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組織に妥協が生じる理由と、組織力を強化するための文化作り
2022-04-28

組織に妥協が生じる理由と、組織力を強化するための文化作り

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

「組織力を高めるには優秀な人材を採用するだけでなく、企業のミッションやカルチャーを浸透させる必要があります」

というのは誰もがわかっていること。

なのに、多くの企業が人や組織作り、文化形成で頭を抱えています。

そしていつしか「仕方ないか・・・」と諦め、組織に妥協が生じ始めます。

その原因をHeaRでは以下の3つに定義しています。

①組織強化のサイクルが崩れている
②組織変革のサイクルを理解できていない
③企業文化の浸透方法を正しく理解できていない

逆にこれらを解決することで、組織文化形成は従来よりも確実に強化されるはずです。

例えば、企業文化の形成で悩んでいる企業は、同時に採用に課題を感じているケースも多く、常に「人」や「文化」で手こずってしまっているのです。

では、その理由を一つずつ見ていきましょう。

組織に妥協が生じる理由は〇〇が出来ていないから?

よくあるのが、
「この人うちと合わないけど今辞められても事業が回らなくなる」
「今から新しく採用しようとしてもなかなかうまく行かない・・・」
このような実態から、仕方なく自社に合わない人が会社に残り続け、組織がうまく循環しないケースです。

要は組織に妥協せざるを得ない状況が生じているのです。

本当は妥協したくない。より良い組織を作っていきたいと思うはず…

そもそも、組織強化には3つのサイクルが存在するのをご存知でしょうか?

①代謝 ②採用 ③登用

画像1

組織を強化していくためには代謝→採用→登用のサイクルをうまく回す必要があります。
採用や登用はなんとなくわかるけど、代謝とはどんなものかイメージしづらい方もいるはず。
代謝とは「組織のビジョンやカルチャーに全く合わない人に会社という船を降りて頂くこと」に当たります。
自社に合う人に残って欲しい!全く合わない人には…と思いますが、現実そんなに甘くないですよね。
だからこそ、組織の採用力が試される部分でもあります。
ここで誤解してほしくないのは、採用力があるから自社に合わない人を簡単に切り捨てても良いという話ではないということ。
入り口である採用をしっかり整えながら、入社した全ての人のEXを高め社員が自社で働きやすさを感じバリューを発揮できるような仕組みも同時で整えていく必要があります。

これらのサイクルがあることを理解した上で、実際に組織を変革するための3つのポイントをみていきましょう。

企業変革には「解凍→変革→再凍結」のサイクルが存在する

組織を変革していくためにはこのように、解凍→変革→再凍結のプロセスを踏むことが大切です。(※1)

画像2

多くの企業が変革から入ってしまいがちですが、この3つの段階をしっかり踏んでいくことが重要です。

なぜ変革から入ると危険なのかは、下記を見ていきましょう。

①解凍

解凍とは、組織の現状を把握するところから始まり、何を変えるべきなのかを決めて、それらを実行するための協力者をみつけていくことになります。

ここでポイントとなるのは、『共感』と『共有』

協力者の心の状態を把握せず共感しないと、組織文化の改革の必要性も理解されませんし、ただ情報を共有するだけでは「なぜ自分が?」と重荷になってしまいます。

共有に関しては、「これから組織変えていくぞ!」といったざっくりな命令だけでは共有とはいえません。組織を変革するためには、心理学者のクルト・レヴィンはまず、「今までの組織文化が通用しない」「変えていかなければ会社の経営や組織状態に悪影響を及ぼす」といった現状認識と危機感を社内で共有した上で、新たな取り組みを行なっていくことを伝える必要があると述べています。

社員は組織が変化することに期待だけでなく、不安や恐怖を感じているケースもあります。だからこそそのような気持ちを理解し共感しつつ、情報をしっかりと共有していく必要があります。

