「求める人物像が曖昧なまま」では、チャネル選定も訴求もぶれてしまいます。採用の精度を上げる出発点が、ペルソナの言語化です。累計250社以上の採用支援で培ったノウハウを、そのまま使えるペルソナ設定シートにまとめました。シートの中身はこのページで全て公開しています。手元で記入したい方は、ページ下部から記入用テンプレート(PDF)をダウンロードしてください。
ペルソナは「年齢・職歴」だけでは動きません。行動や口癖、自社に対する懸念まで書き切ると、スカウト文面・求人票・面接の訴求が一本につながります。10項目を上から順に埋めてください。
| # | 項目 | 書くこと | 書き方のコツ |
|---|---|---|---|
| 1 | デモグラフィック | 年齢・性別・年収・居住地など | 幅ではなく1人分を書く(「28〜35歳」ではなく「31歳」) |
| 2 | 背景 | 職業・職歴・所属企業の規模など | 現職だけでなく「前職からの転職理由」まで書く |
| 3 | 行動特性 | 態度・情報感度・コミュニケーション手段など | 転職活動で使う媒体、情報を取る時間帯、返信の速さを具体化する |
| 4 | 目標 | 仕事・生活で実現したいこと | 3年後の姿を本人の言葉で書く |
| 5 | 課題 | 本人が感じている課題 | 「現職では解決できない理由」まで書く。ここが転職動機になる |
| 6 | 提供できること | ペルソナの目標・課題に対して自社が提供できること | 制度名ではなく、目標と課題に対応させて書く |
| 7 | 口癖 | 目標や課題について人に話しているときの言い回し | 面談やカジュアル面談で実際に聞いた言葉を使う |
| 8 | 批判的な意見や懸念点 | 自社や自社サービスを選ばない理由 | 辞退理由・口コミ・面接での質問から拾う。ここを埋めると訴求の穴が見える |
| 9 | 企業メッセージ | ペルソナに自社の魅力を簡潔に伝えるなら | 6と8を踏まえて1〜2文にする |
| 10 | 30秒ピッチ | 9を具体化したペルソナへのセールストーク | スカウト文面・面接の冒頭・求人票の導入に流用できる形にする |
| 1. デモグラフィック | 31歳・男性・年収620万円・東京都内在住(在宅勤務中心) |
|---|---|
| 2. 背景 | 受託開発会社で4年、現在は従業員300名規模の自社サービス企業でバックエンドを3年。前職からの転職理由は「作ったものがユーザーに届く実感が欲しかった」 |
| 3. 行動特性 | 技術記事は Zenn と X で追う。転職は「今すぐ」ではなく、面白そうな会社があれば話を聞く姿勢。スカウトは平日夜に読み、返信は気になれば当日、興味がなければ無視 |
| 4. 目標 | 3年後にはプロダクトの技術選定を任され、チームの設計判断に責任を持ちたい |
| 5. 課題 | 現職は事業が安定していて技術的な挑戦が少ない。上位ポストが詰まっていて、設計を任される見込みが立たない |
| 6. 提供できること | 立ち上げ2年目のプロダクトで、アーキテクチャの再設計を主導できるポジション。CTO直下で技術選定に関われる |
| 7. 口癖 | 「もっと自分で決めたい」「運用が回っているだけの仕事は飽きる」「小さいチームのほうが好き」 |
| 8. 批判的な意見や懸念点 | 「人数が少ない会社はコードレビューの文化が弱いのでは」「事業が立ち上げ期だと給与が下がるのでは」「CTO直下は裁量と引き換えに丸投げされそう」 |
| 9. 企業メッセージ | 設計を任せたいから来てほしい。裁量は渡すが、レビューと給与の水準は落とさない |
| 10. 30秒ピッチ | 「いま2年目のプロダクトで、来期に向けてアーキテクチャを作り直す判断を任せられる人を探しています。CTO直下で技術選定に入っていただきますが、丸投げではなく週次の設計レビューを回しています。現年収は維持した上で、設計責任を持つポジションとして提示します。まず30分、いまの課題を聞かせてください」 |
配属先のマネージャーと、直近で入社した社員に「なぜ入社したか」「入社前に何を懸念していたか」「どこで求人を見たか」を聞きます。10項目のうち5・7・8はここでしか集まりません。人事だけで書くと、6と9が制度の羅列になります。
複数の候補者像を平均すると、誰にも刺さらないペルソナになります。迷ったら「直近で内定承諾した人」を1人選んで、その人を10項目で書き直してください。空欄が残る項目が、いま自社が把握できていない情報です。
3(行動特性)はチャネル選定に、6と9(提供できること・企業メッセージ)は求人票と採用ピッチ資料に、10(30秒ピッチ)はスカウト文面と面接の冒頭にそのまま使います。ペルソナは作って終わりではなく、この3箇所に反映して初めて機能します。
上の10項目を記入欄付きで印刷・共有できる形にしたものです。現場ヒアリングの場で埋めながら使ってください。
