キャンディデートジャーニーマップとは?作り方5ステップとテンプレート・事例【2026年9月更新】

2025-01-26
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2026-09-21

キャンディデートジャーニーマップ(Candidate Journey Map)とは、候補者が自社を知ってから入社するまでの体験を、フェーズとタッチポイントごとに可視化した表です。キャンディデートの意味、カスタマージャーニーマップとの違い、作り方5ステップ、書き込み用のテンプレート、注意点と事例までを解説します。(2026年9月更新)

キャンディデートジャーニーマップ(Candidate Journey Map)とは?

キャンディデートジャーニーマップとは、候補者が自社を知ってから入社に至るまでの体験を、フェーズとタッチポイントごとに可視化した図や表のことです。認知・応募・選考・内定の各段階で、候補者が何に触れ、何を感じ、企業が何を伝えるのかを1枚にまとめます。

近年は、ハイレイヤー層やエンジニアの採用を中心に難易度が上がっています。候補者の体験を細部まで設計しなければ、採用競合に勝てなくなりました。採用競合に負けないため、そして候補者体験を関係者全員で把握するために、一度キャンディデートジャーニーマップを作ってみましょう。

キャンディデート(candidate)の意味

キャンディデート(candidate)は「候補者」を意味する英語です。採用の文脈では、応募者だけでなく、自社をまだ知らない潜在層から内定者までを含めて指します。候補者が選考を通じて得る体験をキャンディデートエクスペリエンス(候補者体験・採用CX)と呼び、キャンディデートジャーニーマップはその体験を設計するための道具です。

カスタマージャーニーマップ・採用CXとの違い

用語対象目的形式
キャンディデートジャーニーマップ候補者(認知〜入社)候補者体験の現状と理想の差を見つけ、施策の優先順位を決めるフェーズ×タッチポイントの表(Excelやスプレッドシートが一般的)
カスタマージャーニーマップ顧客(認知〜購入・継続)顧客の購買行動を理解し、マーケティング施策を設計する行動・感情の流れを描いた図
採用CX(候補者体験)候補者選考を通じた体験の質を高め、志望度と承諾率を上げる考え方・取り組みの総称(マップはその設計図)

考え方はカスタマージャーニーマップと同じですが、採用はタッチポイントの数が多く、実施者も人事・現場・経営陣に分かれます。このため図ではなく、表で管理するのが実務では一般的です。

キャンディデートジャーニーマップを作る目的は何か?

キャンディデートジャーニーマップは、理想と現状のギャップを見つけ、かつ優先順位が分かり、その図からネクストアクションが分かるものを指します。

抽象的に表すとカスタマージャーニーマップのような図にできますが、採用はタッチポイントがとても多いのでエクセルなどの表で表されることが一般的です。

キャンディデートジャーニーマップを作成する前に行うこと

ペルソナ設計

まずはペルソナ設計を行いましょう。上流が固まっていないと具体的な施策の落とし込みが行えなくなってしまいます。

ペルソナの作り方は採用ペルソナの作り方の記事で、テンプレートつきで解説しています。

タッチポイントの洗い出し

候補者との接点(タッチポイント)を一覧化し、そこでどんなことが行われているかを書き出しましょう。

書き出し方は、認知、応募、選考、内定の4フェーズに分け記載していきましょう。

標準的なタッチポイントを洗い出したチェックリストは、採用CXタッチポイント108項目(無料ダウンロード)として配布しています。ゼロから書き出すより、一覧から自社に当てはまるものを選ぶほうが早く進みます。

キャンディデートジャーニーマップの作り方(作成方法)5ステップ

キャンディデートジャーニーマップは、フェーズの設定、候補者の行動と感情の書き出し、タッチポイントごとの訴求設計、現状と理想の色分け、指標の設定の5ステップで作ります。最初から完璧を目指さず、まず1職種・1ペルソナで1枚作りきることが大切です。

STEP1:フェーズを決める

横軸になるフェーズを決めます。基本は認知・応募・選考・内定の4つです。選考が長い企業は、書類選考・一次面接・最終面接のように分けても構いません。入社後の定着まで見たい場合は、内定のあとに入社・オンボーディングを足します。

