ホーム
>
ノウハウ
>
採用ブログ
>
エンジニアが行う採用のテストとは?実施のメリットやテストの成功法を解説
2022-10-17

エンジニアが行う採用のテストとは?実施のメリットやテストの成功法を解説

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

エンジニアの採用テストについて

早期離職の原因であることから、採用における課題のひとつとなっているミスマッチ。

厚生労働省の調査でも、中途採用で雇用した人材のうち3割が3年以内に離職しているとの結果が出ています。

こうした状況を受け、エンジニア採用においてテストを導入する企業も増加しています。今回の記事では、エンジニアの採用テストのメリット・デメリット、成功の秘訣などをご紹介します。

コーディングテスト

エンジニア採用で行うテストは、大きくわけて、コーディングテスト・性格テスト・能力テストの3つにわかれます。

コーディングテストでは、実際のコーディングを行ってもらうことでエンジニアのスキルを測ります。テスト内容によっては、コードを書く力はもちろんのこと、問題を読み取る読解力やコミュニケーション力、コードを書くに至るまでの思考力なども測ることができます。

例えば、コミュニケーション力を測りたいのであれば、社内のエンジニアなど、誰かと協力して進めていくようなコーディングテストを設計するのがおすすめです。

また、コーディングテストの内容をもとに、回答したコードに至るまでの考え方などを面接で尋ねてみるのも一手です。

性格テスト

性格テストでは、自社のカルチャーに合いそうな人物か、チームで仕事をするのに適した人物かといったパーソナリティ面を定量的に知ることができます。

まだ組織が小さくひとりのインパクトが大きい場合は特に、カルチャーに合わない人やチームで仕事を仕事をするのが苦手な人が入ると、組織がうまくいかなくなってしまうことがあります。こういったことを防ぐためにも、自社や所属するチームに適した人材であるかを見極めることは重要です。

面接だけの見極めでは自信がなかったり、現状では見極めきれていなかったりする場合は、性格テストがよい解決策となるかもしれません。

能力テスト

能力テストとは、読解力や数的処理能力など、仕事の基礎となる能力を測るためのテストです。

エンジニアとして働く上では、コーディングスキルだけでなく、文章を読み取る力やデータを分析する力が必要になることもあります。コーディングテストにこの要素を加えることも可能ですが、詳細に知りたい場合は独立した能力テストを実施する方がよいでしょう。

ちなみにHeaRでは、コーディングテストをはじめとする採用テストを簡単に始められるサービス「ジョブテスト」を提供しています。テスト作成に興味のある企業様はぜひ下のページを覗いてみてください。

https://www.hear.co.jp/recruit/jobtest-detai

エンジニアの採用時にテストをするメリット

評価者のバイアスなくエンジニアを評価できる

同じものを見ても、人によって見方や評価が変わってきてしまうことがあります。また、同じものを見ても、その日の体調や直前の出来事によって、評価が変わるという研究結果も。選考においても、見方にブレがあり、お見送りとなるべき人が次のステップに進んでいたり、逆に次に進んでもらうべき人がお見送りとなってしまったりといったことが起きているかもしれません。

しかし、選考にテストを取り入れることによってエンジニアのスキルやパーソナリティなどについて定量的に測ることができます。そして、その結果をもとに判断すれば、バイアスを最小限に抑えることが可能になります。

見極めの工数を削減できる

テストを利用することで、効率的にエンジニアの見極めができ、これまでかかっていた工数を削減することに繋がります。工数の削減によりできた時間で、よりアトラクトを強化する、採用広報に力を入れるなどほかの採用施策に取り組むこともできます。

また、エンジニア採用はチャネルや手法が多岐にわたるため、採用担当者が疲弊してしまっていることも。そうした場合も、工数を削減することで採用担当の負担を減らす一助となります。

より深く、一人ひとりに適した面接ができる

スキルや性格などを事前にテストで判断ができるため、貴重な面接の時間を、簡単なスキルやパーソナリティの確認に使うことなく、より本質的な濃い面接ができるようになります。

コーディングテストでの回答に至った経緯を聞くことで思考過程を確認するなどの面接をより充実させるための活用はもちろん、性格テストでの結果を活かして一人ひとりのパーソナリティに合った面接官をアサインするなどアトラクトや面接の質向上に役立てることも可能です。

短期離職を減らすことに繋がる

客観的なデータをもとに候補者を見極めることで、ミスマッチによる短期離職を減らすことができます。また、テストを長期的に行いデータが蓄積されれば、短期離職者に多い傾向を導き出し、なにか対策を打つこともできるかもしれません。

エンジニアの採用時にテストをするデメリット

候補者の負担が増える

面接を受けるだけではなくテストも受けなくてはいけないとなると、候補者にはどうしても負担がかかってしまいます。

時間的負担も心配な点ですが、もっと注意するべきなのは心理的な負担です。

テストと聞くとどうしても気が重くなってしまい、選考へ後ろ向きになってしまう危険性があります。辞退を引き起こさないためには、テスト前の十分なアトラクト、テストを行う理由や内容のしっかりとした説明などが求められます。

また、時間的な負担については、できるだけ問題数や所要時間を少なくしたり締め切り時間を長めに設けるなどの施策で対処するのがよいです。

負担のことを考えると、候補者のことを知りたいからと言ってコーディングテスト、性格テスト、能力テストのすべてを実施するのはあまりおすすめできません。特に見極めたい項目のみに絞って実施しましょう。

一時的に工数が増える可能性

テストを実施するためには、見極めるべき能力や出題する問題を考えたり、もし何か外部サービスを使うのであればサービスの選定をしたりと、一時的には導入までの工数がかかってしまうでしょう。

