採用のタッチポイント108を全公開|AIに渡す接点・人に残す接点の仕分けマップ【2026年】

2026-09-28
•
2026-09-28

採用のタッチポイント108項目を全件公開し、「AIに渡す・AIと協働・人に残す」で仕分けたマップです。AIで浮いた時間を志望度が上がる接点に戻す再設計の手順を、スカウト返信率などのHeaR実測と候補者調査の数字とともに解説します。(2026年9月公開)

採用CXの108の接点は、AIで何が変わるのか?

候補者が企業を知ってから入社して定着するまでの接点(タッチポイント)は、HeaRが洗い出したところ108ありました。AIで変わるのは「速さ」「個別化」「連絡の漏れ」の3つで、変わらないのは「対話」です。返信の速さや案内の連絡漏れのように仕組みで決まる接点はAIに渡せます。一方で、面接での対話や内定後の関係づくりのように候補者の気持ちが動く接点は、AIが入るほど体験が下がりかねません。

この記事では、108の接点をすべて「AIに渡す」「AIと協働する」「人に残す」の3つに仕分けたマップを公開します。採用CX(候補者体験)の定義や必要性は採用CXとは?で解説しているので、本記事は「AI時代に、108の接点をどう設計し直すか」に絞ります。

▶ 採用CXのタッチポイント108項目|無料でダウンロード

候補者の側から見た数字を2つ置いておきます。TalentX社の「AIネイティブ採用調査2026」(中途候補者221名・2026年4月)では、選考でAIが使われていると察知した候補者は52.8%、AI活用に何らかの利点を認めた候補者は約8割でした。利点の上位は「24時間いつでも応募・問い合わせができる」40.1%、懸念の上位は「自分の熱意や個性が伝わらない」42.5%、最も求めているのは「自分を深く理解した対話」40.1%です。

リクルートマネジメントソリューションズ社の「採用CX(候補者体験)に関する意識調査(2025)」(2026年卒学生685名)では、選考参加意欲に最も影響する要因は2年連続で「誠実さ」。本選考中に志望度が上がった理由の上位5つはすべて対話に関するもので、面接で「人に評価されたい」が63.0%に対し「AIに評価されたい」は15.8%でした。

2つの調査が示すのは同じことです。候補者はAIの利用そのものを嫌ってはいません。嫌っているのは、対話の接点が機械的になることと、知らされないことです。だから設計の順番は「AIをどこに入れるか」ではなく、「人の時間をどの接点に戻すために、どの接点をAIに渡すか」になります。

接点を「AIに渡す・協働・人に残す」に仕分ける基準は?

仕分けの基準は3軸と1つの問いです。定型度(手順が決まっているか)、判断の重さ(間違えたときの取り返しにくさ)、感情の接点(候補者の気持ちが動く場面か)の3軸に、「その接点で候補者は誰と向き合っていると感じるか」を加えます。感情の接点が「有」または判断が「重」なら人に残す。定型度が「高」かつ判断が「軽」ならAIに渡す。それ以外はAIが下書きし、人が確定する協働です。

この3軸は、採用業務の工程を仕分けるときと同じ基準です(工程側の仕分けは採用AIエージェントの業務設計で24工程を扱っています)。接点の仕分けで違うのは、視点が候補者側にあることです。同じ「スカウトメール」でも、工程としては「文面の作成」ですが、接点としては「候補者が自分宛てだと感じるか」で見ます。

仕分け 判定 接点の例 AIと人の役割
AIに渡す 定型度が高く、判断が軽く、感情の接点が無い 面談前のリマインド、応募フォームの受付と即時返信、入社前日の連絡、日報の集計 AIが実行。人は抜き取りで確認
AIと協働 定型と判断が混ざる。候補者に届く文面や資料 求人票、スカウト文、インタビュー記事、採用ピッチ資料、内定者フォローの定期連絡 AIが下書き、人が事実と言葉遣いを確認して出す
人に残す 候補者の気持ちが動く。取り返しがつかない 面接、体験入社、条件交渉、内定通知、内定後の対話、入社後の1on1 人が担う。AIは準備と記録の要約だけ

判定に迷う接点は協働に置きます。渡しすぎると候補者に「機械的」と見抜かれ、候補者体験を下げてしまいます。協働なら人の確認が1回増えるだけで済むからです。

108接点のAI仕分けマップ(フェーズ別)

