活用の効果(時間・辞退率・採用単価)を数字で振り返る場がある | 手順は半分決まっていて、間違えても直せる |
この領域は点数が低い会社が多いです。特に4番目の棚卸しは、これがないとレベル3から上に進めません。数字で振り返る場は採用KPIダッシュボードの作り方のテンプレートで作れます。
合計点で段階を判定したら、次に領域別の小計(各10点満点)を見ます。段階よりも「どの領域が遅れているか」のほうが、打ち手を決めるときに役立ちます。
| 領域別の小計 | 読み方 |
|---|---|
| 0〜3点 | 未着手〜個人利用。まず定型度の高い項目を1つ試す |
| 4〜6点 | 業務に組み込み中。手順を書き、チームで共有する |
| 7〜8点 | 標準化済み。数字で効果を測る段階 |
| 9〜10点 | 自律運用。他の領域へ横展開する |
よくあるのは、A(求人票)とB(スカウト)が7点以上なのに、F(データ・ルール)が2点という形です。この状態は「使ってはいるが、ルールと数字がない」ので、担当者が変わると戻ります。合計点が同じでも、Fが低いときは、まずFの項目から整えることをおすすめします。
段階ごとに、やることは1つか2つで足ります。全部を一度にやろうとしないでください。
| 段階 | 次の一手 | 使えるもの |
|---|---|---|
| レベル1 未着手 | 1つの定型業務(求人票の下書き・スカウト文)で試す。棚卸しシートで「渡す/協働/残す」を仕分ける | 棚卸しの考え方は採用AIエージェントの業務設計 |
| レベル2 個人利用 | 使い方をチームで共有し、プロンプトを型にする。候補者データの入力ルールを決める | 採用業務のAIプロンプト集 |
| レベル3 業務組み込み | 評価理由の出力と人のレビュー分業を整える。処理時間と品質を月次で測る | AI書類選考の仕組み |
| レベル4 チーム標準 | ダッシュボードで面接官別・辞退理由まで見る。候補者への告知とガイドラインを整備する | 採用KPIダッシュボード/告知・開示の設計 |
| レベル5 自律運用 | 効果を数字で経営に報告し、次の工程(内定後フォロー・定着)へ広げる | AI×採用の全体像 |
HeaRが診断で会う会社の中には、「一度AI研修をやったが、何も変わらなかった」という会社があります。共通点は3つです。
この3つは、診断の項目でいえばF-4(棚卸し)、D-4(合否は人)、F-5(数字で振り返る)です。研修をやる前に、この3項目だけでも整えておくと、研修の定着率が変わります。
30項目を入力すると、領域別の小計・合計・段階・次の一手が自動で出るスプレッドシートを用意しました。メモ欄に「いま誰が、どうやっているか」を書き添えると、そのままチームの棚卸しになります。
採点した結果を持って、HeaRの無料のAI活用度診断(30分・オンライン)で「次の一手」を一緒に決めることもできます。診断シートの点数と、いま困っている業務を1つ教えていただければ、その場で仕分けまで行います。
A. 採用担当者が1人で採点したあと、現場の面接官や人事責任者にも同じシートを渡して、点数の差を見てください。担当者は2点、責任者は0点と付ける項目が、いちばん「手順が人に依存している」項目です。
A. 取れます。ChatGPTやGeminiのような汎用AIで手順を決めて運用していれば、2点です。逆に、専用ツールを契約していても、使う人と使わない人がいる状態は1点です。
A. 目指す必要はありません。採用人数が年数名の会社は、レベル3(書類選考とスカウト文が業務に組み込まれた状態)で十分に効果が出ます。段階は目標ではなく、次の一手を選ぶための現在地です。
A. 減点ではありませんが、項目の趣旨は「決めているか」です。合否判断をAIに任せている場合、D-4は0点として、なぜそうしているかを見直してください。法令面の論点はAI採用の法律と告知・開示にまとめています。
A. 診断シートは自社で保存するもので、HeaRには送られません。無料診断(30分)に申し込む場合だけ、点数を共有してもらいます。
採用のAI活用度は、ツールの有無ではなく「誰がやっても同じ手順で回るか」で決まります。6領域30項目を0・1・2で採点し、合計点で段階を、領域別の小計で遅れている場所を見てください。次の一手は段階ごとに1つか2つで足ります。
どの業務をAIに渡し、どの業務を人に残すかを一緒に仕分けたい場合は、HeaRの無料AI活用度診断(30分)をご利用ください。
採用課題に合わせた最適な打ち手を、HeaRが共に設計します。
まずは資料でサービスの全体像をご確認ください。