STEP2:フェーズごとに候補者の行動・思考・感情を書き出す

各フェーズで、ペルソナが何をして、何を考え、どう感じるかを書き出します。想像だけで埋めず、最近入社した社員や選考中の候補者へのヒアリングをもとにしてください。「面接の日程調整に3日かかって不安になった」のような生の声が、あとの施策の根拠になります。

STEP3:タッチポイントごとに訴求を設計する

洗い出したタッチポイントごとに、実施者・狙いたいインサイト・訴求する内容・紐づくファクト・補足資料を埋めます。HeaRでは次のフォーマットを使っています。

「狙いたいインサイト」は、その接点で候補者にどう感じてほしいかです。「紐づくファクト」には、訴求の裏付けになる数字や制度、エピソードを書きます。ファクトが書けないタッチポイントは、訴求が思い込みになっている可能性があります。

STEP4:現状と理想を色分けして優先順位をつける

各タッチポイントに、すでに行っていること・できること・やりたいこと・できないことをプルダウンや色分けで記録します。現状と理想を並べると、どこに差があるかがひと目で分かります。すべてに手をつけるのではなく、「優先して取り組む」「取り組む」「取り組まない」の3段階に分けてください。

STEP5:指標を決めて定期的に更新する

優先して取り組む施策には、フェーズごとの指標を置きます。認知なら求人の閲覧数、応募なら応募率、選考なら通過率と辞退率、内定なら承諾率が基本です。月に1回は数字と照らし合わせてマップを更新しましょう。作って終わりにすると、半年後には実態とずれた表になってしまいます。

書き込み用テンプレート(記入例つき)

縦軸に書き出す項目、横軸にフェーズを置いた基本形です。記入例を参考に、自社のペルソナに合わせて書き換えてください。

項目認知応募選考内定
候補者の行動スカウトを受け取る・SNSで社名を見かける求人票と採用ピッチ資料を読む面接を受ける・社員と話す条件を比べる・家族に相談する
思考・感情どんな会社だろう自分に合うのか不安一緒に働く人を知りたい本当にここで良いのか迷う
タッチポイントスカウトメール・採用広報記事・SNS求人票・採用サイト・採用ピッチ資料日程調整・面接・カジュアル面談オファー面談・内定者フォロー
狙いたいインサイト自分に関係がありそうだ課題も正直に話す会社だこの人たちと働きたいここなら成長できる
訴求する内容と紐づくファクト事業の成長性(導入社数など)仕事内容・評価制度・課題の開示現場社員の声・1日の流れ入社後の役割・キャリアの実例
課題(現状と理想の差)スカウトの返信率が低い応募前に離脱している面接官ごとに説明が違う他社に決めた理由が分からない
施策と優先度文面の個別化(優先)採用ピッチ資料の公開(優先)面接官トレーニング(取り組む)辞退者へのヒアリング(取り組む)

タッチポイントの洗い出しには採用CXタッチポイント108項目、応募フェーズの資料づくりには採用ピッチ資料の事例160選と作り方が参考になります。

選考フェーズの体験づくりはカジュアル面談の進め方、内定フェーズは内定辞退を防ぐ採用CX施策と内定者フォローの解説もあわせて確認すると、施策の欄を埋めやすくなります。

【無料資料】応募から入社までの点検リスト|採用CXのタッチポイント108項目

キャンディデートジャーニーマップを作るメリットは何か?

キャンディデートジャーニーマップを作成することで、3つのメリットがあります。

理想と現状のギャップの洗い出しができる

キャンディデートジャーニーマップを作成することは、現状の施策の状況、自社ができることや目標を達成するための施策の洗い出し、理想と現状のギャップが分かります。

またこれを洗い出すことにより、社としての施策の優先順位が分かるので、ネクストアクションを考えやすくなります。

振り返りの指標ができる

採用の成果が出しづらい企業の特徴として3パターンあります。これらに共通する所は、振り返りの仕組みや指標が作れていないことが原因に多いです。

そのため、キャンディデートジャーニーマップを作成することで、振り返る指標を作成し振り返りの仕組みを作り、採用を円滑に進めることができます。

候補者のインサイトが分かり、他施策に利用できる

キャンディデートジャーニーマップを作成するにあたり、アンケートやインタビューなどを現場メンバーや、現在応募されている候補者の方に行う必要があります。そのため選考で感じたことなど生の声をヒアリングすることができ、キャンディデートジャーニーマップを作成する以外にも他施策で二次利用をすることができます。