108の接点を6つのフェーズに分けて仕分けると、AIに渡せる接点は12、協働が46、人に残す接点が50になります。数の上では半分近くが人に残りますが、時間で見ると逆です。人が今かけている時間の大半は、渡す12と協働46の側の「作る・送る・確認する」に使われています。仕分けの目的は、その時間を残す50の接点に戻すことです。

フェーズ 接点数 AIに渡す AIと協働 人に残す この段階の要点
0. 企業準備 8 1 5 2 言語化の下書きはAI、決めるのは人
1. 認知 40 4 22 14 発信の量はAIで、社員の言葉と場は人で
2. 応募 9 2 3 4 速さをAIで、紹介と縁は人で
3. 選考 30 2 7 21 事務をAIに渡し、対面はすべて人
4. 内定・入社 10 1 5 4 通知と交渉は人。連絡の漏れをAIで防ぐ
5. 活躍 11 2 4 5 教材と記録はAI、関係は人
合計 108 12 46 50 —

※HeaRの「採用CXのタッチポイント108項目」を、AI-RPOの運用と採用CX設計の型で仕分けたものです。業種・採用の型によって判定は動きます。

フェーズ0. 企業準備(8接点)

採用活動を始める前の言語化です。候補者に直接触れない接点ですが、ここの解像度が後のすべての接点の質を決めます。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
事業理解・特性理解 残す 経営との対話で決める。AIは事業資料の要約まで
採用計画の策定 協働 過去の歩留まりと工数の集計はAI、計画の判断は人
ペルソナ策定 協働 活躍社員データの整理と下書きはAI、現場ヒアリングと確定は人
魅力の整理(4P)・採用コンセプトの決定 協働 素材の整理と案出しはAI、選ぶのは人
面接官のロールプレイング 協働 AIが候補者役と記録の要約を担い、評価とフィードバックは人
採用基準の策定 残す AIは問いを返す壁打ち相手。基準を決めるのは人
面接議事録の統一・ルール化 渡す テンプレート化と要約はAI
競合他社の分析 協働 公開情報の収集と整理はAI、示唆と打ち手は人

フェーズ1. 認知(40接点)

候補者に会社を知ってもらう接点です。数が最も多く、AIで量を出せる接点と、社員の言葉や場でしか成立しない接点が混在します。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
インタビュー記事(人) 協働 取材は人、構成と下書きはAI、本人確認は人
インタビュー記事(組織) 協働 同上
インタビュー記事(事業) 協働 同上
インタビュー記事(待遇) 協働 同上。数字と制度は人が確認
求人票 協働 要件シートからの下書きはAI、事実確認と公開は人
SNSでの募集投稿 協働 文面の下書きはAI、投稿は人
スカウトメール 協働 個別化の下書きはAI、送付前の確認は人
プレスリリース 協働 下書きはAI、事実と表現の確定は人
ウェブメディアへの露出 残す 媒体との関係と取材対応は人
公式Facebook 協働 投稿案と配信計画はAI、発信は人
公式Twitter 協働 同上
公式Instagram 協働 同上
社員Facebook 残す 本人の言葉。会社が代筆しない
社員Twitter 残す 同上
社員Instagram 残す 同上
Facebook広告 渡す 運用と入札の最適化、クリエイティブ案はAI
Twitter広告 渡す 同上
Instagram広告 渡す 同上
ディスプレイ広告 渡す 同上
SEO記事 協働 下書きと分析はAI、一次情報と監修は人
口コミサイト 協働 監視と集計はAI、返信は人
メルマガ 協働 下書きと配信はAI、内容の確定は人
YouTube 協働 台本と編集はAI、出演は人
TikTok 協働 同上
ライブ配信(SHOWROOM等) 残す 場の空気を作るのは人
コーポレートサイト 協働 更新と文面はAI、方針は人
採用サイト 協働 文面の更新はAI、応募前の質問対応はチャットボットに渡す
ロゴ 残す 案出しはAIでも、決めるのは人
自社セミナー 残す 登壇は人。運営事務はAIに渡す
ミートアップ 残す 場の設計と対話は人
会社説明会 残す 説明は人。資料の下書きはAI
他社イベント・交流会 残す 人
名刺交換 残す 人
バイラル(口コミの広がり) 残す 仕掛けは人。計測はAI
採用ピッチ資料 協働 構成と下書きはAI、魅力の言語化と確定は人
人材紹介会社からの紹介 残す 紹介会社との関係構築は人。進捗連絡の事務はAIに渡す
TVCM・WEBCM 協働 企画案と分析はAI、判断は人
電車広告(山手線ジャック等) 協働 同上
タクシー広告 協働 同上
書籍の出版・販売 残す 執筆は人。編集補助はAI