②変革

新しい体制や業務プロセスを実行するための具体的なアクションを促し、実際に組織のあり方を移行していくプロセスです。

変革の段階では、ビジョンなどの抽象的なレベルでの共通認識に加え、実際に行動を起こすための現場レベルでの具体的な情報の明文化が必要となります。

解凍フェーズの次は、新しい業務プロセスや新体制のために具体的に学習していくプロセスとなります。変革の必要性が共有されただけでは「認識しただけ」で終わってしまうため、早めに社員一人ひとりが果たすべき役割を社内勉強会などで学習していきます。

③再凍結

変革した内容を組織に定着するまで落とし込むプロセスになります。仕組みづくりや評価制度の適用、フィードバックシステムの構築・変革支援とトレーニングを続けて行なっていく必要があります。

企業文化浸透の秘訣はキーパーソンを見つけること

企業文化を全社規模で一斉に浸透させることは難しいです。

キーパーソンとなる、いわゆる火種、非公式なリーダーから順に浸透させていくことがオススメです。

画像3

火種、非公式なリーダーを見つける際は、以下3つの特徴に当てはまる人を見つけるべきです(当てはまる数が多ければ多いほど良いです)

・モチベーター
・模範者
・ネットワーカー

モチベーター:いつも自然に周りを活気づける者。仕事が退屈でストレスが多い場合でも、より大きな目的と結びつけることによって、人々と働くことの意義を感じるタイプ。

模範者:行動の模範を示す者。しかし、彼ら彼女らは必ずしも規則通りに動くとは限らない。結果を出すために、規則を超えて働くこともある。

ネットワーカー:社内コミュニケーションでハブの役割を担っている者。また経営レイヤーの視点と現場レベルの空気を同時につかむことのできる者。

これらのリーダーをみつけたら次は実際に企業文化を実際に浸透させていく必要がありますが、「そもそも企業文化ってなにで出来ているんだろう?」と疑問を抱き、言語化されていないケースも多いです。

実際に、企業文化を醸成するために必要な要素をみていきましょう。

企業文化を醸成するために必要な3つの要素

企業文化の構成要素は大きく3つの「価値観」「人事制度」「行動」に分類できます。

「価値観」:概念的なもの
ミッション/ビジョン/バリュー/無自覚的な前提 など

「人事制度」:価値観を実現する人事制度
採用/評価/トレーニング/ 組織デザイン/人事規則 など

「行動」:実際に目に見える行動
規範/習慣/言葉遣い/ オフィス/マニュアル など

定めた価値観(MVV)が根付かなければ意味がないので、制度や行動にまで浸透させましょう。

では実際に価値観(ミッション/ビジョン/バリュー)を根付かせるためには様々な活動が必要になりますが、ここで重要なポイントが3つあります。

①明文化する

文章化することで非同期コミュニケーションの場面で利用できるようになります。 例えば入社時に渡したり、1on1時に利用したり。社外とのやりとりにも使えます。

②繰り返しフィードバックする

繰り返さないと、他人には伝わりません。 必要だと思った3-5倍のコミュニケーションが必要なるケースが多いです(かなりのエネルギーが必要になってきます!)どのような行動が良い・悪いか伝え続けるようにしましょう。
実際に事例や想定される場面などを用いて説明するとイメージと記憶の定着が進みます。

③適合する行動を設計する

価値観は行動にまで落とし込まれないと意味がないので、価値観に行動を設計し、粘り強く続けることが求められます。

このような文化作りにおける重要なHeaRの考え方やフレームワークや、50社以上の採用支援・従業員体験支援を通して構築したナレッジをホワイトペーパーとして無料公開しました。

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さいごに

文化や組織づくりは言葉だけで上手くいくものではなく、言語化した上で評価や日々の行動に繋げ実践し社員一人ひとりが体現できるような仕組みづくりが重要です。

組織を強くするための基礎となる文化を見直し、事業を成長させていきましょう!

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参考文献

(※1) 識学総研,「レヴィンの3段階組織変革プロセスに学ぶ、変革を進める上での留意事項とその事例」,2018年12月14日<https://souken.shikigaku.jp/452/>(2020年7月4日参照)