デメリットと注意点

キャンディデートジャーニーマップの弱点は、作成と更新に手間がかかることです。次の3点を先に決めておくと、形だけのマップになるのを防げます。

  • 1職種から始める:全職種を一度に作ると、完成する前に止まります。採用の優先度が高い1職種・1ペルソナに絞ってください
  • 想像だけで埋めない:社内の思い込みで書いたマップは、施策の根拠になりません。入社者と辞退者の声を必ず入れます
  • 更新の担当と頻度を決める:採用手法や選考フローが変わるたびに古くなります。月次の振り返りとセットで更新する運用にしましょう

キャンディデートジャーニーマップを作成した際のHeaRの支援事例

ある弊社クライアントのキャンディデートジャーニーマップの作成した際の事例です。キャンディデートジャーニーマップを作成する前に顕在化していた課題は4つありました。

  • 職種ごとに採用担当が分かれているため、具体的な施策を採用チーム全体で把握できていない。
  • 他社が実行している施策をおこなっているが、具体的な効果を考えていない
  • 採用のタッチポイントが多数ある中で、改善すべき事項と優先順位をつけることができない
  • 緊急度が高い、または重要度が高い施策に向き合うことができていない

これらを解決すべくキャンディデートジャーニーマップを作成し、現在ではこのような結果になっております。

  • マネジメント層に加え、採用担当全員がCXの全体像から施策まで把握できている
  • 具体的な効果まで考えて施策を実行しているので、正しいKPIの設計やPDCAが回せるようになった
  • 多くある施策において優先順位をつけて実行と改善を行うことができた
  • 重要度、緊急度で分けることができ、「重要そう」という何となくで施策を行うことが無くなった。

また、上記だけでなく予算算出や施策の意思決定のあいまいだったプロセスの改善にも寄与したという事象も起こりました。

よくある質問

キャンディデートジャーニーマップについて、よく寄せられる質問に回答します。

Q. キャンディデートとはどういう意味ですか?

A. 英語の candidate で、「候補者」を意味します。採用では、応募者だけでなく、まだ自社を知らない潜在層から内定者までを含めて指す言葉として使われます。

Q. キャンディデートジャーニーマップは何で作ればよいですか?

A. Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトが向いています。採用はタッチポイントの数が多く、実施者や優先度の列を足していくため、図よりも表のほうが更新しやすくなります。

Q. 作成にはどのくらいの時間がかかりますか?

A. 1職種・1ペルソナであれば、ヒアリングを含めて2〜4週間が目安です。タッチポイントの洗い出しにチェックリストを使うと、書き出しの時間を大きく短縮できます。

Q. 誰が作るべきですか?

A. 人事が主導し、現場の面接官と最近入社した社員を巻き込むのが理想です。人事だけで作ると、選考中の実態や候補者の本音が抜け落ちやすくなります。

Q. どのくらいの頻度で更新すべきですか?

A. 月に1回、採用の数字を振り返るタイミングで見直すのが目安です。選考フローや利用媒体を変えたとき、辞退が続いたときは、その都度タッチポイントと優先度を更新してください。全体の作り直しは半年から1年に1回で十分です。

Q. 新卒採用と中途採用で分けるべきですか?

A. 分けることをおすすめします。接点になる媒体、選考の期間、意思決定に関わる人(家族や現職の上司など)が異なるため、1枚にまとめると施策の優先順位がぼやけます。

まとめ

キャンディデートジャーニーマップは、候補者の体験をフェーズとタッチポイントごとに可視化し、現状と理想の差から施策の優先順位を決めるための表です。作成は一筋縄ではいきませんが、更新を続けることで振り返りの指標ができ、採用の勝ち筋が見つかりやすくなります。

まずは1職種・1ペルソナで、5つのステップに沿って1枚作りきってみてください。作成の代行や壁打ちのご要望があれば、HeaRにお気軽にご相談ください。

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監修者

大上 諒

代表取締役CEO

HeaR株式会社 代表取締役CEO。累計250社以上の採用支援に従事し、AI-RPOなど次世代の採用ソリューションを開発・提供。「青春の大人を増やす」をミッションに掲げる。

編集者

HeaR編集部

編集部

HeaR株式会社 編集部。累計250社以上の採用支援で得た知見を発信。

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