フェーズ2. 応募(9接点)

候補者が動き出す接点です。ここは速さがすべてで、AIの効果が最も分かりやすい段階と言えます。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
求人票 協働 要件シートからの下書きはAI、事実確認は人
スカウト 協働 個別化の下書きはAI、送付前の確認は人。安定後は抜き取りへ
リファラル 残す 社員と候補者の縁は人
人材紹介 残す 紹介会社との関係は人。推薦への返信事務はAI
ミートアップ 残す 人
採用サイト(応募前の質問対応) 渡す チャットボットが24時間答える。AIであることを明示し、人に切り替える導線を置く
応募フォーム 渡す 受付と即時の受領連絡はAI
採用担当者からの返信 協働 一次返信は即時にAI、個別の相談や不安には人が返す
SNSのDM 残す 本人が返す

フェーズ3. 選考(30接点)

入社意欲が決まる段階です。30の接点のうち21が人に残ります。AIに渡すのは事務と記録で、対面の接点は一つも渡しません。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
面談前のリマインド 渡す 日時・場所・持ち物の案内を自動送信
オフィスのアナウンス方法 渡す 来社案内の文面と送付
入った時の社員の対応・挨拶 残す 人
飲み物の提供 残す 人
オフィスの様子・内装 残す 人
面接室の状態 残す 人。点検チェックリストはAIが作る
オフィスの匂い・香り 残す 人
採用ピッチ資料 協働 下書きはAI、事前送付の判断は人
面接官待ち時間の体験 残す 人
面談時のアイスブレイク 残す 人
求職者への質問力 残す 質問設計の下書きはAI、聞くのは人
求職者からの質問への対応力 残す よくある質問はチャットボットが答え、個別の質問は人が答える
クロージング力 残す 人
採用担当者との面談 残す 人。記録の要約はAI
現場クラスとの面談 残す 人。記録の要約はAI
役員クラスとの面談 残す 人
半日体験入社 残す 人
1日体験入社 残す 人
2〜5日体験入社 残す 人
実技試験 協働 課題設計と採点補助はAI、評価は人
ランチ面談 残す 人
ディナー面談 残す 人
帰る時の社員の対応 残す 人
帰り際のお土産 残す 人
選考中のコミュニケーション 協働 日程と定型連絡はAI、相談と不安への返答は人
インタビュー記事(人) 協働 選考中に読んでもらう素材。下書きはAI
インタビュー記事(組織) 協働 同上
インタビュー記事(事業) 協働 同上
インタビュー記事(待遇) 協働 同上
ウェブ面接 残す 面接は人。接続案内と記録の要約はAI

フェーズ4. 内定・入社(10接点)

競合他社ではなく自社を選んでもらう段階です。通知と交渉は人が担い、AIは連絡の漏れを防ぎます。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
条件交渉 残す 人
内定通知 残す 伝え方は人。文面の下書きはAI
内定者フォロー 残す 対話は人。定期連絡のスケジュールと下書きはAI
社内イベントへの参加 残す 人
入社前研修 協働 教材の作成はAI、実施は人
インタビュー記事(人) 協働 下書きはAI
インタビュー記事(組織) 協働 同上
インタビュー記事(事業) 協働 同上
インタビュー記事(待遇) 協働 同上
入社前日の連絡 渡す 持ち物・集合時間・初日の流れを自動送信

フェーズ5. 活躍(11接点)

入社してからの接点です。「入れっぱなし」を防ぎ、定着と活躍につなげます。

接点 仕分け AIの役割/人の役割
入社式 残す 人
しおり(初日のスケジュール) 渡す 作成と配布はAI
カルチャーデッキ 協働 下書きはAI、言葉の確定は人
文化の説明 残す 人が語る
事業の説明 協働 資料はAI、説明は人
メンター制度 残す 人
ランチ・ディナー 残す 人
1on1 残す 対話は人。記録の要約と論点整理はAI
日報 渡す 集計と要約はAI、返信は人
業務トレーニング 協働 教材と練習相手はAI、指導は人
自己紹介コンテンツ 協働 下書きはAI、本人の言葉で確定

AIで浮いた時間を、どの接点に戻すのか?