もし工数を確保するのが難しい場合は、採用代行を利用したり新しく採用担当者を採用したりと、工数を確保できる状態になってからの導入をおすすめします。

潜在能力を見極めきれない

テストで測れるのは、基本的には現在の能力のみとなってしまいます。そのためポテンシャルやテストではわからない部分を見て採用をしたい場合は適していません。逆に経験者採用やスキル・能力を重視した採用には適しています。

どんな人材を採用したいのかに合わせて、採用テストを実施するのかどうか決定しましょう。

エンジニアの採用テストを成功させるための方法

戦略設計6step

①ペルソナ設計

ペルソナとは、採用したい人物像のことを指します。候補者の心に響く採用活動をするためには、ペルソナ設計は欠かせません。
30代のマーケティング経験者など大まかな年齢や属性をもとに設定するターゲットとは違って、抱えている悩みや実現したいキャリアビジョンなど内面も含めて詳細に設定していきます。
ペルソナ設計の際は、すでに同じポジションの社員がいる場合は、ターゲットとする属性に近い社員を参考に作るのがおすすめです。また、ペルソナは一度設定したら終わりではなく採用活動の状況を見て変化させていくものです。もし前例となる社員がいない場合は、一旦仮で設定したあと、採用活動を進めていく中でわかってきた自社に応募する人の傾向をもとにより良いものにしていきましょう。

②採用計画立案

採用計画のポイントは、事業計画と連動させて立案することです。

今後の事業計画を深く理解した上で、必要な採用人数を決定し、その人数を確保するために必要な応募者数や面接者数、内定者数を設定していきます。

また、設計したペルソナをもとにどの媒体や施策を使うのが最も適しているのかといった手法についても決定していきましょう。

③ポジショニングマップ作成

激化する採用競争の中で、採用を成功させるためには差別化が欠かせません。

打ち出すべき自社の差別化ポイントを知るためにポジショニングマップを作成します。

自社の強みであると感じる分野で2軸設定し、4象限図で作成するとわかりやすくおすすめです。例えば、「組織文化×社員の人数」「事業の新規性×給与」といったものです。採用競合との比較を通じて、自社が尖らせるべき強みを見つけていきましょう。

採用競合ではなく、事業上の競合との比較とならないよう注意してください。

④魅力作り

続いて、ポジショニングマップで見つけた強みの中から、ペルソナの心に響く魅力を見つけていきます。
ここで特に大切なのはPoD(Point of Difference)、候補者が求めているものの採用競合には提供できていない魅力です。PoDは大きな差別化ポイントとなり、自社を選んでもらうことに繋がる重要なものです。社員のみで考えていても見つからないときは、エージェントや入社予定の内定者などに聞いてみると、PoD作りの糸口が見つかるかもしれません。
もしPoDが見つからない場合は、作ることから始めることが採用の成功に繋がります。

⑤ブランディング設計

採用ブランディングを設計しておくことで、自社の採用施策に一貫性が生まれ、魅力やメッセージを色濃く伝えることができます。設計の際は設計図を作成し、自社の採用ブランディングに必要な情報を言語化・整理しておくと、施策に活かしやすいです。

具体的に図にするべき項目は以下の通りです。

  • ブランドターゲット(象徴的な候補者像/〇〇がしたい△△業界出身者など)
  • インサイト(候補者の心の琴線に触れるポイント/仕事上の悩みやモヤモヤなど)
  • コアバリュー(一言に集約される核となる価値/HeaRの場合:「働くって青春だ」)
  • パーソナリティ(人格イメージ/成長欲求の強い人など)
  • ベネフィット(物理的・心理的な便益/事業だけでなく自分の成長も感じながら働けるなど)
  • エビデンス(裏付けとなる事実や根拠/事業の成長率・社員の教育に投資を惜しまない社風など)

⑥CXの策定

最後に、CX(Candidate Experience/候補者体験)を策定します。
合格不合格に関わらず、候補者に「この会社の選考を受けてよかった」と思ってもらうことを目指して、採用フローを設計していきます。
CX作成には、キャンディデートジャーニーマップを作成するのがおすすめ。「認知→応募→各選考フロー→内定・入社」の各フェーズごとに、自社のブランディングに沿った候補者体験を生み出すための施策を考えていきます。

採用のテストを行うことで、一定CXが悪くなってしまう場合もあるので、そのほかでの候補者の方の意欲を上げるような設計を行うことが重要です。

まとめ

今回の記事では、エンジニア採用において行うテストについて解説しました。

テストには、コーディングテスト・性格テスト・能力テストがあります。なかでも、コーディングテストはエンジニアのスキルを測りやすくおすすめの手法です。

テストを利用することで、適切に見極めができたり面接をより濃いものにできたりとメリットは多いです。一方で、候補者の負担が増えたりテストの実施準備に工数がかかったりとデメリットもあります。自社の課題や採用に使える工数を考えた上で、導入を決定しましょう。

HeaRでは、エンジニアを含めたさまざまな職種に必要なスキルを自動で見極められる「ジョブテスト」を提供しています。テンプレートテストを組み合わせてテストを作るだけでなく、自社オリジナルのテストも作ることが可能です。

エンジニア採用のコンサルティングを含む、100社以上の採用コンサルティングを経て得た知見をもとに、テストの作成から運用までサポートさせていただいております。エンジニア採用でのテスト導入をお考えの採用担当者さま、エンジニアのスキルの見極めに課題を感じられている採用担当者さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

採用コンサルティングサービス資料のダウンロード