AIに渡して浮いた人の時間は、志望度が上がる接点に使います。前述の学生調査で本選考中に志望度が上がった理由の上位5つは、「自分のために十分な時間を割いてくれた」「自分のことをよく理解しようとしてくれた」「知りたいことを十分に教えてくれた」「合否理由について納得のいく説明をしてくれた」「自分に合った配属先や業務内容を一緒に考えてくれた」でした。この5つに対応する接点は、108のうちすべて「人に残す」側にあります。

志望度が上がった理由 対応する接点 AIで浮いた時間の使い方
自分のために十分な時間を割いてくれた 採用担当者との面談、ランチ・ディナー面談、内定者フォロー 面談の回数と長さを増やす。日程調整と記録はAIに渡す
自分のことをよく理解しようとしてくれた 面談時のアイスブレイク、求職者への質問力 面接前に候補者の経歴をAIに要約させ、聞くべきことを準備した状態で臨む
知りたいことを十分に教えてくれた 求職者からの質問への対応、採用ピッチ資料、インタビュー記事 定型の質問はチャットボットが答え、人は踏み込んだ質問に時間を使う
合否理由について納得のいく説明をしてくれた 選考中のコミュニケーション、内定通知 面接記録の要約をAIに作らせ、人が理由を言葉にして伝える
自分に合った配属先や業務内容を一緒に考えてくれた 現場クラスとの面談、条件交渉、内定者フォロー 現場との面談を増やす。候補者の希望と要件の整理はAIが補助

HeaRの自社採用でも、同じ考え方で接点を組んでいます。候補者への即レスは仕組みで担保し、採用ピッチ資料は面接前に送り、面接官はメンバー同士でロープレを重ね、内定通知は「全員で祝う」接点として演出してきました。内定を伝えた候補者に「内定だよ!」と書かれたケーキを用意し、サッカーボールの白い面に社員全員からのメッセージを書いて贈ったこともあります。AIで浮いた時間は、こういう接点に使うためのものです。

応募・スカウト接点はどう設計するのか?【HeaR実測】

応募とスカウトの接点は「速さ」と「自分宛てだと感じるか」で決まります。HeaRの実測では、スカウトは1通で終えず3通を1週間ずつ空けて送ると、返信率が1通目2.9%、2通目11.1%、3通目13.2%と上がりました。AIを組み込んだAI-RPOの運用では、文面の個別化と週次の改善サイクルでスカウト返信率が従来運用の1.8倍になりました。

3通の設計は、通数ごとに役割を変えます。1通目は文字量を多くし、なぜスカウトを送ったのか・会社と組織・ポジション・期待する役割・コンテンツ記事と採用ピッチ資料を入れて、タイトルで開封してもらいます。2通目は普通の文字量で、どこに魅力を感じているのか・期待する役割・コンテンツを再提示し、記事や資料にたどり着いてもらうことを意識するのがコツです。3通目は短く、どこに魅力を感じているのかと「とにかく会いたい」に絞り、1通目・2通目と度々送っている事実を伝えます。AIに渡すのは、候補者の経歴に合わせた「どこに魅力を感じているのか」の下書きと、送付タイミングの管理です。送る前の確認と、返信が来てからの対話は人が担います。

応募後の接点で効くのは、応募当日に一次連絡が届くことです。HeaRのAI書類審査では、応募書類の一次評価が1候補者あたり15分前後から1〜3分になり、応募当日に面接案内を出せる状態を作っています。判断が割れる書類だけを人が見る設計で、合否の決定は人が持ちます(仕組みの詳細はAI書類選考とは?)。

応募前の質問対応は、採用サイトのチャットボットに渡します。候補者が採用サイトを見るのは帰宅後や休日が多く、人事が不在の時間帯に「残業はどのくらいか」「未経験でも応募できるか」という疑問が生まれます。HeaRのRecruit-botは、AIが答えていることを明示したうえで、根拠文書に基づいて回答し、給与や待遇に踏み込んだ質問や不安を含む発言は人に引き継ぐ設計です(採用サイト向けAIチャットボット)。

なお、採用代行にスカウトの個別化まで任せる場合は、2026年9月に改正された職業紹介事業の業務運営要領で、事業者の判断による文面の個別化が職業紹介に該当しうる例が示されています。委託先の設計と許可の有無は、AI採用の法律と告知・開示の設計で整理しました。

選考・内定の接点で人に残すのは何か?

選考と内定の40接点のうち、対面と対話に関わる25接点は人に残します。理由は候補者の受け止めにあります。前述の学生調査では、AI面接を経験した学生が対人面接と比べて「妥当感」「実力発揮感」「納得感」「誠実さ」のすべてで「感じにくい」と答えた割合が50%を超え、企業が評価場面でAIを使うことに「悪い印象」を抱く学生は28.6%でした。

だからといって、選考の接点にAIを使わないわけではありません。使う場所を「対話の外側」に限定します。

  • 面接の前:候補者の経歴と応募書類をAIに要約させ、面接官が「この人に何を聞くか」を準備した状態で臨む。面接官のロールプレイングの相手役もAIが担える
  • 面接の間:AIは入れない。アイスブレイク、質問、質問への回答、クロージングはすべて人。ウェブ面接の記録だけAIに取らせる
  • 面接の後:面接記録の要約と、要件に沿った発言の整理はAI。判断と、候補者への理由の説明は人

内定の接点も同じです。内定通知の文面の下書きはAIに任せてよくても、伝えるのは人で、伝え方を設計します。内定後の定期連絡のスケジュールとリマインドはAIに渡し、候補者の不安を聞く対話は人の役目です。内定辞退は選考の後半で起き、その理由は候補者ごとに違います。定型の連絡では解消できません(辞退の構造は内定辞退の理由と防止策)。

▶ 応募前の質問に24時間答え、人に切り替える設計|Recruit-botのサービス詳細

再設計の進め方5ステップ

進め方は5段階です。108接点で自社の接点を棚卸しし、歩留まりで詰まっている接点を特定し、3軸で仕分け、渡す接点から着手し、測って広げます。最初の効果が出るまで1〜2ヶ月を見込んでください。

  1. 108接点で棚卸しする:この記事のマップを使い、自社にある接点・無い接点・誰が担っているかを書き出す。無い接点は作る必要があるとは限らない。候補者が通る接点だけを対象にする
  2. 詰まっている接点を特定する:応募→面接設定→面接実施→内定→承諾の歩留まりを出し、落ちている段階の接点を候補者の目線で見直す。辞退者へのアンケートやヒアリングがあれば、接点の名前で分類する
  3. 3軸で仕分ける:詰まっている接点から順に、渡す・協働・残すを判定する。迷ったら協働に置く
  4. 渡す接点から着手する:リマインド、受領連絡、日程調整、応募前の質問対応のように、速さで効く接点から始める。候補者に届く文面は、立ち上げ期は人が全件確認する
  5. 測って、残す接点に時間を戻す:返信までの時間、面接設定率、辞退率、候補者アンケートを週次で見る。浮いた時間を面談の回数と長さ、面接準備、内定後の対話に配分する

順番の要点は、渡す接点を先に整えてから人の時間を動かすことです。先に「面談を増やそう」と決めても、事務が減っていなければ実行できません。

効果はどう測るのか?

測る指標は、接点の速さ・歩留まり・候補者の受け止めの3種類です。AIに渡した接点は速さで、人に残した接点は歩留まりと受け止めで測ります。

指標 何を測るか 対応する接点 目安
一次返信までの時間 応募・問い合わせから最初の連絡まで 応募フォーム、採用担当者からの返信 当日中
面接設定率 書類通過者のうち面接日程が確定した割合 選考中のコミュニケーション、リマインド 上昇していれば速さが効いている
面接実施率 設定した面接が実施された割合 面談前のリマインド 無断キャンセルの減少
内定承諾率 内定者のうち承諾した割合 内定通知、内定者フォロー、条件交渉 人に残した接点の成果
候補者アンケート 「印象に残った接点」「機械的に感じた接点」 全接点 機械的と答えられた接点は協働か残すに戻す
人の時間の配分 面談・面接準備・内定後の対話に使った時間 残す接点 再設計前より増えているか

最後の「人の時間の配分」を測っている企業は少ないですが、再設計の成否はここに出ます。AIに渡した時間が別の事務に吸われていれば、候補者体験は変わりません。

よくある失敗パターンは?

失敗は5つです。すべての接点を速くして機械的になる、AIの利用を伝えない、渡すべき事務を人が抱えて対話の時間が無い、接点を増やしすぎる、測らない、の5つです。

  1. すべての接点を速くして機械的になる:内定通知や面接後の連絡まで自動化すると、候補者は「流れ作業」と受け取る。速さが効くのは事務の接点だけで、対話の接点は速さより、候補者に向き合う丁寧さで決まる
  2. AIの利用を伝えない:候補者の半数以上がAIの利用を察知している。チャットボットは「AIが回答しています」と明示し、書類の一次評価にAIを使うなら応募時に伝える(告知の設計はAI採用の法律と告知・開示の設計)
  3. 渡すべき事務を人が抱える:リマインドや受領連絡を人が手で送り続け、面談の時間が取れない。渡す接点から先に整える
  4. 接点を増やしすぎる:108すべてを用意しようとして、どれも薄くなる。候補者が実際に通る接点だけを対象にし、詰まっている接点から直す
  5. 測らない:速さは上がったが辞退率が変わらない、という状態に気づけない。返信時間・面接設定率・承諾率・候補者の声の4つを週次で見る

採用CXのAI再設計に関するよくある質問

Q. 108の接点をすべて見直す必要がありますか?

A. ありません。自社の候補者が実際に通る接点だけが対象です。中途採用が年数名の企業なら、応募から内定までの30〜40接点が中心になります。歩留まりが落ちている段階の接点から手をつけてください。

Q. 中小企業でも108接点の考え方は使えますか?

A. 使えます。むしろ担当者が少ない企業ほど、渡す接点を先に整える効果が大きくなります。リマインド・受領連絡・応募前の質問対応をAIに渡すだけで、面談に使える時間が週数時間単位で戻るでしょう。

Q. 採用サイトにチャットボットを置くと、機械的だと思われませんか?

A. AIであることを明示し、人に切り替える導線を置けば、候補者は率直に質問しやすくなります。調査でも「24時間いつでも問い合わせができる」はAI活用の利点の1位でした。機械的と受け取られるのは、隠したときと、踏み込んだ質問にまで定型で返したときです。

Q. スカウト文をAIで個別化するのは問題ありませんか?

A. 自社で送る分には、送付前に人が確認し、事実に基づく文面にしていれば問題ありません。採用代行に個別化まで任せる場合は、2026年9月改正の職業紹介事業の業務運営要領で、事業者の判断による個別化が職業紹介に該当しうる例が示されているため、委託先の設計と許可を確認してください。

Q. AI面接は導入すべきですか?

A. 候補者の受け止めを見ると、一次面接をAIに置き換える設計は慎重に判断すべきです。面接で「人に評価されたい」が63.0%、「AIに評価されたい」が15.8%という調査があります。AIは面接の前後(準備と記録の要約)に使い、面接そのものは人が担う設計を推奨します。

Q. 候補者にAIを使っていると伝える必要はありますか?

A. 伝えるのが原則です。一律の開示義務は現行法にありませんが、利用目的の通知・公表を満たそうとすればAIによる処理を書くことになります。伝える場面と文面は別記事で設計済みです。

Q. 効果はいつ頃から出ますか?

A. 渡す接点(返信の速さ・面接設定率)は初月から変化が出るはずです。残す接点に時間を戻した効果(内定承諾率・辞退率)は、面談の回数と質が変わってから2〜3ヶ月で現れます。

Q. 108項目の資料と、この記事の違いは何ですか?

A. 資料は108の接点で候補者が感じる不安と期待、改善アクションを接点ごとにまとめたものです。この記事はその108接点を「AIに渡す・協働・人に残す」で仕分け、AIで浮いた時間をどの接点に戻すかの設計を加えたものです。棚卸しには資料を、再設計には記事を使ってください。

まとめ——AIは対話の時間を作るために使う

採用CXの108の接点のうち、AIに渡せるのは事務と記録の接点で、候補者の気持ちが動く接点は人に残ります。数の上では半分が人に残りますが、時間はその逆で、人の時間の大半は渡す側の「作る・送る・確認する」に使われています。AIで浮いた時間を、志望度が上がる5つの理由に対応する接点に戻す。それがAI時代の採用CX設計です。

HeaRは採用CXの設計と、Recruit-bot・AI-RPOによる「渡す接点」の実装を提供しています。自社の接点を108のマップで棚卸ししたい方は、下記からお気軽にご相談ください。

採用のプロに、壁打ちしませんか?(無料・オンライン30分)

▶ 渡す接点の実装まで任せる|AI-RPOのサービス詳細はこちら

監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

お気軽にお問い合わせください

採用課題に合わせた最適な打ち手を、HeaRが共に設計します。
まずは資料でサービスの全体像をご確認ください。